85話 ソロ攻略❾
かなり短いです……。
俺の掛け声とと共に強行突破作戦が開始された。
迫り来るゴッドスライムの黒色の波。
まずは一点集中で癒弓が攻撃箇所を選定し矢を決めに行く。
「『鷹の眼光』ーーーー! 『光聖矢』……ここっす!!」
「『獅子奮迅』ーーーー! やってやれぇ!」
「グレネードランチャー。…………連続発射!!」
“ビュンビュンーーーーパシュっパシュっ!!”
“ボゴォォンボゴォォン…………ヴァゴオオオンヴァゴオオオ!!“
その間に移動を始め次いでルシアーネもまた攻撃を始めた。
ゴッドスライムの波の中に一筋の細い活路が形成されていく。
「走れ! 走れ! 走れ! 全力で走れ!」
「知力、魔力共に切れたっす! 後の攻撃は任せたっす!」
「グレネードランチャー再装填完了。…………発射!!」
俺たちは全速力でゴッドスライムの体内を駆け抜け始める。
回復、攻撃、察知の全てを担っていた癒弓だ。
ゴッドスライムの攻撃をもろに受け、更にこの過労なら致し方ない。
「スライムの攻撃がウチらに向かい始めたっす! や、やばいっす!」
「ここからは刀の間合いだ! 俺が全力で防御する! ルシアーネは引き続き道を拓いてくれ!!」
「分かった!!」
しばらくしていると流石に気付いたのか攻撃の趣向を変えてきた。
体の一部を固体化させ俺たちを全力で襲ってくるようになる。
「おらあああああ!! ……っ!? 危なっ……次、そっちから攻撃がくる避けてくれ!」
俺はゴッドスライムを斬り返しては攻撃を翻していく。
流石に今の俺ではコイツを両断することはできない。
上空から落ちてくる体液まで防ぐことができず、体に付着してはダメージを徐々に負っていた。
「お、奥の通路が見えて来たっす! あともう少しっす! 頑張ってくださいっす!」
体力が徐々に削られコンディションが悪くなってきたその時、遂に光の兆しが見えてきた。
すると、ふとルシアーネが俺の背中から降りて前に立つ。
「数メートルで抜けられる。でも私いたら足手纏いになる」
ルシアーネがそんなことを伝えてきた。
伝えたいことは何となく分かる。
彼女がいる分、被弾が増え武力が削られていた。
更に背中で抱えて走っているから移動にも多少の遅れが生じるのも禁じ得ない。
そして、魔力を見るともう残り僅かとなっている。
ここで敢えて2人で脱出するよりも、生存率を高める為にルシアーネが途中離脱しようと提案しているのだ。
「ここで諦めたちゃダメっすよ! 皆んなで帰ろうって約束したじゃないっすか!!」
癒弓が驚愕したような顔でルシアーネを見た。
生憎、彼女はルシアーネがここで倒れても何ら問題のないことは知らない。
むしろこの感じで言うとリアルのプレイヤーだと勘違いしている筈だ。
ただ今はそれを説明している時間はない。
ルシアーネが俺たちを生かそうとしてくれている。
ならばその提案にのり、しっかりと無事に生き残るまでだ!
「分かった。じゃあ殿を任せるぞ! 頼む!」
「そうっすよね! 流石に……ってお、お兄さん乗り気なんすか!?」
「最後に魔力全部使って道を拓く。一瞬の隙、2人共見逃さないで」
「……ってめっちゃ冷静!? し、死んじゃうんすよ!?」
「うるさい! 早く準備!」
「え、えぇ……。なんかウチだけ泣き喚いていたのが恥ずかしくなってきたっす……」
ルシアーネが右腕を変形させ魔力を全消費した。
俺たちは武器をしまいここから走り抜けることだけに専念する。
「用意できたっす!」
「俺も大丈夫だ。やってくれルシアーネ」
ルシアーネの右腕が異様な形に変形されていく。
シルバーでクールな見た目から黒色で紫色の電気を放つ姿へと変わる。
「フルバースト! 走ってーーーー」
“ビュウウウルルルヴァゴオオオオオオオオオオオオオ!?!?”
空気が揺れ目の前に閃光が走った。
目の前は拓け、後ろには魔力を使い果たし光の泡となっていくルシアーネの姿がある。
「今だ! 駆け抜けろおおおおおおおおお!!!!」
轟音で声が通らない中、声を張り上げて叫んだ。
焼かれヘドロ化したゴッドスライムの追随を切り抜け、全力でスポーン地点へと向かう。
次話でダンジョン回はラストです。




