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67話 食堂

続き


 昼休み。

 生徒指導室から出てきた俺と翔は疲れた表情を浮かべ一息吐く。

 結局のところ、あの騒動は朝だけに収まらず、それはもう大変だった……。

 翔の巻き添えを喰らう形で授業終わり毎に噂を聞きつけた奴らがやってきた。

 それは勿論、名前も顔も知らないし違う学年の奴も来たほどだ。


 生憎、俺一人でそんな量を捌き切れる筈もなく……。

 毎度毎度、教師の手を借りることになってしまったのだが。


 教師らも随分とストレスが溜まっているようで、数人がかりでこっ酷く叱られたというわけだ。


「「はあ…………」」

「お前は『はあ…………』じゃないだろうが! 変なことに巻き込みやがって……」

「悪りぃ悪りぃ! 今日、昼飯なんか奢るからさ! 許してくれよー」


 ゲラゲラ顔で許しを乞う翔。

 怒られ過ぎて精神が疲弊したのかお腹が空いた。

 昼飯一回でチャラにしてくれという話だがのってやろう。

 

「じゃあ……ここは食堂のプレミアム定食で手を打とうとじゃないか」

「お、お前いつも菓子パンじゃねえか! 足元見やがって……アレ一食700円なんだぞ!」

「男に二言はないよなー?」

「おい、もうちょっと気遣えよ! 学生の財布にこれはキツすぎだろっ!」

「じゃあ……ステーキ定食でいいよ」

「流石、親友助かる……って、50円しか変わらないじゃないかよ! はぁ、もういいよそれで……」




 食堂に着いた。

 もう昼休みの終わり頃ということで人は少ない。

 俺の目の前には定価:650円のステーキ定食が置いてある。

 向かい側には少し不機嫌そうな顔をした翔がいる。


「お前分かるか……? 何が悲しくて2人前を頼まなきゃいけないんだ。しかも、俺の方がグレードが低いし……」

「やっぱ値段が張る分、美味いな!」

「……っておい! そういうことじゃねぇよ!」


 そんなこんなで食事を続ける。

 すると、俺はふとあることセカンドワールドでのある出来事を思い出した。


「ああ、そう言えば最近ルシアーネがダンジョンのレベルが低いって言っていたんだよな。俺たちもそこそこ強くなったことだし、次の所在地移動も咲とかと考えたりしてるのか?」


「それは確かにあったな! 俺たちも実は昨日、帝国寄りのダンジョンに行ってきたからな。そこのところも含めて今日、明日一緒に考えようと思っていたんだぜ!」


「じゃあ、まだ未定か……。アワタスト王国には2つしかダンジョンがないと言っていたが、ルシアーネが満足するような何か良い暇つぶしでもあるかな……」


 俺はそんなことを呟きながら箸を進める。


 結局のところ、なんだかんだ冒険者ギルドで依頼を受けるのが良いのか?

 レベルを上げたそうなルシアーネには悪いが、資金を集めることも大切だ。

 それも含めて、モンスターも狩りつつできる依頼がベストなのだが……。

 コレはルシアーネとも要相談だ。


「あっ……そうだ! 良いこと考えたぜ!」

「……っ!? いきなり大きな声出すなよ」


 しばらく2人で静かに食べ進めていた時に翔が立ち上がり言う。

 俺は何事かと思い見るも、勿体振るようにニヤニヤとした顔を浮かべたままだ。


「…………なんだよ?」

「ふふん、教えて欲しいか?」

「気色悪い笑い方するなよ。さっさと教えてくれ」

「そのステーキ一切れくれたら教えてやる!」

「要は、お前もコレが食いたかったんだろ? もってけよ……」

「おう、サンキュー! 良いアイデアがあることは本当なんだぜ?」


 そう言いつつ、一切れ俺の皿から取ってを口に放り込む。

 俺は若干、その面倒臭さに苛立ちしつつも次の言葉を待つ。


「いや、レベルが上がるかどうかまでは疑問だな。成功した時の達成感はヤバい感じ」

「肉はやっただろ? で、結局なんなんだよ?」

「んん…………やっぱ秘密な! 今日の夜、そこ行ってみるからちゃんと空けとけよ! 咲と雪っちも一緒でいつもの時間に集合な!」


 結局、話はお預けになった。

 こういう時、ルシアーネがいれば脅して貰いさっさと吐かせられるのだが……。


 まあ、いいそんなことよりもーーーー



“キンコンカンコーン………………”



「……ったく! お前がくだらないこと喋ってるせいで飯食う時間が……」

「うぉお! やべぇよカイセイ! 俺、次体育の時間だったわ! 着替えないといけないし!」


 予鈴のチャイムが鳴った後、まだ半分しか食べてない皿を急いでかき込む。

 こんな時に限って、なぜ噛みごたえのあるステーキ定食にしてしまったのか……。


「モグゥモグゥ…………っしゃぁ! 完食! カイセイお先にーーーー」

「待て! 追加で俺のも食ってけ。肉が食いたいんだろう?」

「おい、マジで遅れるって! 俺、本当に次体育なんだよ! もう! モグゥモグゥ……」

「おっ! イケる口だな。やっぱ食事後にはデザートだよな? 味変も兼ねて……ほらやるよ!」

「お、お前! わざとやってるだろ! 担当の教師、遅刻には厳しいんだって!」

「…………俺たち、親友……だろ?」

「ああ! もう、食ってヤラァァ! モグゥモグゥ…………グヒッ」




 なんとか食事を片し終わり、急いで次の授業へと向かう。

 翔はリスのようにパンパンに口の中に食べ物を詰め込み苦しそうだ。


「あぁ……急がないと急がないと!」

「そうだな。急がないとな」

「……って。おい後2分で始まるぞ! のんびりしてないで早く教室行けよ!」

「ひとつ謝らないといけないことがあったんだが、次、俺……空コマだったわ」

「カイセイ、この裏切り者めがァァァァァ!」



読んでくださりありがとうございます!

今月中は平日の更新が難しそうです……すいません。

書いた分は金土日の週末に溜まっただけ投稿しようと思ってます!

次話は木曜日に更新します。

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