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61話 値段交渉

続き


 俺たちはお目当ての防具へと案内された。

 幾つかの気の惹かれる装備を横目に通り抜け、ようやく対面する。


「どうぞ、こちらになります」

「これが……何というかストリートファッションって感じですね」

「主、これカッコいい!!」


 俺は早速、その防具の能力詳細を確認する。



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 白大蛇のパーカー


【所有者】ナシ

【特性】胴防具


【耐久値】10000/10000

【能力】『捕食者』回避速度上昇、攻撃力上昇

    『蛇肌』弱体化耐性付与


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ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 黒炎馬竜のアウター


【所有者】ナシ

【特性】胴防具


【耐久値】30000/30000

【能力】『炎馬』火耐性・大付与

    『竜鱗』防御力上昇


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ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 鳳凰のジーンズ


【所有者】ナシ

【特性】脚防具


【耐久値】25000/25000

【能力】『飛翔』跳躍上昇、滞空時間上昇

    『滑空』移動速度上昇


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 王牛のスニーカー


【所有者】ナシ

【特性】足防具


【耐久値】30000/30000

【能力】『闘争』全防具能力・小上昇

   

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 マネキンに着せられた4点の防具が一気に紹介された。

 全体的に白を基調としているカジュアルなファッション。

 白のパーカーの上に白黒マダラのアウターが着せられている。

 ジーンズもスニーカーもクールな風に上に合わせられていた。


 防具に備わる能力も随分と良さそうなものばかり。

 俺はもっとファンタジー要素の強めな物を予想していたが違った。

 どちらかと言えば、現実世界の若者の着ていそうな服だ。


「結構私服に近しい感じなんですね」

「はい。出来るだけ軽快に動きやすいようにとのご希望でしたので、一応防御面も考慮つつ速度メインの能力を積んだものを選ばさせて頂きました。試着もできますのでどうぞ!」


 そう言われると、所有者の欄が『バンドウカイセイ・仮』と切り替わる。



ーー一覧の装備を試着しますか?ーー



 俺はその質問を承認する。

 すると、俺の体にさっきの装備がいつの間にか纏われていた。

 肌感覚は随分よく、ちょっとした小物入れなど細部まで凝られている。

 また、初期装備と違い防具ひとつひとつに能力が施されている。

 さっきよりも体感的に体が軽く感じるのは気のせいではないだろう。


「おおっ……! 凄いですね……まるで体が浮かび上がるみたいだ……」


 俺はその場で飛び跳ねたりして使用感も確かめた。

 その結果は全てにおいて良好、外見よし性能よしのとんでもない優れものだ。


「主、カッコいい!」

「おう、ありがとうな」


 ルシアーネの賛同も得られたところ。

 早速これを買い付けたい気持ちが出てきた……。


「予想以上にいいものですね。本題の値段のところは…………」

「お値段の方は全部合わせて金貨600枚でどうでしょうか?」


 『どうでしょうか?』と聞かれても俺は初めてだから相場が分からない。

 一応、単価毎に買うよりかは値引きされているようだ。

 まあ、別に払えなくもないがこれでいいか?

 と、この世界に有識なルシアーネにも確認する為目配せを送る。


「主、金貨500枚まではいけるはず。初めてだからって足元見られてる」

「いえいえ。流石にお客様、そこまでとなると当店が潰れてしまいますのでどうぞお考え直しを」

「原価は200枚もない。私もNPCだからそれくらい分かる。あまり舐めない方がいい」


 どうやら大分ご不満があったようだ。

 ちょっとルシアーネの脅しが怖い…………。

 あの紳士的な対応から騙されそうになったが、相手は商売人だ。

 現金なところもちゃんと持ち合わせているようだ。


「いやはや……お見それしました。大変失礼しました。金貨500枚で……」


 同族だと分かったのか、少し驚いた顔をして譲歩案が出る。

 一方的に言いがかりをつけているように見えるが、相手が引いた。

 その反応をみるに、最初に提示された金額はぼったくりであったようだ。


「迷惑料で金貨450枚」

「さ、流石に当店と致しましてもそこまでは…………」


 だが、ルシアーネさんの値切り交渉に拍車がかかった。

 それに黒髪オールバックの店員が汗をダラダラに流している。

 全くなんて恐ろしい子だ……。


「主、やっぱここの店ダメ。防具も回復薬も別のところで買う」


「いいのか? 銃とか見れなくなるぞ?」


「大丈夫。他にもこの星にはいっぱいお店ある。クラン所属の主に口止め料も払えない、ちゃっちいお店でなくてもいい」


 俺はそう言われるとルシアーネに手を引かれ出口へと向かう。

 すると、ルシアーネのヤクザ紛いな鎌掛けが効いたのか?

 店員はゴマをするように退店しようとする俺たちに声をかけきた。


「お、お待ちください……! ええ、ええ……金貨470枚、470枚でお売りしましょう! まさかクラン所属の方だったとは……」


「私も主と同じパーカー欲しいな」


「……んんぅ……勿論ですとも! 今後共、この『AllーWEPONN』をご贔屓になさってくれると信じて、金貨500枚! 500枚でお嬢様の方にも『白大蛇のパーカー』と同じものをご用意させて頂きます!」


 最後のクラン所属の文言が聞いたのか破格の値段で買えることとなった。

 ルシアーネも随分とご満悦な顔をしている。



 俺はこれを素直に褒めていいのか分からないまま、ひとまずルシアーネの頭を撫でることにしたのだった……。

 

明日更新できないので今日もう1話更新しました。

読んでくださりありがとうございます!

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