44話 ジャイアントメテオタートル戦③
続き
俺達は微々ながらも順調に攻撃を浴びせていた。
白老による空を駆ける斬撃の嵐。
ダダンとルシアーネ、それを補助する俺と咲による銃弾の雨。
スキルを発動し全力で皆の支援に回る翔。
全てが順調にいっていた。
筈が、一つ重大な問題が発生していた。
「爺さん……とんでもないことになってるぞ」
銃撃音が鳴り響く中ダダンが声を張り上げた。
その原因はというとーーーー
「確かに、甲羅が砕けているが……これは考えもしなかった。まさか、それら残骸が消えずに降り注いでくるとは」
空中からジャイアントメテオタートルの残骸が落ちてくる。
攻撃をすればするほどその影響は酷くなっていた。
ボロボロと岩肌が崩れるように小隕石が生み出され続けていたのだ。
はじめはしょうがない物だと無視していた。
だが、攻撃をしている度に降り注いでくるものだからかなり鬱陶しい。
挙句、微々たるダメージしか今のところ入っていない。
そんな状況が俺達を心なしかどこか焦らせていた。
「……厄介だな! おらぁぁぁぁぁぁ!!」
「【断】ーーーー!」
ダダンが重機関銃を振り粉々にしてソレを撃ち落とす。
白老も空間を割くような大斬撃を繰り出した。
それに伴い大岩の小隕石は砂へと変わっていく。
俺はルシアーネの補助に回りながらも体力の確認をした。
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巨大浮城:ジャイアントメテオタートル Lv.130(↑↑)
甲羅 Lv.130(↑↑)【体力】999947855/999999999
頭 Lv.130(↑) 【体力】999999/999999
右腕 Lv.130(↑) 【体力】999999/999999
左腕 Lv.130(↑) 【体力】999999/999999
右脚 Lv.130(↑) 【体力】999999/999999
左脚 Lv.130(↑) 【体力】999999/999999
心臓 Lv.130 【体力】99999/99999
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確か削れてはいるが致命打となるものはない。
10人にも満たないたかが即席のメンバー。
分かってはいたが、ここまでのものかと思うと心が折れてしまいそうになる。
たが、今ダメージを与えている甲羅こそが正念場だ。
俺たちだけでも削れるところまでは削る。
これから着くという白老とダダンのクランメンバーらにバトンパスするのだ。
俺はダダンに渡された何本目か分からない魔力回復薬を口にする。
今もなおルシアーネの右腕の重機関銃は作動している。
ここまでの長期戦は初めての体験だ。
攻撃の爆音が響き渡る中、ドンドンと熱を帯びていく彼女の右腕。
俺はその現実離れした状況に、どこか心の中で戸惑いを潜ませつつも討伐に専念する。
「チっ……マジで埒があかないなコレは……おい坊主、戦士ジョブだったよな?」
「はい! 前に双対ってつきますけど」
「属性なんて今はどうでもいい! 戦士だったら加護で武器バフがはいる筈だ! お前もこっちにきて引き金を引け!」
俺はふとダダンに質問されこちら側にくるように指示される。
「ルシアーネの補助は……」
「金髪の坊主が入れ! もうスキルも切れるだろ?」
「オッサン分かったぜ! カイセイ、ここは俺たちに任せて行ってこい!」
俺は背中を押されダダンの元に向かう。
「それで、俺は何をすれば……」
「ちょっと待ってろ! 今、用意してやる。コイツは帝国のレイド戦で使おうと思っていた試作品の一つだ。難点はあるが……上手く使いこなせ!」
すると俺達の周りに複数の召喚陣が発生していた。
時計の羅針盤のような形をしていてオレンジ色の光を放つ異彩な紋様。
どうやらスキルを発動しているようだった。
「【収納】、試作品を彼方へ!」
スキルを唱え終わると地面の召喚陣から何かが召喚された。
黒々しいメタリックな加工された固定砲台の数々。
その銃口が全てジャイアントメテオタートルに向けられた。
「所有権を一時的に託す! 銃弾は実弾。魔力の消費はないからガンガン使ってくれ!」
そう言われると脳内でアナウンスが鳴った。
ーー固定砲台:スクアッドの所有の承認をしますか?ーー
俺はそれを了承した。
すると、すぐさまその武器の詳細内容が頭に入ってきた。
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固定砲台:スクアッド
【所有者】バンドウカイセイ
【特性】砲台
【能力】『銃弾∞』装填必要なし
『弱化』威力、命中率の低下
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銃弾∞はかなり破格の能力だ。
魔力を消費することもなく、装填時間もとらせない効率能力。
銃を使う者にとって隙が生まれない神的な代物だ。
「ソイツは能力自体は秀でているんだが下のスキル弱体が厄介でな。威力も他のより弱いし命中率も悪いが、俺の作った武器のひとつだ。俺は使わないが、別段全くもって使えないこともない。今の状況、出し惜しんでいる暇もないしな」
どうやら弱体という能力がネックらしい。
だが、俺の戦士の加護とスキルで火力上げをすれば問題ない。
命中率は打っていれば当たる戦法を考えているようだ。
それに関しても最悪『心眼』を使って未来の弾軌道を一度よめばいい話だ。
ダダンは苦肉の策で考えついたよう。
だが、場合が俺にとってはむしろ良策だった。
「使い方は簡単だ! ソイツに触れて視界に出てきた照準にモンスターを合わせる。あとは発射の許可を出したら攻撃開始だ!」
俺はダダンから与えられた固定砲台:スクアッドに触れる。
照準の十字をジャイアントメテオタートルに合わせ上空を指差す。
「ゴーイングホット!!」
俺の掛け声と共に砲撃戦がついに始まった……。
もしかしたら今日もう1話更新するかもしれません。




