78話 ソロ攻略②
……スイマセン。(2回目)
ーー経験値6200取得しましたーー
ーー【双対の加護】経験値6200取得しましたーー
ーー経験値4300取得しましたーー
ーー【双対の加護】経験値4300取得しましたーー
ーー経験値5700取得しましたーー
ーー【双対の加護】経験値5700取得しましたーー
ーー経験値7000取得しましたーー
ーー【双対の加護】経験値7000取得しましたーー
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あれから間も無くして俺たちはモンスターを狩り続けていた。
敵のレベルは準ボス級と言ったところ。
単発で何度も出てくる感じで意外にも対処しやすかった。
「結構狩ってきたつもりだったけど、やっぱり1レベル上げるのに時間がかかるようになってきたな……」
「6000まであと9レベル!」
「そうだな。ここのダンジョンを完全攻略したら今日中になるかもしれない」
そんな雑談をしながらも攻略を続ける。
いくつかの別れ道を適宜選択しながら足を進めていた。
「主ストップ! なんかあっちにある!」
しばらくしていると急にルシアーネから声がかかった。
不意に出たルシアーネの金属の右腕が肩を揺さぶる。
意外にも握力が強く、驚き跳ねそうになるが視線をそちらに移した。
「…………あれ? 宝箱だよな……? なんであんなところに?」
前方の右手の隅に金色の宝箱のようなものが置いてあった。
人知れず佇んでおり、普通は素通りしてしまうようなところ。
俺の上で足を休め落ち着いていたルシアーネだからこそ見つけられたような場所にある。
「誰かの拾い忘れか……?」
「主ー! アレ開けたい! いいー?」
すっかり宝箱に魅了されたルシアーネが聞いてきた。
確か、その宝箱の中身は初対面したプレイヤーの所有権となる筈だが……。
まあいい、時間も勿体無いし早く開けて次へと進もう。
「人の物かも知れないから持って帰れないぞ」
「分かってる。すぐ終わらせる。…………卵出す」
そう言ってルシアーネが宝箱に手をかけようとした瞬間ーーーー
『キシシシ……キシシシシシシシシ』
宝箱の蓋が自ずと開き中から舌が伸びてきた。
形状も変化して人間の口みたく歯茎が見え白いギザ歯が生えてくる。
まさか……コイツもモンスターなのか!?
「ルシアーネっ!! 危ない!」
「ん? ………どうしーーーー」
俺が声を上げると同時に宝箱が奇声を上げた。
それからそのまま長い舌がルシアーネを捕らえ、体に噛みついて離さない。
ルシアーネがダメージを受けているようで武力が削れていっている。
「主ーー! 絡み付いてコレ取れない…………」
「大丈夫かルシアーネ!? 今さら敵モンスターのステータスが出てくるのかよ……ステルススキルでも持っているのか!?」
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ミミック Lv.500【体力】50000/50000
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「力弱まって銃ならない……。主、どうしよ……」
「その偽宝箱もモンスターなんだよな……だったら倒せばいいだけだっ!」
俺は驚きで放心していた状態から我に帰る。
すぐに『獅子奮迅』を唱えバフをかけた。
武力が削れている分、いつも通りの火力は出ない。
ならばスキルで打開して一刻も早く勝機を見出すしかない!
幸いなことにルシアーネはまだ大事には至っていない。
噛まれた部分の大分が金属化した右腕。
なおかつ、彼女は以前買った雪兎型の白パーカー防具を着ているからだ。
これらによって多少なりの防御は今のところできている。
が、それがいつまでも保つわけではない……。
「ルシアーネ、ちょっと待ってろ!」
無理に斬り剥がしたりして、ルシアーネがもげたなんてことになったら笑い事では済まされない。
俺は側に駆け寄りミミックの体に屍刀を突き刺す。
「だったら…………これでも喰らいやがれェェェ!」
それから突き刺した刀身をグリグリと抉るように掻き回した。
『ギジィっィィィィ……ギジィっ……ギジっ…………』
ミミックが奇声を上げながら抵抗する。
が、俺は暴れる体を脚で押さえ込みルシアーネの脱出を試みる。
「おらぁぁァァァ! コレでどうだっ!」
「ぬ、抜けたー! ベトベトしてる気持ち悪い…………」
体力が残り1割となったところでようやくルシアーネが抜け出した。
ミミックはもうバテているようで口が180度全開している。
「私の純粋な気持ちを弄んで…………喰らえ!」
すると、機嫌の悪そうなルシアーネが前に出て右腕を剣銃化させた。
そのまま右腕を口の中に突っ込んで、ミミックを切り裂く。
“ブスっ…………”
『ギビィ………………』
最後の一撃はルシアーネの自らの手によって行われた。
剣先で刺された途端、暴れることなく光の泡となって消えてなくなっている。
いつもの如く経験値のアナウンスが流れてきた。
ーー経験値20000取得しましたーー
ーー【双対の加護】経験値20000取得しましたーー
「……じゃあ、先を急ぐか!」
「…………主。このパーカーもう着たくない。ベトベトしててヤダ……」
そう言うとルシアーネがパーカーを脱ぎ出した。
外界に彼女の肌が晒される前に俺は思わず止めに入り、上に羽織っていた黒炎馬龍のアウターを着せる。
「それは仕舞っておくから…………流石に服は着てくれよ……」
俺はルシアーネの無意識さに改めて頭を抱えつつ、何はともあれダンジョン攻略を再開するのだった…………。
……今日ハナントカ2話投稿シマス。
……明日ノストックガナイノデガンバッテカキマス。
……現場カラハ以上デス。
……ドウゾ。




