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デメララ女王だね

宜しくお願いします。

ウェインさんと供に、ハミル・ドリジーヌを結界で拘束したまま護送しグヤナ城へ向け出立した。


今回の城までの護送メンバーは、ウェインさんが編成を組んだ様だ。少数にする事で、いち早くグヤナ城へ赴きデメララ女王様へ謝意を伝える事が肝心と考えている様だった。


(うむぅ.....やはり魔族は基本スペックが高いな、移動もメチャクチャ早い!)


20人の集団だが、ほぼ1日でグヤナ城へ到着した。

城門前に到着し、門番が俺を見ると挨拶をしては来たが、後ろに控えているウェインには、罵声を浴びせられながらの入城となった。


しかし、金剛力士のアンとウンが出て来て一喝すると、罵声を浴びせる者など誰一人いなくなった。


(おっ!金剛力士が復活したみたいだな)


そのまま、謁見の間に通された。


「妾が、デメララじゃ!」

(おお!やはり、この女性は女王に成るべくしてなったのだろうな.....纏うオーラが別格だ)


皆頭を下げた。


「ジョー・タカオカ、良く戻って来てくれた。そして無事で何よりじゃ。嬉しく思うぞ」

「はい、依頼されました、ハミルの拘束と世襲派の者達を保護。しかし古城は半壊し、更にパイレートは魔神アルゴの眷属と呼ばれていた者に命を奪われました」

「よい!パイレートは残念ではあるが、ハミル更には、ドリジーヌの拘束などご苦労であった」

「さて、ウェイン久しいの」

「はっ!」

「此度はサマロ様そしてハート殿下まで、残念であった。ハミルとパイレートが唆し巻き込んだとしても、決断したのはお主達じゃ、分かっておるのか?」

「はい、仰られる通りです」

「妾に、何か申しておきたい事が有るのでは無いか?」

「はい、既に将はおらず我等は死に体となっております。ここに集まった我等幹部の命を捧げる事で、城で待つ、哀れな魔族を救って欲しいのです」

「ほう、お前達の命を差し出す代わりに他の世襲派の者達の命を救えとな」

「はい、左様でございます」

「ふん!くだらない話じゃ」

「.......なっ何と申されたのですか?」

「くだらんのじゃ!」

「良いか、魔族の王は何故世襲では無く力で決められているのかを考えた事があるのか?妾の考えが違うと思えば意見を述べよ!それでも変わらず、気に入らなければ戦いを申し込めば良い。それに皆其々考え方があって当たり前なのじゃ!」

「よいか、ウェイン!妾が聞きたかったのは世襲派を立ち上げてまで、妾の政敵となった理由じゃ」

「...............」

「どうしたのじゃ?」

「あまり、その時の記憶が無いのです。気が付いたらサマロ様、ハート殿下が立ち上げられた世襲派を当たり前の様に警護していました」


「そうか....では連れて来たヴァンパイヤに聞いてみるかの」

デメララは、俺に目配せをしてきた。

謁見の間を出て結界ごと別室に監禁されているヴァンパイヤの所へ来た。


「すまぬが妾と供に結界内に入れてもらえるか?」

「それは、構いませんが。良いのですか?」

「うむ」

俺はデメララと供に結界内に入りヴァンパイヤのドリジーヌを起こした。始めは暴れ精神支配をかけてきたが、無駄だという事が分かると大人しくなった。

「落ち着いたかの?」

「お前達は一体何者なのだ?私の支配が効かぬとは....」

「ヴァンパイヤよ、妾はグヤナ国の王女じゃ」

「デメララ様なのか」

「そうじゃ」

「それは、大変失礼を致しました」

「ふむ、礼節は弁えておるの」


「ドリジーヌさんは、一体何故あの古城に乗り込んで来たんだ?」

「ふん!鬼人には関係が無い事と思うがな」

「僕は、脳内改変をして無理矢理聞き出す事が出来るんだけど、どうする?今素直に話すか、僕に脳を弄られてから話すかの違いだが、選んでくれて構わない。因みに脳を弄った後の後遺症が残る可能性もあるとだけは伝えておく」


「ヌグググ!この小僧が!」


「この男の言う事は本当じゃ、しかも妾はこの鬼人を信頼しておるのだ。どうか話してくれんか?」


「ふぅ〜〜〜........分かった。話をしよう」

「恥ずかしながら我々の同胞が、魔族に攫われそして同胞の気配が最後に途絶えた場所に行くとあの可笑しな魔道具の部屋だったのだ」

「何故分かった?」

「我等には、お前達には無い特殊な探知能力があるのだ」

「攫われた場所に残った気配、魔力、体組織の一部等により探知できるのだ」

(ヴァンパイヤって凄いな!)

「その同胞は何処に居ると思っておるのだ?」

「あのアセディとか言う魔神の眷属の召喚儀式にでも使われたのではないか?」

「タカオカ様が言っていた魔道具の事じゃな」


「魔道具の中には、魔族の者が1人だけだったが......因みにドロミテ帝国を襲っているヴァンパイヤでは無いのか?」 (何だか分からなくなってきたぞ???)

「私の探知ではあの古城で同胞の痕跡は消えているのだが....」


「ハミルに聞くしか無いようだな」


俺とデメララは地下牢へ行き、ハミルを監禁している結界に入った。

ハミルは既に意識を取り戻して何やら縮こまってブツブツと独り言を言っていた。

「あの魔神の眷属は何処へ行ったのだ.....何故私の意のままに動かなかったのか....何故.....何故....」

ブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツ


「おい」 (完全に自分の世界に入り込んでるな)


「おい」 (殴ってみるか!」


「おい!」 [ バチコーン ] 部屋平手打ちで頬をはたいた。


「なっ何だ」


「妾が分かるか?」


「デッデメララ..........様.....」


「そうじゃ」

女王の体から威圧のオーラが吹き荒れた。

ハミルは、恐れ戦き、そして女王の足元にひざまずいた。

「此れは、此れは女王陛下、ご機嫌麗しゅうございます」

「ハミル、周りを見てみよ!状況が分かっておるのか?」

「はぁっ?」

「そういえば、私は何故王宮のしかも牢獄に居るのでしょうか?」

「魔神アルゴの眷属の事は、どう説明するのだ?」

「魔神....アルゴ....眷属....?....何をおっしゃられているのか、私には理解が及びませんが?」

「ほう、そうか....」

「看守よ!ウェイン達を呼ぶのじゃ」

看守に連れられてウェイン達がやって来た。

「ハミル様....」

「ウッウェイン....生きていたのか」

「ん?お前達が生きていると言う事は、アセディは一体何処へ消えたのだ」

「ああ、あの化け物達は僕が殲滅した」

「バッバァ〜カナ!....ありえない...魔神の眷属なのだぞ」

「ハミル様、本当の事なのです」

「あり得ぬ、あり得ぬぅぐぐぐぅぅ..................いや何処かに....私の様に異空間に......」


「ハミル、もう眷属の事などどうでも良いのじゃ」

「2人のヴァンパイヤをどうしたのじゃ?」


「....................」 ハミルは爪をかじって話そうとしなかった。


「言わぬか」


「....................」


「仕方がないの...」


「ハミルも妾が傀儡使いなのは知っておろう。そして傀儡使いは、精神操作系の魔術も得意なのじゃ。ヴァンパイヤの支配とまでいかなくとも、真実を聞き出す事位は出来るのじゃぞ」


「アルテイア」 デメララが呪文を唱えた。

「さあ、計画の全てを話すのじゃ...」


虚ろな目になったハミルはガックリと肩を落とし、ゆっくりと話し始めた。


「.......世襲派を立ち上げ内戦状態にしたのは、サマロ様や私の発案では無く、[ バフォット ]の案に耳を傾けてしまったからなのだ」


「あの、バフォットか!」魔族領内に暗躍する犯罪組織なのだそうだ。


「今思えば、計画は滅茶苦茶で常識的な思考を持っている者ならば呆れて無視をする様な内容だったのだが、私を含めサマロ様やパイレートまでもが何故かその案を受け入れ無ければならないと思ったのだ」


「お主達にも何かしらの、支配がされていたのかも知れんな」


「そして計画は、パイレートに精神支配の術式を組み込んだ、飲料水を街にばら撒かせ協力者を集めていき、精神支配がされずに疑う者が出た場合は、デメララ女王の名前を語り殺害する。更に前王を女王が毒殺したとデマを流す事で世襲派の数を増やしていく。しかし精神支配という長期的には瓦解するのが分かりきった戦術を選んだ理由は、魔神アルゴの復活をさせるまでの時を稼ぎ、そして必要な生贄を集める為だったのだ」


「随分と姑息な真似じゃな」


「だが、魔神アルゴの復活には様々な方法を試しはしたのだが、復活に至らずに、眷属の召喚儀式に変更とした。そこで私の精神支配は解けたのだ」


「そこからは、自分の意思なのじゃな」


「はい.............そしてバフォットの1人に右腕が義手の鬼人が召喚魔道具を持って来て、サマロ様とハート様を生贄にする事で、魔神の眷属が召喚出来ると言って来たのだ。生贄を入れる事前準備として、溶液作りにヴァンパイヤの血と多数の魔族の血が必要となった為[ 邪眼 ]という犯罪組織に依頼をした。捕らえたヴァンパイヤは即座に殺し血を抜き取り処分した」


「既に殺しておったのか」


「ヴァンパイヤを殺したのが我々だと悟られぬ様に、隠蔽工作と時間稼ぎも含めて、ドロミテ帝国を襲う事を計画したのだ」


「成る程のう」


「攫って来たヴァンパイヤの代わりを変態種が成り代わり、竜人族の数名を精神支配し、バフォット達が使っている魔物の群れでドロミテ帝国を襲撃させたのだ。ドロミテ帝国は、度重なるグラデ国からの、そう肉食獣人族の襲撃で既に疲弊している帝国だったので追い込むのに時間はあまり必要としなかった」


「...........」 (言葉も出ないな)


「帝国崩壊の危機に、サマロ様の使いと称して秘宝の献上と姫との婚約を提案し伝える事で、デメララ女王の目は国外に向く。そして短気なデメララ女王は人族の聞いた事もない婚約話をまともに聞かずに人族の殺害を始め、近隣諸国から弾圧を受け、その対処に時間を費やすと考えたのだがな。まさかたった1日で問題を処理するとは......」


「はぁ...もう良い...」 デメララは俯いた。


「何故、支配が解けた時に辞めなかったのか?」


「ブァッヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ......鬼人の男よ!お前は、馬鹿か馬鹿なのか?強大な力が、そうなのだ!この国いや世界を支配する事が出来る力が目の前にあるのだぞ、我が手に入るとなれば、辞めるわけが無かろう」


(救いようが無いな...)


「妾は、決断せねばならぬの」

「ハミルよ、お前は魔人族の為によう働いておったな、しかし此度はやり過ぎじゃ!極刑は免れないのは分かっておろうな!」


「ふん、とっとと公開処刑でも何でもすれば良い」


「甘いわ!ハミルお前は、ここで消えてもらう」

「すまぬが、タカオカ様、この結界はまだ張っておいて貰ってよいか?」


「ああ、別に構わないよ」


デメララは詠唱を始め、身体から白い煙と眩いばかりの光を発した。


「妾の浄化魔法じゃ」

(何ぃ?魔族って光系の魔法が使えるのかよ!)


「ばっばぁ〜かな!この場で私を消滅させる気か?」


「そうじゃ!お前は許してはおけぬ」


「クソガァ〜〜〜〜!」


結界からとにかく逃げ出そうとするハミルだが、光に呑まれていった...........そして眩い光が収束していくと黒い玉だけが転がっていた。


「ダメじゃな、妾の魔力ではこのクラスの魔族を消滅させる事が出来ぬようじゃの」


「ハミルの玉はこの後どうなる?」


「この結界が無ければ、異空間に逃げ込み、数年の後又復活してしまうのじゃ」


「ハミルの記憶は残ったままか?」


「そうなのじゃ、困ったのう......」


「仕方がないな」


俺は、デメララを結界の外に出てもらい、黒炎を拳に纏わせた。


[はぁ?お前、なっ何を.....ひっひいいいいいいいい・・・]


(意識体のクセに、念話は使えるのかよ...)


ハミルの魂の黒き玉を黒炎で焼き尽くし断末魔の声と共に完全に霧散させた。


「終わったか......」


結界を解除して、デメララの顔を見た。


「タカオカ様、妾の力が及ばず、嫌な役目をさせてすまなかったのじゃ」


「いや、気にしなくて良いよ。ハミルの魂が残っていたら、数年後にはまた厄災が訪れるんだろう?」


「まあ、そうじゃが.......」


「じゃあ、気にしないでいいよ」


「報酬は、どうするかの?当初の金額では不服であろう」


「当初提示した報酬額だけ貰えれば良いよ」


「それに、以前に貰った勾玉が有る。だからいらないな」


「そうなのか?では無理強いはせんぞ」


「ああ、構わないよ」


「さてと、後は魔族の問題だな」


「そうじゃな....」


「一つ伝え無ければならない事が有るのじゃが、良いか?」


「何?」


「魔族には、妾の様な可憐な人型魔族と、異形種、獣人型が大きく分けておるのは知っておるか?」


「まぁ、少しだけ教わった」(可憐て......まぁ可愛いが...」


「妾が、女王として統治しておるのは、人型魔族だけなのじゃ、人型魔族はそもそも、他の魔族と比べ知能が高く他の種族に悪意は余り持っておらんのじゃ......何でもへんげの魔法を習得して人族の街で結婚までしておる者もおるからの」

「マジで!」

「ふむ、マジなのじゃ!幸せに暮らしておる様じゃからナイショじゃがな....♡」

(愛は種族を超えるんだな......)

「まあ、此処からが重要なのじゃが異形種は基本的に知能が低い者ばかりが多いの、じゃから本能の赴くままに動く為、支配が難しいのじゃ、更に小型のものは繁殖力が高く更に毒を持つ者も多く弱き者には脅威となるのじゃ。此処までは理解したかの?」

「う〜ん、まぁ理解した」

「そして厄介なのは、獣人型なのじゃ!奴らは、殺し合いを好み、欲望のままに生きておるまぁ、魔獣と大差無いが、魔法や武器を使い、通常は協調性のカケラも無い者どもじゃが、相手を殺す為ならば群れる事もあるのじゃ」

「妾達が、唯一の対抗手段として数の力で制しておったのじゃが...........妾の諜報部からの報告によると、ベンガール獣王が、エレファン獣王に敗れた後この国から西へ、そう離れていない距離の島に移り住んどるのは知っておるか?」

「以前にエレファン獣王の側近に聞いたよ」

「そもそもそれが間違いじゃった。協調性のカケラも無い魔族が何故か獣人族とは打解け合い、ここ何年かで魔族の獣人型のほぼ全数が移り住んでおるのだ、この島は平和になったが、その獣人と魔族の交配種も生まれ、智力、腕力共に今までの比ではない様なのじゃその交配種の数も揃い出し交配種で構成された師団が出来たらしい、さらにその島に商船やらが、頻繁に往き交い何やらキナ臭くなってきたのじゃ」


「数で圧倒していたのが、出来なくなって、強い種族が生まれて、軍隊を作ったって事か」


「まぁその通りじゃな」


(おいおい、マジかよとんでもなく、厄介事になりそうじゃ無いか)


「近いうちに、この国が狙われると?」


「残念ながら、そうでは無いと思っておる。奴等にとってこのグエナの土地は、奴等の大好きな食材も無く、魅力的とは言い難い、一番に狙われるのは、人族が多く居る王都じゃと睨んでおるのじゃ」


「何だと?」 ブワッ・・・・・闘気が溢れ出た。


「まっ待つのじゃ!慌てんでも今すぐでは無い。そしてあくまで可能性なのじゃ」


「そうだよな......何で人族?」


「言い辛いのじゃが......美味いらしい....そして数も多く、狩も楽らしい......のじゃ....」


(まぁ、そうだよな大きな壁に囲まれて中に入ってしまえれば逃げ辛く、街で人がひしめき合って生活をしているからな...)


「それで?僕にどうしろと?」


「いや、特に何かを望んで伝えたのではない。唯妾の国を救ってくれた恩人に情報を伝えたまでじゃ」


「ありがとう、デメララ感謝するよ」


「うむ」


そして、長く感じたグエナ国での様々な問題も、後はデメララや側近のエルドラやウェイン等が纏めてくれるだろう。まぁ俺の出る幕は何もないしね。


(さてと、ドロミテ帝国の方はどうなったのかな?)

[ お屋形様、アレス様がヴァンパイアを瞬殺した後、竜人の者をしばき倒して、正気を取り戻させた後は、烏合の衆になった魔獣の群れなんて、サラちゃんが本気を出して炎を纏って威圧をしたら、魔族領へ逃げ帰った様ッス、もう終わたみたいッスね ]

(そうか、ありがとう。ところでアレスやサラちゃんに怪我は?)

[ 特に無い見たいッス、アレス様はトゥルス様の居るサバナ国にサラマンダーと共に戻った様ッス ]

(良かった。サラちゃんにはアレスと共に居る様に言っておいて)

[ あいっ! ]


「よしっ!一応ドロミテ帝国の件とグヤナ国の厄介事は、おさまったな」


「さあ、バルバド帝国へ向けて出発だね」

読んで下さり、ありがとうございました。

次回も宜しくお願いします。

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