冒険者との交流だね
宜しくお願いします。
朝食を済ませた月華メンバーは、ギルドに到着した。
「よお、揃ったか?」
「この度はダイモスさん、ありがとうございます」
「ああ、イイって事よ 何度も言うがあんた達には世話になったんだ、こんな事ならお安い御用だ」
「ふむ、良い男じゃな!」
「だろう、あんた俺の嫁にならないか?」
ダイモスは少しだけ顔を綻ばせていたが、目は真剣そのものだった。
「妾には、既に終生の伴侶がおるのじゃすまんな」
デメララは扇子で口元を隠し妖麗な微笑を浮かべながらもキッパリとダイモスには断りの意志を伝えたのだ。
「がっははははは、気持ち良い位ハッキリ断られちまったな!しかしよぉ伴侶ってあの、おっかねぇニィちゃんの事か?」
「おっかな...........まぁ....そうじゃな」
ダイモスも、相手がジョーと聞き得心した様だった。
「所でよぉ、あのニィちゃんは本当に鬼人なのか?」
「ああ、そうだが何か思う事でもあるのか?」
「いや、そうじゃねぇけどよ....そうか....だよなぁ〜」
顎に手を当てて、暫し悩むダイモスだった。
「おっとすまねぇ、紹介したい奴らだ!
コッチに来い」
「「はい」」
ヒョロリとした細身の青年と仮面を被った女性そして身長はデメララよりも低くまるで子供の様な体格でフードマントを被っていた。
「ん? お前達2人じゃ無かったのか?」
「ああ、昨夜俺とタカシが酒を呑んでいて、サバナ国までの依頼の打ち合わせをしていたんだ、そうしたら近くの席に座っていたこの女冒険者が王都に行きたいって言い出してサバナ国まででも一緒にって.............連れてっちゃダメかな?」
「俺が決める訳ではないからな.......あんた達 どうする?」ダイモスはルクリウスに話を振った。
「まぁ構わないが、報酬は人数で均等割だぞ?」
「俺達は構わない」
「なら、決まりだな」
ルクリウスは、改めてダイモスに一礼をして、冒険者に向き合い、ギルドへ向かう前に口頭で冒険者ランクの確認を願い出た。
細身で長身の青年の名はイオ Cランク冒険者。 身長140センチ程の小柄な体格で無口なサイゴウEランク冒険者、そして昨夜出会ったと言う仮面の女 メド意外な事にも彼女はBランク冒険者との事だった。
話の内容を聞いていた、ダイモスは目を丸くして、意外にもランクの高い奴だったと知り少し名残惜しい雰囲気を醸し出していた。
月華達の冒険者ランクについて、ルクリウスはプエルト国王レオン率いるパーティメンバー『キャッツライト』の剣神ルグとの修行の旅でAランクにまで達していた。
アレスは気分屋の為信用度に少々難ありでBランクであり、デメララは魔族の為今まで特に依頼を受けてはおらず、昔に恋仲であったマーラと共に王都へ遊びに行った時、遊園地のアトラクション感覚でギルドのランクアップ試験を受けていたのだ。実力は上位ランクなのだが現在の冒険者ランクはCランク、そしてディアとトゥルスはサポート役に回る事が多く現在のランクはDランクだった。
3人共にフード付きの外套を羽織り顔は良く分からない、しかも女の冒険者は仮面を被っていた。
「皆さんの中にBランク冒険者がいらっしゃるとなれば、何だか楽な依頼になりそうですね」 ディアが依頼を共にする冒険者達に話を振った。
「いえいえ、貴女達の中にAランクが1人とBランクが1人って余りにも実力者が揃っておられるので驚きです」長身のイオは、謙遜しつつ頭を掻いた。
3人の中では最も調子が良く月華との会話がスムーズに流れるのはイオに依るところが大きかった。そうして彼等は冒険者というより探検家を目指しているとの事。この地であるブルボンの漁師をして資金を集め装備を整えてから世界各地を周るのを目指している様であった。
仮面の女メドは王都へ行くとだけ言うだけで、他人とあまり関わり合いたくない感じに思えた。
サイゴウは、やはり無言?イオとだけ小声で話している様だが、極度の人見知りであった。
月華メンバー達も自己紹介を簡単に済ませ、ギルドへ向かった。
ギルドにて各自ステータスカードを提示する事により護衛依頼を承認された。
小柄なサイゴウは終始無言のまま突っ立っているだけで、イオに促されるまま傀儡の様に覇気も感じられずに従っている姿を見てデメララは少し気味の悪さを感じとっていた。 (冒険者は変わり者が多いのじゃろか?)
「そうだね、プエルトに居る冒険者も変わり者は多いよ」
「そういうものなのじゃな..........えっ?」 (トゥルスは妾の心を読んだのか?)
トゥルスは、ニッコリと微笑んでいた。
ルクリウスは、仮面の女から漂う雰囲気が気になって仕方がない感じだった。
「おい、おい、これから長旅になるんだからな!お互いもう少し話そうぜ」
重苦しい空気の中、アレスが先陣を切った。
「そうだよ、どうせ出発は2日後だしせっかくなのでチャコちゃんから聞いた酒宴をしようよ」
「だね♡」
冒険者3人を引き連れて、居酒屋へ向かいチャコから教わった親睦を深めるオトーリを始めたのだった....
3人の中の唯一の女冒険者メドは、酒の席だというのに、仮面を付けたまま座っている。流石に仮面をしたままでは酒は飲めないだろうとイオやアレスに促され仮面を外す事になった。
「あの....気味悪がらないで下さいますか?」
「ああ、問題無い」
渋々メドは仮面を外すと、目のある位置に一本の刀傷が一文字に入っており目が完全に潰れていたのだった。
「あっあの....目が...」
「ええ、そうね私は両目を失った代わりに視覚以外の感覚がとても発達したみたいなの、だから物の色が分からない以外生活に支障は無いわ」刀傷を除けば整った顔立ちの美しい淑女だった。
その女性は壮絶な過去を持った者だと想像に難しくなかった。
「へっへぇ〜・・・だけどよ、魔獣相手だとやっぱりなぁ」流石のアレスも軽い感じで仮面を外せと言ってしまった事を後悔している様だった。
「そうですよね、ならばどなたかと、手合せしてくれませんか?」
「なら、同じBランク同士、アチシが受けてやるよ」
「いやいやいや、アレスは加減ができないだろう?私が受けよう。今日は遅いから明日の朝食を後でどうかな?」
「ええ、構いませんよ」
「何だよ!アチシがやりたかったのによ」
「まぁまぁ、アレスはメドさんの実力を見て欲しいの」
「まっまぁ...トゥルッチがそう言うなら....」
「今夜は楽しく飲もう!」
「「「おー!」」」
酒と美味い魚介類が並び自然と話も盛り上がって来た。
サイゴウの無口は、我々の言葉が良く理解出来ていないらしい....
話題の中心は、メドの目が気になりはしたがあえてその話題には触れずに、探検家を目指している2人の為に以前ゴブリンの群れを討伐した遺跡やロッペン討伐の話をしながら、その日は過ぎていった。
朝食を済ませた月華は先日の約束通り、メドとルクリウスの立ち合いである。
ブルボンの町外れの草原にて、ルクリウスとメドは向かい合っていた。
「さて、お手並みを拝見させてもらう」
「よろしくお願いします」
「メド殿貴女のタイミングで結構ですよ」
「はい、お言葉に甘えさせて頂きます」
メドから、禍々しいオーラが噴出した。
150メートルほど離れた所に他のメンバー達は眺めていたのだが、ルクリウスとメドの周り100メートルが紫色の何か想像も出来ないガスが発生して2人を包み込んだ。
「何だよこりゃ?マジか」
「あらあら、あのガスは致死性のある毒では無さそうね」 すかさずディアはガスの成分を分析した。
「なるほどね、メドさんそういう事ですか」 イオはj 納得した様だ。
「そうか、彼奴はルクリウスの視覚を奪ったのじゃな」
「まぁそうなりますね」
「ルクリウスは、そんな程度で動きは鈍らんぞ」
「あっ!そうか!」
「ディアどうしたのじゃ?」
「あのガスは視覚だけじゃなくて、幻覚の効果が高いのよ、という事は」
「という事は、何じゃ?」
「視覚を奪われて、ルクリが感覚を研ぎ澄ませれば研ぎ澄ます程に幻覚作用の効果は上がるわ」
「そうか、中々いやらしい戦法じゃな。しかし有効ではあるじゃろ」
ルクリウスは、ガスの中で視覚に頼らず神経を研ぎ澄ませてメドの位置を確認した。
「そこか!」
縮地を使い腰の長刀を一閃 メドの気配に向け振り抜いた。
腕に伝わる切り裂く感覚は、間違いなくメドの獲物と確信した。
ガスが少しはれてくると、其処には人が1人立っていた。
(むっ....メドに当たってしまったのか?)
その人物の姿が視認出来て来ると、その人物は............
口元に薄っすら血を浮かべた、ジョー・タカオカだったのだ。
「えっ?何故ここに?」
ルクリウスは動揺を隠せない、何故、何、何が起こったのだっと.....
次の瞬間、背後から気配を感知してルクリウスは縮地を使い、気配から遠ざかると寸瞬して衝撃が地面から伝わった。
「くっ!外したのか?」
メドの赤黒く光るロングソードの一閃は地面に突き刺さっていた。
「ふぅ〜〜〜・・・・隙あり!」
ルクリウスはすかさず身体を回転させてメドのお腹を目掛け峰打ちした。
「はい!勝負ありです」 トゥルスの声が響いた。
いつのまにか、あの想い人の傷ついた姿は消えていた。
「何だよ、もう終わりかよ」
「メド殿は、恐ろしく腕が立つな」
「いえいえ、ルクリウスさん私は完全に捕らえたと思ったのですが、あの動きには本当に驚きました流石はAランクです」
「私の大事な者が見えたのだが?」
「相手に隙を作らせる為の幻覚効果のある魔法です。想いが強ければ強いほど、より鮮明に見える筈です」
「なっなっ・・・」 ルクリウスは顔を真っ赤にして俯いてしまった。
「何だよ、ジョウが見えなかったのか?」
「えっ?いいや見えたのだが....鮮明に見え過ぎて私が斬りつけたことで怪我までさせてしまった....」
「えっ?そこまで鮮明でしたか?」メドは驚いて聞いてきた。
「ぐっ・・・」
「まぁ、今回の立ち合いは引き分けだな」
「えっ?何故です?」 不思議そうにメドは聞いてきた。
「私は幻覚を見て完全に動揺してしまった。あの一戦が生死を分ける立ち合いならば、私は死んでいたのは私だろう」
「今度はアチシとやろうぜ」
「ええ、又の機会に....」
「約束だからな」
「はい」
メドとアレスは約束だと一言 言い放って一方的にメドの手を掴みブンブンと振って約束をした。だがメドも仮面越しではあるが嬉しそうではあった。
昼食を食べ、明日からの旅に必要な物を買い揃えて月華メンバーは少し豪華な夕食を食べ宿屋に戻った。
読んで下さり、ありがとうございました。
次回も宜しくお願いします。




