表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
39/115

九尾だね

宜しくお願いします。

女王デメララにより譲られたドロミテ帝国の秘宝そしてその秘宝より召喚された九尾の狐と向き合っていた。


(う〜〜ん......よく分からないな、俺の手から召喚されたらマスターは俺じゃ無いのか?何故威嚇して来るのか?そんなものなのかな???まぁ、闘いたければ来るがいい、強くなる為の礎になって貰うよ)


古城が破壊されない様に、少し離れた場所で闘っていたのだが、城を改めて眺めて見ると、既に廃城と成り果てていた。


(うむぅ〜〜全体を覆うバウンダリゾーン [ 結界 ] を張っていたのに、闘う度に起こる地震の様な揺れが影響していたんだな、今後気を付けよう....)


再度、バウンダリゾーン [ 結界 ] を古城に張って、鬼神モードに戻り、金砕棒を持ったスタイルで構えた。


ヒラリ、ヒラリとダンスを踊る様に、跳ねながらステップを踏んで、挑発してくる、今までに無い闘い方だった。

(挨拶がわりに先ずは一撃だね)

寸瞬で近づき、金砕棒を狐の腹に目掛けて振り下ろした。


(先ずは、一撃!)


[ ガイン ]


[ビリビリビリビリビリビリ ] 金砕棒が、弾かれた!


「なっ何だ?」


狐の腹を見ると、 リィパルシャン [ 障壁魔法 ]が展開されていた。

(おい、おい、まるで俺の得意魔法じゃ無いか)


狐は距離を取りその場でバク転をすると、九尾の周りに黒い玉を展開させて、どんどん数を増やしていく。


(何だありゃ?鉄球かな....いや液体の様だな)


辺りを埋め尽くす程の数になった玉は無重力の中を浮遊する様に、漂った。


展開が終わると、九尾がこちらを見て、口角を上げた。


(笑ってるのか?)


黒い玉が、ゆっくりと此方に近づいてくる。

樹氷にその玉が当たると、玉が触れた部分だけがポッカリと無くなるのだ、溶けるわけでも無く、黒い玉の空間に飲み込まれた様にに見えた。


黒い玉に目掛けて、炎弾を放った。


[ ドンッドンッドンッドンッドンッドンッ ]


黒い玉を押し戻しはするが、全て飲み込まれてしまった。


(なかなか、厄介な玉だな)

(では、実験させて貰うぞ)


先ずは、雷を放つが、電撃も全てが吸い込まれた。

蹴りから繰り出される衝撃波を飛ばしたが、黒い玉が分裂するだけだ。さらに覚えたての氷結魔法は、唯一黒い玉を一瞬凍らせる事が出来た。

玉が近づいてくれば、金砕棒を高速で回転させて風を起こし、黒い玉を押し戻した。


(つーか、九尾の奴コッチに来ないって事は黒い玉はアイツにもダメージがあるって事の様だな!)


実験を繰り返していると、黒い玉の先で遂に九尾が動く気配を感知した。

(さて、次は何を仕掛けて来る?)


9本の尻尾を大きく広げ、何かの気を込めていた。

九尾の身体が青白く光り出し、魔法陣が浮かび上がり出した。

(何だかヤバイ感じがする)


数百の小さめの魔法陣が黒い玉が浮遊している外周に発光しながら浮かんだ。そして一段と眩い位に発光すると、黒い玉が一斉に古城と俺に降り注いだ。


古城へ飛んで行った黒い玉はバウンダリゾーン [ 結界 ] を破壊するまでに至らなかった。

(おっし!結界は防御として有効だな)


そんな、確認なんかをしていたせいで、俺にバウンダリゾーン [ 結界 ] を張っている時間が無くなってしまった。


「ヤベッ!」


展開速度の速いリィパルシャン [ 障壁魔法 ]を展開した。

九尾の魔法陣から放たれた青白い光は、黒い玉を押し出すだけでは無く、障壁魔法 を無効化したのだ。


(うおっ!リィパルシャンを消された....とんでもねーな!)


俺も何とか高速で動き躱していくが、圧倒的数の前では避けきれずに、黒い玉が.....


「チィ!避けきれない!」


[ ドカッドカカカカカカカカカカ ]


(意外とダメージがあるな!)

黒い玉が当たった箇所を見たが、身体に穴が開いたり腕が無くなってしまう事は無かった。だが、黒い玉が当たる度に、身体の力が抜けていく。


(このままじゃ、ジリ貧だ!不味いな)


(黒炎を使うか!古城や生物のいそうな所を避けないと、貫通した場合、洒落にならないからな.....紫炎と黒炎を混ぜてみようか...)


「ウウウウウヴゥヴヴヴヴヴヴヴオオオオオオオオ」

黒炎を纏い、鬼神の闘気を解放していく。ギリギリまで.....


「おい、九尾!チマチマ、チマチマ、ウザイぞ!ソロソロこちらから行く」


[ ドン! ] 大地を踏みしめると、雪が溶けて大地が広がり、地面に地割れが出来る程に...


寸瞬で九尾に近づき、横っ面をぶん殴った。


[ バキッ ] まるで俺が作ったブレスレットをしているかの様に勝手にリィパルシャン [ 障壁魔法 ]が発動されて、俺の拳は止められたが、障壁魔法を破壊は出来た!九尾の狐はそのまま弾き飛び地面に落ちていった。


浮遊している黒い玉は、俺が一直線に動いた部分だけ霧散していた。


(何だ?大した事ないな)


更に黒紫炎を纏った拳を振るい、黒紫炎弾を空に向けて打ち上げて、霧散させる事が出来た。


「さぁて、未だ未だ!だな」

気合いを入れ直して向かおうと思った矢先に、全ての黒い玉が霧散した。


「へ?」


「もう、終わり?」


辺りを見回すと、少し身体が小さくなった狐が縮こまって震えていた。


九尾の狐の横まで来て、顔を覗き込むと狐はゆっくりと此方に顔を向けてきた。


[ ポンッ ]


白い煙と共に、九尾の狐が更に小さくなった。


「なっ何だ?」


「..................じぃ〜〜〜〜じぃ〜〜〜じぃ〜〜」


「おい、どうしたんだ?」


「..................じぃ〜〜〜〜じぃ〜〜〜じぃ〜〜」


物凄い勢いで、見つめられていた。

(狐の顔って可愛いよね)


俺は、その瞳に耐えきれずに手が伸びた!



[ え?お屋形様もう九尾に魔力は無く既に、決着は....... ]



俺は持てる力の全てを振り絞り、九尾に向かって行った。


[お屋形様〜〜ストップっス〜〜〜〜〜〜」




[ モフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフ ]

(あ〜〜〜〜癒されるなぁ〜〜〜〜)


[ へ? ......お屋・形・様・・・ ?]



[ あのう、お屋形様? ]


(ああ、もう良いよ戦意も無さそうだしね)


[ はぁ.........そうっスか..... ]


モフモフを続けていると.....


[ ...パ......パ........ ]


「ん?」


[ ...パ......パ........ ]


「はぁ?」


[ パパ...... ]


俺の胸に飛び込んで来た。


「パパ?」


九尾の狐はゴロゴロと気持ち良さそうに、丸くなった。


(ああ、なんなんだ、生まれたばかりの子猫の様で、俺の中の所有欲に火がついた!もう離したく無い!そうパパでも何でもなっちゃいます♡)


[ あーもう、九尾までお屋形様に.... ]


[ しかし、九尾の魔力の質がお屋形様とソックリなのが少し気になるッス........ ]


(どうしたんだ?ダイちゃん)


[ いや、何でもないッス ]


(そうか?仲間がまた増えた様だから、何だか赤ちゃんみたいだし優しくしてやって欲しい)


[ お屋形様、分かったッス ]


古城へ戻り、バウンダリゾーン [ 結界 ]を解除して、危機は去り、命が助かった魔族達は歓喜の声を上げた。

(この辺りは、魔族も鬼人も人族も獣人も等しく同じだな)


「おい、ウェインさんを呼んでくれないか?」


「はっはひぃ....」


「どうしたんだ?」


「私をお呼びですか?」


「ああ、一休みしたら、女王様の元へ出発したいと思う」


「我々も異論は無い」


「それじゃぁ決まりだね」


「ん?」

(何だ?) 兵士たちの中に何かが混ざって来た様な可笑しな気配を感じた。


(これは、転移して来たか!..............それに殺意だ!)


殺意のする方角へ行くと、3名程の黒いローブを着た男達が、ハミルを拘束している結界に近づいているのが見えた。


3人共に、異様なオーラを発した剣を握りしめて近づいてハミルに目掛けて剣を振り下ろした。


[ ガィィィィィン・・・・・ ]

「何ィィィィィ、プエルト国の宝剣!結界を無効化する神が創りし短剣が効かぬとは」


[ ゴン! ] 頭を殴った。


「おい、お前達は一体誰だ?」


殴った相手は倒れた拍子にフードが 外れて素顔晒されたのだが、魔族から何かに変わっていった。

(魔法で顔を変えていたのか?)


「糞っ!気配を消していたのだがな、偶然か?」


「いや、あれだけ殺意を撒き散らしていたら誰でも気がつくと思うぞ?」

(あっアレは....)

「そのタトゥ見た事が有るぞ!」


「邪眼だな!」


「くっくっくっくっくっ.......知っているのか我らの事を」


「ああ、僕は冒険者だからな。他国で同じものを見た事が有るんだよ!」


「ユニークな能力をもった鬼人の冒険者よ、我々に雇われないか?」


「白金貨5000枚でどうだ?.......ん?」


[ ゴツッ!]


偉そうに、話をしていた奴の頭を殴った。

黒いローブの男は頭を地面に打ち付けた。


「ぶっ無礼者が!.....」


「はぁ?」


「きっきっきっ貴様ぁ〜〜〜〜許さんぞ」


「おっいい男になったな.....あれ?」

顔が晒されて改めて見ると.........

(鬼人だった.....そしてあの偉そうな態度....)


「お前......メルキか?」


邪眼の奴らは小声で話し出した。

「おい、何故お前の名を知っているのだ?見知った奴なのか?」

「いたたた、え?........私は初めて見る顔の筈だが?」

「不味いんじゃ無いか?我らの計画が......」

「儂は退散する」

「糞っ俺を知っているという事はレオンと何か繋がりが...先程も眷属を屠った者達がどうしたとか騒いでいたが、もしやコイツの仕業か?」

「けっ!面白い。なら俺が殺る!」


一人だけは転移魔法で姿を消した。

そして、俺は鬼神モードになっている為、聴覚がとても良くなるので、小声で会話しても丸聞こえです....


(やはり、ここに居るのはメルキで間違い無いな)


メルキも転移魔法で姿を消した。


ただ一人残った奴の鼻息が荒くなって来た。

「ゴフーッ!ゴフーッ!」

黒いローブを脱ぎ捨てると、牙のデカイ虎の獣人だった。

[ お屋形様、俺にやらして欲しいっス ]

(ああ、そうか僕ばっかり闘ってしまっていたからな)

[ はい、お屋形様の闘いを見ていて、ウズウズしてました ]

(よし、分かった、ダイちゃん頼んだ!油断はしない様に )

[ あい! ]


[ ボンッ ] 白い煙と共に現れた、ダイちゃん事斉天(せいてん)


「おい!猫の獣人!お前の相手は俺っスよ!」


「俺は猫じゃネェ〜 サーベルタイガーだ!分かったか猿!」


「だぁっははははははは!お前こまけーなー!」


「負ける気がしねーッスよ」


「奇遇だな、チビ猿俺もだ!」


ダイちゃんが獣人(サーベルタイガー)に接近した。すかさず爪で横殴りに腕を振るって来た。ダイちゃんは躱して獣人の脇腹辺りまで詰め寄った。腕の付け根に棒を突き刺ささんとした。


「グオオオオオ」 驚いた獣人は、飛び退いた。

しかし、ダイちゃんの早さが上だった。


棒は獣人の肘の骨を砕いた。


「グオオオオオ、俺の腕をオシャカにした奴何ぞ初めてだ!おい猿お前は何者だ?」


「言っても分からんだろうよ!それにお前は此処で死ぬからな」


「ちっ!」


サーベルタイガーは、図体の割には早い動きで、きっと今までの敵を翻弄し、鋭い爪で切り裂いて来たのだろう。しかし、俺の棒術の指導者であるダイちゃんには、止まって見えているのであろうと、 想像に容易い。


サーベルタイガーへの攻撃は、メチャクチャ手加減しながら、棒でポコンポコンと叩くだけ。

ダイちゃんは、いい加減欠伸をする始末.....


「舐めやがって!」


「舐めやがって!」


「舐めやがってーーーーー!」


「ゴフーッ!ゴフーッ!」 「ゴフーッ!ゴフーッ!」


サーベルタイガーの掌を牙で切りつけ鮮血を邪眼のタトゥに滴らせた。

(一体何が始まるんだ?)


突如として、サーベルタイガーの魔力量や質が変わり、身体から魔力が溢れ出した。

魔力暴走だ!サーベルタイガーは、目、耳、鼻、口と至る所から、血を吹き出しながら、全身の毛が逆立った。

腕、足、背中もう全身から鋭い爪が生えてきた。


「グギャオオオオオオ〜〜〜」


サーベルタイガーの意識は完全に無くなり、ただの化け物になった瞬間だった。


ダイちゃんは、棒術で難無く倒しきると思われたが、魔力暴走したサーベルタイガーによって、ダイちゃんの棒を粉砕されたのだ。

流石に驚きを隠せないダイちゃん!がとった行動は........沢山のダイちゃんになる事でした。


(はぁ?ディビジョンかよ!ダイちゃん、凄すぎなんですが.....)


20人程になったダイちゃんは、柔術の様な動きでサーベルタイガーを追い詰めるが、しかし既にリミッターを外しまくったサーベルタイガーの力業に為す術無く、10人は軽くぶっ飛ばされてしまった。

サーベルタイガーの腕はグチャグチャになっているのに動くのが不思議な位だ!


ダイちゃんは、1人を真ん中に立たせ、残った9人で円を描く様に囲み、何やら闘気を集中させている様にも見える.....

(何だか、ワクワクするな)


ダイちゃんを囲んでいた9人は消えて二回り程大きくなったダイちゃんが居た。

片腕には、粉砕された筈の棒を握りしめていた。

今度の棒は、色が違った。全体は鮮血の様な赤に染まり、先端部にかけて、金色の龍が描かれている、今まで使ってきた棒とは全くの別物だった。


ダイちゃんがその棒を一振りすれば、サーベルタイガーは、20メートル程飛ばされた。


更に、動きも数段早くなりアッサリとサーベルタイガーの懐に入り込んだ、棒術で横薙ぎ、袈裟斬り、突き等連続攻撃を繰り出した。

全ての技は華麗に決まり、遂にはサーベルタイガーは、いやサーベルタイガーだった物は、肉塊となり絶命した。


「ダイちゃん、やるね〜〜〜」


[ お屋形様、お見苦しい戦いを見せて仕舞い申し訳ございませんでした ]


「いや、見応えたっぷりだったよ」


[ ありがとうございます ]


「ところで、ダイちゃんあの分身はどうやったの?」

[ ああ、あれは私の秘術ですが、覚えられますか? ]


「え?覚えられるの?」


[ お屋形様ならば、問題ないかと..... ]


「よっっしゃ〜〜〜〜!」


まぁ、逃げた2人の体から発する魔力の波動は覚えたから、一応探知は出来る。もう既にこの氷山を離れ北東へ向かった様だ、きっとバルバド帝国へ向かった様だった。


「さてと、ウェインさん......ハミルとドリジーヌを連れて、デメララ王女の下へ行きましょう」


「ああ、準備は整いました。何時でも結構です」


「さぁ、出発だ!」

読んで下さり、ありがとうございました。

次回も宜しくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ