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60話 All–WEPONN

続き


 黒スーツを着た客引きの男のNPCに店内を案内されていく。

 辺りには、魔法杖、剣、槍、弓、銃、棍棒、盾、鎧などが展示されている。

 それら全部、ここの雰囲気に似つかわしく興味を惹かれるものばかりだ。


「当店では、ご購入された武器での擬似モンスターを使った試し撃ち、試し斬り専用の部屋のご用意もさせて頂いております」


 羨望(せんぼう)の眼差しを向ける俺たちにその都度説明を挟んでいく。

 高級リゾートホテルのロビーの一角のような場所で、ふと俺は質問した。


「そういえば、俺が買いたいものの相談はまだしていないんですけど……?」


「僭越ながら、お客様の購入されたいものは全身防具だと推察させて頂きました。現在、そちらのコーナーの方に向かっております」


「…………なんで分かっているんですか?」


「プロですので」


 さも、当たり前気に答えられた。

 俺はこの瞬間、その言葉通り本物のプロというものを垣間見たのかもしれない。

 おそらく、全身初期装備に異様に格式高そうなこの刀から推測したんだろう。

 俺はそんなセールス力に思わず感慨してしまった。


「あと、魔力回復薬(マジックポーション)があるなら、予算内で済む範囲で購入を考えているんですけど……」


 最初は少し引き気味だった。

 だが、この人に紹介してもらうのも案外悪くないもしれない。

 武器屋というからには無い可能性の方が高いが、回復薬の方も一応聞いてみることにした。



「もちろん、承りますのでご安心下さい! 当店では一流の【錬金術師】による最高品質の回復薬(ポーション)を取り揃えております。魔力に限らず、

体力回復薬(エナジーポーション)知力回復薬(インテリジェンスポーション)武力回復薬(ミリタリーポーション)万能薬(ユニバーサルポーション)もございますので是非ご検討なさって下さい」





 それからしばらくして24階の防具の売り場へと辿りついた。

 

 この店はどうやらその武器の種類ごとにフロアが区切られているようだった。

 探し求めていた防具に関しては、メンズにレディース、サイズ、能力、レア度など様々な種類がある。

 そのため10階分のフロアにわたって展示販売されていた。


 VRの世界なんだから、タッチパネルかなんかでパパっと済ませてしまえば良さそうなんだが……。


 そう考えてしまうのは多分、俺の貧乏くささと性格に問題があるんだろう。

 高級な店なようだし、一見無駄に見えるものに風情があるんだろう。

 特にここに訪れるプレイヤーはこのショッピングそのものを楽しんでいるはず。

 男性プレイヤーに関しては、直で色々な武器を眺めることができ興奮できる。

 女性プレイヤーに関しては、綺麗、可愛い装備のファッションのコーディネートなんかして楽しむのだろう。


「色々な防具があって逆に困るなぁ…………」

「カッコいいのいっぱいある!」


 そんなこんなで俺はあまりの多さに困惑していた。

 ルシアーネも興奮してあちらこちらへと歩き回っている。

 生憎、俺たちは防具フロアの10階のうちの1フロアにいる訳だから、下のロビーに比べて人は少ない。

 

 むしろ、視界上には誰もいなくておそらく俺たちだけが独占している状態だ。


「もしよろしければ、この私がお見繕い致しましょうか?」


 俺たちの反応に察したのか黒スーツの男が申し出る。

 さっきから痒いところにすぐ手が届いてとても助かる。

 もう初対面の嫌悪感はなくなり、全てこの人に任せてしまおうかと思うほどだ。


「じゃあ、お願いしますね」


「はい、了解致しました。ジョブの方とご使用の武器、それから良ければレベルとステータス数値の振れ幅の方を拝見させて頂いてもよろしいですか?」


 どうやら、ちゃんと俺に合った防具を選んでくれるようだ。


「レベルは5971でジョブは【戦士】。この腰に下げている刀を使っています。ステータスの振れ幅っていうのは上から言っていけば?」


「はい、お願いします」


「体力、武力がほぼ同一。魔力、知力と続いてこれも同じくらいですね」


「ありがとうございます。他に所望する点がございましたらどうぞ!」


「他には…………できるだけ軽快に動ける方がいいですね。防御とスピードどちらかを取るなら、スピードの方を……」


「了解しました。検索をかけるのでしばらくお待ち下さい………………」


 そう言い残すと直立不動で止まる。

 流石、NPCなのか冒険者ギルドの受付嬢と同様にプレイヤーには無い機能が搭載されているらしい。


 ちなみに何故スピードにしたかと言うと俺には『心眼』のスキルがあるからだ。

 無理に防御を上げるより、行動を予測しすぐさま動ける方がいいと思う。

 実際、この軽い初期装備での戦闘に良い意味でも悪い意味でも慣れてしまった。

 今更、戦闘スタイルを変えるのは得策ではない。

 それに小回りが悪くなったら、ルシアーネのサポートにも影響が出そうだ。

 


 数十秒間の静かな時間が流れた。

 すると、俺の望みの防具が見つかったのか再び喋り始める。



「お待たせしました。では、ご案内させて頂きます」





いつも読んでくださりありがとうございます!

明日は更新できるはずです……。

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