東雲主任は基本に忠実③
9時になった。
「はじめようか」と東雲さんが声を掛けてきた。
フリースペースに移動して
パソコンとノートとペンを準備する。
「業務説明じゃないからメモはいらないよ」
(業務説明じゃなければ何を話すんだ?)
「これ、大切な事だから最初に言うね」
(何を言われるの?)
「新人のミスはトレーナーの責任だから、
覚えた事は自信持って実践して良いよ」
(ノウハウ本みたいな事を言う人いるんだ)
「故意にミスしてもトレーナーの責任ですか?」
ちょっとイジワルな質問をしてみた。
「高木くんは故意にミスする人なのかい?」
「違います!」
質問に質問で返されるとは思わなかった。
「じゃあ、さっきの質問は質問じゃなくなったね」
(どこまで本気で聞いてきたのかな?)
「もう一つ大切な事。
“沈黙は否定なき肯定”として認知されるケースが
多いから気をつけて」
「どういう意味ですか?」
(否定なき肯定って何だ?)
東雲さんはホワイトボードに書き始めた。
“言った≠聞いた
聞いた≠理解した
理解した≠納得した
納得した≠合意した”
「これね、受け手が否定しないと、
話し手は“否定されないから合意された”って
都合良く解釈するのね。
これがトラブルの元になるから気を付けて」
(ああ、これ良くあるパターンだ)
今まで経験した事が文字にされたら腑に落ちた。
この日の説明は以上で、あとは僕の業務経験を
話すだけだった。
みなさん、こんばんは。
やっと業務開始かと思ったのに、
実務説明がないまま1日が終わりました。
東雲主任のキャラ、
緩いのか?緩くないのか?
いまいち掴めません。
2日目終了、相変わらず不安いっぱいです。
みなさん、応援よろしくお願いします。
次回
「東雲主任の口癖」
2026年公開です。お楽しみに!




