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4話 ステータス

続き


ーーユーザー名:バンドウユキからのフレンドの申請が届きましたーー



 どうやって送られてきたのか分からないが雪からの連絡だ。

 さっきの一件といい情報が錯綜しすぎていている。

 自分で解決できないのでここは人の手を借りよう。


 その申請を了承すると再びアナウンスが流れた。



ーーバンドウユキがマイホームへと入室しますーー



「お兄ちゃーん! お邪魔しまーす!」


 すると部屋の扉が開いて一人の女の子が入ってきた。

 白いローブを見に纏い現実とは違った青髪の妹。

 手に杖を持っている(さま)(まさ)しくファンタジー感に溢れている。


「ユキ、その髪どうしたんだ?」


 思わず声が出てしまう。


「いいでしょう? セカンドワールドの中で雰囲気を変えようと染色してみてるんだ。どう? 可愛い?」

「ああ、めちゃクソに可愛いぞ! ってそんなことよりも聞いてくれよー」


 本来の目的を思い出した。

 そのまま【謎の少女:ルシアーネ】の元まで雪の手を引っ張ってくる。

 ちなみに人肌の感覚までも現実世界と変わらなかった。


「見てくれ! 俺がログインした時になんか変な子がいたんだよ! システムの中の存在とか、双対のなんたら。とか訳の分からないことを言い出すんだよ……」


「キャァ! この子、裸じゃないの!? コノ変態お兄ちゃん! なんで脱がしたの!?」


「だから、違うんだって話を聞いてくれー」


 興奮する雪を押さえつけて今まであったことをいちから説明する。

 その間にもルシアーネが動き回り、外套がはだけ大変だった。

 

「……ふぅん? そういうことだったんだ。ユキちゃんはお兄ちゃんのことはじめから信じてたからね」

「本当だぞ。嘘なんかついてないからな?」


 とりあえず話を聞いてもらったあと事情を納得してもらった。

 その間、ルシアーネがぶつくさと訳の分からないことを言っていた。

 俺には理解できなかったが、それを聞いた雪が少し考え込んだ。


「彼女の言っていることが本当なら……お兄ちゃん、ステータスを表示してみて」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 バンドウカイセイ 男性 Lv.1


【種族】人間

【ジョブ】双対の戦士

【加護】『双対の加護』『戦士の加護』


【体力】750/750

【魔力】250/250

【知力】450/450

【武力】620/620

【経験値】0/100


【スキル】『autoレベリング』『獅子奮迅』


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「ステータス? どうやって……って。なんか出たぞ!?」


 雪にそう言われ念じて見るとステータスが表示された。

 色々な文字の羅列が入っいる。


「ちょっと勝手に覗かせてもらうねー。どれどれ? ええ!? お兄ちゃん、最初から加護2つ持ちだよ!」

「加護ってこれのことか。双対と戦士。そんなにすごいものなのかー。あれ? 双対って確か……」


 視線をルシアーネの方に向ける。

 すると彼女はこちらに気付きニコリと笑った。


「それに初期パラメータも私の時よりも高い……。やっぱ現実での影響も受け継いでるんだね」


「現実での影響?」


「そう、現実世界の身体能力とかがセカンドワールドでの初期段階のステータスに反映されるの。と言ってもレベルを上げちゃえば誤差の範囲で済むんだけどね」


 つまり、現実での身体能力が多少ゲームのステータスに作用するということだ。

 雪は女子小学生だから低く、俺は男子高校生だからやや高い。

 軍人やスポーツ選手なんかの類と比べるともっと初期ステータスにひらきがあるんだろう。

 体を構築する情報は全て脳にある。

 セカンドワールドならではができる現実と仮想のコラボレーションだ。


「それでスキルは……」


「いや、そんなことよりそこにいるルシアーネって子のことだよ。ユキは何か分かったのか?」


「ごめんごめん。話が脱線しちゃった。多分、その子はお兄ちゃんと一緒に戦ってくれるNPC。お兄ちゃんの場合レアケースだけど、たまにNPCを引き連れて戦う人も見かけるよ。召喚獣の人形型アンドロイドバージョンみたいなものだと思っていいんじゃない?」


「みたいなものって……」


 まぁ、大体の内容は分かった。

 要するに一緒に冒険をしてくれる仲間ってことでいいんだな?



「腕とか脚を見る限り多分あの子はロボット。それも知能が相当良い方の。なんか凄そうなジョブも貰えて良かったじゃん。よくシステムを知らない初心者がセカワが脳遺伝子から直にユーザー登録しているのを知らずに、新しいゴーグルを買ってリセマラしようとするけどお兄ちゃんに関しては何も問題はないね!」



 不明な点も幾つかは残っているがそのうちやっていけばなれるだろう。

 俺はルシアーネの方に向き直して歩み寄る。


「ルシアーネ、さっきはすまなかったな。俺も初めてで大分混乱して、変なことを言ってたかもしれない」

「うん。大丈夫問題ない」


 ルシアーネは単的にそう答えてくれた。

 彼女のことはまだよく分からないが、おそらくこれから長らく共にする仲。

 今後、気持ちよくゲームをプレイするためにも不安はここで解消しておきたい。


「じゃあ、これからは俺の相棒(パートナー)?みたいな者としてよろしく頼むよ!」

(あるじ)の背中は任せられた」





 この出会いが世界へ駆け上るための第一歩になるとはまだ知る(よし)もなかった……

よろしくお願いします!

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