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魔神の核だね

宜しくお願いします。

「ケホッ、ケホッケホッ」


「なっ!」

デメララは目を大きく見開き...瞬きを繰り返した....


「呼吸も心臓も止まっていたはずじゃが....」

ジョーがタミアの背中に手をかざし回復魔法を始めていた....


「タミア...生きておったのか?」


「その様だな....全くお前は....」(そそっかしいやら、可愛いやら、萌えるわ!)


デメララは、取り乱しながらタミアに抱きつき号泣していた。


「うっ....くっ....苦し.....い.......しっ.......死.......」


「おいっタミア殿下が本当に死ぬぞ!」


「あっ....すまなかったのじゃ.....つい、ついな.....」


意識を取り戻したタミアは自分の身体をさすり状態を確認しながら不思議そうな顔をして立ち上がった。


「何があったのでしょうか?」


「覚えて無いのか?」


「ええ、近衛隊のあの者に襲われたのは覚えているのですが、背後から何かで刺され激しい痛みが......ん?........何故私は生きているのでしょうか?.......」



「はっ! ま・さ・か・・・女王のあの・・・力で・・・」

「いやぁああああああああああああああああああ」


「おい!どうしたんだ?デメララ教えてくれ」


「ああ、ほっとくのじゃ」


「えっ?」


取り乱したタミアは暫く頭を抱えたまま蹲った。


「タミア、お前はアンデットなんぞになっておるわけ無いじゃろ」


「嘘!」


「なら、こうじゃ!」


デメララはタミアの頬っぺたを抓りながら引っ張った。


「いひゃい、いひゃいれぇすぅううううう」

何という事でしょう、魔族の頬っぺは無限に伸びるのか?ねるね◯ねるねの様です......未知との遭遇だね。


いい加減マジで痛そうだし、美しい殿下の顔が余りにもプレデター化していたので....


[ ゴツッ! ]


「痛いのじゃ!」

「おい、やり過ぎだ!」

「どっどうじゃ、痛みがあるじゃろ」


コクコク


「なら、アンデットである筈無いじゃろ!」


コクコク


「安心したか?」


コクコク


「ジョウに感謝するのじゃ、妾だってあんな回復魔法は初めて見たのじゃ」


コクコク


頬が痛いのか、言葉を発する事が出来ないタミアそれに少し勘違いしているデメララに、種明かしをする事にした。


「ここに来る前に渡した魔石の効果ですよ」


「ましぇき?」


「ええ、通信だけでは無く結界魔法も付与していたんです」


「ちょっと待つのじゃジョウ、それはおかしいぞ、いつもの様に光らなかったではないか」


「少し改良したんだよ、でも強度が足りなかったな....」


今回作っていた結界は身体をコーティングする結界だったのだ。いつもの様にドーム型では結界が発動すると狭い場所では壁や周りにある物例えば家具等も

破壊してしまう為身体だけを護る結界に改良してみたんだが、あのアラストルとか言う奴の力は人外だったな俺の結界が変形しやがった。


(タミア殿下が天然って事が分かったし、あの騒ぎでデメララも元気になったし.....まっ結果オーライだね)


「それにタミア、あやつは......」


「ええ、近衛隊の隊長ウェル......だった男です」


あの好感度抜群だった男が、ジェノ・・・何て言ったかなぁあ何だか厨二病を患った感じの名前だったな....アルゴ軍団としか覚えてねぇ......まぁそこの兵隊って事か.....


「とにかくだ、早く魔神の核の保管場所へ案内してくれ」

「ええ、分かったわ。私に付いて来てください」


タミアの自室へ行き、隠し扉を抜け地下深くへと続く螺旋階段を下って行いった。


「それでは、ここから先は私が灯りを灯すまで決して魔法を使用しないで下さいね」


20分ほど階段を下ると、鍾乳洞の様な洞窟になっており、更に奥深くへと移動した。

何の目印もない洞窟の壁にタミアは手をかざすと、人が1人やっと通れる程の黒い穴が出現した。


「こちらです」


黒い穴に入ると、漆黒の闇は続きタミアが手に明かりを灯した。


「何じゃここは?」


デメララの言う事は最もで、穴の中はまるで生き物の様に蠢いている。


「うふふふ、ここは食獣植物の中なのですよ」

「はぁ?」


「契約した者以外の魔法を感知すると食べられてしまいますのよ♡」

(殿下.....涼しい顔でさらっと、恐ろしい事をお話しされますな)


植物の中を歩く事700メートル程で小部屋に到着した。


「後は、このキーで.....」


タミアは首から下げているネックレスを外し、自身の腕を切りつけアクセサリーに自分の血を吸わせると...


とても静かに地面が割れ、真下に大きな空間が広がっていた。

その空間のサイズは〇〇ドーム位はあるだろう。ただ、ドーム内はマグマが辺り一面に広がる灼熱地獄の様な場所だった。


「核はあそこですよ」


マグマ溜まりの中心部に少しだけ盛り上がった場所があり、その上に拳2個分位の魔石が輝いていた。


「あの場所に近づく為には、この指輪が必要なのです」

「飛んでいけば、良いんじゃ?」

「ここで、魔法は使えません。更に普通に飛んでは間違いなく打ち落とされます。更に無理に近づき核を奪おうとすれば」

「すれば?」

「ええ、終焉魔法であるメギドが発動します」

「はぁ?終焉魔法って?」

「この空間が飛ばされて無に帰すのです」

「そんな魔法があるのか?」

「あの魔神の核の力を使い発動します」

(マジかよ.....異世に飛ばされてて消滅なんて切なすぎる)


「では、誰も近づけないのでは?」

「そうなのです、ですから私も俄かに女王の言葉を直ぐには信じられなかったのです」


「そうか.....しかしヒデオは来ると言っていたんだが」

「ヒデオですか?」

「ああ、魔神の眷属に紛れ込んで貰っている」


[ ドドドドッ ]

大地が揺れた......


マグマ溜まりの側面の壁に亀裂がはしり.....


[ ビキビキビキビキビキビキッ ]


青い光と共に何かの影が浮かび上り、光の中から姿を表したのは、青い髪さらに特徴的な目は黄金色の有鱗目をしている少女だった。


「アレスか?」


「いや、アレスが庇った奴じゃ」

「何じゃ、髪の色が青くなっておるのじゃ」


髪の毛の色は確かに違うが、顔はアレスと瓜二つだった。


青い髪の少女は少し俯いたまま、マグマ溜まりに身を投じた.....


「あっ!」

俺は助けに行こうとしたが、魔力は発動せず、神気は使えたが初動で出遅れた俺は青髪の少女がマグマに飲まれるのを見届ける事しか出来なかったのだ。


「ちっ! 早くここのトラップを解除してくれ!」


「えっええ....まさか侵入者だなんて.....」


少女が落ちると、青い光を発している亀裂から魔神の核迄続く光の橋が浮かび上がった。


「おいおい、アイツらの方にはトラップが発動してないぞ!」

「後5秒お待ち下さい、間も無く解除されます」


「結界が解除されました」

タミアの言葉が聞こえた瞬間.....


[ ドクンッ ]


( 何だ!何が..........頭に入って来る.........)


俺の目の前は.......ブラック アウト......した


( ........................................................... )


( 何も聞こえない、声も出せない......... )


( ん?あの光は何だ?............................)


俺は粘土の中を漂っているかの様に身体が上手く動かせない場所で身体を何とかバタバタ動かしながら、見える光に少しでも近づくために踠いて踠いて踠きまくった。


光が少しづつ大きく見えて来ると、俺の記憶の中に残っていた、俺が人間だった場所...........見覚えのあるヘッドセットが付いた大きめのソファが光の中に写し出されていた。


そして映像は移り変わり....


俺が住んでた街並みが見えて来た...働いていた会社や秋葉原....コンビニ......書店......喫茶店.......そして他人も含めて知人も見えた.....


(ああ、懐かしいなぁ......やっぱり俺の居た世界だ)


(あれっ?俺は何故鬼人になったんだっけ?大事な記憶が何だか抜け落ちてるよな.....やっぱり....)


物思いに耽っていると見ていた映像は更に移り変わり......


[ ブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブ ]


( あっアイツは!しかもあそこは東京タワーだろ)


蝿男は、何故か俺の元いた世界の景色に写し出されていた。


( 頭が痛い! )


あっトリ頭じゃねぇか、あそこはラゴスか?その後も世界各地のプライメイトシティばかりが写し出され、黒い霧が漂い人々や動物が覆われると何かがとり憑き異形の魔物と化していく更にその霧は各国の指導者達を真っ先に襲うのだ。


魔物と化した指導者達は気持ちの悪い笑いをしながら他国との戦争を始め、笑いながらミサイルを飛ばし合いまるでゲームを楽しむ様にビル、公園、テーマパークそして民家を破壊して行く.......最終的に核を搭載したミサイルが全世界から放たれ、15000発以上もの核爆弾が各所で爆発し生態系は完全に崩壊した.....虫男、トリ頭達はバカ笑いをしながら何かを呟き続けている。


「ああ、やっとこの酸素って言うのか、無くなったお陰で力が滾るコケ」

「ブヒャヒャヒャヒャ、酸素?余裕スギ」

「この世界の破壊なんぞ余りにも容易いな.....面白くとも何とも無いコケ」

「あっけなかったですねぇ」

「ああ、只の作業でしか無いコケよ」

「ヒャヒャヒャヒャヒャ」


そこでより禍々しいオーラを纏い漆黒の鎧を着た翼の生えた大柄な魔物が近づいて来た。

「おい!ここに鬼神の核保有者は居なかったのか」

「はっ!申し訳ございませんルキフェル総大将殿」

「ただ成果も有ります。鬼神の核保有者が残した毛髪や血液は見つけましたのでこの世界に居たのは間違いありませぇん」

「そうか、では又別の世界に行くか!」

「ハイ! しかしこのまま出立しますかぁ?」

「ふむ、まぁついでだこの星を消し去るか」

「ハイ!ルキフェル様のあのお力でぇすよねぇ♡」(何でコイツはこんなに嬉しそうなんだ?それに鬼神の核?俺の事を探して来ていたのか?)

(それに、何だよコイツら、まるでコンビニにポテチでも買いに行くか!位の軽いノリで...)


「エンドオブワールド」 異形の魔物は呟くと....


地球と呼ばれた惑星は....消滅した.....


現実感はまるで無く、俺は怒りも悲しみも何故か込み上げて来なかった。



しかし、何故か映像に映っていた男が........


ジェノサイド アンゲロス アルゴ軍団のルキフェル総大将とか呼ばれていた男が立っていた。


「お前は...」


「ははぁ〜ん、お前が鬼神だったのか」


「さっきの映像はお前か?」


「全くぅ!口の利き方を知らんのかぁ?」


[ スパンッ ] 軽快な音と共に顎を殴られ.........


「あがぁあああああ」

顎の骨を砕かれた.....


「弱いなぁ、お前......いや、俺が強すぎるのか.....」

「ふはは、ふわっははははは、がぁははははははははははははははははははははははははははははははは」


「あがぁあがぁ.....」 俺は喋る事が出来ない......


「.......................つまらんなぁ 俺の・・・が滾らねぇ....」 ルキフェルは呟くと、ジョーの腹に拳を打ち込む。


「ウゴァアアアア」


ルキフェルの拳はジョーの腹部を貫き風穴をあける。

ジョーは口そして腹部から大量の血を流し、意識が朦朧としている中.....


「マジでぇ、お前みたいなのが、鬼神なんかよぉ?」


「まぁ、この空間でお前は何にも出来ないだろうけどな!くっくくくくくっ良いこと教えてやるよぉ」


「お前の居た星は、このブラッディ・ルキフェル様がぁ消滅させたんだぜぇ!そうお前がぁ居た星だったからなぁ.....くっくっくぅ...あの星の生物はとんだトバッチリぃだなぁあああ」


「ユゥックリと絶望を噛み締めてぇくれやぁ」


「そうそう....ここの空間からは後3000年は出られんわなぁ、その間飲まず食わずでも飢える事無くただひたすらに何も無い空間で只々生かされ続け狂い死ぬまでまぁ楽しんでくれよぉ。更に出血大サービスだぁ!映像だけは流し続けてやる。お前の大事なものが徐々に弱り死に絶えるのをゆっくり見せ続けてやるからよぉ」


ルキフェルは口の端を歪に吊り上げ...


「くっくっくぅ、くははははは、ぶあっははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは」


俺の居た世界だと?あの映像がマジだと?それに.......地球は消滅した....だと?そして俺の大事なものを奪うだと......」


「ぐがぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」

俺は奴の力を感じ、受け嘘偽りでは無いとした.....では、あの映像に映っていた光景の中で叫び声を上げていた。



俺の頭の中は怒りで埋め尽くされて行く.........



俺の目の前に拳2個分程の光る魔石が浮かんでいる....


[ ウケイレロ...... ]


(誰だ?)


[ オマエにはナニモスクエナイ.... ]


(嘘だ!)


[ ウケイレロ...... ]


(何をだよ!)


[ スベテだ ]


(................)


[ ウケイレロ...... ]


(力とかそんな感じか?)


[ エラベ ]


(受け入れると何になるんだ?)


[ エラベ........ ]


(答えになってねぇし......)




(何だか、頭が真っ白になって行く.........)




目の前に浮かんでいた魔石は消えていた.....

読んで下さり、ありがとうございました。

次回も宜しくお願いします。

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