表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
73/115

GEKKA初の護衛依頼だね

宜しくお願いします。

遂に出発の朝である。

サバナ商会と最終打ち合わせを行った。

サバナ商会が用意したのは大人が20人は乗れるのではないかと思える程の大きな荷車が6台、サバナ商会の交易が盛んな事がうかがえた。積荷は魚介類、海藻類、塩、砂鉄、鉱石等との事だった。馬が引くわけではなく象の亜種が大型の荷車を引っ張るのだ。サバナ商会が象の亜種を使うのは、馬と比べ桁違いに体力があるのだ。よって休憩回数を減らす事が出来る事で結果サバナ国へ馬車よりも早く届くとの事だ。

デメリットとしては、移動速度が遅いので盗賊からの襲撃される確率も上がってしまうのだ。

護衛対象は、先ず荷車6台と積荷、更に監視役等の商人達15名となる。商人達は馬や馬車・荷車に分かれて乗り、鮮魚が入っている生簀の温度管理や水質管理には魔導師3名がローテーションで行う為1ヶ月位は獲れたての鮮度を保つようだ。


月華と助っ人達の中で感知スキルに特化した者は、メド・ディア・トゥルスだった。

一応デメリララも感知は得意のはずだったが、飽きっぽい性格なのは、月華メンバー皆の知るところであり、ひたすら警戒をするのは無理だと判断した。よって感知役は3人に決まった。

盗賊や魔獣を警戒監視しする役割は決まった。

後はフォーメーションだが、前衛の壁役はデメララの傀儡が中心となるが、メド・アレス・イオがアタッカーを兼ねる。ヒーラーのディアと司令塔のルクリウスが直ぐ後ろに控え、トゥルス・サイゴウが積荷・商人達の盾役になる。デメララは壁役の傀儡の指示もやりつつ、サモナーであるトゥルスが召喚術式を行使している時は無防備になる為の盾役も受け持つ。


一通り各自の役割分担が、決まると早速出発となった。


移動速度が遅い象の亜種との事だったが、予想以上に速度が上がって行く、荷車の乗り心地も悪くない、積荷の保護を考えての事らしかった。


予想以上に早くサバナ国に着く事になるだろうとルクリウスは予想した。


(象の亜種か、私が父の手伝いをしていた頃には使った事が無かったな......)


ブルボンを出発して4時間が過ぎた頃....


「なぁなぁ、盗賊が来ねーな!」

「アレス、来なければ来ない方が良いだろう」

「だってよぉ...............暇だぜ!」


そんなやりとりを眺めているデメララが目を細めて小さくため息をついた。


「アレスさんは、盗賊と事を構えたいのですか?」

「ん?そっそんな事は無いのですよ」 明らかに挙動不審だ....

「ははは、イオ心配するな、アレスは盗賊が()()来るなら早く見つけて欲しいとの思いからだ」 ルクリウスはアレスをひと睨みした。

「うっ」「そっそうだぜ!アチシは....」


[ ガタンッ]


「なっ何だ?」


「来やがったか!」


魚介類の匂いに誘われたようで、巨大な蚯蚓の魔獣が地中より飛び出して来た。蛭野の様に口が前面にあり大きく口を開けると2メートルはありそうな程だったが、アレスが荷車の屋根に立ち右手を蚯蚓に向けて火球を飛ばした。

直径50センチ程のあまり大きく無い火球だったが、蚯蚓に着弾すると一瞬で蚯蚓の身体全体が炎で包まれたのだ。

「大した事ねぇな! どうだ?未だ居るのか?」

「う〜ん、地中の感知は得意じゃ無いんだけど多分居ないみたいだよ」

「何だよ!もう終わりかよ」


結局初日は一回だけ蚯蚓の魔獣が襲ってきただけで、平和そのものの移動で終わり、キャンプとなった。


月華達は特大テントを張って全員が1つのテントへ入って行くと、サバナ商会のリーダーらしき人が寄って来て、目をキラキラさせながら、仕組みや収納方法を聞いて来た。ルクリウスが一番商会のリーダーの気持ちがわかるのだろうという事になり、月華の皆んなははルクリウスに丸投げしていた。

だがいい加減話も2時間近くになってくると、ルクリウスの眉間に血管が浮き出てきたので、デメララがフォローに入った。

「サバナ商会の人、すまぬが妾達も長旅の護衛で神経をすり減らしておるのじゃ、ソロソロ休ませてはくれまいか?」 扇子を巧みに使いながら、やんわりとではあるが、早よ帰れや!の気持ちをぶつけた。


「ああ、済まなかったな、まだ先は長いんだ又今度話をさせて欲しい」

「ああ、分かった」

そそくさと、サバナ商会の男は去って行った。

「デメララ、助かった ありがとう」

「ふむ、お安い御用じゃ」

ルクリウスは、アレス、ディア、トゥルスにジト目を送った。


「さっアチシは寝ようかな」

「わっ私も...おやすみなさ〜い」

「ぼっ僕も...おやすみなさ〜い」


「まったく.......」


今日のルートは遺跡付近を通るルートで、盗賊達に襲われる確率が高い場所の1つらしい。だから遺跡から離れて通る迂回ルートを選んで出発したのだ。


天気は曇り空で雨の心配は無さそうだが前日の快晴だった為に景色を楽しむ事はできそうになかった。

少しでも時間が出来るとデメララの元に月華は集まり経験豊富なデメララの恋話は楽しく、彼女達に刺激を与えた。ルクリウス・ディア・トゥルス・アレスはジョーが今年22歳になる誕生日に何かサプライズを検討している様だった。


順調な輸送は続きブルボンを出発して3日目に迂回ルートではあるが遺跡に最も近づくポイントに差し掛かった。しかし運が良いのか何事も起こらなかった。

4日目に荒野に異変を感じたのだ。

動物達の死骸がポツポツと見え出したのだ。


「何だ?」

「魔獣の死骸では無さそうだな」

「感知はどうだ?」

「う〜ん.....何も感知にかからないから近くには居ないと思うよ」

荒野に転がる黒い肉片が段々と増えてくるのだが、大小様々であり、初めのうちは炭化して崩れているので原型が判別できなかったが、突き進んでいく内に人間の手のひらや頭部が転がっているのにルクリウスが気がついた。

「コイツは.....盗賊か?」

「あっ!」

「コリャア....何だよ!」

「一体何者がしたんじや」


月華達は驚愕していた。

イオも無言で死体を眺めていた。

メドも尋常では無い雰囲気を感じていた。

サイゴウの表情はよく分からないが、やはり無言でだった。


炭化した肉片の周りに形が歪に変形した刀や鎧も見えて来たが、盗賊と言うよりも騎士風の鎧も散見された。


「騎士なのか?一体何処の国の?」

ルクリウスは呟きながら観察した。

「生き残りは居ないのか?」

「ダメね、居ないわ」

「そっそうか......」


肉片の転がる荒野は2キロメートル程続いた。


「2000人以上だな...」

「一体何が起きたんだ?」


荷車は止まる事なく突き進んで行く。


雲の切れ間から薄明光線が見え、光と雲の狭間に目を向けると、黒い雷の様なものが一瞬だけ見えた気がした。


敵の反応は無いが、いつ又来るかもしれないので少しでもその場を離れるべく先を急いだ。


視界も悪くなり出したので、キャンプとなった。


月華と助っ人冒険者は今日目にした惨状の情報交換をしたのだが、有益な情報は得られなかった。


月華達は、ダイちゃん、ゲッちゃんにも話を聞いたのだが魔力反応も残っておらず、戦った相手の痕跡は何も残っていなかったのだ。まるで自爆したかの様に....


「気味が悪いな...」

「僕もあんな惨状は初めて見たよ」

「ディアはどうだ?」

「皆んなも見たでしょ?死体が円を描く様に広がっていた事を....」

「そうだったな...」

後で調査をしに行こうと決まった。


商人が寝静まった後、月華達はダイちゃんを残して先程の死体の調査に向かった。


アレスは竜になって、トゥルス、ルクリウス、ディア、デメララを乗せて飛び立った。

「しっかり捕まれよ!落ちても知らねーぞ」

「アレス頼んだよ」

「ああ、速度は出さないからな」


飛び立って15分程で着いてしまった。


細かく見ていくと、2000体以上あった筈の焼け跡は100体程に減っていた。

手で触ると黒い塊りはサラサラと粉状になってしまう...とんでもない火力であり、爆風が発生していないのでは?と思う程だった。


ディアは黙々と肉片のサンプルや武器、鎧の破片を集めていた。

中心地まできたのだが、不思議とそこには何も無かった。地面が焼けていたり溶けた跡が無いのだ、ただ長さは2メートル程の長方形の窪みが出来ていただけだった。


一通り調査をした月華はキャンプ地へ戻り、明日へ備えた。

読んで下さり、ありがとうございました。

次回も宜しくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ