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遺跡での出逢いだね ①

宜しくお願いします。

俺は今プエルト城内の風呂に入ってくつろいでいた。


「なあ、ジン居るか?」

辺りは湯気で曇っていたが、間違いなくチャコの声だった。

「チャコか?」

「ああ、ジンの着替えが置いてあったから、オラも風呂に入ろうと思ってよ」

「ああ、一緒に入るのは随分久し振りだな」

「へへへ」

「よし、久し振りに俺が背中を流してやる」

「おう!」

「そういえば、何でプエルト城にチャコが居るんだ?」

「ああ、皆んな来てるよ」

「え?そうなの」


風呂を上がった後チャコと一緒に自室に向かいベッドの上で寝転んでいると...


[ コンコン ]


ドアがノックされ、ラムが入って来た。

「どうしたんだ?」

「少しいいかな?」

ラムは魔族とは思うところがあるのか?魔族を家族として迎え入れる事に少し抵抗があるように見えたのだ。

[ 鬼神狩り ]の実行犯に魔族も含まれていたからだろうと想像していたのだが....

「ジョー君?」

「なんだい、ラム」

「あの....魔族の女王さ....」

「ん?デメララか?」

「うん.......とっても綺麗な人だったね....」

「ん?そっそうか?」 (まぁ、確かに....)

「.................」

「ラム、どうかしたのか?」

「だって.......だって......スタイルも良いし....」

(待てよ....何だが変な話になって無いか?)

「女王様を家族にするとなると、公の場に発表するんだよね!周りはジョー君の身内第一号って思っちゃうじゃない!.......それは嫌なの!」

「へ?だって俺達婚約してるんだよね?それにチャコだって既に家族と思ってるよ」

「うん.........でもでも、記憶を無くしてからちゃんと言葉にしてもらっていないし、公に公表もしてないんだよ」

「ああ、そういう事か....すまなかったと思う。皆んなが揃ったら聞こうと思っていたんだよ」

「いつ」

「なるべく早くかな?」

「今じゃなきゃ嫌!」

「え?」

「皆んな応接間で待ってるんだよ、それにチャコちゃんも一緒に来てね」

「マジ?」

「マジです」

俺はラムに手を引かれて応接間へ向かい、バツが悪そうにチャコも後からついて来た。


応接間に入ると、ルクリウス、トゥルス、ディア、アレス、そしてデメララまで集まっていて、何ここ、まるで天国の様ですが?と思えるほど揃いも揃って美女達が薄い部屋着で集まって楽しそうに会話をしていた...

暫く見惚れていると、ラムがソファに腰掛けるように促された。


俺はみんなの前で、記憶を失ってしまった事、婚約者と気付いた時期やその事を先延ばしにしてしまった事、俺の本当の気持ちそして現在は皆んなを養って行くだけの自信が少なからず持てた事を話したのだ。


「おい、ジョウ!ツラツラと話がなげえし!アチシが聞きたいのは一言なんだよ」


「うっ!」


「アチシ達の事をどうしたいんだ?」


「何よりも大事にしたいし、何時迄も一緒に居たい」


「だから?」


「ううっ!」


「ジョウ!一言で言うと?」


「あっあっあっあっあっあい...あしたにしようっと..」


「ダァ〜〜〜〜〜情けねぇ〜!強え癖にダメダメだな」


「すまん」


「まぁ、そこもアチシは好きだけどな」


「あっズルいよ!アレス!」


「自分だけ、何良い娘ちゃんになってんの!」


「うおっ!悪りぃ.....」


「でも、今は私この関係でも良いかな」 (ラム...ありがとう」


「そうだな、私も十分だと思う」 (ルクリウス...)


「僕だって...」 (トゥルス...その奥ゆかしさがたまりません)


「私もよ。ところで、チャコちゃんはどうするつもりなの?」


「ああ、チャコは結婚するまでは一緒にいたいし、俺は家族と思っているから結婚後もたまに顔を見せに来て欲しいかな?」


「ふ〜ん、チャコはそれで良いの?」

「オラにはもったいない言葉だよ」

「又、チャコはそんなこと言って!希望が有ったらちゃんと言ってくれよ」

「あのな、ジン....オラはエルフなんだ」

「はぁ?何を今更....」

「えっとな、ルクリウスさんやディアさんそしてトゥルスさんから聞いたんだけど、オラもしかしたらälva(エルバ)かも知んねーんだと」

「ん?älva(エルバ)って?」

「私から説明しようか、エルフは生まれた時は雌雄の区別が無く17歳を過ぎた頃から身体に変化が出てくるらしいのだ。ただここまで若い Pure bred(純血)のエルフを見るのは私も始めてだから私も文献での知識なのだが.....」

「ハーフエルフやクオーターエルフは比較的多く、王都でも見かけるのだが、純粋なエルフは希少なのだ」

「なんで、分かったんだ?」

「僕のパートナーの月兎(げっし)から聞いたんだよ」

「え?そうなの」

「うん、チャコさん自身も気付いて無かったみたいだしね...」

「そうだったのか....」 (流石は精霊使いのトゥルスだな)


もしかしたら、チャコはアルメア国の要人のご子息の可能性があるとの事だった。

ならば、チャコを家族として迎え入れる前に、エルフの国であるアルメア国に行く必要がある。デメララ女王の件も重要だが、俺にとっての優先事項はチャコの事だ。

デメララに伝えると、全く気にした様子もなく、快諾してくれ、更に一緒に同行もするとの事だった。

グヤナ国の心配を俺がすると、デメララはマーラ王子と側近のエルドラが国にいるので全く問題ないそうだ。 (かなりの自由人だな...)

ウェインさんはデメララの護衛を希望したが、デメララは「タカオカ様の側にいる方が安全じゃ!」と一言告げるとウェインさんは納得して一人グヤナ国へ帰国する事になった。

魔神アルゴの存在も気にはなるので、屋敷に武闘派のカイちゃんとダイちゃんを残して俺達はエルフの国を目指す事になった。


[ おーい! ]

(ん?エリイかい?)

[ そうだよー ]

(どうしたの?)

[ アルメア国のピニャ姫にも伝えといたからね ]

(ピニャ姫?)

[ うん、とっても楽しみにしていたよ ]

(おっおう!分かった。ありがとう)

[ ううん、良いよ またね ]


そこまで急ぐ旅でも無いし、今回はゆっくりと馬車での旅となった。

メンバーには女王や王女が同行するし、お尻の痛くなる早馬は、やんわりと却下された。そして、今回使用する馬車には、魔法のバックパックと同じ様な空間魔法が付与された、ボックスをこの馬車は備えている。道中に回収した素材等を入れ行く先々のギルドで買い取って貰う予定だ。


(しかし....チャコも女子だとすると、俺以外全員女性って事か......ある意味理想だが、やはり緊張はする....)


「アルメア国まではどの位の道のりなんだ?」

「え?ジョー君調べて無かったの?」

「うっうん...結構近いと思うんだけど....」

「えへへへ、博識なラムさんが教えてあげるね♡アルメア国はこの大陸にも存在するんだけれど、聖なる木を守り管理してくれているエルフさん達の領地なのです。そして聖なる木はエルフさん達が管理しないと枯れてしまうらしく守ってくれている訳です。そして実際のエルフの国は海を挟んだ所に存在します。」 エッヘン!

「アレスちゃんみたいに、とても早く飛べて尚且つまっすぐ東に飛んで行ければ、きっと1日かな?でも私達はプエルト国からそのまま東へ向かった海域では船はおろか、魔獣を使役してもあの海域に近付いただけで魔獣は狂い魔法も効かないので近づく事も出来ない聖域と呼ばれているの」

「へぇ〜〜聖域ねぇ.....」 (何だかそう聞くと行きたくなるな....)

「ジョー君!今行ってみたいな何て思ったでしょ!ダメだよ本当に....」

(うっ!流石はフィアンセ....)

「話が逸れちゃったね、だからアルメア国へ向かう為には、聖域を侵さずに回らなければならないのよ。なので遠回りだけれども南部にある漁業が盛んな町ブルボンへ向かって船に乗って、更に東南に下って行くと双子島があるのね。そこへ上陸して東に進みその後再度船に乗って北に進むとアルメア国のある大陸に上陸する事が出来るのです」

「どう?分かりましたか?」

「ああ、ラムありがとう」

「ふふん」 ラムはやけに上機嫌になって胸を張った。

(何と可愛らしい仕草なのだろうか....嫁と言うより娘にしか見えん.....)


「むっ!」 ラムがジロリと睨んで来た。


(え?何で?何で俺睨まれたんだ??? 心を読まれたのかな?)


こうして俺達 [緋き絆 ]とデメララを含めて8人は漁師町のブルボンへ向かった。


プエルト国を出発して馬車に揺られる事既に3日経った。馬車の中は女子が7人?も揃うととても賑やかで、危険地帯を移動しているにも関わらずに緊張感はゼロなのです。彼女達は喋っているか、お菓子を食べているか、寝ているかの三択しか無い。俺は喋りが得意では無いのでとても助かる。

キラキラした美しい女性達の会話を眺めていたり、俺がうたた寝すると膝枕をしてくれたりと俺は甘やかされ続けていた。........何故かチャコまで少し女性言葉になりつつあったのは気になったが.....

デメララもすっかり皆んなと打ち解けて仲が良さげで一安心だ。唯一不安なのはもし、もしもこのまま結婚ともなるとお嫁さん同士が仲良くやって行けるのか?本当に守り切れるのか?等不安は尽きなかった....まっ!なるよーになるか? っと逃避する俺だった.....


移動中、俺の索敵にヒットした魔獣を俺と女子トークの苦手なアレスはペアになって討伐しまくった。

アレスの竜人フォームで出来る事が増えて来て俺の鬼神モードとの相性も良く安心して俺の背中を預けられる相棒になった。

たまに無茶をし過ぎてしまうので、リパルシャン[ 障壁魔法 ]でフォローは必要だが....


プエルト国を出発して4日目の昼時に俺の索敵に今までに無い程の数が索敵にヒットしたのだ。俺達の馬車から3キロ程離れた場所に遺跡が有りそこでゴブリンの群れが人族を襲っていた。更に感度を上げると数台の荷馬車が襲われている様だった。


「アレス行くか?」

「あったりめーだぜ!」

「皆んな、ちょっと行って来るよ」

「「「「「行ってらっしゃ〜〜い!」」」」」

「おっおう!」 (はぁ...可愛い...幸せすぎるよ俺...)


「アチシの〜りゅ〜〜じんふぉ〜〜〜むぅ!」

何時もの掛け声とともに、美しい女性に変貌するアレス。俺も鬼神モードとなって遺跡に向かった。



荷馬車を囲んで25人の冒険者達がゴブリン達と交戦していた。


「くそっ!くそっ!くそぉ〜〜・・・」

「おい、何なんだよ、この数は.....」

冒険者達はパニックに陥っていた。

「きっとあの遺跡が巣なんだよ!」

「だけどよ、先月調査した時は、数匹だっただろうが...」

「とにかく、荷馬車は先に逃がせ!」

「リーダー!この遺跡で小遣い稼ぎなんて言い出すからだぜ!」

「ふふふっ!まぁ冒険者のサガだな!」

「おい!あれって、オーガか?」

「ヤバイぞ!」

「サマナーは援護を頼む!」

「あいよ!」3人組のサマナー達は詠唱を唱えると魔法陣が浮かび上がり... 頭が3つの大きな狼が3体出てきた。

「よし、ケルベロス行け!」

「グウォオオオ〜〜〜〜〜ン」

三匹は咆哮を放つと荷馬車を追いかけているゴブリンの群れに飛び込んで行った。

「無事に荷馬車はのここから離脱してくれたみたいだな!」

「よっしゃ!後は俺たちが生き残るぞ!」

「「「おう!」」」


ケルベロスは更に咆哮を浴びせながら、オーガに食いついて行った。遺跡からは、更にゴブリン達が群れ出て来た。その数既に300匹以上オーガは20体ほどだったが、遺跡から更に2体出て来た。

「まだ、出てくんのかよ!」

「俺の剣も血糊でもう切れねーよ」

召喚されたケルベロスも更にゴブリンを7体程食い殺した所で、オーガの餌食になり2匹は殺され残りの1匹も時間の問題だった。


「クルゥウォ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ン 」


「今度は何だよ!」


[ ドゴ〜〜〜〜〜〜ン ]

地響きとともに、ドラゴンの様な四足の巨大な魔獣が現れた体長は10メートルを軽く超えるデカさだった。


「俺たち.....ここまでじゃね?」

「諦めんなよ!」

「コイツは!」

「ああ、コイツはヴリトラだ!」

「全くついて無いぜ、ヴリトラがコイツらの気配を消してやがったのかよ」


「うぎゃ〜〜・・・」

「ぐぎゃぁぁぁぁ〜〜〜〜・・・」


リーダーらしき男は少し離れた場所から聞こえる仲間の断末魔の声を聞きながら、最後の力を振り絞ってヴリトラへ大剣を握り駆け出した!


「リーダー、無茶だ!」

ヴリトラの咥内にガスが溜まり出した。

冒険者のリーダーは尚もヴリトラに突っ込んで行く。


「リーダーが殺られちまったら....ダメだって〜〜!」


冒険者達が諦めかけたその時


「りゅ〜じ〜〜〜ん......き〜っく!」


赤い弾丸がヴリトラの頭を直撃した。

魔獣の頭は地面にめり込み、咥内に溜まっていたガスも霧散した。


「おい、おい、アレスその毒ガスはヤバイ奴だぞ!」

「えっ?マジで?」

「ああ、バウンダリゾーン [ 結界 ]が展開されてるだろ?」

「あっ本当だ!」

「全く.....無茶しないでくれよ、飛び込むのは良いが状況を冷静にだよ! 全く.....俺にとって大事な人なんだからな!」

「え?もっかい言って」

「言わない」

「ケチ!」

「アレス、まだ終わって無いぞ」

「ああ、分かってるよ!ダーリン♡」


冒険者のリーダーらしき人に残りのゴブリンやオーガそして魔獣を俺達で討伐して良いか確認をした。ポカーンとしていて心ここに在らずな感じで有ったが、オッケーが出たので殲滅開始だ!


アレスはデカイ魔獣の相手を、俺は冒険者を庇いつつ、というか、めんどくさいので、奴らにバウンダリゾーン [ 結界 ]を展開させて隔離。ゴブリンとオーガを殲滅する事にした。燃やすと素材が手に入らないので金砕棒に極僅かな雷を纏わせ頭を落としていった。何体かは失敗して金砕棒を打ち込んだだけで爆散して肉塊になってしまったが、雷の調整をして残りは上手く素材回収が出来た。索敵をして遺跡内も調査まだ80体程隠れていたので、火炎弾を投げ込んで燻り出して完全に殲滅した。


頭を振って鎌首をもたげてきた巨大な魔獣の首の付け根に目掛けてアレスは拳を打ち込んだ。

外皮は硬いのか、あまりダメージはなさそうだった。


「へへへ、久しぶりの獲物だ!アチシも本気でいくぜぃ!」


アレスは全身から闘気を解放した。

読んで下さり、ありがとうございました。

次回も宜しくお願いします。

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