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五話 僕と本当に部屋
「ごめんごめん、こんどこそちゃんとした部屋だよ」
二階に上がり、音羽☆と書かれた看板を通り過ぎたあと着いた部屋。扉は既に開いていて、恐らく六畳程度の部屋である。れっきとした部屋であることは間違いないのだが、
「……荷物置き場?」
段ボール箱が部屋中に散乱していた。
「いやーどうせ使わないだろうと思っていたからね。ま、ごちゃごちゃしてるけど、ゆっくりしてよ」
「片付けないの!?」
おかしい。明らかに人が住める環境ではないことを、隅に生えているキノコが物語っている。
「ちょっと、面倒だし――」
「僕が片付けますから!! ね? ね?」
「このままでも寝れなくは」
「寝れないから!? 雪谷さんあの毒々しいキノコが視界に入ってないの!?」
「あれは、塩で炒めるとおいしいよ」
「雪谷さん……」
眼が本気な輝きを放っていました。