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宇宙でひとりぼっちになりまして  作者: 御堂廉


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第七話 後少し!

 昨日のスキャン結果を色々と解析して……いや、エイダがやってくれましたが、色々面白いことが分かりましたねぇ。

 荒れ地から砂漠……砂砂漠じゃなくて岩砂漠ですが、その辺りにやたらと鉱石が転がっていることだったり、比較的浅い場所に様々な金属が沢山埋まっている事がわかったのです!

 深い所潜らなくて良くなった!


 ということで、前回作ろうとしていたマシンは一旦保留。

 すでに部品としては作ることが出来るようになった採掘レーザーアタッチメントをターレットに乗せてATVに乗せることになりましたね。

 武装を取り付けた側とは反対側についているので、一応の攻撃も可能です。


「資源を節約できて何より」

『どの道、深いところも掘っていかなければなりません。いつかは作ることになるでしょう』

「まあね。でも資源が少ない今は、まだ温存しながら使いたいわよね」


 その時はもうちょっと良いものを作ってみるのも良いかもしれない。


 今日から暫くは荒れ地・砂漠方面でひたすら鉱石回収の作業。


 荒れ地の鉱石を回収しようとATVで現地に行き……初めての採掘レーザーアタッチメントでの試掘をしてみる。


「お、おぉぉぉ?おおおおお!!!!凄い凄い!!」


 簡単に言えばコンストラクションツールの採掘モードの超強化版。

 手持ちのツールだと、3m程度の範囲を掘削できるけど、これは……目測だけど大体15m程度は掘れてる感じ。

 地上から下の方に向けてばーっとやってりゃ勝手にどんどん土が消えていくってわけで。

 まあ流石に正直土ばかりあっても仕方ないので、選択して土だけは近くに固めて出していくことにして……ストレージの方に金属系の素材を突っ込むように設定している。

 ガンガン溜まってるよ!

 しかも何がいいって外に出なくて良いのが良い。


「流石にそろそろ外からは無理かな……?」

『スロープを作り、ATVごと内部へと入れます』

「いや、まあ確かに穴は大きいけど……大丈夫なの?」

『問題有りません。この一帯は地表付近は強度がありませんが、地下に進むにつれて強固になっていきます。また、採掘レーザーには崩壊を防ぐシールドを生成しながら掘削できるモードがあります』


 便利……。

 スロープを作るついでにシールドを生成しながらやってみたら、硬いコンクリのような素材が綺麗に壁に生成されていった。

 舗装みたいになるからATVでも歩きやすい。


 鉱脈の方向とかはスキャン結果がマップに表示されるから、そっちの方向に向かって掘り進みつつ、道を作っていうという作業になる。


 こんなド素人でも簡単に出来るなんて……本当に最高としか言いようがない。


 その後も幾つかの場所を掘っては改修を繰り返して、さて帰ろうかというときに、また変なやつを見つけてしまった。


 人型のなにかだった。


「でかくない?」

『6m程の身長があります。また、構成される組成は生物のそれでは有りえません。保有魔力が多く、未知の攻撃の可能性があります』

「生物じゃない……かぁ。見たままっていうなら、私には岩の巨人に見えるわよ」

『ただの岩石ではなく、様々な鉱物などの塊です。なぜ、動いているのか……』


 エイダが混乱してるって、珍しいわね。

 まあ、ゴーレムとでも言えばいいのかしらねあれ。

 身長6mもの人型がのっしのっしと歩いているのだ。

 生命体ではないとエイダは言っている。けど……動きは生物そのもの。

 やっぱり魔力によって動いているんだと思うけど。


「……なんかこっち来てない?」

『気づいて接近しているようです。退避を』

「いえ、一個だけちょっとやってみてからにするわ」


 外部スピーカーで声をかける。

 エイダによっていろんな言語、発声パターンで同じ内容を繰り返してみるけど、全く聞き入れられないし、返答もない。

 ただ静かに近づいてくる。

 魔法を使う様子はない……のはなんとなく予想していた。

 そして、見上げるほどの距離まで近づいてきた時……。


「採掘レーザー……っと」

『……回収できています。未知の金属が含まれていますが、こちらは別の回収ボックスへと入ります』

「鉱石の塊っていうならねぇ……」


 相手がどれだけ固くても関係ない。

 採掘用レーザーの前に、ゴーレムはあっという間に分解され、私達の素材となった。


 あ、でっかい魔石も手に入りましたよっと。


『回収された鉱物の体積と、あの岩の生物の体積が合いません。回収されたほうは4倍ほどの体積があります』

「めっちゃ美味しい獲物ってことね。あとあいつの名称はゴーレムで」

『了解。ゴーレムで登録します』


 流石にもう、ストレージもいっぱいいっぱいだ。

 一旦基地まで戻って色々と作ろう。


 □□□□□□


 ゴーレムは見つけ次第狩ることにしようと決めた。

 あれはいい獲物。

 だってあれ一体から金・銀・銅・鉄・コバルトにニッケルなんかの基本的なやつから、なぜかアルミが出てきたり錫とか水銀とかまでもういろんなのがまとまって出てくる。

 しかも結構な量。


 多分、魔法とか物理にやたらつよいタイプなんだろうけどね……。

 岩石特効の専用武器と化した採掘用レーザーの前には無力だった。

 強化したら射程伸びるからエイダに強化してもらおう。


 採掘の方でもいろいろ収穫があった。

 宝石類が結構出てきたのも美味しいけど換金出来ないんじゃね……。

 換金できたらお金持ちなのに。


 そのまま使えるならいいけど、そうでない場合は分解して素材として保管する。


 その代わり、レアメタルと言われていた、地球ではごく少量しか無いようなものが鉱脈みたいな感じで一部にそれなりの濃度で分布しているのを発見。

 大量の土の中に少量って感じではあるんだけども、それでも掘るだけで手に入るのは大きい。

 その他にも様々な金属元素が含まれていたりと美味しいところがあった。


 そして……ついに中型コンストラクターを製造できるまでの素材を回収した。

 拠点へと戻って小型コンストラクターにタスクを突っ込む。

 これで並列できるタスクは一つ埋まってしまうけど、それでもまだ2つ同時作業はできるので問題ない。

 その開いているやつで次に作りたいものに使う部品を一部作っておくことにした。


 中型コンストラクターが完成するまで……なんと89時間。

 小型コンストラクターでもこんなにかかるとか……。


『コンストラクターの規模が大きくなるにつれて構造が複雑化していきます。また、製品の一部に関してはブラックボックスで解析できません』

「そうなのよねぇ。全部教えてくれるわけじゃなかったのよねぇ結局」


 技術を教えるとき、そして製品などを提供するとき、重要な部分に関しては製造方法などは全く教えてもらえていないのだ。

 だから地球側ではどうやってもこのコンストラクターみたいな便利アイテムは製造不可能。

 唯一、作ってもらった製品を使うことでこうして作っていける。

 便利なものはだいたいそんな感じ。

 そもそもエナジークリスタルすら購入しているわけで。


 まあそんなに枯渇するほどにエネルギー減少するものじゃないからねあれ。

 基本的に変なことしない限りはほぼ無限に近いエネルギーを取り出せる。

 大きさによって一度に取り出せるエネルギーの大きさは異なるくらいで、だけど。


「中型コンストラクター作ったら……置き場所考えなきゃね」


 小型コンストラクターは軽自動車ほどの大きさ、中型となると大型トラック程度。

 でっかいよね、でも作れるものがかなり幅広くなるし、簡単な分析もできる。

 詳細を分析するために分析機は必須だけども、コンストラクターに接続して使うものだし。

 機能的にはそういったものを兼ねているし、アタッチメントを追加して機能を増やせるのが特徴だ。

 その中には分解機もある。


 当然中型コンストラクターを作ったらまず先にやるのがこの分析機と分解機の生成だ。

 それが終わったら……魔石の解析を行う。


 ちなみに、大型コンストラクターを作ることもできるけど……これはもう一件の家って感じの大きさになる。

 その代わり宇宙船のユニットを生成可能。

 宇宙に出るにはここまで来ないと行けないけど、まず空を飛ぶっていうところまでなら中型で事足りる。

 問題は燃料なんだけども、魔石に一抹の望みをかけている状態。


 そうこうしていたらアグリテックデバイスが出来上がったらしい。

 これである程度の栽培が可能となる。

 でも私が使いたい機能は……成長促進と、遺伝子改変シミュレーションだ。


 サクッと設置して、原種となる作物を登録、遺伝子解析を開始させる。

 仕方ないことだけどこれもある程度時間はかかるけど、終わり次第私達が食べていたような美味しい米や芋なんかになることを願ってシミュレーションをかけていく。

 何世代化繰り返さなきゃならないからそこで成長促進となるわけだ。


『アグリテックデバイス、遺伝子解析開始しました』

「はいはい、後は少し待ってましょうかね」


 それにしても、何年かかるんだろうって絶望していたけど、もうここまで来てしまったのね。

 研究室を構築してやればこのアグリテックデバイスやコンストラクターと接続してさらに詳細な分析ができて、魔石のエネルギーを取り出せるのかもしれない。


「んーさしあたって何か必要なものとかある?1つコンストラクターのタスク空いたから作っておいたほうがいいやつとか」

『エネルギーの生産設備を推奨します。中型コンストラクターを設置した後、起動することができません』

「はぁ!?えっ、うっそでしょ……いやそうか!今燃料で動かしてるんだった……!」

『現状この周辺でエネルギーを生産できるのは太陽光となりますが、効率の面からも難しいです。当面は現状のまま燃料を消費してジェネレーターを動かすしかありません。現在使用中の小型ジェネレーターでは出力が不足するので小型ジェネレーターを9台追加し、中型コンストラクター制作後に中型ジェネレーターと置換するのがよろしいかと』

「おっけ。そうしましょ、ATVのレーザー採掘アタッチメントを伐採用のアタッチメントに交換して燃料を確保しなきゃならないわね……」


 まずはアタッチメントを制作して、周りにある木を伐採しまくって燃料とする。

 そしてアタッチメントを作ったらすぐに小型ジェネレーターの制作をタスクに突っ込んでおく。

 すでにある程度の部品となるものは素材の状態からちまちまと増やしてあったから、かなり制作時間は短縮できるはず……。


 後は私が頑張るしか無いってわけね……。


 □□□□□□


 楽!圧倒的楽!!

 何がって伐採が。

 なんで手でやってたんだろうって思うくらいに楽。


 ATVに伐採用アタッチメントを取り付けて、木の根元を分解、同時に地面から切り離された本体を一気に分解して素材としてコンストラクターへと送り込み……燃料として変換していくというサイクル。


 合間合間に燃料に変換するけど、燃料自体はかなり早く作れるから問題ない。

 作れる量も一度に作れる量の限界まで素材を貯めてから一気にやってる。

 小型とは言えジェネレーターを増やすと一気に減っちゃうのよね……。

 同時に空気中の酸素と水素も回収しながら凝縮してたりもする。これも燃料ね。


 そんで数日が経った頃……目の前にあった森の結構な部分が野原になった。

 ……森林破壊ここに極まれり……ってかんじ?


 周りにあった有用な植物も根こそぎ確保しちゃったから、後に残ってるのは踏み荒らされた土くらいだ。


 ただ、意味もなくこんな広い土地を作り出したわけでもないけどね。


 流石に岸壁の拠点の中で全部色々やるのは無理がある。

 だからこのできた土地を使って、生産と保管の為の施設を作る。

 あくまでも家としての機能は岸壁の方にする予定だから、直接くっつける形で目の前にでかい工場が建つようなものと思えばいい。

 ただバケモンが跳梁跋扈しているようなところだからね……それなりに頑強に作る為に掘削とかで捨てるくらい合った土から作れる材料がごっそり減ることになったわけだけど。


 すでに中型コンストラクターができているけど、まだ小型ジェネレーターが足りない。

 この工場……総合プラントを作り、将来的に設置する設備に関しても場所を確保していく。

 重機の代わりにATVは大活躍。アタッチメントが豊富なのはいいね。


 そうやって頑張りまくって2週間ばかり。

 すげぇ時間かかった。

 なんせ使ってる装備が貧弱すぎる!!

 タロス使った制作なら2日位で終わるのに。

 使えるのがハンディータイプのやつしか無いから今は仕方ないけども。

 とは言え、分厚い鉄筋コンクリートの外側に強化プレートをくっつけためちゃめちゃ丈夫な壁に囲まれた総合プラントが完成した。


 すでに小型ジェネレーターと中型コンストラクター、アグリテックデバイスなんかの拠点内に置いていたものでプラントの方に置いたほうがいいものなんかはそっちに移設済みだ。

 外周にもタレットが設置されて守りも万全。

 ……弾はこれから増産します。

 弾丸制作用に小型コンストラクターもしばらく残しておくことにしたし。


「じゃあ、中型コンストラクター起動!」

『起動確認、ウォームアップ完了まで1分』

「ちなみに小型ジェネレーターの使用量は?」

『現在40%です。中型コンストラクター使用時は80%になる見通しとなります』

「結構ギリギリね……中型ジェネレーターの生産すれば問題ないのよね?」

『中型ジェネレーターは小型ジェネレーター50基分です。中型コンストラクターと同時に現在のすべての設備をフル稼働しても前使用量の30%に届きません』

「これまでみたいにコンストラクター動かすために他の設備止めなくていいのね……!」


 その代わりエネルギーをその分食うということ。

 とりあえずその辺ごっそり消したことで確保した燃料があるけど、それもすぐに尽きてしまう計算だ。


 そのためにするべきことは……。


「タロスの制作と、水力発電設備とケーブルの敷設。結構掛かるけど……」

『現在確保した燃料が尽きる前に実現可能です』


 ギリギリってことね。

 そんでもって実現するには私が頑張るしかない、と。


 分かってはいたけれども私の負担大きすぎませんかね?

 こちとら生身ですわよ!

 でもここを乗り越えればついにタロスの制作が可能になるわけで……そしてタロスは私の専門分野。

 タロスのオペレーターの私だからこそその性能を十二分に引き出せるってわけね。


 ……え?お前訓練しか終わってねぇだろって?シ、シミュレーターではトップ成績でしたし?

 実機でもよどみなく動けるし操作は完璧よ!

 無いのは実戦経験だけ。


 タロスさえあれば、重機の代わりの建築作業やら危険な作業、そしてその頑丈さと器用さを利用した戦闘行為が可能。

 当然のごとくアタッチメントは大量に用意されているし、各部パーツも多岐にわたる。

 基本は人型だけど、速度を犠牲にクローラー式で安定性を増したりもできるわけで。

 なんならいいとこ取りのタイヤからクローラーへ変形するなんて言うやつまである。

 そういう車両タイプのタロスにすると、トレーラーの牽引とかも出来るようになるし本当にいろんなことが可能になるからさっさと作りたい。


 なにせ周辺の資源だけじゃ足りないのだ。

 しばらく遠征もしなきゃならないし、飛行型の機体を使うにはまだ少し早い。

 この星は広いわけだから長距離活動できる装備は必要なわけよね。


 そのために必要なものは色々あるけど、まずはタロスから。

 拠点の設備はエイダが遠隔操作可能だからなんとかなるけど、その為の中継が必要になる。

 なんせ通信設備が全くない未開惑星。

 通信用のアンテナを建てていかないと遠隔操作も出来ないし、物質の転送も出来ない。


 ……うん、正直こっからが本番な気がする。

 今まで生きるのに必死過ぎてタロス作ったら楽勝って思ってたけど……よくよく考えたらここまで来るよりもその先が長いわ。

 なんてこったい。


 一人で文明広げていくってどんな苦行なの……。

 しかもドラゴンに怯えてさ。

 今のところやばい生物って距離を取ることでなんとかなってるけど……空飛んでいるやつの対処は正直今のところ思いつかない。

 ああ、初日のあのドラゴンの骨格、まだ残ってたわね……

 分析機にかけたいし後で持ち帰らないと。


 何にせよ、大きな目標であったタロス制作までもう少し。

 頑張ろう!

インフルエンザで死んでました……。

久しぶりにキツかったです。しかもどっからもらってきたのかわからないし。

人に近づかないようにしてたりとかしてたんだけどなぁ……。

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