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くの一(女忍者)③~幼き忍者と皇帝孫

くの一(女忍者)は身のこなしが機敏でなければならない。


くの一(女忍者)は内密に徹する。


決して敵に存在を知られてはならない。


密なる存在は忍術で習得されていくのである。


幼女真美子は忍びの足を使い出す。目指すはハプスブルクの皇帝であり厳重な警護警察の目をかいくぐる。

「ハプスブルクのお坊ちゃん(皇帝の孫)にじかにお話しがしたいの」


ハプスブルク皇帝の直系である少年が危険極まりない忍びに加担するわけがないのである。


「父上さまはお坊ちゃんを忍びにしたいのです」


真美子も仲良く道場で剣術を学ぶ皇帝孫に親しみを持つのである。


宮廷に忍びたい真美子。


柱や物陰に潜み厳しい警護の目を盗む。


宵闇に紛れ豪華な宮廷に入るのは至って簡単なこと。

「夜はいけないの。だって私達子供が遅くまで起きているわけがないもの」


警護の交代する僅かな隙を狙い


"影となり"


くの一真美子はまんまと宮廷に忍び込む。


「あれっ?おいなにか今しがた?通っていかないか」

猫が狸が


小さなモノが現れなかったか


正門に立つ警護警察は真美子の影のみ察知した。


???


「気のせいさ。厳重な警護を抜けて敵がいくなんて出来ない」


あらっ私は狸なの?


くの一真美子は多少不満だった。


「宮廷は日本の木造建築と違っている」


屋根裏をつたい歩きが出来ない。


広い御殿フロアをひとつひとつ身を隠して忍びである。


猫よりしなやか


足音はひとつもしないで皇帝孫の部屋を目指す。


トントン


「うん?こんな時間に誰だろう」


皇帝の直系は天上の人である。


下僕はもちろん大臣すらも気軽に孫の部屋にノックなどしないのである。


ノックした音に


来訪者に皇帝孫はびっくりである。


小さな隠密・真美子


「こんにちは!お坊ちゃん」


忍の真美子が"くの一"の姿で現れた。


日本古来の忍びの仮の姿


それが"くの一"忍者である。


「マミコ!びっくりしたよ」


宮廷を自由自在スイスイと忍びを使ってしまう。


真美子は驚く皇帝孫に忍びを頼む。


「師範先生が僕を"ニンジャ"にする?真美子のような忍びになる?」


幼年忍者の男女ペアに仕立てるつもりである。


「師範の日本武術の剣だけで満足していたんだけど」

忍者


(ニンジャ)


忍び


世に姿を見せぬ影の存在にハプスブルク直系は目を輝かせた。


「日本古来の武士が転じてニンジャになるわけか」


身のこなし


忍びとしての天性


ウィーンの宮廷育ちには未知なる世界への誘いであった。


「面白いね。やってみたいや」


皇帝孫が返事をすれば


真美子は


"御意(ぎょい)!"


にっこり


可愛い日本女の笑顔で答えた。


真美子と皇帝孫以外にも道場からは数人が選ばれていた。


「ウィーン道場の剣士にも警護の警察にも極秘にしておく」


師範には師範の考え


武士道の心得


忍者修行は秘密として行われる。


「世に存在がわかってしまっては"忍び"の意味がない」


世を忍ぶ姿!


皇帝孫はハプスブルク皇帝(祖父や父親)にすら秘密主義となってしまった。


「いざゆかん。我ら忍びの剣術なり」


師範は意気揚々である。


「私が仕込んだ武芸諸範。欧州という異国でいかほど通用するか」

日本の武芸を試してみたい!


「父上さま。真美子はしかっと"忍び"をまっとうしたいと思います」


幼女たる真美子は武士の瞳で応えた。

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