マイ・テラー 5-2
「なぁ~俺、どーしたらいい?」
まんまとターゲットにされてしまった私。
1人のためにここまで一生懸命になれる可愛さもあったが、
今の状況ははっきり言って、ウザい。
こいつを送検した悠弥を睨むが、
彼は優雅にバナナオレを飲んでいた。
…くそう。
「…もう。わかったから。私も協力するから、ね?」
仕方がないので承諾してしまう私。
そんな私は、ただの善人なのかもしれない。
「あの子に私も遠回しにアプローチ入れるから。」
そう付け加えると、彼はよっしゃ、さんきゅ。と嬉しそうにどこかへ行った。
…男は、単純だ。
彼は特に単純で…そして真っ直ぐだ。
まぁ、それが彼のいいところなのだけど。
「…流石。一発で機嫌治ったな。」
さっき彼を私に押し付けた張本人、悠弥が笑いながらやってきた。
もう少し早く来て、彼を何とかしてくれる気は、
どうやらこの男にはなかったらしい。
「なんだかんだで引き受けんだよな、お前。」
「あんたのせいでしょっ。
…つか、女嫌いじゃなかったんですか?悠弥くん。」
一応、私も女って類なんだけど?とわざと強調させて言ってみる。
「拗ねんなって。
お前は女だけど、仲間っていう類だろ?」
悠弥はそう言って笑った。
少しだけ寂しそうに。
>>