58話 滞り
ジャンル別四半期ランキングに載ってました。
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俺はログインしてマイホームにいた。
ルシアーネが床の上にゴロゴロと転がり惚けている。
俺がベットの上に召喚されると、すぐさまこっちに寄ってきた。
「主、冒険! 主、ダンジョン! 主、レベル上げ!」
「ルシアーネはいつも変わらず元気だな」
脚をバタバタとさせ今か今かと待っている様子。
この状態で、今日はモンスターを狩りに行かないと伝えるのは少し心が痛い。
しかし、装備の買い揃えはいつかやっておきたかったこと。
緊急依頼を通して、回復アイテムの有用性も身をもって知ることができた。
資金も金貨1000枚と潤沢にあるし、ここで一度一色揃えておきたいところでもある。
「ルシアーネ……今日は違う予定が入っているんだ」
「違う予定? モンスター狩らない?」
「俺たち2人の装備をようやく整えようと思うんだ。だから今日一日は俺と一緒に買い物に付き合ってくれ」
「装備買う? 付き合う!」
がっかりされるかと思ったがそうでもなかった。
むしろ、好印象だった。
時々、戦闘狂な性格で忘れがちになるがルシアーネは容姿にしても女子だ。
この言動は当然といえば当然なのかもしれない。
「主とお揃いの装備着る!」
「流石に体格差もあるしそれはないんじゃないか……」
まあ、乗り気で何よりだった。
最悪ルシアーネだけでもモンスター狩りに行って貰おう。
なんて、考えていたが大丈夫なようだ。
戦闘ばかりでも飽き足りるが、たまに息抜きでもしてみるのもいいかも知れない。
何せ、セカンドワールドは娯楽の集大成といっても過言ではないからな。
冒険だけのエンターテイメントではない。
今日一日は色んなところに行って堪能し尽くしてやりたい。
「主、主……あと1つ言わないといけないことある」
「……ん? どうしたんだ?」
すると、ふとルシアーネが腕を引っ張り訴えかけてきた。
「もう、ここらへんのダンジョンだとレベル上がらない。もっと強いところ行きたい!」
「レベルが上がらない……?」
俺はステータスを確認してみる。
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バンドウカイセイ 男性 Lv.5971【炎帝の騎士団】
〜〜叡智の星〜〜
【種族】人間
【ジョブ】双対の戦士
【加護】『双対の加護』『戦士の加護』『混沌の加護』
【体力】4398000/4398000
【魔力】3700000/3700000
【知力】3590000/3590000
【武力】4120000/4120000
【経験値】44000/597100
【スキル】『autoレベリング』『獅子奮迅』『心眼』
『封・¿?¿? ¿?¿? ¿?¿?』
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確かにレベルが上がっていないな……。
以前までは『auto レベリング』のスキルで、ログアウトしている間は上げてくれていた。
だが、経験値しか今はあがっていない。
それでも十分凄いことなんだが、目に見える変化が小さくなった。
おそらく、緊急依頼の一件で俺のレベルが極端に上がりすぎてしまったことが原因だ。
元々、アワタスト王国は初心者向けのダンジョンのある地域だ。
今の俺のレベルだけを見て比べるなら、もう脱初心者と言っても過言でない。
むしろ、ここらの難易度ダンジョンでは十分すぎるらしい。
つまり成長のスピードに障害が出てしまっていたようだった。
「そうだな。俺たちは本格的にそろそろ新天地を探した方が良さそうだ。所属地域変更まではあと2週間ちょっとかかるけど。まあ、今からショウ達とも相談して、いい国の目星を付けて置いた方がいいかも知れないな。ルシアーネ、教えてくれてありがとう」
俺はルシアーネの頭を撫でながら答えた。
俺よりむしろ彼女の方が状況を理解できている。
とても頼りになるが、どこか自分が情けなく思えてしまう。
「それでどこで買い物する?」
「そういえば、そこも考えていなかったな……。王都は緊急依頼の影響でまだ十分機能していないだろうし……」
「主、主! それなら【神域星】行きたい!」
神域星?
初めてきく単語だな……どこにあるんだ?
そもそも、行きたいと言って行ける場所にあるのか?
「神域星……?」
「誰でも行ける場所。主、地図開いてみて」
俺は言われた通りにする。
ステータス表示と同じ容量でセカンドワールド内の世界地図が出てきた。
ルシアーネがその画面の上部分を見るように言う。
「世界地図だな……上の方をって…………」
すると、球体状の世界地図の上部分の空白部分に【神域星】。
と、表示された新たな球体の惑星を発見した。
他の地域とは大きく隔てられているのだが……。
「神域星って……まさか本当に惑星のことを言っていたのか? というか、この世界にも宇宙があったのか……」
あまりも大きすぎる世界観の大きさに驚く。
この世界だけでも十分広すぎるのに、まだ他にももう1つ星があるとはな……。
「そこはモンスターも出ない安全地帯。マイホームから誰でもすぐに飛んでいける。色んなのがある」
「つまり、そこにいけばお目当ての買い物もできるってことなのか?」
「うん!」
随分と安定した地のようだ。
俺たちのいる星はまさしく王道の冒険ができる場所。
対して、冒険なんか全くしたくないような安定志向のプレイヤー層が利用している場所なんだろう。
マイホームから直に飛べるというし、なんて便利な場所なんだろうか?
おそらく、別枠のオプション的なものに近そうだ。
「じゃあ、ひとまず今日はその神域星で買い物をするってことでいいか?」
「うん、楽しみ!」
そう言い残すと俺たち2人はマイホームから消えた。
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