7話 ゴブリンキング①
予定より2時間ほど遅れました。すいません。
経験値とレベル上昇の通達のアナウンスが鳴り響く。
ーー経験値500取得しましたーー
ーーレベルが1上昇しましたーー
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ーー経験値700取得しましたーー
ーーレベルが1上昇しましたーー
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ーー経験値1000取得しましたーー
ーーレベルが1上昇しましたーー
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ーー経験値1500取得しましたーー
ーーレベルが1上昇しましたーー
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ーー経験値2000取得しましたーー
ーーレベルが1上昇しましたーー
俺とルシアーネは片っ端からゴブリンを狩りまくった。
セカンドワールド内での体の使い方、敵と遭遇した時の対処法などを叩き込むことができた。
「ふぅ……こんなもんか。大分モンスターとの戦闘にも慣れてきたし」
「なかなかに爽快だった」
俺達は経験値を少し貯めたあと木陰で休憩していた。
全ステータスの数値が四桁に突入。
それによって後半にかかるほどスムーズにゴブリンを倒せるようになった。
「このまま上手くいけば、早速明日からダンジョンに潜れるんじゃないか?」
「同意する」
ルシアーネはカチャカチャと色々な武器に変形させながら答える。
そういえば彼女にもステータスが存在するんだろうか?
雪は召喚獣みたいなものとは言っていたが謎のままだ。
「ルシアーネ、お前のステータスって見れたりするか?」
「主であれば可能。私の体に触れてみれば確認できる」
そう言うとルシアーネが左腕を差し出してきた。
こう改めて見てみると彼女は本当にいる少女かのようだ。
機械化していない小さな左手。
触感から体温の何から何まで一般のプレイヤーと変わらない。
「じゃあ、ちょっと失礼するよ」
俺は彼女の左手を握り締めた。
脳内に情報が駆け巡るように入ってくる。
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双対のルシアーネ
【所有者】バンドウカイセイ
【特性】機巧少女
【能力】『双対』所有者に専用加護とスキル付与
『不滅』破壊不可
『銃器』あらゆる銃器に変化可能
『学習』知能、学習能力保持
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「人ともモンスターとも違う表記のステータスだな……はじめからコレ見せてくれれば混乱することなかったのに」
「私は戦闘以外に関しては自発的に動かない主義」
戦闘用のNPCなだけあって戦闘狂ということか。
それとも単なるルシアーネの性格上の問題か?
能力についても色々と興味深いものがある。
暇な時にルシアーネに尋ねて説明でもしてもらおう。
ーー発動条件を満たしましたーー
ーー周囲にExtraモンスターが発生しますーー
突如アナウンスが流れた。
「おいおい、いきなりなんだ? 条件? エクストラ? どういうことだ!?」
「主、落ち着く」
俺は聞き慣れない音声を聴いて周囲を警戒する。
ルシアーネもまた俺と背中合わせになるように、右腕を銃に変え構えた。
「おそらく、今までで一番強い。気配が濃くなってく」
「よく分からないがボスモンスターのお出ましということか……」
すると、前方の方から地響きが聞こえてきた。
木々を薙ぎ倒し近づいてくる。
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ゴブリンキング オス Lv.25【体力】3000/3000
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「……体力が3000もあるぞ!? 化け物だぞコイツ……」
「アサルトライフル。最初から全力フルオートでいく。魔力消費激しい」
「ああ! 勝てればなんでもいいさ! ガンガン使ってくれ!」
軽く身長を二メートル超える巨大ゴブリン。
手に荒々しい木の棍棒を持って、こちらめがけて突進してきた。
『グガォォォォオ!!』
「デカくて速い。反則だろっ……」
「避けて!」
俺とルシアーネは左右に分かれてそれを避ける。
「ルシアーネ!」
「装填完了……発射!」
“ヴァヴァヴァヴァヴァヴァヴァヴァ!!”
ゴブリンキングが悲鳴をあげる。
だがさっきの野良ゴブリンみたいに一筋縄でいかない。
ルシアーネは分が悪いと思ったのか、俺に切り替え雄叫びを上げて突進する。
それから地面にいる俺に向けて、棍棒を振り落とした。
『グガァァァァァ!』
「うおっ!? っぶな……って…………おい、ごほぉっ!!」
「主!」
一振り目を避けたのも束の間、追加攻撃に当たってしまった。
棍棒の振り下げからの振り上げ、更に投擲ときた。
「ゲホッ! そんなのありかよ……舐めてたな」
回避した次の瞬間には、棍棒が脇腹に当たっている。
空中に吹き飛ばされ、そのまま地面に落ちた。
痛覚も現実に比べ軽減されている。
だが、ちゃんとあるようでステータスを見ると体力が半分程削れていた。
「ルシアーネ! 俺はヘイトを集めて逃げに専念する! お前は攻撃を続けろ!」
「了解! すぐ仕留める」
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ゴブリンキング オス Lv.25【体力】2400/3000
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俺はルシアーネの射程範囲内で、ゴブリンキングの攻撃を最小限に抑えながら逃げ回ることにした。
まだ、勝負の行方が決まるのには時間がかかりそうだ……。
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