やっぱり東雲主任はやさしくない⑥
東雲さんから企画を任されてから2週間経過。
アドバイス内容を咀嚼して、何とか形に仕上がった。
「東雲さん、企画書の確認お願いします」
僕は左隣に座る東雲さんに声を掛けた。
「いいよ~、11時からで良いかな?」
軽い感じの返事がきた。
僕は企画書を時間まで見直す事にした。
「じゃあ、やろうか」
いつものミーティングコーナーに移動。
僕はパソコン画面に企画書を映しながらプレゼンをする。
だいたい30分くらい掛かっただろうか、一通り説明してホッと息をついた。
「うん、良いんじゃない」
東雲さんは“うんうん”と頷いている。
(よっしゃ!)
僕は心の中で小さくガッツポーズした。
「それでね、資料はそのままで良いけど、喋る量を減らそう。
何故かと言うとね、喋るスピードより読むスピードの方が速いから
実際のプレゼンでは聴覚と視覚にズレが出るんだよ、だから喋る量を減らす」
(必要な項目しか喋ってないけど)
僕はちょっとイラっとした。
「いや、書いている事は間違ってないし、削る必要はないんだよ。
逆に資料から削ってしまうと、説明不足を突っ込まれてしまうからね。
“これだけは絶対に言わなきゃダメ”っ事に絞る。
資料が30枚だから1枚30秒で900秒、15分で終わらせる。
ちなみに、15分超えると集中力が落ち始めるから丁度よいと思う。
一回、やってみようか」
(10分も短縮するの?無理じゃね?)
東雲さんの顔を見ると、ニコニコしてる。
(無理って言えない空気だ)
「あとね、想定Q&Aも準備しよう。資料はいらないよ
今からホワイトボードに書くから、口頭で答えられるようにしよう」
東雲さんは、ホワイトボードにペンを走らせる。
珍しく、読みやすい字だった。
みなさん、こんばんは。
何とか企画書が完成しました。
初めて聞く人にも分かりやすい様にまとめたのに
「喋り過ぎだから減らせ」て酷くないですか?
とりあえず言われた通りにするけど、説明削って
重要な事が伝わらなかったらどうするんだろう?
引き続き応援よろしくお願いします。
次回
「東雲主任は口出さない」
2026年公開です。お楽しみに!




