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冒険者 GEKKA だね

宜しくお願いします。

私はルクリウス、このパーティ [ 月華 ] のリーダーである。


言い出しっぺのディアでも良かったのだが、折角のパーティなのでコスチュームを決めようとなったのだが、ディアのデザインしたコスチュームはあろうことかフリフリのワンピを提案して来たのだ.......あり得ないだろ!と心の中で叫んだ私は、ディアにやんわりとお断りをすると、何故か頬を膨らませて「なら、ルクリがリーダー決定ね!」等と強制的に決められたのだ。その後ディアの顔をチラリと見ると、小さな口から舌を出していた......完全に確信犯である.....まぁ、諦めは肝心である。

かくして私は、 [ 月華 ] のリーダーとなったのです。


二子島のアルマニャック島に無事到着した私達は港町への道すがら、討伐対象である魔獣と出くわしながら、 [ 月華フォーメーション ] 等を考えつつ順調に?いや少し寄り道をしながら、お互いの得意なスキルや魔法を確認しつつ且つ会話を楽しみながら進み無事アルマニャックの最も栄えた港町に着いたのだった。


「あっ街が見えて来たよ」

「そうじゃな」

「私、喋り過ぎて喉がカラカラよ」

「僕もだよ」


以前訪れた時は、バタバタしていて宿屋の記憶しかないが、改めて街を歩くと皆活気にあふれて笑顔が広がっていた。

果物屋の前で足を止めて、林檎を1つ買った。その支払いを済ませようとした時である。


「ああっ!アンタ!」 果物屋の女将さんが何やら大声をあげた。


「へぁ?」 トゥルスが変な声が出てしまい、思わず顔が赤くなった。


「貴女様は、トリトンさんを救出されたあの英雄様の御一行では?」


「いえ、僕は何もしていませんです....」 (変な言葉使いになってしまった....)

「またまたぁ〜〜ご謙遜を....アンタ、アンタァ〜〜」

「なんだよ」

「ほれ、トリトンさんをお助け下さったあの」

「うおおおおっマジか!ああああああのう.....」

「なっななな何でしょうか?」

「サッサッサ....」

「さ?」

「サイン、下さい」

「えっ? あ〜〜ビックリした.....まぁそんな事なら...」

[ 月華 ]全員のサインを書いて渡した。

ものすごく感謝されたのだが、女将さんが大声を上げたせいで、人が集まり果物屋の先でも、色紙を持った人が立っていたので、これは.........非常に.......メンドクサイ。

(どこから、色紙を?....)

ジョウの評判が良いのは嬉しいのだが、少し歩く度にサインを強請られては堪らない。[ 月華 ] の心が1つになった。少し変装をしようと.....

トゥルスは綺麗な黒髪を三つ編みにして人懐っこい目つきなので、伊達眼鏡をかけた。

ディアは栗色の髪をサイドポニーテールにして、スカートばかり履いていたのだが、ボーイッシュなブッシュパンツにした。

ルクリウスは葵い髪を後ろで1つに纏めて黒いロングコートを纏った。完全にイケメン男子である。

一番目立つのはデメララである。青紫色の髪の毛、左が黒目で右目がプラチナの様な輝きを放つ目をしているのだ。トレードマーク的な感じの黒っぽい服がをやめて冒険者風のカーキ色の少し大きめのオーバーオールに白いタンクトップ、右目が目立つので眼帯をした。マニッシュな感じだ。

着替えを済ませた、[ 月華 ] は恐る恐る街に繰り出すと、どういう事でしょう...街の人からのサインの申し出はピタリと止んだ。

冒険者が集まる酒屋にも行ったが、ルクリウスの禍々しいオーラが、ハンパ無いのか声を掛けて来るものはいなくなった。


そして、耳をすませると未だに話題にされているのは、ジョー・タカオカの話であった。


「やはり、本人に自覚が全く無いのが驚きなのだが、ジョウは凄いな」

「うん」

「当たり前じゃ!妾が見初めた男じゃしな」

等と話していると.....酔っ払った冒険者風の男が、大声を出して語り出した。


「あ〜〜お前ら!まだあのよそ者の事を言ってやがんのかよ!鬱陶しい」

「あんなの、出鱈目だろ!タマタマ、タイミング良く帰って来れただけだろうが!」

「それを何だ!さも英雄の様にかたりやがって!」

「しかも、事実確認をする事も無くソソクサ消えちまったんだろ! クソが! 俺は認めねーぞ!」


身体もデカイが、声もデカイ!酒屋の客達は、何時もの事の様に、ため息1つこぼしジョッキの酒を飲んでいた。

だが、今日は違った。果物屋の店主からあの英雄が街に来た等と話回っていたのだ。

それを耳にした大男は面白くないとばかりに、酒屋でいつも以上に酒を呑んでいたのだ。


「おい!誰だ、いま俺をバカにしやがった奴は!」

「おいおい、やめろよ!みっともない」

「な・ん・だ・と・ぅ・」

大男は、止めに入った酒屋の店主の襟首を掴み投げつけたのだ。

即座に動いたルクリウスはその店主を捕まえてゆっくりと降ろす。


「おおお〜〜〜・・・」 歓喜に湧いた。


「て・め・え・良い度胸じゃねぇか」

「楽しく酒が飲めないなら、帰れ!」 ルクリウスはピシャリと言い放った。

「そうだ、そうだ〜」

「もう、帰れよ!」


「ぐぬぬぬぬぬぬぬ」

「皆んな俺を馬鹿にしやがってぇ〜〜」

「妾が出るかの?」

「いや、私がお相手しよう」


「こんな、ヒョロイ野郎に...........クソが、表にでろ!」

完全にルクリウスを、男だと思っているようだ...

「店主、この国では少し痛めつけても咎は無いか?」

ルクリウスは男と勘違いされた事に思う事があるのだろう....いつになく顳顬がピクピクと痙攣していた。

「あはははは、大丈夫だよ。でも気おつけてくれよ、アイツは馬鹿だが力も戦闘センスもそこそこあるぞ」

「そうか、相分かった」

ルクリウスは腰の得物をデメララに預けて、店を出た。

「何だ?ヒョロイの得物を使っても良いんだぜ?」

「ああ、あれは飾りだ」 嘘である.....

「けっ!ハッタリかよ」

「今、謝るなら勘弁してやるぞ?」 意外と良い奴なのか?

「さっさと来い」 掌を上に向けクイックイッと動かした。

何時もは冷静なルクリウスだったのだが、ジョウを嘘つき呼ばわりされて、はらわたが煮えくり返っていたのである。


「このっ! ヤロウ......泣いて謝っても許さねぇからな!」


男はルクリウスへ駆け出した。目の前まで近付くと大きな拳を振り上げて来た。と思った矢先足元から砂を巻き上げて視界を奪う。そして振り上げた拳を打ち下ろした。

「ガハハハハハハ、どうよ!」

目を瞑ったルクリウスが大男の拳を両手で受け止めていた。

「ばっ馬鹿な!」

慌てて、距離を取り構え直す大男は、目が真面目になっていた。

「ちょっ....少しだけ待てぇ.......」お腹を抱え出した。


「良いだろう」


「グエエエエエエ・・・・・」 大男は吐瀉物を撒き散らした。


「おい、アイツどうしたんだ?何があったんだ?」

「俺が分かるわけ無いだろ」


「どうだ?酔いは醒めたか?」

大男の拳を受け止める時に五発程 鳩尾では無く、タプタプの腹にルクリウスは拳を打ち込んでいたのだ。


「舐めやがってよう」 グイッと口の端を拭った。


「おらああああああああああああ」

男は一直線に飛び込んで来る。腕を上げるモーションに入るとき、又砂を巻き上げたのだが、袖口から魔法が付与された針がいくつも飛び出した。


「ルクリ、危ない!」 思わずディアは声が出る。

しかし落ち着いた表情で、ルクリウスは両手を広げた。ルクリウスの胸のメビウスの帯のペンダントが光を放ち、リィパルシャン [ 障壁魔法 ]が発動して一切を寄せ付けなかった。


「なっ何だと?」 困惑した大男...


ルクリウスは縮地を使い、大男 へと近づき今度は鳩尾に掌底を放ち、大男は意識を失った。


「すっ凄え.....無詠唱で障壁魔法かよ....」


「さあ、皆んな飲み直そう」仲間達に振り返って笑顔で話しかけた。


「「「「「おおおお〜〜〜〜!」」」」」

何故か、店内のオッサン達からも雄叫びに似た歓声?を受けたのだ。


深夜まで冒険者達と酒を呑み情報を集めて [ 月華 ] の1日は過ぎていった。


翌朝宿屋の受付で呼び止められた。


「すみませんが、手紙を預かったのですが」

「ん?手紙?誰からかな?」

「はい、冒険者ギルドの方からです」

「冒険者ギルド?」

「なんじゃ?面白そうではないか」

「プエルトまで未だ未だ時間も掛かるし、慌ててもしょうがないよ。それにもしも急用があるならQちゃんからも連絡が来るしね」

「私も別に構わないよ」

「そうか、ではトゥルスすまないが、ジョウに連絡を入れて、少し遅くなると伝えて欲しい」

「うん、分かった」

[ 月華 ] はこの街の冒険者ギルドへ向かった。


「う〜〜ん、ここかなぁ?」

「その様ね」

「何じゃ、入らぬのか?」


見るからに寂れた小屋である。


[ ギイイイイイ ]


建て付けの悪い木戸を開けると、中には一応受付があり、可愛らしい女の子が立っていた。

小屋の中には、冒険者が2名依頼ボードを、眺めていた。


「失礼する。手紙を頂いたのだが」

「あっ!少々お待ち下さい」 対応はちゃんとしていた。


「わざわざお越し頂きありがとうございます私はここのギルド長をしていますシーシュと申します。あっちなみにブルボンにあるギルドのギルド長は私の娘でネプチです」 軽く自己紹介をされた。その男は歴戦の猛者の様な出立の初老の男だった。


そして、ゆっくりと話を始めたのだ。

ルクリウスは、歴戦の猛者の様な男に眼をキラキラさせて既に彼の話に入り込んでいた。


辺境の地であるこの地には、腕の良い冒険者が来るのは稀な事なのだとか....鉱山資源は豊富ではあるのだが、この地まで来て採取して帰るとなると移動にかかる費用が高額になり割に合わないとの事。

そして、この度海賊を討伐したのは良いが、海底に眠る天災級の魔物が眼を覚まして

しまったのだとか、その為海に出られず困っていたのだとの事。ブルボンから何組かの冒険者が向かったが、船を出した途端にその魔物の眷属に沈められて、命からがら逃げ帰ったのだとか。

「そうなのか.....」

「依頼を受けるも受けないも、私達はブルボンに行かなければならないのだ。依頼を引き受けよう」

「えっ?....ルクリ本気?」

「僕は.....自信が無いな...」

「何じゃ情け無い、ならば妾とルクリウスで行くか?」

「待って!自信が無いけど行かない何て言って無いよ」

「どうする?」

「まぁ、怪我をしてしまったら私が必要でしょ?」

「長期戦に、なるなら僕の食事も必要だよね。それにいざとなったら魔獣を召喚すれば戦力になるしね」

「なら?」


「「「受けます!」」」


「決まりだな」


「では、シーシュ殿 詳しい話を聞かせてくれ」


「助かるよ、ありがとう」


魔獣の出現ポイントや、特徴などを詳しく教えられ [ 月華 ] パーティはギルドに正式に登録をしたのだった。

街に出て必要な物を調達していると、Qちゃんから連絡が返ってきた。

月兎(ゲッシ)はみんなの前に出てきてジョウからの言葉を受け取った。

メビウスの帯のペンダントを必ず身につけておく事、無理はしない事、相手が強くヤバイ時はルクリウス、ディア、トゥルスに神気を送るから、遠慮なく使ってくれとの事だった。

「何じゃ、その神気とは?妾には無いのかえ?」 デメララは少しだけ拗ねた。

しかし、皆んなと同じメビウスの帯のペンダントは渡されていたので、直ぐにニヤケながら大事そうにペンダントを握りしめたのだ。


「さぁ、出発しよう」

「「「おー!」」」

読んで下さり、ありがとうございました。

次回も宜しくお願いします。

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