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24話 骸骨軍行進ダンジョン❸

続き

 

 俺の目の前に2人のプレイヤーが立っている。

 見たことのない顔だ。


 2人とも洋顔のようで身長は俺と同じくらいだ。

 しかも両方とも女性。

 

 片方は水色のブロンドヘアで眼鏡を掛けている。

 手には黒光りする杖を持ち青いオーラを放つローブを着ている。

 

 もう片方には驚いた。


 彼女は耳のとんがったエルフだった。

 薄ピンク色をしたロングヘアの色白の女性。

 端的に言えば、戦闘用のウエディングドレスのようなものを纏っている。

 背中からは天使を彷彿とさせる翼が生えている。


「……あなた達は?」


 俺はその人らに声をかけた。

 どこから来た?

 スケルトン達に一体何をやった?

 なぜこのタイミングで?

 色々な思いが駆け巡るが、ポツリとその言葉が最初にでた。


「よく聞いてくれたな! 私は炎帝騎士団、団長のスカーレットだ! 少年少女、なかなかに面白い状況になっているな?」


 スカーレットと名乗ったのはエルフの女性だ。

 言動は活気に溢れている。

 紅の瞳に無邪気な笑顔、物凄く綺麗な美人だ。


「自分はイザベラです。一応名前だけ貸してるんですが同じ【クラン】です」


 イザベラは落ち着いた印象だった。

 隣にいるスカーレットとは正反対の抑揚のない喋り。

 彼女もまた負けず劣らずの美人だった。


「そうだ少年少女! 是非、ウチの騎士団に入らないか? 現在2名で活動していて絶賛クランメンバー募集中だ!」


 スカーレットが目を輝かせ俺達の手を取る。

 というか、この状況で何を悠長なことを言っているんだ?

 後ろからは部下のスケルトン大佐が動かなくなり、血相を変えて中将と少将が迫り来ている。

 というか、なぜコイツらは動かなくなったんだ?

 

「……クラン?」


 気力を失ったルシアーネが呟いた。

 俺はあまりの急展開に頭がついて行けず、彼女らの会話に黙って耳を耳を傾けた。


「おっ! 少女興味あるか? っと、その前にイザベラ何やってるんだ! そっちの光っている方も早く止めろ!」

「人使い荒いです。そんなこと言うならスカーレットさんがやってくださいです」

「はぁ!? もっと熱くなれよ!!」


 さすがに目前に迫ったスケルトン中将と少将を思い出したのか。

 俺達から奴らの距離はもう数十メートル。

 数秒後にはたどり着く。

 それなのにそんな状況をもろともしない2人に未だ俺は拍子抜けしていた。


「自分の魔法ではあの銀色の子は抑えられませんです。スカーレットさんの力を是非魅せて欲しいです」

「ふふーん? そうか! そこまで言うなら魅せてやろう!」

「うわーうれしいですー」


 スカーレットはそう言うと拳を構える。

 ですです口調のイザベラはというと、面倒くさそうに一息ついて俺達と同じようにその場に座り込んだ。

 この様子だとこの人も十分やり切れるんじゃないか?


「レベル8888のスケルトン中将1体にレベル7777のスケルトン少将が2体。名も知らない田舎のダンジョンにこんなのがいるなんてな。王国も捨てたものじゃないかもしれんぞ!」

「スカーレットさん、普通は王国レベルのダンジョンにはいないです。物凄くレアケースです。初心者のこの子達には災難すぎです」


 これも全て意味の分からない加護の効果のせい。

 本当に稀過ぎる状況なようだ。


「少年少女達! このスケルトンの経験値は頂くぞ?」

「あっ……はい。お願いします! 俺達には手に余るモンスター達なので是非」

「うん、ありがとう!」


 美形なエルフの顔が無邪気に微笑む。

 俺とルシアーネにはありがたい。

 この様子だとコイツらなんかもろともしないレベルの人達のようだ。

 そんな人らがこの☆×1のダンジョンに寄ってくるなんて正に奇跡的だな。

 俺は感謝の気持ちで一杯になる。


「イザベラ! ひとまずこの有象無象の死骸を片付けてくれ! わざわざ半死させておくなんてむず痒いだろうが!」

「はいはい、分かったです」


 イザベラが座ったまま杖を手に取る。

 クルクルと回転させそのまま地面に打ちつける。


「【凍解(いてどけ)】」



“バキンッーーーーーーーーー”



 イザベラがスキルを唱えると静止していたスケルトン大佐らが一瞬で粉々になる。

 瞬く間に光の泡となり空中へと消えていった。


「!? ……いきなり消滅したぞ」

「何が起こった?」


 俺とルシアーネは目を見張る。

 イザベラはその反応に無表情な顔を少し綻ばせた。


「こっちも見ておけ! 団員2号、3号!」


 スカーレットは対抗心を燃やしたのか俺達に呼びかける。

 いつの間に団員になったのかは知らないが、次の瞬間には空気が淀めき始めていた。


「【炎天】!!」


 スキルを唱えると彼女は瞬く間に全身にピンク色の炎を纏った。

 それから目にも止まらぬ速さでその炎に塗れた白翼で空中へ飛び立つ。


「焼き尽くせ!!」


 スカーレットがスケルトン少将らの間に入る。

 すると、両翼が伸び彼らを全身丸ごと破壊し尽くし燃え広がる。



“ヴァギンッーーーーヴォーヴォー”

“ヴァギンッーーーーヴォーヴォー”



『小賢シイ小娘ガァァ! 目ニモノ見セテクレルワァァァァ!! 【武装】!』


 部下を破壊され激昂したスケルトン中将が寄ってくる。

 彼もまたスキルを発動した。

 銀色の骨が液体状に溶けて中世の騎士鎧のように化けていく。

 歩み寄りも以前よりも早くなり、ついに本気を出した。


 スカーレットが彗星の如く真っ正面に飛び出していく。

 距離を詰めるごとにスピードはどんどん加速され、空気に発散される熱がこちらまでジリジリと当たってくる。


「アハハ! 面白い! 銀騎士のスケルトン! 通称、屑鉄経験値! 頂いたぁぁぁぁ!!」



“ ヴァヴァヴァギィィィィン!! バキバキバキバキ”



 今までに聞いたこともないような金属音が空間を響かせる。

 目の前ではスケルトン中将の銀の防御を破り去ったスカーレットが駆け抜けている。


『クソガギャアアアァァァァ…………』


 痛々しい悲鳴を上げ光の泡になっていくスケルトン中将。

 それを横目に1人喜んでいるスカーレットがいた。


「レベル上昇きたな! イザベラはどうだ?」

「はい、私も来ましたです」




 どうやら倒した本人らには経験値がきたようだ。

 おそらく2人はパーティーなんだろう。

 俺達が諦めていた凶悪なモンスターをものともせず倒せるとは本当に凄いな……。

どうもダンジョン関連の話が続いていてマンネリ化してしまっています……。

次話でラストになりますのでお待ち頂けると助かります。

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