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バアル襲来だね

宜しくお願いします。

オークションに出品された盗品と思われるダグザの棍棒を見てしまった月華メンバー。

ルクリウスは調査という名目で盗品を扱う、犯罪組織であればサバナ国にある騎士団に引き渡そうと正義感を燃やし月華メンバーを引き連れオークション会場の更に奥の別会場へ入って行く。

そこで月華は闇オークションとも言える現場を目撃したのだった。


「こっこれは....」

「酷いね」

「アチシらの落札した品は大丈夫だろうなぁ」

アレスの心配は物理攻撃ダメージが半減されるインナーやバングルだった....何故か既に着込んでいて、腕をグルグルと回しながら、落札品を確認した。

「全く....アレスは.....妖精や獣人を何とかしなくっちゃね」

「妾ではジョウまで念話は飛ばせんぞ」

「僕がやってみるよ」

トゥルスはゲッちゃんを呼び出し、ジョーに報告をした。


「全く、ダグザの棍棒が出品された時に気付か無かった私達の落ち度だな」

「ルクリの言う通りね」

「あの棍棒はそんなに貴重な物なのか?」

「デメララは、あの棍棒がサバナ国のエレファン獣王に返還された筈なんだ、本物ならね.....」

「何と!ならば盗品か!」

「しっ!声が大きい!」

「間違い無いと思う」

「成る程のう.....」


「取り敢えず、このオークションの主催者を捕まえるにしても、作戦会議が必要だよね」

「そうだな、このオークション会場から外に出る事を考えなければ」

「自然に帰れば問題無いと思うけど、どうかな?」

「そうだな、退場している彼等達と共に騒ぎを起こさず静かに退場しよう」

と、月華メンバーが決めたのだった。


司会から更に大きな声で出品物の口上が述べられた。

会場脇より真っ赤なベルベットのフードで覆われた奴隷が連れて来られた。見るからに今までの奴隷とは別格の扱いであり、ステージ中央に1人立たされて、ライトアップされた。


その姿を晒した刹那


「エリス!」


「えっ?」


「知り合い?」


その真っ赤なベルベットのフードが外れ、晒した顔は赤い髪さらに特徴的な目は黄金色の有鱗目をしていた。しかし目に光は無く虚ろな表情のままだった。


ルクリウスの制止も間に合わず、アレスはステージに飛び込んで行った。

既にアレスのドレスは引き裂かれて感情の昂りがトリガーとなり口からは炎を吐き出しながら竜神フォームに変貌していた。


「あっちゃ〜〜・・・・・もう後には引けないね」

「妾はいつでも良いぞ」

「仕方がないな!」

「私も、我慢の限界だったわ」


月華達は腹を括って、この犯罪集団に立ち向かう覚悟を決めたのだ。


アレスが竜人の姿になってステージに乱入したせいで、場内は既にパニックになった。

綺麗なドレスで着飾っていた貴婦人達は逃げ惑い、男達に至っては、その婦人達を押し退けて逃亡を図っている者までいた。


「浅ましいな」

「レディファースト.......」


人並みが押し寄せ、ルクリウス、デメララ、トゥルス、ディアは思うように動けなかった。


「何だか嫌な感じがするのう....」デメララはこのテント内の違和感に気が付いた様だった。


ステージ脇から紺のベルベット地に金の刺繍が入ったローブを着込んだ者達が駆け込んで来た。

総勢20名程で手には杖を持っており、魔術師と予想できた。


未だステージにはエリスと呼ばれた竜人族の少女とアレスが立っており、アレスはエリスに話し掛けている所だった。


魔術師達はステージを囲みアレスとエリスに向き合った。

「ステージの方で何やら不味そうじゃぞ!」

デメララが言うよりも早く、魔術師達は、アレスとエリスの足元に魔方陣を展開して瞬間、アレスとエリスは魔方陣に吸い込まれる様に消え去った。


「アッアレスゥ〜〜」

「ああっもう、この人達鬱陶しい」

人波に押されてアレスに近寄りたくても近付けない...


魔術師達も魔方陣へ飛び込み姿を消して行く。


「不味い、不味いのじゃ」

デメララは3体の小型ゴーレムを投げ魔方陣に滑り込ませた。


人波は消え、閑散とした会場には何も残されてはいなかった。


「アレス.....」

「何でこんな事に....」

「助けに行かなきゃ!」

「何処にじゃ!」


「「「.........................」」」


月華達に、沈黙が続いた。


暫くすると大地を揺らす不自然な地震が発生した。


「あっこの感じ」

「もう........遅い!」

「ふぅ〜やれやれ」

「......なのか?」


大きな揺れは暫く続いたが、今は何事も無く静かになっていた。


ルクリウス、ディア、デメララ、トゥルスが居る会場に、赤い髪の頭に真珠色の角を生やした青年が入って来た。


「何があったんだ?」


「ジッジョウ〜〜」


皆んな目尻に涙を浮かべ今にも泣き出しそうな顔をしていた。何時も毅然とした応対をしているルクリウスまで....


ジョーは只事でない事が起きていると理解をした。ルクリウス、デメララ、トゥルス、ディア一人一人の頭を撫でていき、皆んなが落ち着くまで待つ事にした。そして、ルクリウスからアレスが魔方陣の中に消えた事を伝えられたのだ。


「アレスが?」

「うん....そうなの....」

「サラちゃんは?」

「あっ.....そうか」


サラマンダーのサラちゃんはイオに倒されてしまったが、翌日には何事もなかったかの様に魔方陣が浮かび上がり復活を遂げていた。その後はアレスに付いて離れなかったのだ。


早速トゥルスは月兎(ゲッシ)のゲッちゃんを呼び出しサラちゃんと意思伝達を試みた。


「だめ、サラちゃんと繋がらないみたい」

「えっ.....マジで?」

戦闘力の劣るゲッちゃんは意思伝達の範囲は瑞獣の中で最も広範囲であり、転移魔法の有効範囲を軽く超える程の能力を持っていた為、楽観視していたのは事実であり、ジョー自らもトゥルスから伝えられた予想外の発言に、皆を動揺させない為平静を装ってみたが流石に不安の色は隠せなかった。


「ジョウ....」

「嫌な予感がするな」


ジョーは、バウンダリゾーン [ 結界 ] でオークションを開催していたグランピング全てを包み込んでいた為、ジョーが到着してからはこの会場から出られる者はいないのだが、時は既に遅かったのだ。一先ずは月華達をテントの外に連れ出してから、会場を隈なく探すが、不思議な事にオークションに関わっていた、司会、魔術師、妖精、精霊、ヘルファウンド等は消え去っており、残されているのは客と売られていた獣人の奴隷達そして受付嬢だけであった。


「どーなってる」

「とりあえず、このオークションに参加していた客は一纏めにして、尋問しよう」

ルクリウスの発言で今やるべき事が決まった。

客は全て人族で180人が確保された。

人数が多い為、精神操作系魔法の得意なQちゃんとデメララが手分けをしながら、真実を聞き出していった。

人族の尋問中にもジョーは探知範囲を最大限に広げアレスを探したが、反応は無かった。


「何処に連れていかれたんだ....」


ジョーは、苛立ちを抑えきれず、身体中から怒気が溢れて周辺の空気が毒素と化し、禍々しいオーラが辺りの森を覆い出した。覆われた森の草木は枯れだし、野生の動物達は一斉に距離を取る。オークションに参加していた人族達は気を失いバタバタと倒れていく....


「ジョウ....落ち着いて....」


「ふぅ〜〜〜っ!ふぅ〜〜〜っ!」

ジョーは肩で息をしながら、怒りをコントロールする事に集中した。


異常事態を察知したのか、サバナ国の騎士達が土煙を上げオークション会場に近いて来た。


人族を一纏めにして結界で包み拘束し、ダグザの棍棒だけを預かり騎士を待った。


「何をしているのだ!」

サバナ国の騎士達の中で最も目立つ鎧を着た男がジョーな目の前に立ち、口上を......

「あっ!貴方....貴方様は.....」

「カッカオカ...カオカ様」


「「「えっ!カオカ様?」」」


「「「カオカ〜〜」」」


騎士達はジョーの顔を見るなり頭を下げて祈りだした。

(うっわぁ〜〜引くわ〜〜・・・)


ジョーがいた事で、いちいち信用させるための説明が省かれたのは助かったルクリウス達は、今回起きた事件のあらましを説明してダグザの棍棒を騎士に渡したのだが、渡すと同時に棍棒は唐突に光を放ち、黒い霧となって霧散してしまった.......


引き渡した人族達に異変が.....


「何だ?」


[ウッウガァァァァァァァァァ・・・・・・・・」


霧散した黒い霧はオークション会場のに来ていた者達、奴隷として売られていた獣人達は昆虫独特の複眼になり背中からチョウバエの様な羽が生えて来た。シルキーやシルフ等の妖精達は、蝿や蛾の様な姿に.....


「いったい何が...」


捕らえた者、保護した者達の余りの変化に驚きを隠せない、騎士達と月華そしてジョーだった。


[ ブブブブブブブブッブブブブブブブブッブブブブブブブブッブブブブブブブブッブブブブブブブブッ ]


耳障りな羽音が空を埋め尽くし、何千万匹いるのか何億匹いるのかわからない程の数の虫が集まり辺りを漆黒の闇に変えた。


「ブヒャヒャヒャヒャヒャヒャ・・・・」


「何だ!一体」


「ベルやマモンが世話になった、ブヒャヒャ」


「ベル? マモン? ああ、あのトリ頭の仲間か!」


「トリ......トリ.....トリ頭だと? ブヒャヒャヒャヒャ 舐めた口を....まぁお前達は、俺の餌でしか無いがな!ブヒャヒャヒャヒャヒャヒャ」


「気持ちが悪いです...ジョウ....」

「妾は、見慣れた感じじゃがな」


「アレスをどうした?」


「ん?あの赤き魔神の娘か?」


「アレスは魔神じゃ無いぞ」


「はぁ〜? ブヒャヒャヒャヒャヒャヒャ」

「裏は取れてんだがなぁ?そんな嘘は役に立たないのだ」

「アレスをどうするんだ?」

「あの者は、我らの総大将ルシファーが王の依代の代役として連れて行っておるのだ。今頃.....」


「ぶべらっ」


ジョーは、虫の親玉に黒炎を纏った拳を叩き込んだ。


「おい!早く連れて行った場所を言え!虫野郎」


「ブヒャヒャヒャヒャヒャヒャ、今更手遅れ、もう無理無駄ブヒャヒャヒャひゃ〜」


ジョーは虫男の顔面に拳を叩き込み風穴を開けた直後、虫男はより小さな虫となって霧散したのだ。


(チィッ!手応えも無かったな)


「おい!何もんだオメーは!」


「調子に乗るなよ!ブヒャッ食材如きが!」

「食材だと?」

「我らの総大将はグルメでなぁ...人族の肉が最も柔らかくて美味いのだが、お前らの様な固い肉と合わせるとより味わい深くなるんだとブヒャッブヒャッ!」


「俺を食うだと?」

「料理長のベルが居なくなっちまったからな、煮込んで食ってやるよブヒャヒャヒャ〜〜ヒャヒャ」

「そうかよ!」

「諦めたのか!良い心掛けだブヒャ」

「お前の名前は?」

「ああ、俺は『バアル』暴食のバアルだブヒャ」

「暴食ねぇ〜......アレスは総大将の所に連れていかれたのか?」

「えっ?何故? 分かった?」

(あっコイツ馬鹿っぽい!つ〜か馬鹿だな!)

「それで、アレスは別次元に居るんだな」

「ほぉ〜う、存在を知っているのかブヒャ」

「ああ、爺さんに聞いたんだ」

「お前!何者だ?」

「鬼人の冒険者だが」

「鬼人だと?たかだか鬼人だとぅ〜ブヒャッ」

「可笑しいのか?」


「ブヒャッ!」

(何だ?バアルの様子が変だぞ」


[ ブブブブブブブブッブブブブブブブブッブブブブブブブブッブブブブブブブブッブブブブブブブブッ ]


空を埋め尽くしていた虫達が一斉に動き出し、ジョー、ルクリウス、ディア、デメララ、トゥルスを襲った。


ジョーはバウンダリゾーン [ 結界 ] を展開した。


「ブヒャヒャヒャヒャッ俺も暇じゃねぇんだ、じゃあなブヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ」


(逃げたか!)


読んで下さり、ありがとうございました。

次回も宜しくお願いします。

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