再会だね
宜しくお願いします。
俺とチャコとQちゃんの船旅は続き、4日経った日、遂に大陸が見えて来た。しかし、海岸沿いに巨大なゴーレムやら、人族や獣人族が浜に陣を構えていた。その数ざっと二万以上で埋め尽くされていた。
「おい、何だあれ?チャコ俺が話をしてくるよ!」
「オラも一緒に行く!」
「えっ?」
「絶対に行く!」
「分かった。ペンダントは身につけてるな」
「ああ、外したことなんて無いぜ」
「よし!じゃあ一緒に行こう!」
Qちゃんは、姿を消した。
俺達の船に、大陸の軍の大きな船が近づいて来た。
「一体どうしたんだろうな?」
「うん...」
軍の船から小さい船が更に近づいて来て、声を掛けて来た。
「お前達は、何者か?」
大きな船の大砲が俺達に向いているのが気になるが、取り敢えず質問に答えた。
「俺達は、冒険者でプエルト国に向かう途中だ」
「プエルト国だと?」
「どこから来た?」
「俺達はスピルト村から来た」
「しばし、待て」
4時間位待たされた。
もう日は落ち始めて、少し暗くなって来た。
「お前達の名前は?」
「俺は鬼人族のジン、そしてエルフのチャコだ」
「鬼人とエルフのパーティか...」
「今から、我等がその船に乗り込むそ」
「ああ、どうぞ」
3人の兵士が乗り込んで来て、船の中を細かくチェックしていた。そこで俺の戦利品である棍棒を見つけられた。
「何だこの棍棒は」
「ダグザとか言っていたと思う」
「ダグザだと?」
「ああ」
「まぁお前の体のサイズには合わない武器だな」
「どうするんだ?」
「あんまり考えて無かったけど、持ち主に返すかな?」
「はぁ?」
大陸の兵士に船の中に危険物が無いか隈なく調べられてから、浜辺に作られた小屋に入れられた。
「冒険者なら、ギルドカードを見せてみろ」
「え?ギルドカード?」
「むっ!やはり怪しいな」
「手を出して、ローディングと唱えよ」
チャコはやらされたが、何も出て来なかった。
俺は、何やらカードが掌に出てきた。
「おお、凄い!」
「やはり登録していたではないか。おちょくっておるのか?」
「いや、そんなつもりは....」
兵士はカードを受け取り何やら魔道具に乗せると、その場で尻餅をついた。
「なっなななななななな、何だと?」
「おま、おま、おま、お前........」
「ん?」
突然小声で、兵士は話し出した。
「貴方は、いま特殊な依頼を受けているのですか?」
「は?」
「お名前を変えても、カードの確認で分かってしまいますよ」
「そうか、分かった」
渡されたカードには、ジョー・タカオカと書かれていた。
カードの戻し方を何気なく聞いて、ギルドカードをしまった。
その後、兵士はとても、礼儀正しくなりお茶や茶菓子まで持ってきた。
「おい、ジン何したんだ?」
「さぁ〜ギルドカードとかいうのを渡したら、態度が変わったよ」
「ふ〜〜〜ん」
「あっこの食べ物美味いぞ」
「どれどれ」
お菓子の味に驚きつつマッタリとその小屋で過ごしていると...
[ コンコン ]
「ん?どうぞ」
獣人族が5名程入って来た。俺はチャコを庇いながら警戒したが殺気は無く何故か驚いて此方を眺めていた。
獣人族の1人が、フラフラと前に歩み出て来た。
「カ...オ...カ.....さま...?」
「へっカオカ?」 (意味が分かりませんが?)
「カオカ様....」
「えっえっ何て?」 (なにそれ、怖いんですけど......)
「カオカ〜〜〜〜〜〜〜〜」
「ええっ」
突然獣人達が揃って膝をつきながら崇められた。
「ジンってヤッパ神様じゃね〜の?」
「そん...な...ばかな....」
崇められている俺達を見た、人族の兵士達も何が何やら、困惑した様子で、立ち尽くしていた。
人族の中から、一人の獣人がやはり進み出て来た。
「私は、サバナ国のギルド長をしているサインです。お久しぶりですね、タカオカ様」
「はぁ?」
(タカオカねえ、ギルドカードに記載されていた名前だ)
「えっとぉ....」
「サインです」
「サインさん、俺の事を知っているのか?」
「当たり前です、サバナ国の獣人族で貴方様の事を知らぬ者などおりませんよ」
「そうでしたか」
「おや?新しいお仲間さんですか?」
「ん?ああエルフ族のチャコだ」
「そうでしたか」
「ところで、俺達は島に上陸できるのか?」
「当たり前です」
「では、王都まで馬車を用意します」
「ありがとう」
「いえいえ、気にしないで下さい。貴方はサバナ国の英雄ですから」
「俺が英雄?」
「なあなあ、ジン本当は凄い奴なんだよ、名前はジョーって言うんだろ?」
「何だか、しっくり来ないな」
「サインさん」
「何でしょう?」
「この浜辺は何時もこんなに警備が厳重なのですか?」
「いいえとんでもない.......実は王都ザグロスは今未曾有の危機に晒されています」
「そうなの?」
「獣人型魔族、獣人族、異形の者達が攻め込んで来るとの情報を聞きこの様に、待ち構えていたのです」
「魔族?獣人族?」
「ええ魔族のデメララ女王様からの情報でしたが、タカオカ様に国を救われた話を伺い、その話の信憑性が有ると判断したのです」
「ところで、[ 緋き......グハァ〜〜〜」
突然俺の視界からサインさんが消えた。瞬間移動か?
変わって目の前には、真っ赤な髪、ゴールドの瞳の美しい女の子が立っていた。
「おやっ?」 (殺意は無さそうだな)
何だかプルプル震えてますが?どうしたものかと思っていると、チャコが割って入って来た。
「貴女はだれ?もしかして........」
「へっ? チャコの知り合いか?」
「バカッ.........どう考えてもジンだろ!」
「マジ?」
「多分」
二人でコソコソ話していると、その女の子は突然俺に近づいてきて、顔を除き込まれた。
「よっよう!元気だったか?」
双眼に涙を一杯溜めた、今にも壊れそうな弱々しい声で...
「ジョウが生...き...て...い...て...く...れ...た...」
「なっ何て?」
「ジョウ、アチシだ!」
「ああっ!夢に出て来てた!俺の大事な人なのか?」
「あっ会いたかったぜ〜〜〜〜〜」
突然抱きつかれた。
「もう、探し回ったんだからな!」
「すっすまなかった....」
彼女の髪が俺の顔に覆いかぶさってきて...いい匂いだ。
(あの〜〜顔が、顔が近いでえす......)
[ チュッ♡ ] いきなりだったけど、熱いキスをされました....
「うっお!♡」
「おい、ジョウ怪我してたのか?その傷...」
「ああ」
「いつもの様に、ちゃちゃっと治せなかったのか?」
「ああ、無理だったよ」
「そんな...ジョウに傷を.......マジかよ....」
「そうだな、魔族より厄介な相手が誕生した様なんだ」
「なら、何で直ぐにアチシら[ 緋き絆 ]に連絡してくれなかったんだよ」
「俺....実は....大事な記憶の一部を無くしてしまっている様なんだ...」
「なっなっ何だとぅ!.........アチシ達の事もかよ....」 (一時的な記憶喪失には頭に衝撃を与えれば治るとかアチシの親父が言ってたぜぃ!)
「ジョウ、行くぜ!」
[ バチコ〜〜〜〜〜〜ン ]
小屋の壁を突き破り林まで飛んで木にぶつかった所で止まった。
「イタタタ、何だったんだ?」(多分引っぱたかれたのか........ただ、スゲー力だな...)
大樹の下から空を眺めた。久しぶりの土の匂い大地である、チャコと無事に辿り着けた事を喜び思わず笑みが零れた。美しい空を眺めていると、空から樹木の妖精?と思ってしまう程の美しき女性が舞い降りた。
[ ふわり ]
思わず俺は両手を伸ばして受け止めてしまった......
彼女はそのまま、何も言わずに俺の首に手を回して抱きしめてきた。
「お帰り、ジョー君」
「えっ?.....俺?」
「うん、どうしたの目尻に傷があるよ」
「ああ、色々と大変だったんだ」
「そんなんだ、でも無事に帰ってきてくれてありがとう」
何だか、今の俺にとっては初めましてなのに......それなのに......彼女の一言一句が俺の心の中にストンと入ってくる。
(ああ、俺はこの子の事がメチャクチャ好きなんだ!間違いない)
彼女に向き合ったら、顔を背けられてしまった。
(あらら、嫌われたのか?)
「ごめんね、ジョー君..........私ジョー君が帰って来たら絶対笑顔でお迎えしようと思っていたのに.......何でだろう......嬉しいのに.....幸せなのに......涙が止まらないの....」
(なんて言って良いか、分からんよ....)
俺は彼女を抱きしめた。
「嬉しい....」
「私の名前は、ラム・アル・インダストリです」
「ラム....」
「そうだよ、ジョー君....あっ今は、ジン君?」
「えっ?何で俺がジンだって分かったの?」
「エヘヘへ、はいっ!」
「カイちゃんと、ダイちゃん、サラちゃんだよ〜」
「お屋形様、嵐の日に見失ってしまって申し訳なかったッス」
「ラムは魔獣を使役しているのか?凄いな」
「あっ!俺も連れてるんだ........出ておいで」
「あらっ可愛い♡」
「Qちゃんだよ、この子とは、初めてかい?」
「うん。狐の魔獣って珍しいね」
「ああ、九尾狐だよ」
「ええええっ!本当に?九尾って言ったら........でもジョー君だもんね♡」
「ん?ああ、何故か俺の事をパパって呼ぶんだ」
「ふ〜〜ん.....」
「さて、みんなの所に戻ろう」
「うん♡」
林からラムと戻った俺は、何故かアレスとチャコが取っ組み合いの喧嘩をしている所だった。
「あっジン大丈夫だったか?」
「ああ、どうしたんだ?」
「アレスちゃん......」
「あっラムッチ聞いてくれよ、ジョウの奴エルフ何かと一緒に旅してたんだと」
「アレス、チャコを苛めないでくれ」
「アチシの事覚えてるのか?」
「いや、思い出せないが、アレスが俺の大事な人って事は分かる。そしてまだ3人足りないだろ」
「何で分かったの?」
「ある日を境に、ほぼ毎日皆んなが俺の夢に出て来ていたんだよ」
「しかも、パーティメンバーなんだろ?」
「うんうん、上出来だぜ!」
「そう、私達6人のパーティ名は[ 緋き絆 ]だよ」
「[ 緋き絆 ]か.....パーティメンバーの皆は呼び出せるかい?」
「うん、瑞獣さん達にお願いしてみるね♡」
「俺は、一刻も早くプエルト国に行かなくてはいけないんだ」
「うん、分かったよ」
「でも、ここから未だ距離もあるから、王都で一泊してからが良いと思うよ」
「よし!決まりだ!」
「皆んなで王都へ行こう!」
「おー!」
「ジョー君は、プエルト国に住居があるの覚えてるの?」
「えっ?そうなの」
「そうだよ」
「じゃあ先ずはそこに行くか」
「あっその前に、サバナ国にも行きたいのだが」
「何故?」
「渡したい物があるんだ」
「プエルト国へ行く途中だから寄って行く?」
「ああ、良いかな?」
「うん」
「チャコも良いか?」
「オラは、ジンについて行くだけだからな」
「チャコ、ありがとう」
「あんまり遅くなっても宿屋が取れないと不味いからな」
「急ごう」
「「「おー!」」」
俺、ラム、アレス、チャコでサインさんが用意してくれた馬車で王都を目指した。
サインさんが用意してくれた馬車は大きく王族や貴族が使いそうな立派な作りだった。
王都への入場はこの馬車が、貴族専用なのかは不明だったが、ラムの一言で我々はノーチェックで街に入れた。
宿を探さなければならなかったが、以前世話になったギルド長ヤハウェと言う人物が居るようなのでその人物を頼った。
ヤハウェは俺の事を覚えていてくれたので話は早かった。少し先の宿屋ロゼなら部屋も空いており、大丈夫との事で、早速向かった。
その宿屋は、新築でとても大きく、我々4人分の部屋をすぐさま用意してくれた。
[ カラララン ]
「いらっしゃい...........ま.........」
受付嬢が駆け寄って来た。
突然俺の両手を握り締めて、ブンブンと上下に揺すりながら、頭を下げてきた。
「その節は、私の命をお救い頂き有難うございました」
「・・・えっ?」
「あっジョー君は、疲れている様なので、先ずお部屋で休ませて頂けますか?」
「あっはっはい。失礼いたしました」
俺達は、部屋にて寛ぐことにした。って〜か、何でラム、アレスまで当然のように、俺とチャコの部屋に入って来たよ!
「あら?何で男部屋に?」
「はぁっ?なぁなぁ、ジョウ!忘れちまってるみたいだから言っとくけどな、もががぎがぐがぁ「アレスちゃん。待って!」なんだよ!」
突然ラムとアレスは部屋から出て行ってしまった。
しばらくして...
[ コンコン ]
「はい」
「ラムです、アチシだ!」
「入っても良い?」
「ああ、どうぞ」
「驚かせてゴメンね」
「いいや、気にしないでくれ」
[ コンコン ]
「どうぞ」
部屋に入って来たのは.....
「ルクリウス・フェトリウスです、遅くなった申し訳ない」
「僕はトゥルス ・ウェルティです、ジョウ君お帰り♡」
「私は、ディア・フェレリウスです、私は又必ず会えると信じてました......あら?ジョウ君怪我したのかしら?」
「ああっこの傷痕が消えないんだ」
「アッアチシまだフルネーム言ってねぇじゃん」
「アチシは、アレス ・オーリス!ヨロシクっつーか思い出せ!」
「すまん、まだ思い出せない......」
読んで下さり、ありがとうございました。
次回も宜しくお願いします。




