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グヤナ国だね

宜しくお願いします。

「皆、着いたぞ」

そこは何も無い、砂浜だった。

鯨型の魔獣 ホワティの口の中で過ごしていたので、時間の感覚がおかしくなってしまっていたが、日の高さを見ると、丁度昼頃だろうか?


砂浜で昼食にしようとした時....


[ ぐっぐぅ〜〜〜〜〜〜〜〜 ]


「おや?」


何だか、俺の背後から視線が刺さった。


「食料を持ってないのか?」


「ほぼ全ての食料が底をついてしまったのじゃ....」


[ ぐっぐぅ〜〜〜〜〜〜〜〜 ]


(仕方がないな...)


「魚で良いか?」


「本当か、分けてくれるのか?」

(まぁそんな目をされたらね....)


サラちゃんとダイちゃんも呼んで、総勢11名と魔獣2匹で昼食を食べる事になった。


「こっこの魚は.....」


「なっ何?食べられないヤツ?」

「いっいえ、この魚は幻と言われている、イト魚(いとうお)ですよ」

「珍しいのか?」

「はっはい我が国では、とにかく様々な漁法をしても獲れ無いのです。2年いや、3年に1匹獲れるかどうかの超高級魚ですよ!」

(そうなのか?あの川には沢山いたけどな.....まぁ言ってしまうと乱獲されても不味いだろうしな...)

1人1匹ずつにしておいた。

(1匹だけでは、足りないだろうな.....)

「ちょっと待っててくれ」


俺は鬼神モードになって海の中に入り、気配を消し深く深く潜っていった。

デカイ蟹や、真鯛の様な魚それに鯵とソックリな魚の大群を纏めて結界に捕獲。その結界を投げ飛ばし、波打ち際へ運んだ。


「どうだ?食べられそうな魚はいるか?」


「へ?こっこれ全部?」

「ああ、いま結界を解除すると海水ごと流れてしまうから、食べたい奴をこの結界からとりだすよ」

「私は、蟹が食べた〜い!」

「OK」 (まるで生簀だな、こりゃ...)

「私は、あの銀色の魚をを5匹食べたいです」

「ははは、敬語なんていらないよ」


皆んなの食べられる分だけを取り出して、串焼き等にして楽しく食事をした。

やはり、美味い食事をすると、会話が弾むな....リリンの一件以来とても気まずい雰囲気だった。


予備として、鯵の様な魚を30匹程干物にして、氷結魔法で凍らせて、リュックに詰め込んだ。


「さてと、デメララ女王様の住まう城を目指そうかの」


「「「「はい!」」」」


砂浜に上がった時点でもう魔族領に入っているのだろう。

俺の索敵に5〜6体の魔物が引っ掛かっていた。

(さてと、出方を伺いますかね)


バウンダリゾーン [ 結界 ] はいつでも張れる準備をしていた。


砂浜を抜けて、林に入り、段々と森深くなってきた辺りで、3体程の魔物が此方へ近づいて来た。

俺たちを囲む様に、魔物の群れが四方より接近してきてほぼ囲まれた状態になった。


3体の魔物が姿を表すと、なんとまあ可愛らしい少女が真っ赤なドレスを着て偉そうに真ん中を歩いている。両脇に付き従っているのは、5メートルを超える金剛力士の阿形と吽形にしか見えなかった。


「お前は誰だ?」


「おい、鬼人風情が気安く話しかけるな!」

(阿形に怒られた...)


「妾がデメララじゃ」


「ほぅ、こんな森の中まで出向かれるとは、大した器だな!」


「おい鬼人、口を慎め」


「僕は、ここに居る人達を無事に女王様に連れて行く依頼を受けただけだからな」


「ならば、もう問題なかろうとっとと消え失せろ」


「いや、そうは行かない」


「何だと!」


「こんな、森の中でヒョッコリ出て来たドレスの少女が、女王を名乗っただけでハイそうですかって、あり得ないだろう」


「貴様!」


少女の右隣の奴が動いた。

右腕に持っていた長いヴァジュラを振りかざし襲い掛かってきた。

(はぁ〜遅すぎるね....)

俺は金砕棒を出しそのヴァジュラを弾き返そうと金砕棒で殴りつけた。


[ パキン ]


とても軽い音だった.....


「あらら?」


どう見ても、ヴァジュラが真っ二つに折れてますが....


「えええええ〜〜〜〜〜〜・・・・・」


「魔族の宝具が、いとも容易く....」


「あっあっありえないだろぅ〜〜〜〜」


「待てっ!アン!」


「はっ!」


「そのヴァジュラを見せて見よ!」


「コレは、良く出来た偽物じゃ!」


「なっ何だと!」


(おいおい、何なんだ?この三文芝居は......)

俺は、此奴ら全員が偽物じゃないのか疑いだした。


「なぁなぁ..........王子に合わせてくれないのか?」


「あっああ、分かった」


俺には確信があった、ここから5キロ程先に此奴ら位の身体の大きさで闘気の質が全く違い、もっとデカく強い奴がいるのだ、きっと其奴らが本物の女王を守っていると....


何だか挙動がおかしくなって来た3人組は、二股の分かれ道を左に曲がろうとした。


「おい、城へは右では無いのか?」


「え?何で?」


「お前知っているのか?」

(はい、馬鹿確定〜〜)


取り敢えず、ベッルーノを含む全員をバウンダリゾーン [ 結界 ] で包み込んだ。


「もう良いだろう、白状しろよ!お前は女王でも何でも無いだろう」


「ふっふはははははは、良く見破ったな!」

すぐさま俺は、紫炎を纏い、鬼神モードになった。

拳に紫炎を纏い、アンとウンを殴り倒し、塵に変えた。


「まままままっ待て...待て...待て!」


「話を聞いてはくれないのか?こんな妾の様な幼気な少女の.......」


構わずに、紫炎の拳を少女に放った。


「うげぇぇぇ〜〜〜〜」


なんだか、醜いムカデの様な姿になり踠きながら塵になった。


「おい、僕達を囲んでいる魔族達、とっとと出てきて城まで案内をするんだ!さもなくば、殲滅する!」


闘気を、溜めてから全体に放出させた。


「はっひぃひぃ〜〜〜〜〜・・・」


森からバラバラと出てきて、土下座をしてきた。

(この世界に来て、土下座を何度見た事か...ヤッパリ流行っているんじゃ.......)


大木の陰から魔物が5人出て来て、手に持った得物を地に起き、膝をつき頭を下げて来た。

(何だか、本物の高貴な戦士の立ち振る舞いの様だ)


「ああ、僕は護衛で、雇われた冒険者だ。敬意は必要無い」


「不快な思いをさせてしまっていた様だ、申し訳無かった」


「城へはどの様な要件なのだ」


「我らは、ドロミテ帝国より参った者だ。デメララ女王陛下と謁見に来たのだが、何も聞かされていないのか?」


「女王と謁見だと?」


「分かった、では迎賓館に案内するので、しばしそこで待たれよ」


暫く移動すると、森の切れ目から、立派な建物が目に入ってきた。


「では、こちらでお待ち下さい」


「了解した」


(何だか、雲行きが怪しくなって来たか?)


「ベッルーノさん、どうなっている?」


「儂にも分からん。じゃが事前に話は付いておった筈じゃがな」


「まあ、良いか。僕はあくまで城までの護衛だからな」


「おお、有り難い。此処で帰ると言われてしもうたら、儂はどうしたものかと悩んでおったのだ」


「ははは、大丈夫だよ。城まで無事に送り届ける迄が任務で良いよ」

(やはり、お人好しじゃのぅ....)


「お待たせしました。」

「女王は、お会いになるそうです」

(ん?やっぱり謁見させてくれることを、今決めた様な対応だな?)


「姫様にこの石を渡しておいて頂けますか?」


「何じゃコレは?」


「今は説明出来ないが、信じてくれ」


「あい、分かった」


俺たちは迎賓館から、豪華な馬車にのり城へ向かった。

馬車は森を抜け、渓谷を走り岩峰が連なった場所へ入って行くと岩山と同化した禍々しい感じの城が見えてきた。

城内に案内され、謁見の間に通された俺達は、城主を待った。


「妾が、デメララじゃ」

(おおおっ!先程の偽物と何となく似ているがやはり纏うオーラが違うな)

皆頭を下げた。俺は出入口付近の壁に寄りかかって静観していた。


「おい、そこの冒険者!無礼であろう」


「じゃ!僕の依頼は此処までですね」

俺は謁見の間をでて行った。


「さて、此度は何用で参ったのじゃ?」


「私達は、ドロミテ帝国の者であります」


「それは、先程聞いたが?」


「我らの統治している国に、ヴァンパイヤと竜人族が手を組み、戦争を仕掛けて来たのです」


「ほう、して」


「我ら、人族では到底竜人族とヴァンパイヤを抑える事など叶わず、領地は奪われ、女・子供も容赦なく殺され、なす術が無く只々侵略を許してしまっていた時、グヤナ国デメララ女王の使者様が参ったのです。それがこの親書です」


「使者は何と言っていた?」


「はい、パイレート様と」


「ほう、して信じたのか?」


「はい、藁にも縋る気持ちで...」


「その親書、拝見させて貰う」


「何と、妾のマーラとドロミテ帝国の姫との婚約だと?さすれば同盟を結び、我ら魔族が帝国側に付くと」 ニヤ〜〜ッ・・・


「条件として、姫と秘宝とあるが?」


「はい、我が国の秘宝で有りますドロミテの狐玉と呼ばれております、勾玉で御座います」


「成る程のう」


「恐れながら、女王陛下がご指示をされたのでは、無いのですか?」


「実はの、パイレートは妾を裏切り、同朋を殺し逃げ出したのだ」


「なっ何と!ではこの親書は?」


「偽物じゃな。いやっこの印は本物。故に盗み勝手に押したのであろうな」


「なんたる事なのだ...」


「まぁ、ノコノコと魔族領にやって来て、出逢った事も無い女を妾のマーラに押し付け、何の魅力も無い玉で加勢するとでも、本気で思ったのか?」


「なんたる言われようなのだ。大賢者様如何しますか?」

「儂らは、嵌められた様じゃな」

「クッソゥ!」


「魔族の内政問題を知られたのだ、生きては帰すな」


「はっ!」


アンとウンが立ちはだかった。

ヴァジュラを振りかぶったアンは何の躊躇いも無く人族に打ち下ろした。

なす術なく、人族はその攻撃を全身で受け止めた。


[ グワッシャ〜〜〜〜ン ]


謁見の間全体が黄金色に輝いた。


「なっ何じゃ!この光は!」


光が収まっていくと....屈み込んだ人族が無傷で現れた。


「な・ん・だ・この魔法は?無詠唱だと?」


アンは、ヴァジュラを振り回して更に攻撃を繰り出して来た。


[ ガンガンガンガンガンガン・・・・ ]


黄金色の光に包まれ、人族はやはり無傷だった。


「面白い!此奴らを、とっとと殺すのじゃ」


アンとウンの連続攻撃に加え、魔族達も前に出てにじり寄って来た。


「コレは、あの冒険者に渡されたブレスレットの力のようじゃの」

「じゃが、この数の相手ではもう、助からんじゃろう...皆覚悟は良いか?」

「はい!元よりこの命は捨てた物と思い付き従っておりました」

「ああ、ごめんなさい、私のせいですね」

「いえ、国家の存続の為だったのです致し方無かったのです」

「ありがとう、皆が一緒で良かったわ」



「おい!姫さん、渡していた石を地面に叩きつけろ! 」



「え?はっはい」 (この声は...)


叩きつけられた石は光を放ち、ドロミテ帝国の者達を光が包んだ。バウンダリゾーン [ 結界 ] を付与していたのだ。


[ ドッカ〜〜〜〜ン ]


謁見の間の扉が吹き飛んだ。


「何者なのじゃ?」


壊れた扉の前に立っていたのは、紫炎を纏った鬼神モードに闘気を更に解放した、現時点で最強モードだ。


ウンがすぐさま反応して、素手で殴りつけて来た。

そのパンチを片手で受け止めた。


「なっ何!」


「そう、焦るなデカイの!」

「僕は、ジョー・タカオカ冒険者だ。依頼を完遂しに来ただけだ」


「完遂じゃと?」


「ああ、そうだ」


「もう、此奴らを渡して終わったのであろう。とっとと帰れ鬼人!」


「いや、そうじゃない!僕はマーラ王子に無事に届けると契約をしたのだ」


「なっなんじゃと?ふざけた事を!おい、あのイカれた鬼人を殺すのじゃ!」


「ほぅ!ならば此方も全力で殲滅させるしかない様だな」


ウンを片腕で持ち上げて、アンに投げつけた。


「いったい何なのだその力は」


「ああ、加減はしているぞ」


「かっかっかっ加減だと?この俺にか!」


「ヌゥ ガァァァ・・・」


ウンとアンの身体から目でも見える程の闘気が漲った。

俺は、金砕棒を出して構えた。


「本気でコイ!」


「ヌゥ ガァァァ・・・」


拳の乱れ打ちとヴァジュラの連携攻撃は中々に厄介だった。

ワザと何発か貰うつもりで身体に受けてみた。


[ ドカン ]


「グッ」 (結構痛いな)


「此奴効いていないのか?」


「お前達は、見た目より弱いな!」


「何だと」


「そろそろ、反撃だな」


金砕棒を全力で振り抜き、ヴァジュラを完全に粉砕した。


「なっ何だと、魔族の宝具がいとも容易く...」

更に打撃を与えた。


「ウガァァァァァァァァァァァァァ・・・」


金砕棒でアンを袈裟斬りにして叩き切った。

転がったアンの骸に紫炎を放ち霧散させた。


ウンが怒り狂い、突進してくる。俺は金砕棒を一度消し、素手で対抗する事にした。


[ パンッパンパンパンパンパンパン ]


相手のパンチをいなしてゆく、タイミングを計り俺は手刀でウンの手首から先を落とした。


「ウガァァァァァァァァァァァァァ・・・」


ヨロヨロと体制を崩して来たので、首を落とし更に足を切断した。拳に紫炎を纏わせウンを霧散させた。


そして周りに集まった魔族達の最前列の奴らだけ金砕棒で頭を殴り、意識を奪った。


「さあ、デメララ女王!未だやるかい?」

「まっ待て!待つのじゃ」

「何を待つんだ?」

「妾が作った最高傑作の守護者が2人掛かりで敵わぬ者とこれ以上やった所で、妾達は滅ぶだけじゃ」


「もう、妾の負けじゃな!」


「して、お主は妾をどうする気なのじゃ」


「ん?どうもしないさ」


「何じゃと?」


「所で、マーラ王子とドロミテ帝国の姫とは面識も無いのか?」


「当たり前じゃ、マーラは王子なんて事にしておるが、妾が作り出したゴーレムじゃし、2年程前に作ったばかりじゃ!ようそんな話しを信じたの...」


「はぁ?マジで?」


「何じゃ知らんのか?妾は傀儡の魔術を得意とする魔族じゃぞ、ちなみにアンもウンも妾が錬成した魔石を使ったゴーレムじゃ」

「それに、ビックリしたのはこっちじゃ!」

「まして人族とゴーレムが婚約だとかはあり得ないじゃろて....」


(ごもっとも.....)


「此方も質問させてくれ、お主は何者ぞ?」


「だから、鬼人の冒険者だ」


「いやそうでは無い。本当に鬼人なのか?妾は、お主程の強者を初めて見たぞ!」

(初めてね...)


「もう妾達は、負けたのじゃ、何でも望みを言うが良い」 デメララは、溜め息を一つ吐き諦め顔で言った。


「ならば、グヤナ国に加勢して欲しい」


「はぁ?..........お主に何の得があるのだ?」


「ドロミテ帝国から輸入されてくるコーヒーや果物は最高だ!だからドロミテ帝国には無くなって欲しくない。それだけだ」


「なっ!何とまぁ〜驚きじゃな......」

「全くもって面白い奴じゃ!もう一度名を教えてくれぬか?」


「ジョー・タカオカだ」


「タカオカねぇ〜分かった覚えておこう」


「ドロミテ帝国はどうする?」


「妾は、お主の(しもべ)になろう」


「はぁ?」


「妾達、魔族は力こそ正義なのじゃ、お主の人外いや魔神如き強さを見せられては、従うしかないじゃろう」


「いやいや、(しもべ)って.....」 (ややこしくなったぞ)


「そうじゃな、それとも妾と夫婦になるかの♡」ニヤッ


「断る!既に婚約者もいる」


「何人でも構わんではないか.....」


「では、ドロミテ帝国に加勢してくれるんだよな」


「そうじゃな、貴殿が指示を出せば、妾達は従おうぞ。但しじゃ、今この国は内戦の真っ只中じゃ、お主が妾に加勢せよ。それが条件じゃ!」


「はぁ?」 (更にややこしくなったぞ?)


(まぁ、魔族と闘ってみたかったので、引き受けるしか無いね)

読んで下さり、ありがとうございました。

次回も宜しくお願いします。

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