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宇宙でひとりぼっちになりまして  作者: 御堂廉


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第八話 おかえり相棒!

 中型ジェネレーターが完成し、小型ジェネレーターが撤去されて置き換わる。

 分析機と分解機ユニットをプラントに設置して、魔物の素材を分析にかけた。


 研究室が出来てから、と思っていたけども魔石も突っ込んだんだけども……。


『簡易分析機ユニット、タスクを開始……最優先タスクは魔石とします』

「まあ、簡易じゃぁまともに解析できそうにないけど……やるだけやっといたほうがいいよね」

『そうですね、研究室が出来てから本格的な分析機が使えるようになりますのでそれが使えるようになるまでの繋として、ある程度進めておくのがよろしいかと……。異常発生!』

「へ?」


 突然、エイダの緊張感のある声が響く。


『簡易分析機、中型コンストラクターよりメッセージ。レベル3制限解除……?なんですか、これは』

「えっ、えっ?どういうこと?」

『分かりません。現在中型コンストラクターと分析器の方で何かが進行しています。制限解除、制限データ一部解放されます。制限解除条件、精神及び思考感応性エネルギー体への接触と入手、分析』

「エイダ?」


 エイダが何かをアナウンスする。

 なんちゃらエネルギー体……が、制限解除の鍵だった?魔力のこと?

 さらにエイダの言葉は続いていく。


『……低精製エナジークリスタル、マギアデバイス制作ユニット、マギアジェネレーターを開放します』


 ……なんか開放された。

 ただ、これ、すごく重要なことなんじゃ?


『……メッセージ終了。簡易分析機が魔物素材の分析を開始』

「えっと。なんかすごいことが起きたっぽいけど」

『どうやら、我々が魔石と定義したこの物質は、レヴィの技術の元となったエネルギーと同等のものだったようです』


 魔石を使って低精製エナジークリスタルを作成可能になった。

 低精製って言葉がついていることから、私達が享受していたエナジークリスタルはこれを更に精製した物、つまりは元になる物質がこれということになる。

 加えて、レーダーと分析機がリンクするようになって魔力の測定が可能になった。

 つまり一つの物質として認知されるようになった……らしい。よくわからんけど。


「えーっと、つまり、魔力を使った何かを作れるようになったってことよね?便利アイテムが」

『そうなります。開放されたマギアデバイス制作ユニットは中型以上のコンストラクターに接続することでエナジークリスタル関連の装備が製作可能なります。加えて、魔物素材の分析、分解、再構成が可能となりました』

「ってことは、あの剣にしようって言ってたやつを素材として何かしらに使えるようになるってこと?」

『はい。強化素材だけでなく、そのまま武器としての製造も可能です。精神及び思考感応性エネルギーと言う言葉から、魔力と呼んでいたエネルギーそのものは、使用者の精神及び思考を読み取り、それに対応する形として変化するエネルギーとなります。我々地球人が知っている原子や電子などには分類されない、不定形で不可視の物質であり、現状我々の技術では観測不可能です。しかし感覚として感じることだけは可能……とのことですね』

「不思議物質ね……。レヴィ星人達は、要するにこの魔法を使いこなしているってことなのね……私達のどれだけ先を行っているのよ」

『分かりません。ただ、これではっきりしたことは、この魔力をエネルギーとして使うことが可能となったことです。空気中からの回収は出来ますが効率はあまり良くないようですね』

「魔物を倒して、魔石を得ることが一番早そうね……」


 あぁ、もう完全にゲームじみてきた。

 まあゲームよりも差し迫った物があるわけだけど……私が生きていくためには必要なものだもんね。


「あ、マギアジェネレーターって?」

『低精製エナジークリスタルを使用して動かすことができるジェネレーターです。全てのジェネレーターと置換可能。燃料に対する効率はエナジークリスタルを使用したものに比べるとかなり劣りますが、小型のものでも現在のジェネレーターよりも効率がいいです』

「本当に夢のエネルギーって感じ。エイダ、優先事項変更。低精製エナジークリスタル制作と、マギアジェネレーターを作成、その後タロスのジェネレーターをこれと交換、作成」

『了解しました。制作に取り掛かります。低精製エナジークリスタル生成開始、マギアジェネレーター生成開始、タロス生成開始。ジェネレーター出力90%』

「待って、壊れる壊れる!!」


 大急ぎで小型ジェネレーター10基を設置し直した。

 ちょっとだけ肩代わりした程度ではあるけど、ジェネレーターの出力が下がって危険域ギリギリではあるけどなんとかなった。

 あっぶな……。

 ジェネレーターを高出力で長時間回すと吹き飛ぶんだよね……。


『中型ジェネレーターならば耐えれる数値でしたが?』

「いや、万が一あれが吹き飛んだらこのプラントがまた更地に逆戻りよ?また一からやり直しとか絶対嫌だからね?」

『失礼しました。安全マージンを大きめに取ります』

「まあエイダが大丈夫って言うなら大丈夫なんでしょうけど。色々と素材がない状況で振り出しだけは本当に勘弁。タロス手に入る目前とかもう悪夢でしか無いし」


 さて。

 色々とやりたいことが増えたけど、まずは……ゴーレムを狩ってこよう。

 岩石砂漠地帯でウロウロしているから探す。

 グレードアップしたレーダーで捉えられるようになってるから、見つけるのは比較的ラクだし……素材と魔石の両面でものすごく美味しい相手だ。

 何よりも生物と違って心が傷まなくて済むし。


 □□□□□□


 ちまちまと燃料を節約しながらゴーレムを狩りに出かける。

 早速見つけたゴーレムは岩石系のやつだった。


「うーんしょっぱい」

『金属元素はあまり取り込まれていなかったようですね』

「できれば金属系が多い奴がいいけどねー」

『現状では種類まで限定して捜索できません、手当たり次第になるかと』

「あ、そうだ。拠点整地とかプラント作成ばっかりやってたからやってなかったけど、私の魔力量どうなってるの?」

『スキャン終了しました、以前のデータと比べます。……以前のデータよりも増えています。敵を倒したときだけでなく、継続スキャンしますか?』

「ん?いいけどなんで?」

『自然増加量もあるかもしれません。また、逆に減少しているときがあれば、何をしたときに減少するのか確認できます』

「あーそっかなるほど……。じゃあ、常時監視で。スーツを危険作業モードにするわね」


 気密スーツを危険作業モードに設定すると、バイタルなどのデータをリアルタイムで常に測定してくれるようになる。

 また、内蔵された簡易スキャナーによって体内スキャンを1分毎に行える。

 ……ヘルメットの装着が必須になる上、消費電力は大幅に上がるわけだが……ATVからの給電を行いながらならばなんとかなるだろうとの判断だった。


「よし、しばらくはこの状態で活動しましょうか」

『ではモニター開始します』

「よろしくー」


 その後5体くらいのゴーレムを狩り……帰路に向かう途中、見たこと無いやつを発見した。


「んー……なんだろあれ」

『スキャン完了しました。当たりです。ゴーレムの亜種のようですが、身体構造が岩石基準ではなく全てが金属元素となっております。また、未知の物質……いえ、情報更新されましたセグア鉱石が含まれています』

「情報更新?んでそのセグア鉱石って何さ」

『魔力が混じった今まで解析不能だったものが、情報開示によって更新されたようです。セグア鉱石はレヴィの言葉の発音を無理やり当てはめたものとなりますので、セグアが何を指すのかは分かりません。しかし、物質の特性として常温で液体の金属になる鉱石とのことです』

「……んーっと、え、普段は固体なの?」

『魔力を通じると液体としての振る舞いを見せ、その形状を自由に変形できるとあります』

「うわぁぉめっちゃ便利そう」


 今までのゴーレムに比べてでかいんだよねあれ。

 そしてなんか刺々しいっていうか。

 まさか全身金属の塊とは!今の私達に必要な素材じゃないの!


 ATVのアクセルを踏み、一気に接近する。

 待ってろ素材!今すぐ『警告!目標から高エネルギー反応、魔法と思われます』


「うぇ!?」


 変な声を出しながら、ハンドルを操作して正面から逃げる。

 と、さっきまで私達がいたところからゴーレムの方まで砂が舞い上がる。


「え、何?何があったの今!」

『セグア鉱石の特性によるものと思われます。伸ばしてムチのようにしたもののようです。当たればこのATVの装甲が数回で破壊される可能性が高いですが、その前に貫かれる危険性があります』

「ちょっ……もう目の前なんだけど……!?」

『掘削を開始します』

「よろしく!」


 攻撃……掘削はエイダに任せた。

 ずっと自分で攻撃してたけど、それは向こうがほぼ無抵抗っていうか、腕を使っての攻撃しかしなかったからだった。

 だけど、こいつは中距離の攻撃手段を持ってるし……ムチのように叩きつけるのではなくて、まっすぐ尖った針を伸ばした場合、このATVの強化窓ガラスを貫かれる。

 どうしても構造上弱いところだから仕方ないけども、とてもじゃないけどこいつの前で隙を晒すわけにはいかなかった。


 まばゆい光がゴーレムから発せられ、どんどんその体が消失していく。

 掘削用レーザーが当たって分解されていく。

 足が消え、腕が消え……そして、全てが消えた。


『ゴーレム消失。大量の素材が手に入りました』

「おお!良かった!私も生きてる!!」

『反応速度はそこまで早くないようです。先程のように速度を上げて対応すればそうそう攻撃を食らうことはないものと思われます』

「ならまあ、また見かけたら回収しちゃいましょ」


 それにしてもゴーレムって、物語とかではすごく苦戦する相手なんだよね普通。

 剣は通じないし、矢も刺さらない。

 大抵は魔法も効かなくて、単純な攻撃力でゴリ押しか、弱点をっていうのが定石なんだけど……。

 まさかの採掘用レーザーがこんなにもぶっ刺さるとは。

 対ゴーレム用武器としてこれほどまでに最高なものはないんじゃなかろうか。


 タロスが使える装備の中にも当然あるし、タロスが使うやつは更に効率がいいやつだから……多分一瞬で消える。

 手持ちの武器で全く歯が立ちそうにないのに、まさかの抜け道だよね……。


 楽に倒せる分には大歓迎だけども。


 拠点に帰るまでに弱そうな魔物を何匹か仕留めて来たけど、ゴーレムも合わせて私の中に流れている魔力はやっぱり増加しているらしい。

 今のところ自然増加に関しては有意な差は見受けられないと言うけど、睡眠時や食事などによって接種されるかもこれから調べていくことになる。

 ……流石に寝てるときとか喰ってるときに気密スーツ着てられないから前後でスキャンしてもらうけども。


「いや大漁大漁!」


 魔物は美味しいとエイダが判断したやつを中心に狩ってきたからお肉が増えた。

 植物系の魔物も何種類か持ち帰ってきたので分析するようにした。

 そして……大量の金属!


 魔法を含む金属……これを魔法金属と呼ぶことにしたわけだけど、初日のドラゴン?の骨と角を回収してきてそれも分析かけたら、角に含まれている金属はやっぱり魔法金属で、ディアダというものらしい。

 セグアもディアダもレヴィの言葉のなので、一応地球での命名規則になんとなく沿って……セグアはセグアム、ディアダはディアダイムと修正しておいた。

 今回知ることが出来た魔法金属であるセグアムは、魔力によって液体として変形する金属。

 体積という縛りはあるけどすごく伸ばせるのは確認済み。さらに強靭さも結構あるし……何よりも見た目以上に重い。

 魔力を通じると使用者の思った通りに一瞬で変形するそうだ。


 そしてディアダイム。

 あのドラゴンの角にあった時点でめちゃくちゃ硬いのは分かっていたけど……やっぱりそのままだった。非常に硬質な金属で魔力によって更に硬くなる。そのくせ靭性もあってまず折れたり欠けたりすることはないらしい。

 後、反則じゃない?って思う効果があって、魔力によって貫通力を上げることができるそうだ。

 つまり、あいつのタックルを食らったら……大抵の装甲に穴が開く。

 エイダによれば現状の装備品で耐えられるものはないとか。

 半端ない……。


 そしてラプトルっぽいやつの爪、私がミスリルって呼んでいたやつにもちゃんと名前がついてた。

 フェルアというらしいのでフェルニウムってことにする。

 これは硬さと靭性が非常に高いバランスで取れている金属で、熱に強く、魔力を通じることによって、高い切断属性が付与されるっぽい。

 素の状態で単分子カッターか超音波カッターかなんかかよってレベルで切れるようなやつが、更に着れるようになるってもうなんだかわからんね……?


 この魔法金属に共通して言えることは、含まれている金属元素などの量などから見てどう考えても重さがおかしいこと。密度とかもだし、それこそその金属の元々持ってる特性が全くと言っていいくらいに変わってる。

 フェルニウムなんかがいい例で、銀が主要素材なのにめちゃくちゃ硬いのだ。

 銀なんて金とどっこいな硬さだよ?

 それがむちゃくちゃ硬い皮をサクッと貫通する程度になるって……。


 何ならモース硬度が遥かに高いはずのダイヤモンドが切れた。

 いやこれ見たとき本当にびっくりしたんだけどね?取れた宝石の中にダイヤモンドがあったわけで、試しにこれ切ってみよう!って思って押し当てたらスッと刃が入ったのだ。

 普通、砕けるとか削り切るのが当たり前のダイヤをだよ?

 紙……いやトマトとか豆腐に包丁のっけたくらいの気軽さで両断されるってどういうことなの。

 それも魔力を使ってないから素の状態でそれ。


 ディアダイムもそうだけど、特性がネジ曲がるかめちゃくちゃ強化される傾向があるような気がするね……。


「ところでエイダ、この魔法金属ってコンストラクターで加工可能なの?」

『はい、可能です。魔法金属を使用した新しいものを作成するのもそうですが、既存のパーツを置き換えることも可能です。また、コーティングという形も取れます』

「ってことは、装甲にディアダイムをコーティングするとかも?」

『可能です。その場合、コーティングの厚みにもよりますが携行火器では傷すらつけられません。フェルニウムの切断属性では傷が付きますし、厚みによっては両断されます』

「フェルニウム強くない!?」


 ただ、コーティングはミクロン単位の薄い塗膜からミリ単位程度だったりするから……そう考えるとその薄さである程度フェルニウムの切断に耐えるってのは凄いことだよね。

 やっぱりディアダイム最強か。


 セグアムはこの2つに比べると普通に柔らかいからどちらに対しても太刀打ちはできそうになかった。

 絡め手用かな?


「セグアムにディアダイムのコーティングとかもできるのかなぁ。形変わるけど」

『ディアダイムに展性や延性は殆どないようですので、難しいかと。また、セグアムがコーティングを突破できないため、例えば球体のセグアムに対してディアダイムのコーティングをした場合、硬い金属球に成り果てます』

「……そっかー。そうそう上手くは行かなそうね」


 2つの金属の良いところをどっちも潰した感じになるのね。意味ねぇ!


『ただ組み合わせとして、ディアダイムを特定の形で成型し、そのディアダイムのケースをセグアムによって弾き飛ばすなり押し出して突き刺すと言った用途なら出来ます』

「おお。……おお!え、もしかしてパイルバンカー作れるんじゃない?」

『なるほど、魔力さえ扱えるならばセグアムを動力としたパイルバンカーは製作可能です。マギアジェネレーターを装備した場合、エネルギー源として魔力を使っているので使用可能かと』

「ロマンだ……ロマンが出来る」


 重機としてのブレーカーみたいな感じでしか現実では使われなかったけど……、杭が飛び出すあれが再現できるそうだ。

 いちいち火薬もいらないし、元に引き戻す機構も打ち出す機構もセグアムの動きで簡単に再現可能だ。

 ディアダイムは魔力を纏って貫通力が増加。

 まさに貫けないものは無い無敵の近接戦闘武器になるのでは。


「……そもそも接近戦するなっつー話でもあるだろうけど……」

『そうですね。できれば接近戦は避けたほうがいいでしょう』

「ならなんで私に剣を作ろうかなんて言ってきたのよ」

『非常時用と思いまして。また、趣味等から考えて好みに合うかと提案したものです』

「……うん、大好き……。剣と魔法よだって!そりゃ剣とかあったらいいなって思うでしょ!」


 ファンタジーバンザイ!でも現実になるのは美味しいところだけで良かったな!!

 誰もいない所で一人ぼっちでサバイバルとか予想もしてないわよ……。

 ……寂しいと思わないのはエイダのおかげかもしれないけど。


 ともかく。

 研究室使わなくても結構詳細なことが分かったし、これなら別に無理に研究室作らなくても……いや、やっぱり作らないとだめね。

 宇宙船を作ろうと思ったら必須になるし、やっぱりこの星の色んなのを一通り調べたい。

 そして多分今よりも分析ができる研究室を作ったら……多分、レヴィ達が見ている世界を見れるんだと思う。


 □□□□□□


 しばらくして、マギアジェネレーターその他一式が出来上がった。

 低精製エナジークリスタルも数個出来上がり、それを動力とした……タロスがその翌日に出来上がった。


「早いわね……」

『処理速度は小型コンストラクターとは桁が違います。並列作業と処理速度向上によって……』

「あ、うん。早いならいいのよそれで。私としてはタロスが出来上がったからそれでいいの。もうそれが全てと言っても過言ではないの!!」

『ではタロスの出力を』

「おっけぇぇぇ!」


 コンストラクションツールもアップグレードされて、大型の機械類も一気に出力できるようになっている。

 タロスの出力は通常ならばパーツに分けて組み上げるけど、ここには組み上げるための設備なんて無い。設計上ですでに組み上げてから、それをそのまま出力する形にするため寝かせた状態での出力となった。


 身長としては5m強ってところ。

 ジェネレーターを換装して小型マギアジェネレーターとして、燃料は低精製エナジークリスタル。

 通常の活動程度であれば長期間活動し続けられる程度の燃料となる。

 ……効率がいいってレベルじゃないんだけど。


 コンストラクションツールを据え置きして出力をかけてしばし。

 30分程度で待ち望んだタロスの全身が出現した。


「おお……やっと、やっとタロスが……!私のタロスが!!よし君はこれからアルビオンよ!」

『アルビオン……ギリシア神話の巨人の名前、ブリテン島の名称ですね』

「後者は知らなかったけど……うん、神話の巨人。ヘラクレスに倒されちゃったんだったかな?」


 自分の機体を持てたら名前をつけたいって思ってずっと温めてたやつ。

 まあ、専用機なんてのは無くって、自分に割り当てられた機体ってことになるわけだったんだけど……でもここでは完全に私のもの。

 ゴツくてメカメカしいというか重機じみた見た目。

 全体的に四角いフォルムなんだけども、これがデフォルトというかスタンダードな状態だ。

 これを基準として、その用途に合わせて下半身や腕などを交換して色々と組み合わせられる。


 今回私が選んだのは……戦闘向きのセッティングとなる。

 軍用機体と言っていいかな。

 なんで使えるのかと思ったんだけども、魔法金属や魔石を分析かけたことによって、レヴィの技術を使ったコンストラクターなどの制限が解除された結果、地球側でセキュリティーとしてかけられていた制限が完全に解除された状態になった。

 つまり……タレットとかももっと強力なものを作れるようになったというわけで。


 機体としては装甲も厚く、重量が増している分出力は大幅に上がられ、速度を出したりジャンプしたりするためのスラスターもついている。

 宇宙空間だけでなく重力下で運用されることも念頭に置いた設計なので、機動力がスタンダードなものと比べると全然違うのだ。

 一応宇宙空間でも使えるけど、その場合には別途スラスターの増設とかバランサーの調整が必要になるみたい。


 まあ何よりも盾と武装がセットで出来るのも嬉しいところ。

 なんせこの世界ってばやばい魔物がうろついてるわけだし。


「……軍用タロスって遠目では見たことあったけど、結構かっこいいわね!」

『通常の作業用のものと互換性はあるので、パーツの交換は可能です。色はこのままでいいですか?』

「問題ないわね。っていうか、ディアダイムのコーティングの部分も全部塗装されてるのね。全然わからないわ」

『量が少ないため追加装甲の部分と盾にしかコーティングできていませんが、今後見つけられることがあったら全体に塗布するのが良いかと思います』

「それは本当にそうよね。さて……それじゃあ、動かしてみますか!」


 いやもうさっきからうっきうきで早く乗りたくて仕方なかったのよね!

ついに搭乗可能なロボットの登場です!

しかも動力が魔法由来のものに換装された強化版。

ロマンですね。


とはいえタロスは巨大というにはさほど大きいものではなく5m~7m程度のものです。

更に大きなタイタン型というものもありますが、現状では出力以前に制作できません。

理由は単純で宇宙用のため、宇宙空間で制作、出力しなければならないのです。

15m程度と大きすぎて重力下だとまともに動けません。……地球上の素材では。

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― 新着の感想 ―
是非!アニメ化までしてスパロボに出て欲しいです!! 最初名前はアルト,アイゼンかと思いましたw  こうなると、最初の謎の敵が、すごく気になるますね。 続きがとても楽しみです!
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