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27話 昼休みの団欒②

続き


 あれから落ち着いたのか咲と翔は息を整える。

 こぼした茶をティッシュで拭かせて話を続ける。


「だから……100レベル越えか。カイセイお前には驚かされてばっかりだぜ」

「僕はカイ君なら何かしらやってくれると思ってたよ。でも、まさかここまでとはね……。もう僕達とも余裕で中級ダンジョン回れるよ」

「……で、まだ話の続きがあるんだが」


 すると『まだ何かあるのか?』という目を向けてきた。

 

「実はな……スケルトン少佐、中佐、大佐、少将、中将共に出くわしてしまったんだ……」

「「………………は!?」」


 その事を言うと2人は表情を崩す。


「な、な何言ってるんだよ!? 初級ダンジョンに上級モンスターが出てくる訳じゃないか!」

「流石に嘘だよね? そんな話、ネットでも聞いたことないよ?」


 本日何度目かまた取り乱す。

 まさかアイツら上級モンスターだったのか……。

 レベルも桁違いにおかしいし出現する量も凄かった。


「それが本当なんだよ。確か【混沌の加護】ってのを手に入れて、Extraモンスター率の上昇と討伐難易度上昇の加護効果のせいだと思うんだけど」


 そう全てはあの加護のせいだった。

 知らないうちに勝手に手に入れて訳の分からない強敵を呼び寄せた。

 

 待てよ…………。

 俺がこんな加護を持っているせいで今後パーティー活動にも影響が出てくるんじゃないか?


 他人にも迷惑をかける。

 なんて罰当たりなものを手に入れてしまったんだ……。


「…………は、は、はぁぁ!? カイセイお前、加護もう3つ目だろ!?」

「ゴホッゴホッ! なんだよその禍々しい加護は!? カイ君、始めてまだ2日目だよね?」


 翔が興奮して俺の肩を揺さぶる。

 咲も弁当のオカズを不意につまらせる。

 さっきから2人のテンションが著しくおかしい。

 クラスの奴らも何人か振り返って見ているぞ……。


「おい、もしかしてカイセイ一回死んだか? 死んじまったよな……ペナルティーは痛いがコレは仕方ない」

「いや、さっきも言ったが一応生還できたんだが」

「「…………!?」」


 信じられないといった表情だ。

 俺だってあの時のことは今でさえ信じられない。


「俺だって流石に死ぬと思った。でも、運良く強いプレイヤー2人が救援に来てくれたんだよ」

「……って、おいおい。そんな簡単に将校クラスのスケルトンを倒せる人と出会う訳ないだろ?」

「これってユキちゃんも知っているの?」

「ああ、今日の朝話したからな」


 雪も同じ反応をした。

 全部話し終わった後はしばらく放心していて『スゴカッタネー』と呟き続けていた。

 

「そうなんだよな。スカーレットさんとイザベラさんって言うんだけど、スケルトン少将と中将を一撃で葬り去る強さだったんだ。あんな化け物を軽く捻り潰して……そう言えば、俺あの2人からクランに入るよう誘われたんだよな。その時は訳も分からず、為されるがままに入ったけどパーティー組んでいても大丈夫なんだよな?」



“ガタンッ!”



「は、は、はぁぁぁぁぁ!? お、お前クラン入ったのか!?」

「あれ? なんか不味かったか?」


 2人が椅子からずり落ちていた。

 今日一番の反応だ。

 クラスの連中らもこの翔の叫び声を聞いたのか?

 全員こっちを向いて、なんかヒソヒソと何か喋っている。


「クラン、クラン……クランね。この反応だとカイ君はクランってよく知らないよね?」

「詳しくは知らないな。人員100人のレイド戦をする為のものとは聞かされたが……」


 それを聞くと咲は少し呆れたようになる。


「本当に上澄みだけしか知らないんだね。いい? クランはいわば会社。セカンドワールド内でいう希少な営利組織なんだよ」

「会社? どういうことだ?」


 こんなことは聞かされていなかった。

 スカーレットも結構ガサツな感じ。

 イザベラも余計なことには首を突っ込まない感じだ。

 パーティーと同じ感じで入ってしまったが違うのか?


「いい? つまりクランは『セカンドワールド内で現実のお金を稼ぐことができる』組織なんだ。この世界でも1%ほどの人しか所属できなくて、とても珍しいものなんだよ? カイ君はそれにスカウトされたんだよ!」

「……凄いんだな」


 咲が興奮したように力説する。

 放心していた翔もやれやれと言って立ち上がる。

 さっきの液晶板を取り出し検索画面を開いた。


「カイセイ、お前の入ったクラン名とリーダーを教えてくれ」

「……えっと、炎帝騎士団で。団長はさっき言ったスカーレットさんだった筈だ」


 翔がそれを聞き何やら画面に打ち出した。

 咲もそれを覗き込んで見ている。

 クラスの奴らもいきなり自分の液晶板を取り出しいじり始めた。


「本当にあるじゃねえか! 現在の所属人員5名で新設っぽいな。リーダーはスカーレット。人員名の中に……戦士職のNo.3カイセイ」

「…………す、凄いよ!? カイ君!! 全部本当だったんだね!」

「へー。そんなのも分かるのか」


 どうやらクランというのはネットに掲載されているらしい。

 それから今は5人在籍しているらしい。

 俺の他に後から2人加わったのか。


 しばらくしている。

 するとクラスから沸き立つように声が聞こえてきた。


「お前ら見てみろよ! マジであるぞ……」

「……本当じゃないか? いや同名で嘘をついているのもあり得る」

「いやでもさ。バンドウ、セカワやってないとか言っていなかったか?」

「そうだったよな? いやでも昨日、ライモンと話しているのを聞いた気が……」


「バンドウ君ってクラン入ってたのー?」

「サクちゃんと良く話しているの見かけるよね」

「私、サクラバさんと一緒にやった時、彼女レベルが桁違いに違ったんだよ」

「……ってことはカイセイ君って同等以上?」

「もしかして彼、他人には教えないだけで結構やってるのかな?」


「おいおい! マジじゃね?」

「いや嘘だろ……炎帝騎士団? 聞いたことないぞ?」

「いやでも、今5人だぜ! 本当だったらアイツに頼み込んで……」

「でもな、アイツと喋ったの前に一度きりだぞ」


 こんな会話がチラホラと聞こえてくる。

 これを聞いただけでもかなりクランが希少なことがわかる。

 

 でもなんでそれだったら俺が誘われたんだ?

 そんなに稀なものだったらすぐに人数は集まるはずだ。

 それも俺より断然格上のプレイヤーを。

 あの2人の言動と行動がより分からなくなる。


「……なるほどな。でも新設って言うからには誰でも作れるんじゃないのか?」


「それが違うんだカイセイ! パーティーは簡単に作れるがクランは全然違う。クランは営利組織、ニューエッジから公認されて初めて活動できるんだ。セカワ内のイベント、ダンジョン攻略、レイド戦、広告をすることによってゲームの活性化の援助給金を受け取ることができるんだ。つまり【セカワ内で稼いだポイントが現実世界の通貨に変換される】。一種のプロゲーマーみたいになれると言う訳だ」


 凄いことを聞いた。

 つまりゲーム内で活躍すればするほど現実でお給金が貰えると言うことだ。

 ゲームをしているだけで勝手にお金が入ってくる。

 これは皆が必死になってクランに入ろうとする訳だ……。


「でもねカイ君。ショウも言ったように簡単にクランを作れる訳ではないんだ。作るためにはセカワ内で行われるイベントの世界大会で優勝しないといけない。優勝しても定期的に成果を出さないと剥奪されるんだよ。でも皆んなができるわけじじゃない。だから、そのおこぼれを狙ってクランメンバーになるんだ」


 俺にはまだ全然頭が追いつかない話だな……。

 まあ、要するに今回の俺みたいな待遇を欲する人がかなりいるということだ。


 それに、あのスカーレットさんはかなりヤバいらしい……。

 団長と言っているし、彼女もまた何かの世界大会で優勝したという訳だ。


「……マジかよ。クラン設立できるレベルの人がいりゃ、それはスケルトン中将以下なんて屁でもねえ。お前、マジで運良いな……」


「まずは冒険者ギルドに行こう! 今日の夜、僕達も付いて行くからさ? そっちの方が色々と都合がいいんだよ」


「そうなんだな……じゃあ今日の夜10時に集合だな」





数話文章の修正を行いました。

多少読みやすくなっている気がします。

これからも是非宜しくお願いします!

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