86話 招集状
続き
”ドゴォォォーーンっ!? ドコドコドコ…………“
ーーダngy亜受m略んしsいこうかっsyました…………ーー
ーーいzyっっwおもって、現dhんmかlいー了しまs……ーー
「はぁはぁ…………っ!? ゲホゲホっ!?」
急に体に衝撃が走る。
視界が朦朧とし、いつの間にか膝から崩れ落ち地面の上に転がっていた。
耳から音声が入ってくるがうまく聞き取ることができない。
「…………抜けた……か?」
俺は開口一番、思わず声を漏らし周囲を見渡す。
目の前の上空にはタイム表があり、その下には他プレイヤーの人混みがあった。
つまりーーーー
「ダンジョンから脱出できたか……!?」
俺は歓喜の声を上げる。
あれから絶体絶命の大ピンチだったがなんとか切り抜けることができた。
永遠に続くのかと挫折してしまいそうな一方通行の道。
あの後も気体、固体、液体とトリッキーな攻撃が何度か続いたが、ルシアーネの引き留め効果も相まりギリギリで離脱することができたのだ。
「お兄ちゃんボロボロだよ!? 大丈夫!?」
すると、俺が戻ってきたことに気付いたのか雪が駆け寄って来た。
その後ろには咲と翔の姿もある。
2人も同じダンジョン内に居たが特に問題もなかった様子。
と、いうことはおそらくあのゴッドスライムは俺の居た場所だけに発生したようだった。
「ああ、なんとかな。2人は無事だったんだな?」
「無事も何も俺たちは普通にクリアしたぜ! それよりもカイセイだ! お前、入り口からそんなボロボロになって出てきてどうしちまったんだ!?」
「そうだよ! カイ君だけ異様に出てくるの遅いし、ステータス値見たらドンドン減っていくしで物凄く心配したんだぞ」
3人が心配そうな顔をして覗いてくる。
確か、パーティーメンバーかフレンドのステータスは随時見れた筈。
リアルタイムで俺のステータスが急速に悪化していったのだから、それは何かあったと思う訳だ。
皆んなにもまた心配をかけてしまっていたようだ……。
俺は翔に肩を貸して貰いながら立ち上がり、それに答えた。
「ゴッドスライムっていうExtraモンスターが途中乱入してきたんだ……。レベル9999のとんでもない化け物でタイムアタックどころじゃなかったんだよ。周りにいる人らと一緒に逃げ出してきたんだが、生き残ったのは俺ともう1人の女の子だけだった。ルシアーネにも引き留めて貰って物凄くギリギリの退却戦だったよ全く……」
俺は溜息混じりに一息で状況を述べた。
ステータス値はもう1割以下まで衰弱し、もうそこらの低レベルモンスターですら倒せる怪しい。
挙げ句の果てにあのゴッドスライムの餌食に何人ものプレイヤーがあったのかすら分からずじまい。
今の俺では倒せない本当にとんでもない損害の大災害が降り注いできたものだ……。
「おい……マジかよ!? お嬢の姿も見えないのもそういうことだったのか……。本当に同情するぜ……」
「中でそんなことがあったの!? 無事に戻って来てくれて良かったー」
「僕と翔は何事もなくクリアできたけど、まさかそんなことがあったとはね……。カイ君は本当に災難続きだな……」
3人が驚きつつもどこかもう俺の不運に納得するような目を向ける。
前回のスケルトン将校に引き続き、今回はゴッドスライムというモンスター。
相変わらずextraモンスターともなると、ただ怯え逃げる羽目になってしまうのが悔しい。
「まあ、ステータス回復とルーちゃんのこともあるし、今日はここまでで一度マイホームに戻ると良いよ。多分、僕たちと同じで心配して待っているだろうしね」
咲が今日はもう休むように促してくる。
確かにもうこれ以上モンスターと顔を合わせる気力もない。
レベルも上がらずじまいでステータス回復方法がマイホームでの時間経過回復しかなかった。
それに確認しておかないといけないことも1つある。
「そうだな……。じゃあ、お疲れ。また明日な」
「ああ、ちゃんと疲れ取って寝るんだぞー」
「色々聞きたいことはあるがまた今度だ! カイセイ、じゃあな!」
「お兄ちゃんあとでユキには何があったか詳しく教えてよー」
俺は3人と別れを告げ、そのままマイホームへと直行した。
マイホームへと戻ってきた。
ルシアーネが部屋を忙しなく行き来しているのが見える。
いつもならベッドの上に転がっているか、黒龍のぬいぐるみを弄っているかだが今回は別だ。
別れて以降の俺の無事の心配をずっとしてくれていたようだった……。
「ルシアーネ、ただいーーーー」
「主ー! 遅い! 心配したー」
口を開こうと声をかけた瞬間に彼女がダイレクトダイブしてきた。
俺はそれを両腕で受け止め話を聞く。
「ああ、心配させたな……本当にあの時は助かったぞ!」
「うん。生き延びただけで良かった!」
見上げて答えてくるルシアーネの頭をワサワサと撫でる。
あの時、黒色に変形していた彼女の右腕はいつも通りの銀色に戻っていた。
銃器、銃弾の種類といい、もう俺の把握していない分野を独自でやり遂げている。
ただ刀を振ることしかできない俺とは違い、多種多様で発展応用が効くのがどこか羨ましい。
が、そんな部分に今回もまた俺は助けられた。
「今日はもうやめにしようと思っていたんだが、数時間前にスカーレットさんからメール届いてたんだよな……。間が悪くて見ていなかったが、それを最後に確認しないとな……」
「すっかり忘れてた……。何届いた? 何届いた?」
ルシアーネがピョンピョンと飛び跳ねて聞いてくる。
俺は早速、そのメール画面を開き内容の方を確認してみることにした。
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円卓騎士会議招集状
【炎帝騎士団】のクランメンバー諸君!!
皆、元気にやっているか?
急速にクラン規模が拡大しつつある最中、待ちに待った
この時が遂に来たから通達させて貰ったぞ!!
内容は追って随時公開していくが今後のクラン活動につ
いての重要な話し合いだ!!
その足掛かりに今週末にクラン初の全員が集う
会合を催そうと思う!!
予定が合い次第、是非参加してくれたまえ!!
【場所】神域星第十都市テンバード・クラン本拠地
【時間】TYO 23:00〜
団長:スカーレット
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荘厳なフォントでこんなことが綴られていた。
基本的に連絡の通達というだけで本題の内容については触れられていない。
クランの今後と言っているがこれから本格的に始動していくのだろうか?
スカーレットがスカウトした世界各国のプレイヤー。
一応、自動翻訳機能がセカンドワールド内にはあるが、いざ一同にして顔を合わせるとなると緊張してくるな……。
「週末にクランメンバー全員で集まるらしい。別にバイトも午前中には終わるし何ら問題は無さそうだな」
「円卓騎士? なんかカッコいい!!」
ルシアーネが少し厨二病っぽいタイトル見出しを見て言った。
文面から見ても、初めて会った時の印象とまるで変わらない。
「まあ、まだ数日後だな。今日も色々とあったし体力ももう限界だ。俺はもうログアウトするぞ」
「うん。分かった! 主、お疲れ!」
ようやく長い1日を終えることができた。
この時の俺は長い波乱へと刻々と足を進めていることをつゆ知らず……。
……物凄く遅れました。
……申し訳ないです( ; ; )




