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行商人ジンだね

宜しくお願いします。

「遂に.....やっと.....帰って来れたぁあああああ!」


「やったネ!パパ」


「ああ」

長かった.......いつの日かラム達と会えるのだろうか....

おセンチに、なっている場合では無いのだ。喫緊にしなくてはならない事がある。それは生物として当たり前の当然の衝動である。


[ グウゥウウウウウ ]


何時もなの様な可愛らしい音では無く、まるで地下からマグマでも吹き出してくるのでは無いかと思われる地鳴りの様な音が鳴り響いた。今は何でも良いから、とにかく食事がしたかった。食べ物を噛みしめたかったのだ。


「キュラリン、早速食料をゲットしよう」

「はぁ〜い」


キュラは森に、俺は川に行って食材を確保した。


結果.....


「キュラリン.....」

「なぁに?」

「うん、俺達2人だけだよね」

「うん」

「.......................多過ぎじゃね?」

「エヘヘ、パパもね」

「ぐはぁ....」 ああ、そうですよ乱獲ですよ、獲り過ぎましたよ.....だって久しぶりで....楽しくなって....やめられなくなったのです....

「はぁ〜どうするのこの量?」

400人分位ありそうな程積み上げられた動物や植物の数々店でも開けそうだ....店?そうだ行商だよ!

「キュラリン!商売でもしてみるか?」

「しょうばい?」

「しょうばい、するぅ〜」

(見た目のキャップが凄いが、喜んでるからまっいっかぁ、後は言葉遣いかな...まぁボチボチやりましょ)

その辺に転がっていた倒木を集め生成や改変のスキルは残っていた様なので、荷車を完成させたのだ。

(ふふふっ只の荷車じゃ無いんだぜぇ....弾力のある木を使い魔力でコーティングそれを車輪の軸と荷台の間にしならせながら取り付けると....リーフスプリング?の様になりました。要はサスペンションが付いて荷台部分の乗り心地が良くなり、物が壊れにくくなるのです)

とりあえず、捕まえた食材を軽く食べてから荷車に乗せて近くの村まで運ぶ事にしたのだ。

(鮮度を保つ為ちょっとした工夫もね)

俺が荷車を引きキュラは荷台に乗って足をブラブラしながら鼻歌を歌っていた.....アレス並みに上手い...小鳥が彼女の周りに寄ってきてそれはもう、天使様です。

「キュラリン、何の歌だ?」

「エヘヘ、誘惑の....「やめなさい!」

「何でぇ?」

「これから人族の村に向かっているのに、厄介な事になりそうだからだよ」

「分かったぁ」(本当に分かってるのかな?)

木の陰からガタイの良い大男が背中に大剣を担いで出て来る奴がいた。

まぁ索敵で分かっていたんだが....


「おっおい!」 大男が声を掛けて来たのだ。


「何だ?」


「..............」 声を掛けて来てダンマリかよ...


「ん?どうした?」


顔には刀傷が深々とあるコワモテ風の男は何だか様子がおかしかった。

(何だか、目が潤んでるし....)

俺達の積荷を一瞥して....

「お前達は商人か?」

「ああ、これから始めようと思っていたんだ」

「実は....」

この大男は冒険者で、かなりの高ランカーらしいが、話を聞けば、どうやら依頼の獣が何処にもおらず、困っていたところ俺達の荷車にその獲物が積んであるとの事だった。

「売ってくれないか?」

「別に構わないが、相場が分からない」

大男は、モグラの様な獣を指差して金貨2枚と言い出した。

「まぁ構わないが」

「良いのか?助かる」

この大男はどうやら娘の誕生日までには帰ると言って出て来たらしいが、中々見つからずに森を彷徨っていたらしい.....本当に高ランカーなのかな?

「この獣は珍しいのか?」

「当たり前だ!コイツは臆病で気配を感じると地中深く潜ってしまうんだ、その探知能力は1000メートルとも言われている」

「マジで?」

「嘘を言ってどうする」

「でかした、キュラリン」

「エヘヘへ〜」

「まままっま・さ・か・・・彼女が捕まえたのか?」

「そだよ」

「うそ〜ん」

(面白い奴だな...)

「俺はCランク冒険者の吟風(ギンプウ)ってんだヨロシクな」

「ああ、俺はジン、そしてこの子がキュラだ」

「それじゃぁな、何処かで又会ったら宜しく頼む」

「急いでるのか?」

「いや、別に...」

「俺は、腹が減って仕方が無いんだ、良ければ食材も売ってくれないか?」

「ああ、そう言う事か、キュラリンそろそろご飯にするか?」

「するぅ〜」

「もし良ければ、俺達と飯にするか?」

「本当か?良いのかよ」

「ああ、初めてのお客さんだしサービスするよ」

「ありがてぇ」

3人で車座になり、食事を楽しんだ。


「おいおい〜これは、何だよ!魔法か?」

ギンプウは受け取ったモグラを再度見直しついでに積荷も漁りながら驚いていた。

「ああ、そうか....それは腐らない様に魔力でコーティングして冷やしてるんだ、それに獣は仮死状態にしているだけだから生きてるぞ」

「すげぇな....お前...「パっジンですよ!」

「あっああ、ジンは...あっ俺の事はギンとでも呼んでくれ。ところでジンは何処の出身だ?只者じゃ無いだろ、ランクは?」矢継ぎ早に質問責めをされたのだ。

「ああ、俺は難破船に乗っていたらしく記憶が無いんだよ」

「そ...そうか、わりぃ事を聞いちまったな」

「気にしなくて良いよ」

「そこの、キュラ嬢は?」

「ワタシもジンといっしょ〜」

「ははははは、明るい子だな」

「ああ、キュラリンのお陰で助かってるよ」

「商売は初めてなんだろ?」

「そだよ」

「何処か目的の場所はあるのか?」

「いや特に決めていない、この荷を売るだけだからな」

「なら、一緒に行かないか?」

「別に構わないが、良いのか?」

「ああ、俺もこの依頼の品を届けたいしな」

俺、キュラ、ギンの3人はカンテラ村を目指したのだ。

(俺って主要都市ばかり回っていたから集落とかに行った事がほとんど無かったな.....)

カンテラ村には4時間位移動をして到着したのだ....

見た目は.....簡単な丸太を突き刺しただけの砦があるが、隙間だらけで砦の役目を果たしていない....しかし村人は皆んな笑顔で活気もある....

「あっ!」

村の中で異形の魔物と村人が一緒に歩いていた。

「ん?どうした?あの魔物の事か?」

「ああ、大丈夫なのか?」

「ジンは面白い奴だな、あの魔物はペットだよ、最近流行っているらしい」

「はぁ?ペットぉ〜」

「しらねぇのかよ!おくれてやがんな」

「イヤイヤイヤイヤ、マジでぇ?」

「マジもマジだ!番犬として活躍もしているらしいしな」

「はぁ〜〜そうか」

シェルティーの様な魔物だった。目だけは赤く光っているが、尻尾を振り飼い主と歩く様は本当に害が無いのだと思った。


「さてと、ジン達はどうする?冒険者ギルドへ行くか?」

「ああ、そうだな登録したいし一緒に行くよ」

「よっしゃ、コッチだぜ」


[ カララン ]


俺達はギルドに入っていった。

「おお、ギンじゃねぇか、戻るのが遅くって殺られちまったんじゃねぇかって噂していたところだったんだぜェ」 ガハハハハハハハハハハハ

「まぁお前が簡単にくたばるとは思ってないけどよォ」 ガハハハハハハハハハハハ

(元気なオッサンだな...)

「ん?そこの連れは何だ?」

「ああ、紹介するよ、コイツはジンそしてこのお嬢がキュラ俺の友人だ」

「ほぉ〜?珍しい事もあるもんだな....友人ねぇ〜」

「お嬢さん、気をつけな!ギンって奴はなぁ〜」

「おっおい!」

「ムッツリなんだ」

「むっつり?なぁに、それぇ?」

「ああ、それは好きなのに悶々と「ウガァアアアア」


はい、ギン君はキレましたぁ〜何故かキュラに説明している俺に向かってきたので、背負い投げぇ〜♡


「げぇ!」「マジなの」「マジかよ」「スゲェ」

「誰だアイツ」

「ギンを投げ飛ばしやがったぜ」

おやおや?ギルド内が少し騒がしくなっていた。

「イタタタ、ジンやるなぁ....」


「それならぁ、パっ...........ジンも凄ーくムッツリだよぉ〜」

「だよぉ〜」

「だよぉ〜」

「だよぉ〜」


ガラガラガラガラガラガラ・・・・・・


何かが壊れる音と共に俺は....生命活動を停止したのだった........



「って!ちがぁ〜〜〜〜〜う!」



「えっ〜〜だってぇ〜ワタシのム........もがぁもがぁ」

はいこれ以上....口は災いの元って事で.....


「そうか、そうだったのかぁ〜ジンも.....」

あっギンの奴もう復活してやがる!何故か俺を生暖かい目で見てくるんだが....

きっとココで俺が言い訳を言えば言う程...ドツボに....

放っておこう......

「ん?」

何故なのか、ギンがこちらを向いてサムズアップしていた。

(殴ってやりてぇ.......)


「おい、いつになったら俺は登録できるんだ?」

読んで下さり、ありがとうございました。

次回も宜しくお願いします。

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