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些細な鬱解消

 流れる夢はいつも小学生時代の思い出ばかり。過去にしがみついたまま離れることのできない自分。

 あの頃は恐れるものが無かった。何の不安も将来への道なんか考えることなんて無く無邪気だった。

 成長するにつれ僕の心は老いていく気がする、 まだ高校生だというのに。

 変わり目の前兆はあった。中学にあがって間もない頃、 何の前触れも無く言葉が出しづらい場面に遭遇した。最初の言葉が詰まってでない、 焦った、 人の目が気になりだす多感な時期において言葉が出せないというのは凄く惨めに晒されるものだった。

幸いにもイジメや嫌がらせなどが行われる事は無かった、 人と環境に恵まれていたと実感している。それに背く形で僕の心は徐々に塞ぎ込んでいってしまった。

些細な事でも当事者にとっては深く心に刺さるものだ。声が出しづらくなってから四年、 多人数の場において未だに最初の言葉が出しづらい。

 時折夜に歩くことがある。音楽をながら聴き普段通らない道を行く。田舎というのもあってバリエーションが少なく大体の道は通ってしまったが、 良い景色と呼べるものはまだ見つかっていない。意外な場所だったりするのかな。

 澄んだ冬の空気を大きく吸い込むだけで頬が上がる。ニヤケが表れ多幸感で溢れるのを感じる。こんな些細な事でも。

 あたりめ買って帰ろ。

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