アルメア国だね
宜しくお願いします。
今俺達は、エルフの国アルメアへ向け空を飛んでいた。とても気持ちの良い天気でありながら、何故か重い空気に包まれている [ 緋き絆 ] であった.....
遡る事3時間程前
生還不可能と言われていた、コニャック島からの救出&領主の婚約という一大イベントに、アルマニャック島の港町は大いに盛り上がっていた。
俺達は、その大騒ぎを避けて宿屋の一室に集まった。
アレス、ラム、ルクリウス、デメララ、ディア、トゥルス、チャコそして俺の8人が車座になってミーティングを始めた。話す内容が内容なだけに外に漏れ出ない様に、結界と音声遮断を施し念には念を入れた。
「さて、今回のトリトン救出作戦の時だが魔神の眷属とか言っていたトリ頭の奴に遭遇した」
「トリ頭?」
「ああ、体から2つトリ頭が生えた、鳩並みの知能を持ってたな....」
「倒したの?」
「いや、逃げられた」
「えっ?頭が鳩なのに?」
「うっ!」 (グサって音が聞こえた気がした.......)
「まっまぁ....遂に、その時が来たのかな?ねぇジョー君?」
「分からない、けれどのんびりした感じではあったし、この辺りの近隣諸国を支配しようとしていたな、侵略による虐殺ではなく溶け込む形で....もしかすると、最近召喚された訳でも無いのかも知れないな....」
(あの眷属達も魔神アルゴの襲来時期は読めていないのでは.......う〜〜んまだ先と考えるのは都合が良すぎかな?)
「ふむ、それも一理あるな」
「しかしだ、古い文献には魔神が襲来した時には数千人規模の生贄が捧げられたとある」
「盗賊を操り資金を稼ぎ、宗教で魂を支配して来たるべき時の為の生贄を増やしていたとも考えられないか?」
「そうか、成る程.....」(流石はルクリウスだ)
思えば今回の眷属の行動にも納得した。話し合えば話し合う程に、プエルト国を長い間留守にするのは得策では無いとの結論に至ったのだ。
「アルメア国へは時間をかけずに最短で行こう。アレス頼めるかい?」
「アチシは良いけどよ、全員は無理だぜ」
「ああ、分かってる。そこでデメララが眷属を召喚してくれるそうだ」
「ヤッタァ!歩きは疲れるし、僕飛びたかったんだ」
「オラも、オラも!」
「トゥルス、チャコそう言ってくれるとありがたいよ」
「えへへへ」
「アレスの背中には、ラム、ルクリウス、ディア、トゥルスが乗ってもらい、デメララの眷属に運んでもらうのは、チャコとデメララの2人になった。何故彼女達かと言うと、体躯が小柄で軽いので魔族が早く飛べる様にとの配慮からだった。 そして俺はQちゃんの背中に乗って行く」
「どうかな?」
「「「「うん、良いんじゃないかな」」」」
「ちょっと待って!」
「何?」 (ルクリウスはどうしたのかな?)
「デメララは魔族である事を隠蔽出来るので問題は無いと思うのだが召喚した魔族達は隠蔽など出来ず、エルフの国の結界によってアルメア国に近づけない、いや防衛魔法で撃ち落とされる可能性もある。
アルメア国の少し手前で降りて、Qちゃんそして瑞獣の背中に乗って向った方が良いだろう。
馬より断然早いからこの場所からアルメア国まで飛行時間を含めてもおよそ2時間で着くと思う。ゲッちゃんが予想したから間違い無いと思うのだ」
「「「「りょうか〜〜〜い」」」」 メンバー全員納得したようで何よりだった。
「では、出発〜つ!ですね」
ディアの号令と共に、荷物をまとめ俺達は早々にチェックアウトして、港町を後にした。人影の少ない林を抜けてからアレスは竜になり、ラム、ルクリウス、トゥルス、ディアが乗った。
「アレスちゃん、ゴメンね」
「ん?良いって事よ!」 アレスさん男前です。
俺は、Qちゃんに神気を流し大きくなって貰い準備万端だ。
「ジョウ!どっちが速いか競争しようぜ!」
「皆んなを振り落とすなよ」
「ああ、分かってるよ! んで?んで?」
「ああ、分かった」
「じゃぁ行くぜ!」
「おい!デメララが....」
俺の制止も聞かずに羽ばたいて行ってしまった....
(アレス........)
そしてデメララは眷属を召喚した。
「えっ?」
「オラ....殺される〜〜〜・・・」
「ふふふっ、大丈夫!それに抱きかかえられるなら女同士が良いじゃろ?」
「ああ、まぁ........でも顔が....怖い.....」
召喚された魔族は、顔は蝙蝠 体は女性だった。
よく見れば、眼はクリクリしていて愛らしく見えなくも無い。
チャコは、ビビリまくっていた。
アレスは、先に飛び立っているし、これは困った事になった。
チャコの余りの怯え方に、流石の魔族も何故かウルウルと目に涙を浮かべ........ポロポロと涙を流しながら一体は完全に消えてしまった。
「この子達はとても繊細なのじゃ、だから余り怖がらないで欲しいのじゃ.....」
「うううっゴメンなさい.....だってだって.....」
デメララが再度同じ魔族を召喚したのは良いが、心が繊細すぎるのだろう、チャコの余りの怖がりように傷付き召喚された二体はそそくさと退散してしまった。
冷静に考えれば、チャコには刺激が強すぎたのだろう。しかもエルフだしね。
仕方が無いので、チャコにはQちゃんと俺の組み合わせに入った。チャコは俺の膝の上に乗っていざ出発〜!と思ったら、デメララが俺の背中に引っ付いて離れない。
「妾だけ一人は嫌なのじゃ.....」
などと、可愛らしさ全開で言ってきた為、当然許してしまった。
背中の....その....至福の....感触は.....鬼神になった事で性欲という物が希薄になったものの、女性は好きだし、ひっつかれて嫌な気もしない。いや、嬉しい♡...
かなり遅れて俺、チャコ、デメララがQちゃんの背中に乗って飛び立った。
しばらく飛んでいると、真っ赤な一筋の光が飛んできた。
「おや?」 何だろうと思ったら....
アレスだった......
「ジョウ!おせーよ!」
「ッて!.....オイ!......どぉ〜〜言ぅ〜〜事・・だよ」
「なんじゃ、羨ましいのか?」
「当たり前じゃね〜〜か!」
「うふふふふふ、妾......最高じゃ♡」
「デメララ......テメェ........後で全ゴロだ!」
(アレスがとても物騒な事を言っている)
(皆んな、止めないと..............)
(って!えええ〜〜ラムもルクリウスも温厚なディアやトゥルスまで.....完全に目から生気を失い焼き魚の様な目になっていた......ゾンビより怖い....そして纏うオーラは、魔神の眷属を軽く凌駕していた.......マジで.................怖っ........」
いや〜〜飛んでる間、[ 緋い絆 ] は終始無言を貫き、俺とQちゃんをジト目を向けられ続けたのだ。
そして、魔族は召喚していないので、そのまま飛んでアルメア国の結界を難なく過ぎていよいよエルフの国に入ったのだった。
入国前の検問も扉も何もなかった。不用心とも思えるが、結界を超えられた者はエルフ達も安心している様だったのだ。それ程までにアルメア国の結界は強力なのであろう....
ルクリウス曰く、魔法の技術は圧倒的にエルフに分があるとの事だった。
まぁ、納得だね。
とても大きな木が見えて来たので、近くの草原にアレス、Qちゃんは降り立った。
「ジョー君?一体どーゆー事かな?」 バチチチチチ
「まぁ、妾からすれば、ラムはオボコじゃしな、たまにはサービスせんとな」
大きな胸を張った。小柄な美少女......
「ふへへへへ、私だって、私だって、何時迄も子供じゃないのれすっッ」 (はい、盛大に噛みましたね...)
「わらしらって........負けないんだから!」
[ バババババッチチチチチチチチチチチチチチッ」
「うきゃ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ」
何故か、ジョー・タカオカは意識を手放した..........
完全に不意打ちだった.....ラムのテンパった愛情表現が.........電撃だったとは.......我ら [ 緋き絆 ] は知る由もなかった.......
「えっ・・・・・・・ちょっと・・・・・嘘・・・・
ジョー・・・・く・・・ん・・・?」
俺は天国に召されました。
[ 完 ]
「なわけ、あるか〜〜い!」 盛大に一人突っ込みをした。
「全く、死んだぜ!」
「うううっゴメンなさい」
「まぁ、俺だから良かったけど、メンバーにはするなよ」
「当たり前だよ。だってお母さんから教わった愛情表現なんだもん♡」
「えっ?」
「だ〜〜か〜〜ら〜〜、私の...「いやっもういいよ....うん....」何で?」
(バーサクヒーラーのランプさん......あの人かなり捩じくれている....この先俺の身体が持つのか?................)
「妾、焦ったのじゃぁ〜〜防御が間に合わなかったのじゃ.....それにあの背中に浮かんだ雷鼓の連鼓は、上位魔法じゃぞ........」
「ああ、デメララは知らなかったのか?ラムのお母さんはあの有名な冒険者パーティ [ キャッツライト ]のバーサクヒーラー・ランプの娘さんなのだ」
「ほっほう...... あの...[ キャッツライト ]のバーサクヒーラーの娘とな....あのバーサクヒーラーは王妃じゃったのか!」
(デメララは [ キャッツライト ]の事を知っていた様だった)
デメララはその後、ラムにだけは尊大な態度を改めた様だった.....
(よし、皆んな仲良しが一番だよね)
「そうですよ、だから皆んなにも同様に甘えさせて下さいね」
「ああ、分かった」
「って....トゥルス...ヤッパリ俺の思っている事が...」
「あっ、バレちゃいました?」 テヘペロ♡
「まぁ、良いよ....」 (あんなに可愛い顔で言われたら何でも許してしまいそうだよ.....全く...俺も胆力を鍛えなければ....)
草原で俺達が、キャッキャ キャッキャと騒いでいると、薄いグリーンの髪をした長身の美女が弓矢を抱えた青年団と共にゆっくりとした足取りで近付いて来た。
「お会いするのは、初めてですね、私はアルメア国のピニャと申します」
エルフの国の姫さまが、自らやって来てくれました。
読んで下さり、ありがとうございました。
次回も宜しくお願いします。




