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眷属だね

宜しくお願いします。

帰還した、俺とリリンはデメララに笑顔で出迎えられて、場内の応接室に通された。


「ご苦労であった」

「ああ、色々と分かった事がある」

「どうだったのじゃ」

「先ず、サマロは死んでいる、そして...」

「ふんふん、サマロは死んでおるのか....」

「はぁ〜?なななな何て?」

「確かだ、魔神アルゴの眷属を復活させるのだそうだ」

「何じゃとぅ!」

「彼奴らは、その様な事を画策しておったのか」

「サマロは、身体が弱いだけで魔力の量と質は同族の中では随一だったのじゃ......ハミルの奴め絶対に許さん。所でどうじゃ、ハミルはその場に居たのか?」

「僕は顔を知らないから、分からない」

「最終的に、魔神アルゴを復活させようとしている様だが、魔神アルゴとは何なの?」

(藍鬼(あおおに)達も言っていたが?)

「ふむ、お主はよく知らぬ様じゃな」

「魔神アルゴは、世界を滅ぼす程の力を持つ厄災じゃ、そんな厄災を保有したらどうなる?」

「その保有した者が世界の主導権を握る....と?」

「そうじゃ、流石じゃの!」

「しかし、そんなに強大な力を持つ厄災を保有なんて出来るのか?まして使役出来るとも思えない」

「あたりじゃ!そうなのじゃ、魔神なんぞ復活させようものならば、我らなんぞ只々蹂躙されるだけなのじゃ」

「しかしじゃ、事あるごとに魔神復活を試みる者が絶えないのも事実なのじゃ」

「魔族の始祖が魔神では?」

「魔神アルゴは全く別じゃ、彼奴は次元の狭間から落ちて来た鬼人族に似た容姿であり、この世界の者ではない厄災なのじゃ」

「え?異世界人?」

「別の世界からの来訪者じゃな」

(俺の様に異世界から来たのか)

「お主達には災難じゃが、魔神の容姿が鬼人に似ているというだけで、難癖をつけては鬼人狩りという蛮行を繰り返していた様じゃな」

「鬼人狩り.....何故そんな理由まで知っている?」

「我らの先代王も鬼人狩りを画策したのだ」

「何だと?」

「いやいや、待て、待ってくれ妾では無い、但し先代の側近として側にいたのは確かじゃが....すまなかった....のじゃ...」

(そうか、もう過去の事だしな、俺がこの世界に来てからは特に鬼人狩りなんて聞かないしな)

「アルゴは強いのか?」

「強いなんてものでは無い、妾の持つ文献によると、5人の神族と鬼人の武神と呼ばれていた者が力を合わせてやっと互角という事らしい」

「.........」

(キビ爺とそのパーティメンバーの事だろうな......しかしヤバイな!俺は、もっと強くならなくては...)


「眷属を含めて、デメララはどうしたい?」


「サマロを殺したのは、明らかに失策じゃ!世襲派の中心人物にその事実を知ってもらわんといかんのじゃ」


「中心人物って?」


「サマロの母親じゃ!名をハートと言う」


「母親かぁ....あの姿を見たら、きっと取り返しが付かなくなりそうだな....いや、生きているのだろうか?」


「あの方は強い、何があっても真実をつきとめるじゃろうな」


「では、僕は主犯格を捕まえて来る。後はデメララに任せる。そんな感じの依頼で良いか?」


「何を簡単に言っておるのだ、そう簡単にはいかんぞ」


「まぁ、やるだけやって見るよ、しかし不可抗力で殺してしまっても責任は取らないからな」


「まぁ、仕方が無かろう」


「それじゃあ、行って来るかな」


「おい、準備はどうするのじゃ?」


「特に無いから僕はすぐ出れるよ」


冷静に話してはいたけれど、実は腑が煮えくり返っていた。手前勝手な都合で魔神アルゴを復活とかしようとしている事、世界の危機という事は、ラム、ルクリウス、ディア、トゥルス、アレスに危害が及ぶ可能性が有るという事、アルゴが鬼人に容姿が似ているからといって鬼人狩り?鬼人であるレオン陛下をアルゴの器にしようとしていた奴もいた、偶然とは思えない。そんな考えを持っている奴らは絶対に許さない...........皆殺しだ!


[ バンバン ]


「イタタタ」 棒で叩かれた。

「ん?」

(ダイちゃん?)

[ ダメっす!闇に飲まれちゃ ]

(ごめん、ごめん)

[ ラム様にきつ〜〜く言われているッス ]

(え?ラムから?)

[ そうッスよ、カイちゃんとの念話で... ]

(成る程、成る程....ありがとう、ダイちゃん。)

(ラムと、カイちゃんにお礼を言っておいて欲しい)

[ あい ]


俺の心は一気に晴れた!何だろうこの胸の奥がポカポカする感じ、一人じゃ無い遠く離れていても、俺を心配してくれている人がいて思いが伝わる感覚だね。


(ありがとう・・・ラム!) ピリッ


あれ?何だか電気が走った?


(さて、気を取直して行きますか)


闘気を纏い、全力で氷山にある古城に向かった。

飛ぶように走る俺はまるで飛んでいる様な感覚になっていて、ランナーズハイってやつかな?リリンに捕まって飛ぶより早く着いてしまった。


眷属との闘いも考え限界まで闘気を纏った鬼神モードになった。

不可視化して気配を消し場内に潜入した。

意匠の凝らした扉の前まで来たのだが、先約が俺の目の前にコートを着た男がいた。


[ バーン ]

コートの男が扉を開け放った。


コウモリの群れが部屋になだれ込んで行った。

「くっ!何だ!」

「ハッハミル様、此れはいったい、何ですか?」

「知るか、くそっ魔神の眷属が呼び寄せたのか?」

「いや、よく見てみろ、ヴァンパイヤだ」

「私はドリジーヌ、同朋が世話になった様だ」

支配の魔法をかけたのか、ハミルと呼ばれた男の隣にいた奴の目がトロンとして焦点が合わなくなった。そしてドリジーヌと名乗った者の前に近づくと、片膝をつき服従の姿勢をとったのだ。

「馬鹿な!パイレート貴様魔族だろう、精神支配を受けるなど、あり得ぬ」

「ハハハハハ、より格上の者の精神支配からは逃れられる訳無かろう」

「ドリジーヌと言ったか?この場所に来た事を後悔するぞ」

「ほぉ〜う、負け犬の遠吠えにしか聞こえないな」

「アセディ!そろそろ良かろう」

ハミルが詠唱を唱えると、サマロの入っていたタンクが震えてヒビが入り出した。


(目撃者を増やしてみるか!)

3発の火炎弾を作り、扉の前で爆発させた。


[ ドッカカーーーーーン ]

[ パラパラパラ・・・ ]


扉は吹き飛び、部屋の中の奴らは何が起こったのか、理解が及んでいない様だった。



「何だ!いったい何毎だ!」

「おい、サマロ様のいらっしゃる部屋の方角だ!」

「急げ!サマロ様をお守りするぞ!」


警備兵が騒ぎ出して、部屋までやって来た。

そして、警備兵達は、余りにも常軌を逸した異常な光景を目にしてしまったのだ。


「何なんだ!此れは?」

「サッサマロ様・・・なのか?」

「おい、何だこの魔道具は?」

兵士達も動揺している。


「ちいっ!・・・もうバレたか!まあ良い」



「ハッハミル様?此れはいったい」



[ パキン ]


タンクが粉々になり、サマロだったものが流れ出した。その瞬刻後棺が砕け中のものが出てきた。


「あっあっあああ...ハート様......までも....」


歪に膨れ上がった女性がゴロンと出てきた。


全身がピクピクと蠢き黒く黒く染まっていく、まるで殻を破る様に、捻れた角の様なモノが出てきた。


未だ生まれたばかりなのか、ヌルヌルとした歪なそれは、筋肉質な人型で鼻は大きく醜悪な顔で正に悪魔が姿を現した。


(かなり、ヤバそうだな!しかし目撃者もこれだけ居れば良いかな)


「ハーッハッハッハッハッ」


「ドリジーヌとか言ったか、私はお前が後悔すると言っただろう」


「何と、この魔力は、桁違いだ」


「ヴァンパイヤ風情が、存在を消してやる」

「アセディ!殺せ、そして目撃者も全て殺すのだ!」


アセディは、左右に頭を振り、キョトンとしていた。未だ視界がブレている様だった。


精神支配を受けているパイレートは、ボーっと立ち尽くしていた、しかし立っていた場所が悪く、アセディが動き出した時、目の前にいたのだ。邪魔だとばかりに手で払うとパイレートの身体はアッサリと引き裂かれて、バラバラになり地面に転がった。


「ダァハハハハハハハハハ」


「お前達は弱い、弱い〜〜〜〜!」


「私が、この国を支配し!そして世界もな!ブゥヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ」



(ハミルって奴、気持ち悪い笑い方しやがって! 狂ってやがる)


段々と動きにキレが出てきた、アセディは垂直に飛び上がった。古城の石造りの天井など、まるで無かったかの如く上空へ上がっていった。

古城を見下ろし、詠唱を始めた。とてつもない魔力量だ!


(その魔力のデカさはヤバすぎるだろ!)


バウンダリゾーン [ 結界 ] を張った。


上空がまるで太陽の如く光り輝き、古城へエネルギーの塊が落ちてきた。



[ ドガァア〜〜〜〜〜〜〜〜ン ]



[ ビリビリビリビリビリビリビリ ]



巨大地震と光りが降り注ぎ、魔族達は皆怯えた。


光りと土煙がおさまっていく......


「ガアアアアアアア」


(あら?怒ってる?あの悪魔)


何故破壊されていないのか、困惑している様に見えた。


ハミルをぶん殴り意識を飛ばして、バウンダリゾーン [ 結界 ] 。


暴れそうだったので、ドリジーヌもぶん殴り意識を飛ばしバウンダリゾーン [ 結界 ] 。


「はい、確保っと」 俺は不可視化を解除した。


「おい、そこの魔族兵、指揮官は居るのか?」

「お前は一体誰だ!ハミル様に何をした」

「おい、もう一度聞くぞ、指揮官は居ないのか?」


「「「お前!コロス!」」」 魔族に囲まれた。


「待て!」

「指揮官は私だ!そして貴様は鬼人か?」

「ああ、僕はジョー・タカオカ、冒険者だ」

「貴様は、魔族領のしかも我等の城内にまで来て姿を晒すとは、死にたいらしいな」

「殺し合いなら幾らでもしてやるが、今はあの化け物を何とかしないとダメじゃ無いか?」

「貴様に言われるまでも無い」

「そうか?」


[ ドガァア〜〜〜〜〜〜〜〜ン ] 地面が揺れる。


「そしてアンタは、この攻撃を防いでいるのは僕だって理解しているのか?」

「おい、返事は早くしろ!余り時間が無い」

「何故だ?目的は何だ?」

「女王様に雇われたんだ」

「成る程、そして我等が全滅するのを見届けて、嘲笑いに来たのか?」

「アンタの名前は?」

「ふん!ウェインだ」

「ウェインさん、よく考えてくれ、嘲笑いに来たのならば、あの化け物の攻撃を防ぐ必要がどこにあるんだ?」


[ ドガァア〜〜〜〜〜〜〜〜ン ] 攻撃は止まない。


「我等をどうするつもりだ」

「取り敢えず、化け物を処理してアンタ達を依頼主に届ける。以上だ」

「ほう、お前はあの化け物を何とか出来るのか」

「出来ないなら、こんな所にノコノコ出て来ないだろ」


[ ドガァア〜〜〜〜〜〜〜〜ン ] これ以上は、城もヤバそうだ。


「取り敢えず、ヤバイそうなアレと闘って来る!話は後だ」


マントを脱ぎ、[ 緋き絆 ]のメンバーから貰った服から以前着ていた服に着替えた。

(好き勝手に攻撃しやがって!ん?)

何故か魔族達の表情が緩んでいるのだが、何でだろう....


あんまり気にせずに、アセディへ向かった。


「ガアアアアアアア」


「何だよコイツは、話す事も出来ないのかよ」


身体の内側から溢れ出る闘気が全身を包む、身体中の毛穴から静電気の様なピリッピリしたものまで溢れ出てくる。

(何だか、また一段階封印が外れた様だな)


アセディの動きが止まり、此方を見て止まっている。


「ガアアアアアアア」「ガアアアアアアア」

「ガアアアアアアア」 「ガアアアアアアア」


叫ぶたびに、尻から生えた牛ソックリな尻尾を振り回すと、光の粒子が飛び散った。その粒子は一つ一つが悪魔に変わっていき、インプ、グレムリン、フレイムデビルと3種族が出現した。


その数の総数は数千にも及んだ。


全身を覆い尽くして来るほど身体中に群がり、噛み付いたり、炎をぶつけてきたり、手に持っているドリルやアイスピックみたいな物で挑んでくる。さらに、口からは酸なのか毒なのか分からないが、肌が黒くなっては元に戻り、黒くなっては元に戻るを繰り返した。


(攻撃って、こんだけ?)


「おい!つまんね〜〜〜〜よ!」


闘気を炎に変えた。

その寸瞬、身体に纏わりついていたインプ達はは燃え断末魔の叫び声を上げ炭殻へと変わり果てていく、更に俺は飛び上がり、群れの中へ突っ込んでいった。インプやフレイムデビルは逃げようにも周りの自分と同族が邪魔で距離が取れないも様子、グレムリンは穴に入り込んで早々に逃走をはかろうとしていた。

(まるでラッシュアワーだな...)

「1匹と逃がさず、殲滅だ!」

特大のバウンダリゾーン [ 結界 ] を張り、全てを包んだ。しかし、古城までさいっているし、氷山も結界内だった。


「もっと数を減らさないとな....」 ニヤァ...


大量のインプ達とアセディを逃す事なく、結界内に捕獲させた。俺は大満足だった。



「フフフッフハハハハ、ファッハハハハハハハハハ」



「殲滅だ!」



インプやフレイムデビルの群れに向けて、炎を纏った拳から炎弾をバンバン・バンバンと打ち込んだ。


「ファッハハハハハハハハハ...」 [ドンドンドンドン]


炎弾を群れの中にバンバン打ち込んだ


「ファッハハハハハハハハハ...」 [ドンドンドンドン]


更に炎弾をバンバン打ち込んだ。


「ファッハハハハハハハハハ...」 [ドンドンドンドン]


更に、更に炎弾をバンバン打ち込んだ。


何だか、楽しくなって来て笑いが止まらなくなった。

そこへ、アセディが上空から自身に結界の様なものを纏って飛来してきた。


「ファッハハハハハハハハハ.......面白い、来い!」


闘気を込めて、紫炎で作った特大玉を不可視化させて作り出した。アセディは相当頭に来ているのか?結界に自信があるのか?バカなのか?真っ直ぐ此方へ降下して来る。



「消えろ!」


アセディに目掛けて特大の紫炎玉をぶん投げた。

(おっ!魔神の眷属でも俺の不可視化は有効か)


アセディに向かって真っ直ぐ特大の紫炎玉が飛んでいく、の結界に当たって姿を現した紫炎玉は、いとも容易く結界をカチ割り、不可視化が解除され眼前に広がる直径300メートルに及ぶ紫炎の塊はアセディを逃しはしなかった。更にインプ、グレムリン、フレイムデビルの群れも紫炎玉の範囲内にいた物は全て霧散していった。

俺は、索敵、感知脳力を全力で使用してアセディが、確実に紫炎に焼かれ、霧散していくのを感知しながら注視した。ジワジワと己の腕や足が紫炎によって焼かれ塵に変えられていく、苦痛の叫び声を上げながら、ゆっくりと、ゆっくりと、霧散していった。

特大紫炎玉は、バウンダリゾーン [ 結界 ] に当たって横へ広がり出したので、消した。


「残るは、インプとグレムリン、フレイムデビルの残党だけだな」


金砕棒を振り回し、火炎弾を撒き散らし、殲滅していく。


「ファッハハハハハハハハハ...」 [ドンドン]


索敵を使い、逃げて隠れても見つけ出して、容赦はしない。


「ファッハハハハハハハハハ...」 [ドン]


「ファッハハハハハハハハハ...」


「ファッハハハハハハ...」


「ファッハ...」


「・・・」


「・」



「ふぅ〜〜.......終わったかな?」


古城に近づいて行き、バウンダリゾーン [ 結界 ] を解除した。


「ウェインさん何とか、終わったんじゃないかな?」

「あっああ。お前いや、タカオカと言ったか?」

「ああ」

「本当に、鬼人なのか?」

「ん?どいう事?」

「いやっ何でもない」

「どうする、僕の依頼主の所まで大人しくついて来てくれると嬉しいが?」

「ああ、無駄に兵士を死なせたくは無いからな」


「それじゃあウェインさん、結界に包んでいるハミルとヴァンパイヤを王女の所まで運ぶのを手伝って欲しい」


「了解した」

(何だか、ウェインさんの聞き分けが良くなったな........)


落ち着いた俺は、何時もの服に着替えた。

「ん?」ポケットの中身が熱くなっていたので、手を突っ込んで熱くなっていた物を取り出すと、光りを放っていた。

(あっ!ドロミテ帝国の秘宝を入れていたんだっけ)


光り輝く勾玉は、俺の魔力を吸収している様だった。闘った後で、気持ちが荒ぶっていたのだが、荒ぶる感情が少し抜けていく感じは気持ち良かったので更に少しだけ多めに流してみた。すると、赤く美しい魔法陣が浮かび上がり、綺麗な目をした狐が出てきた。

結界を解除して出てくるのを待っていると、その狐は、九尾の狐だった。


「グルルルルルルルルル」


「会話は、出来なさそうだな」


身体中に黒い玉を展開させて、今までで、感じたことの無い、魔力量を感じた」


(スゲー奴なのか?)

「おい、ダイちゃん居るかい?」

[ あい! ]

「なぁ、九尾は強いのか?」

[ 人を惑わし、世界を混沌に落ち入れると言われているッスよ ]

「惑わす?」

[ ああ、強力な精神支配みたいッス ]

「他には?」

[ う〜〜ん、後はよく知らないッス... ]

「分かった、ダイちゃんありがとう」


「面白そうだな!」


[ はぁ?面白いって..........まったく親方様は.........]


九尾の参戦により、予定が変わってしまった。


「さあ!かかって来い!」

読んで下さり、ありがとうございました。

次回も宜しくお願いします。

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