精霊獣アヌビだね
宜しくお願いします。
「ふぅ〜〜〜」
「ジョー君どぉ〜したの?」
「うん......エレファン獣王の配下の方達からさ、足腰立たないようにして欲しいんだと.....」
「そっかぁ....ジョー君って手加減が苦手だもんね♡」
(えっ?俺ってそんな風に思われていたの?)
「妾達は、応援しているからの」
「頑張ってね、ジョウ君♡」
「ああ、分かったよ」
(う〜ん、皆んな俺が負けると思って無いのか?)
以前獣王と俺は闘った事があったらしいけど、思い出せないしな...まぁやるだけやるしかないよね。
俺達は城を後にした。何故か城を出ると冒険者ギルドのサインさんとラピンさんが待っており宿屋を見つけてくれたのだ。
(此方には、女王と王女が居るから滅多な所には泊まれないか...)
俺達の要望は、風呂が広く、大部屋、食事が美味い所を希望した。
案内された宿屋はアルベロベッロのトゥルッリそのもので、彼女達は可愛らしい建物にウットリとしていた。
夕食を食べに食堂に入ると、女性陣は絶句した。
それは、この宿屋が人気店なのは言うまでも無いが、その人気を博している客層に他ならないのだ。
その層とは......新婚さんである。
この宿屋に隣接して可愛らしいチャペルもあり結婚式の予約は18ヶ月先まで埋まっているとの事だった....
「こっこれは....」 ルクリウスも驚き
「マジかよ!」 ジョーは目のやり場に困った様子
「素敵...♡」 ラムは...ウットリとしている
「妾達は......」デメララ、トゥルス、ディアはコソコソと密談中
「ほへ〜恥ずかしく無いのか?」 チャコが一番まともな反応だった。
そうなのだ、食堂に一度入るとその中は、甘〜い雰囲気が充満しており、新婚さん達が人目も憚らずにイチャイチャイチャイチャイチャイチャイチャイチャしていた。
椅子は二脚あるのに、相手を自分の膝の上に乗せて、ア〜ンなんてやっている。
リヤ充、爆ぜろ!と言いたくもなるが、ヤマアラシに似た大きな新婦がタラポアンに似た小柄な新郎を膝の上に乗せ甲斐甲斐しくお世話をしている姿はとても癒された....
「可愛らしいな」
「ねえ...」
「ん?何だ?ラム」
「ジョー君、小さくなっても良いんだよ」
「えっ?」 (何をおっしゃっているんですかね、この娘は....)
風呂に入ってさっさと寝たほうが良さそうだな.....
湯船に浸かって今日の疲れを取り風呂上がりの牛乳という儀式を終えて部屋に戻ると、女性陣は誰も居なかった...まぁ彼女達は長風呂だからな.....
敷き詰められた布団の上をゴロゴロと端から端まで存分に楽しみ窓側の端に敷かれた布団に滑り込んだ。
襖が開く音がした...誰か帰って来たんだな...
この気配は...チャコか!
(おや?何を始めるんだろ...)
チャコは掛け布団の上に寝転がり、布団の上をゴロゴロと転がり出した。
(おおおっ!同志よ!)
端から端までをチャコも堪能したのか、俺の隣の布団に入り眠りについた。
(やっぱりチャコが隣に居ると落ち着くなぁ......)
ラムやデメララ、トゥルス、ディア、ルクリウスが未だ戻って来ていないが、俺は眠りに就いた。
チュン、チュン、チチチチチチ、チュン、チュン
くっ苦しい....何が起こっているんだ....
目を覚ますと、俺の腹の上に丸くなって寝ているチャコがいた... コイツは犬か!っと突っ込みたくなる衝動を抑えて、隣の布団にそっと降ろそうと隣を見ると、ラムが俺の腕をしっかりと掴んで寝ていた。
俺の寝たポジションは窓側の端、チャコの移動先がなっ無い!
仕方がないので、チャコを俺が寝ていた場所に寝かせて、少し早いが修練の為に宿屋近くの草原に出た。
軽く準備運動をして魔力を強めたり弱めたり、プラズマを作り掌の上で球体を作り出す。(最近では結構慣れてきた)
炎は、赤→青→紫→黒と変化をつけて火球を作った。
鬼神への変化なのだが、未だ自分の魔力と神気を全力で纏おうとすると意識を持っていかれる。しかも頭の中に変な声も聞こえ、そして破壊衝動が抑えきれなくなる....最大の問題点であり俺の弱点だよな....
金砕棒を取り出して、ダイちゃんと実戦さながらの手合わせをして己の動きの再確認をした。
[ お屋形様、もう既に私では役不足ッス、九尾孤と月兎を呼んでも良いッスか? ]
「そうか? 分かった呼んでくれ」
[ あい! ]
(俺も成長しているのかなぁ.....)
[ お屋形様、お待たせです。再会してからのお屋形様は、我等が知る鬼神様の枠を超えられてきています ]
「おっ!月兎のゲッちゃん、少し付き合ってくれ」
[ うん♡ ]
[ パ〜パッ...いつでも良いよ ]
「ヨシ!じゃあ始める前に結界を張ってっとぉ.....俺はいつでも良いぞ」
[ お屋形様、5分時間を下さい ]
「分かった」 (作戦会議かな? ヤベッワクワクしてきた)
そして精霊獣は準備を終えてジョーと向かい合い試合の時を待った。
「準備は良いのか?」
[[[ はいっ!]]]
いつの間にか精霊獣仲間の獬豸のカイちゃんまで遊びに来ていた。
そしてカイちゃんが開始の合図をした。
[ はじめ! ]
ダイちゃんが金棒を振り回しながら距離を一気に詰めてくる。
(ダイちゃん、何時もの修練と変わらないぞ!)
身構え、動きの先読みをする。
しかし、ダイちゃんは金棒で地面を打ち付けジョーの視界の斜め上に跳躍、思わず目で追ってしまう...
ダイちゃんの背後にはQちゃんが放っていた黒玉その気配を完全にゲッちゃんは消してみせる。
ジョーは金砕棒でダイちゃんと打ち合う態勢を取った瞬間、黒玉が脇腹に着弾。
「グハァッ!」
かなりのダメージを、追ってしまった。
口端から血が染み出す。
「へぇ〜やるじゃないか」
[ へへへっスゴイ? ]
「ああ、正直驚いた」
俺は金砕棒を大袈裟に振り抜き距離をとった。
しかし、ダイちゃんは逃してはくれない、距離を更に詰め金棒で俺の目を潰しにフェイントをかけながら打ち込んで来た。頭を振って交わすがその動きさえもフェイントで態勢を崩した俺の軸足を潰した。
俺は足を潰されると思い潰される直前に足を地面にめり込ませ回避、潰したと思ったダイちゃんに余裕が生まれた。そう隙だ!めり込ませた足でダイちゃんの顎を蹴り上げる。
ダイちゃんの体が浮き上がると同時に影からQちゃんの体当たりが待っていた。体当たりを捌く為横に体を動かすと、黒玉が俺の体の周りを浮遊しており激痛が走る。
(いつの間に、展開したんだ?)
(ゲッちゃんは隠蔽魔法が得意だったな。厄介すぎる!)
ダイちゃんも頭を振り少しだけ足にきているのかフラつきながらもファイティングポーズを取った。
俺は神気を纏い鬼神モードとなる。黒炎を纏い浮遊している黒玉を消し去る。黒炎を消し金砕棒を軽く回して構えた。
「来い!」
ダイちゃんもダメージが回復したのか金棒を振り回しながら、俺の懐に飛び込んで来る。横にはQちゃんとゲッちゃんもいる、何故かカイちゃんまで....
流石は精霊獣達直ぐに連携攻撃の精度が上がる。更に結界の外に精霊の気配を感じ、結界内へと招き入れると、狼の精霊でアヌビと言いダイちゃんこと斉天とゲッちゃんこと月兎とは友達との事で仲間になりたいとの事だった。
「ヨシ、皆んなに加われ!試合を続けよう」
アヌビか加わることにより、Qちゃん、カイちゃん、ゲッちゃん、ダイちゃん、アヌビを同時に対処しなければならなくなった。
細身のアヌビは体は黒く影と同化し素早い動きで目で追っても追いつかない気配で察しようとも気配を消す事が抜群に上手い。とても厄介な相手である。
その厄介な新しい仲間の相手をしながら更に3体もの精霊獣の攻撃を受けるのはやはり無謀だったようだ。
即座にリミットステート化した俺は、新技トランジェントディビジョンした。俺の分身は今までの修練での最高数は15体で分身を維持できるリミットは30分だ。
流石に新技を目にした精霊獣は動揺したようだ。その隙を逃すはずも無く、俺は分身を4体作り出しそれぞれの精霊獣に向き合い挑んだ。
ゲッちゃんは即座に離脱しようとして俺の紫炎で光の粒になった....
カイちゃんはゲッちゃんを庇おうと隙が生まれて黒炎で光の粒になった....
アヌビは影に消えダイちゃんの足元の影からでて来てショートソードを構えて1対1は不利だと悟ったのだろう2対2での闘いとなったが、俺の分身はプラズマを纏い、盾となりもう1人の分身体はマグネトロンを作り出した。
一瞬だった.....アヌビもダイちゃんも何が起こったのか理解も出来ずに身体が膨れ上がり爆ぜ、光の粒になった....
後はQちゃんだが、一番厄介なのだ.....俺と繋がっている為にリミットステート化するとQちゃんもリミットステート化してしまうのだ.....以前はQちゃんの身体が際限なく大きくなり、『Godz○lla』化してしまったが、現在では1人の美少女へと変貌する。
内包する力は、人智を超えたものになっていると思う。
Qちゃんの身体がブレてその場から消える、俺は無駄な体力消費を減らす為トランジェント ディビジョンを解除し組手をするも、同等の力が出せるのだハッキリ言って俺の動きの更に上をいく.....拳、蹴りは悉くいなされてしまい捕まえる事も出来ない....さぁどうするか....
「逃げてばかりでは、試合にならないし、このままいくとQちゃんの負けだぞ!」 少しカマをかけてみた。
「ぷーっ!」
「パパと鬼ごっこしてると思ってたのに!」
「あははははははは、さぁ来い」
「うん」
俺の言葉に誘われて胸に飛び込んで来た。
「ヨシ!」
捕まえようとした瞬間、Qちゃんはニヤリと笑いクルリと背を向けた。
「んなぁ〜〜っ!」
変な声が出てもた....
Qちゃんの背中には黒玉がビッシリと、くっ付いていたのだ超至近距離から黒玉を飛ばされて避けられるはずもなく、敢え無く弾き飛ばされ試合終了....
「いやぁ〜Qちゃん強いな!」
「エヘヘへ、じゃあワタチの勝ちで良いの?」
上目遣いで俺の顔を覗き込んで来た。
「ああ、そうだ。Qちゃんの勝ちだな」
「ヤッタァー!パパァ一緒にいて良い?」
「ああ、良いぞ」
「わぁ〜い」 無邪気なQちゃんも可愛いなぁ〜....
頭をモフモフしてモフモフした。
俺はQちゃんの頭をモフモフしながら結界を解除した。
すると、結界の周りには婚約者達が目を細め、信じられない様な光景を目にする様な顔で立っていた。
ただ1人トゥルスだけは、いつもと変わらずに...
「ジョウ君、朝ごはんができあがったよ」
「あっトゥルス、ありがとうすぐに行くよ」
「ちょっと!ジョー君!ゲッちゃん、ダイちゃん、カイちゃん、新しいお友達に何て事を.....」
「ああ、アイツらならば精霊獣だからもうすぐ復活するだろ?.....たぶん.....」
「「「「はぁ〜〜」」」」
デメララ、ルクリウス、ディア、チャコは大きな溜息をついてついて来た。
「あっそうだ!アヌビが新たな仲間になったんだなんて呼ぶか決めようか」
「「「「うん」」」」
新しく仲間になったアヌビはアーちゃんに決まった。
読んで下さり、ありがとうございました。
次回も宜しくお願いします。




