表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
88/115

絶望の果てだね

宜しくお願いします。

ラム、トゥルス、ディア、ルクリウスの4人が別の男と結婚した衝撃的な映像を見てしまった訳だが、彼女達と積み上げてきた大事な記憶が抜け落ちているせいなのか、もう俺は既に壊れてしまっているのかルキフェル共への怒りが俺の感情を埋め尽くしている為に、彼女達が結婚をした事はそこまでショックを感じなかったのだ。そのショックを感じなかった自分にショックを受けたくらいだ。


さらに時は進み1年を費やしたのだ。

この1年の間、何も無い空間にただ漂っていた訳ではなく、身体に内包する力は日に日に増大していたのだ。(時折激痛が走り気を失う事も有ったが...)身体に何かが染み込んできているのも感覚として分かっていた。封印が掛かっていたスキルも外れた様で自分の思考したものが具現化する。というとんでもない力が解放されていた.....ただ映像を眺めるだけでは気が変になりそうなので、何も無い空間に大地を作り、海、山、湖、大気、擬似的な太陽等々元いた世界の複製を作り出す事をしていた、まぁ一人しかいないから失敗すれば破壊して、又作り直すを繰り返していた....生物を作り出そうともしたが、失敗が続く....作り出し出来たと思った次の瞬間から腐って崩れていく、色々と試行錯誤を繰り返して、たどり着いたのが自分の複製体を作り出す事だった。

作り始めた頃の複製体には問題があった。その問題とは何故か俺の顔が複製されないのだ。理由が全く分からない....鏡を作りだし自分の顔を確認したのだが、顔だけはぼやけて見ることが出来ず、作ったばかりの複製体の顔はのっぺら坊の様にになってしまう.......かなり気味が悪い、仕方がないので複製体の容姿をあのルキフェルそっくりに作り変えて戦闘訓練の相手にしたのだ。

俺のモチベーションはメチャクチャ上がったのは言うまでも無いよね。

その複製体の実力だが複製体を作った時点での俺の力を受け継いでいる為に、俺にとっては厄介この上ない相手なのだ。倒しきるには相当なリスクを伴った。ちなみに初めて戦った時だが開始早々不用意に近付いたせいで左腕の骨を砕かれ相手にアドバンテージを与えてしまったのだ。

マジで俺の方が死ぬかと思った位だ。

この戦闘訓練方法は大正解?すでに150体分の複製体を破壊している。

複製体を破壊する為に新たに作り出した様々な魔法やスキルの習得。そして体術の技術向上に繋がったのだ。


複製体にはもう一つの問題もあり、何故か言葉を発する事が出来無い複製体しか作り出せないのだ。この空間はどこまでも俺を孤独にさせたいみたいだ。

(話し相手が欲しい...)


自分自身がどれほど強くなったのかは確認のしようもないが、きっともう一度あのルキフェルと戦う事があったら、以前の時のような無様は晒さないだろう。


俺と複製体との戦闘は過激さを増して行き、せっかく作った大地が何度も消失する為に別の亜空間を作り出して修練場とした。亜空間は時空間連続体であり4次元空間なので心置きなくリミットステート化して戦う事が出来るのだった。

身体が動かせる様になってからの俺は映像に映る世界に思いを馳せたのだ。今も映像をただ眺めているだけなのだが........今日は様子が少し違った...プエルト国がお祭り騒ぎを起こしていたのだ。デメララが満面の笑みで小柄な男の胸に飛び込む姿が映し出されていたのだ。2度目の結婚式?の様だった。そこで...俺は見てしまったのだ....ラム、ルクリウスの腕にそっと抱かれた赤ん坊の姿を、ディアはお腹が大きくなっている様にも見えたのだ。

[ ぷつん.... ] 頭の中で何かが切れる音がした。

目の前が真っ赤に染まり......

頭の中に過去の記憶がフラッシュバックの様にパラパラと映し出されて行く....

俺は彼女達の事が好きだったのだ...大事にしたかったのだ....だが.......もう......無理だと悟った瞬間だった。

元の世界に帰れたら真っ先にフードの男の元へ行き、奪い返す!と考えていたのだが......今は....もう既に......フードの男との子供を授かっている、そんな事は出来るはずもない....っと......


何もできないこんな所に閉じ込められて居る自分が許せなかった、自分を破壊したくなった....そして.....自分に絶望したのだった。

その瞬間、頭が割れるほど痛くなり顔が身体がバラバラになり悶え苦しみ足掻いていると、顔中が脈打ちだし....意識を失った.....


意識が戻った俺は無感情のままコピーへ注がれ戦って戦って戦い捲ったのだ。のっぺら坊のコピーを相手に........ただの作業と化した戦闘は過激な魔法攻撃へとエスカレートして行き遂には、プラズマ爆発を超える技を繰り出していた。その技を繰り出すと自分自身の身体にもダメージが入り亜空間は消失して元いた空間に強制的に戻ってきてしまうのだ。初めて経験した時は焼け爛れた身体が回復するまでほぼ一日動けなかった。その後も何かに取り憑かれたかの様にコピーを作り亜空間での戦いを繰り返したのだ。のっぺら坊のコピーとの戦いを繰り返せば繰り返すほどに威力も俺に対するダメージも増していくが気にも止めずに繰り返して行く......もう何度亜空間を消失させたか分からなくなって来た時....プラズマ爆発に変化が訪れて破壊力が桁違いに上がったのだ。

元いた空間にも干渉して作り上げていたものが消失していた....浮かんだ映像だけ残して......

(何でこの映像だけは消せねぇんだよ!もう正直見たくない...)

再度同じ爆発を起こし元の空間に戻された直後だった一瞬ではあるが、この世界に揺らぎが生じ青い光の亀裂が走ったのだ。直ぐに消えてしまったが、その揺らぎのを起こすほどの破壊魔法を獲得したのだ。もう元の世界に戻っても仕方がないと分かっていても今はこれしかやる事が無いのだ....何度か試すとコツを掴み亜空間にコピーではなく的を作ってこの魔法を放ち発動条件等を確認していった。

とてつもない破壊の力を手にした俺は、ルキフェルとの再戦を待ち望む様になっていたのだ....ルキフェルが地球を破壊する時に使った技「エンドオブワールド」よりも破壊力は上だろうと思える程に.....


その破壊魔法を俺は超新星爆発(ハイパーノヴァ )と名付けたのだ。

ハイパーノヴァを使う度に生じる空間の揺らぎがあと少し大きくなれば亀裂の発生している時間がもう少し長くなれば.....もしかすると.....


「ん?」



俺の作り上げた空間の大地に真っ白な何かが見えた気がした。



「何だ...アレ?」



明らかに俺が作り出した物とは違うその白く光る物がポツンと浮かび上がっていた。



映像とは違う何か.....だ。



その眩い光に俺はゆっくりとした歩幅から徐々に速度を上げ、気が付けば全力ダッシュをしていた。



段々と白い光を発するものの形が見えて来る。




(あっあれは!)





心臓がの鼓動が高まる。




「うぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」

いつの間にか叫び声を上げていた。



「パパァ?」




「うぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」



「パッパパァアアアアアアアアアアアアアアアアア」




「Qちゃん!」



俺は力一杯Qちゃんをギュッと抱きしめていた。




「痛い、痛いよぉ〜」



「あっごめんね、ごめんね、ごめんねぇええええ」



俺は恥も外聞もかなぐり捨てて顔面大洪水状態でQちゃんを抱きしめながら止められない涙を流しながら子供の様に泣きまくった。


Qちゃんの暖かい体温を感じながら、段々と落ち着きを取り戻していく.......


(何だか目の周りや顔がくすぐったいのだが.........)


(いったい何が....)


俺の洪水の様に流れ出ていた涙を、ペロペロと舐めて綺麗にしてくれていたのだった。


「Q、Qちゃん....くすぐったいよ」

「えへへぇ〜、だってワタチがパパを守ってあげるからね♡」

(うおお!マジですか?嬉しすぎる.......しかしこのペロペロは子供の頃に飼っていた愛犬を思い出すな.....)


「本当にQちゃんなんだね」

「うん、そうだよ〜」

「でも、どうやってここの空間に?」

「パパとのパスが繋がったからだよ」

「パス?」

「そういえば、Qちゃん何だかお姉ちゃんになったね」


そうなのだ、つい先ほど会ったQちゃんから比べて身体が一回り大きくなり小さな少女から16歳位の見た目になり髪の色もキラキラとした真珠色となって神々しい雰囲気の超絶美女へと変貌していたのだ。


「うん、今のパパの魔力と繋がったら成長したみたい」

「すごいな、俺の力が強くなったって分かるのか?」

「うん、とっても強くなったよ!でもねぇ〜何か違うものも混ざり合って違う何かになったの?」


(Qちゃん、なぜ疑問形?)


「俺にも身体の中から何かが変化しているのは分かる。しかし鬼神は25歳を迎えると大幅にステータスアップするとか言ってたな」

「えっそうなの?」

「ああ、俺の身体まで成長しちゃったよ!」

「どうだ?」力こぶを作り改めて身体を見て貰ったのだ。

Qちゃんは、俺の周りをゆっくりと眺めながら一周してフッと消えたのだ。

5分程経った後、Qちゃんは俺の目の前に戻って来た。

「どうだ!かなり変わっていただろ」

「うん変わりはしていたけど、歳は取っていないよ?」

「ん?どゆこと?」

「分かんなぁ〜い」

「歳を取ってないの?この空間で2年程経ってるのに?」

「パパ〜間違えてるよ、ワタチがパパの中から追い出されてから5年経ってるんだよ」 それにパパは、もう.......

「えっ?マジで....5年...5年もだとぅ?....」

(本当かよ.....身体が成長してしている時何度か気を失ってたけど......そんなに時が.....)



冷静に考えて見れば、飯を食べて無くても平気な空間なんだよな....経験値が溜まるのは理解できる...じゃあ何故身体が成長したんだろうか.........

まっこの際時間の流れはこの際後回しだ。


「Qちゃんは、俺の身体を何時から離れてたんだ?」

「地下にある魔神の核を隠していた場所だよ」

「やっぱり、あの時か」

「うん」

どうやら俺がブラックアウトした時に何かが俺の体内に入り込みQちゃんは追い出されてしまったとの事だった。


「マグマ溜まりのあの場所で何があったのか詳しく聞かせてくれないか?」(....時間は幾らでもあるからな)


Qちゃんの話によると、アレスに似た少女はマグマ溜まりに落ちた後、青く光る亀裂から魔神の核を保管している場所までの道が繋がった。

(うんうん、そこは俺も見ていたから分かるよ)

光る亀裂からアレス本人を先頭にジェノサイド アンゲロス アルゴ軍団と名乗た魔物の軍団が現れ出して核のある場所へと歩きだした。

デメララとタミアは俺が突然消えてしまいパニック状態になり、アルゴ軍団どころの騒ぎでは無かったらしい。

だが気を取り直して、アレスの救出に向かうと既にアレスとアルゴ軍団の中でも一際大きな人型の魔物ブラッディ・ルキフェルと名乗った奴が魔神の核に触れようとしていたのだ。しかしその瞬間に核は実体があやふやになりフッと消えてしまったのだと....それに怒り狂ったルキフェルは自らの眷属達を喰らい尽くして消えたジョーの元へ行くと捨て台詞を吐き消えていったとの事だった。


(だから彼奴の仲間が消えたのか)


俺をこの空間に閉じ込めてルキフェルは異界へ飛び魔神の核の捜索をしているってのが正解か.....


フードの男の話をQちゃんは話したがらなかったのだ。

「Qちゃん、確認だけど俺の偽物の事は知ってるよな」

「えっとぉ....... ジョー・タカオカのことぉ?」

「そうだ!教えてくれ....って....ん?何か変じゃね?」

「何が?」

「だってQちゃんが俺の事をフルネームで呼ぶなんて....」

「・・・聞きたいの?」


「ああ、覚悟はできてる?と....思う....」


「じゃあ、先ずはパパ!自分のオデコを触ってみて」


「ん?どれ....」


「無いでしょ?」


「何が........ッ...あっ!」


「ねっ! パパは鬼人族じゃ無くなってるよ」


「はぁああああああ?」


「うっウソだろ....」


「鬼神様でも無くなっているんだよ....」


「嘘だ、嘘だ、嘘だ嘘だ嘘だぁあああああ」



「でも、私にとってはパパはパパなの私にはパパしかいないの........だから泣かないで.....」



少し冷静になると俺はQちゃんに身体を包み込まれるように抱きしめられていた事に気が付いた。

(はぁ〜俺は.....Qちゃんの方が大人じゃないかよ...)


このままではカッコ悪いので、湧き上がる感情を押さえ込みながら冷静な男を演出した......

「じゃあ、本当にあいつがジョー・タカオカで鬼神なのかよ」


「ワタチも良くは分からないの....でもね以前のパパと同様の神気も出してるし.....弱いけど.....」


「何かおかしく無いか?何でQちゃんはアイツに戻らなかったんだよ!てか依り代だろ?」


「だって、パパとワタチはひとつになっていたんだよ」モジモジしながら言わないの!


「皆んなには伝えたのか?何か違うって」


「うん念話で伝え続けたんだけど......ダメだったの少し弱くなっただけで違うだなんておかしいって怒られちゃったし....」


「Qちゃん、辛い思いをしていたんだな....」


「いま、パパと逢えたもん♡それで良いんだもん」


「一人でずっと俺を探してくれていたのか?5年以上も....会えないかも知れないのに.....」


(しかし、更に疑問が....じゃあ俺は?いったい何者になっちまったんだ?)


「はぁ〜俺の人生が......またガラッと変わっちまったな」

「違うよ、ワタチ達でしょ?」


「ああ、そうだな、そうだよな!ありがとな.....Qちゃん」


「えへへへ」

少し頬を染めてモジモジするQちゃんを愛おしく思い抱きしめたのだ。


「ところでさあ、帰る方法はあるのかな?」


「ん?ワタチと一緒なら帰れるよ」


「マジで!」(そんな簡単に言うのね.....)


「うん、だってここはアタチ達が死んだ時送られる場所の複製みたいだしそれにね、結界?みたいな?それももう何だか壊れてるもん」

「あっでもでもでもね、今のパパはダメだよぉ」


「何でだよ!」 少し感情的になってしまった。


「だって...パパは何だか物凄く強くなり過ぎ?なんて言うのかなぁえっとぉ.......そうチョウエツシャ?って存在になってしまっているので、今のまま元の世界に無理に戻ると世界のバランスが崩れてホウカイ?しちゃう.....から?」


(なっ何ですと!俺は超越者になってしまったが為に帰れないとか、どんな冗談ですか!)


「何故そんな事になるの?」


「ワタチ達が元の世界に戻る時、陣が浮かぶでしょ?」

「そうだね」

「その時、体の中の力がバァッて解放するの、そしてそれを抑えているのがあの陣なの」

「うんうん、何となく分かる....かな?」

「でね、今のパパを抑え込める陣は存在しないの...」

「という事は、俺が元の世界に戻った途端に俺の力が一気に解放されてしまうからその力で世界が無くなるって事?」

「うん、そうなっちゃう.....」


「マジかよ....」


今更ながら、自分の複製体と戦って強くなっていった事を後悔したのでした.....時間はあるし、ゆっくりと考えよう......


------------------------


俺はこの空間の唯一話せる子にQちゃんって呼び名は......(ご飯のお共じゃ可哀想だよね)キュラと名付けたら大喜びしてくれたので、キュラリンと呼ぶ様になったのだ。



これからも宜しくな、キュラリン♡

読んで下さり、ありがとうございました。

次回も宜しくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ