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彼と彼女の恋煩い  作者: ささめ
1/1

おはようございます、ごめんなさい、ごきげんよう(死ね、お兄様)

貴族の階級とかよく知らずにかいています。温かい目で見守ってください。

「お、お、お兄様の、バカーーーっ!」


脱処女の記念すべき朝。私の口をついてでたのは身内への恨み言だった。(無論サイレント)


私は、ルーテシア・クレア・エヴァローズ。この国で知らない人はいない、救国の英雄、ガイアロス・ランバートの娘の入り婿の妹の娘の子だ。(つまり全く関係ない)


そして私は今すごく混乱している。話になんの脈絡もないことから察せられるだろうが、もう一度言う。すごく、混乱している。


……皆さんよろしくて?

久方ぶりに兄と参加した社交の場。

久しぶりすぎて潰れそうな蚤の心臓を抱えて、やっとこさ仮面舞踏会に参加したわけです。(妥協の上の、だ。私はけして舞踏会に行きたかったわけではない。引きこもっていたい。おうち大好き、帰りたい。)

で、会場に行ったはいいものの、緊張で喉が乾いてしまっていて、声も震えて挨拶すらできない状態に…。

兄にそれを言ったらすかさずグラスを手渡された。

めちゃくちゃ感謝した。


まあ、今思えば、その時の兄は、ずいぶんいい顔をしていたのだが、緊張でそれどころではなかった私はそれを一気飲みしてしまった。

実はグラスの中身は酒で、兄が酔った私見たさに悪戯を仕掛けたのだと悟ったのは飲み干したあと。


さすがの私もキレたが、酔いには勝てなかった。


さて、話は変わるが、私には悪癖がある。

それは酒癖が悪いということだ。別に酔って暴れるわけではない。

物語の人物になりきるイタい人になってしまうのだ。

飲んだ酒の酒精が強いほど、量が多いほど、なりきりの精度は増す。

しかも、なりきる人物はランダムで、こないだ誤って果実酒を口にした日には、女海賊のようだった、と家族から申告があった。恥ずかしい。死にたい。


そして今回は運悪く、男にだらしのない悪女になりきってしまったようだ。


下半身が鈍く痛み、身体中赤い跡が付いている。いわゆるキスマークというやつだ。

目覚めたとき私は全裸で、隣には同じく全裸の男性。寝ていたシーツには赤黒い染み。

この際、デブ親父でなかったことを喜ぶべきか、結婚に関して緩い我が家の家訓を崇めるべきか。


ここまで語れば言わずもがな。

して、私がとるべき行動はひとつ。


「し、失礼いたしましたー」


静かに部屋を退却することだった。いやぁ、男の人、すごくぐっすりだったし、邪魔しちゃ悪いよね。けしてなかったことにするわけではない、うん。兄に責任の追求はするとも。未婚を貫く許可も。


男の人も、女慣れしてるだろ。仮面舞踏会に出て、正体不明の女抱くんだから。うん、そうにきまってる。(そうじゃなかったらどうしよう)


……な、なんとかなるでしょ!何かあっても何とかする……!………………………………兄が。

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