婚約?だね
宜しくお願いします。
チュン、チュン、チチチチチチ、チュン、チュン
ああ、懐かしい香りだ、目を開けるとアレス、トゥルス、ディアが近くにいるただそれだけで、安心感がとてもある。
身体を起こすと、すぐさまトゥルスが起き出し、目の前まで近づいて来た。
「おはよう、ジョウ君♡」
「ああ、おはよトゥルス」
「それじゃあ、朝食を作ってくるね」
「何時も、ありがとう」
フワリとベッドから降りたトゥルスは部屋を後にした。
俺は最近力を手に入れてからなのか、どんどん我儘になって来ていた。未だ言葉には出していないが.....
さてと、朝の修練をしないとな。
俺は一人屋敷の庭に出て、プエルトへ帰って来てから欠かさずやっている修練を始めた。
修練と言っても、周りの者は何をしているのか分からないだろうけどね。
基本はクローク[ 不可視化 ]の修練をしていた。俺の炎や障壁、結界、雷更に、任意の物体の不可視化をしているのである。
今後どのような敵が現れるか分からないからだ。そして、キビ爺と死闘をした程の者が何処かにいるはずだから、鍛錬は欠かさない。
今後闘う相手の実力が分からない今は、とにかく技の引き出しを増やす努力をしていた。
皆んな揃って食堂に集まり、朝食を済ませた。
昨日の話の後、アレス、ディア、トゥルスは事あるごとに甘えてきた。 (やはり、可愛いなぁ.....)
ラムの到着を待っていると、ゴリラのアンドレが慌ただしく入って来た。
執事のハリーが制すると、「ウッホホ、レオン陛下、ウッホ」
(ん?何となく言葉が伝わったぞ?)
「ジョウ様、レオン陛下がお見えになられました..ジェ」
「分かった」 (レオン陛下も一緒に来たのか)
「ジョー君♡」
「なっなっ何じゃコリャ〜〜・・・」
馬車5台が数珠繋ぎでやってきた。
「良い所ね、いっそ私も住んでしまおうかしら」
「お母さん.....メッ!」
「おいおい、ラムッチ凄い量の荷物だな」
「エヘヘ、だってここが私の新居になるんだもん」
「おっ!マジ?」
「エヘヘ、マジだよ」
「やったな!ラムッチ、おめでとう」
「ありがとう」
何故かウキウキとしながら、女性陣は別室に消えて行った。
「ん?何だろうか....」
「よう!ジョー」
「レオン陛下」
「だから、もう身内だレオンで良い」
「はい、では....レオンさん」
「ふむ、まあ良いか」
「皆は、どうした?」
「さぁ、女性陣は別室に行きました」
「そうか....まぁ、そうだろうな」
「何か、ご存知なのですか?」
「うむ、そうだな、儂は確信しておるのだが、ジョーはこれから先、王族として、更に鬼神としての役割に気付き、行動を起こしていく事だろう」
「そうなると、屋敷に一人残されるラムはどうなる?ジョーは何処へでも連れて行けるのか?ラムには立場を共有した仲間が必要だとは思わないか?」
「そうですね、やはり一人で屋敷に残すのは心苦しいです」
「そうであろう、そしてその仲間はいま、ジョーとラムが供に生活が始まる今この時期に受け入れていた方が良いのだ」
「何故ですか?」
「お互いの生活が長くなってからでは、お互いの生活のパターンがある程度出来上がってしまう、そこから仲間が増えると揉め事も増えるというものだ」
「だからだ、早ければ早いほど、その仲間との生活を送る方が、その仲間とは深く信頼しあえるというものなのだ」
(そうなんだろうな...何となくだが理解はできるな)
「では、[ 緋き絆 ]との共同生活を続けても良いという訳ですか?」
「まあ、そうなるのだが、但し[ 緋き絆 ]の親たちはどう考えるのだろうか?」
「そうですよね...」
「ガッハハハハ、なので呼んだのだ」
「はぁ?」
「アレスの父、マース・オーリウス辺境伯閣下、トゥルスの母・サタ・ウェルティ子爵閣下、ディアの家族・ユピテル ・フェレリウス公爵閣下とバルタ ・フェレリウス、ルクリウスの父ヘルメス・フェトリウス侯爵閣下だ」
「こっ今日は」
「よう、久しぶりじゃな」
「あらん、少し見ない間に更に男前になったわね」
「...........ふむ.......」
「まさか、僕の娘まで......ウフフ♡」
「ルクリウスは、未だ着かないのか?」
「ルクリウス様到着されましたジェ」
「やあ、ジョウ久しぶりだな、何なのだこの顔触れは....」
「あらん、ルクリウスちゃん皆んなは別室に集まっているわよ」
「それでしたか、では私も失礼致します」
入れ替わるように、モーラさんとセスさんが入って来た。
「会場が整いましたのでどうぞこちらへお越し下さいませ」
(何?一体何が始まるのかな?ラムとの婚約発表にしては、凄いメンバーだな......あっ!結婚より婚約が重要だって言っていたっけ....)
会場に入ると、ズラリと美しく着飾った[ 緋き絆 ]メンバーが一列になって立っている。
脇に、先程まで談笑をしていた親達が、至って真面目な顔付きで立ち並んだ。
俺は彼女達の前に立ち、メンバー1人1人の顔を順に見渡した。
「え〜〜っと....これは?」
「ガッハハハハ、集団婚約発表会だ」
「はぁ?」
「ジョーは、背中を押されるのを待っていたのであろう」
「え?」
「では問うぞ!ラムは、大事だが、メンバーの全員も同じ位に大事に思っている。違うか?」
(何て事だ、皆さん察しが良すぎです)
「...........」
「それでだ、ラムとの婚約発表と同時にジョーの目の前にいる者達とも婚約せよという事だ」
「ええっ!えええ〜〜〜!」
「有りなの?」
「なんだ、父から聞いていないのか?」
「儂だって若い頃は、8人の嫁がいたのだ」
「だが、皆100や150歳程で亡くなってしまったのだがな、まぁ別れは辛いものだが人生をともに送れた事に後悔は無いぞ」
「そうでしたかって、お悔やみ申し上げたいと思ったのですが、皆さんは僕に娘を渡してしまって良いのですか?」
「おい、ジョーよ昨日も話したが、自分の事となると、本当に何も分かってないのだな」
「お前じゃから、アレスを託せるんだろうが!」
「私の娘、ルクリウスの事は好きでは無いのですかな?」
「全くそんな事はございません」
「ほら、やっぱりこうなる」
「あっ」
「ジョー、正直に生きて良いのよ、ここに居る娘達の気持ちは一点の曇りもなく貴方に付いて行くと決めているのですよ」
「嫌なら、直ぐに断りなさい」
「ここまで、してくださっているのにウジウジしているのは男らしく無いですね」
今までの人生でここまで人に必要とされた事が有っただろうか?ここまで愛された事があっただろうか?そんな事を考えたら、自然と涙が溢れ出してきた。
「逆に聞きたい、本当に僕と生涯を供にしたいんだね」
「「「「「当然です」」」」」
「僕も決めました。いや元々決まっていたと思います」
「あらあら、良かったわね」
「うん、お母さん色々とアドバイスありがとう」
「あの〜〜」
「ん?何だアレス」
「改めて、宜しくな」
「ああ、そうだな」
「アチシで良いんだよな」
「何故?」
「だって、アチシ竜人族だぜ」
「あっはははは、じゃあ僕は鬼神だ」
「エヘヘヘ」「あははは」
「ありがとう、ジョウ♡」
「おう、任せろ」
「ワンワン」
「おっ!ビッケだ」
もふもふもふもふもふもふ・・・・・
「ラムを馬車に乗せた時一緒に乗って来て降りようとしなかったのだ。どうだろうか」
「レオンさん、ランプさんが宜しければ家で預かります」
「宜しく頼む」
「はい」
ラムの部屋への荷物の運び込みも終わった。
レオン陛下御一行は、数刻してから後は若い者に任せよう!となって陛下達は荷馬車を引き連れて早々に帰って行った。
そしてもう暫く、モーラさんとセスさんがは教育係として残ってくれるそうだ。(助かった...)
ラム、ルクリウスも揃っていたので昨夜の話をもう一度して理解を得ようとした。
「ヤダッ!ヤダヤダヤダヤダ!イ・ヤ・ダ・ー・」
「ラム、申し訳ないが、連れては行けないんだ」
「婚約した次の日にお相手が旅に出るとか、悲しいよ〜〜・・・ジョー君に甘えたいよ〜〜」
(うん、うん、本当にラムの一言は俺をホッコリさせてくれる)
「連絡はいつでも出来るから、そしてなるべく早く帰ってくる」
「ラムッチ、大丈夫だぜ、いざとなったらアチシの背中に乗って逢いに行けば良いよ」
「本当?良いの?」
「あたり前だぜ」 サムズアップ!
「ああ、そうだな」
「私は、修行中の身でありながら、人生で最高の瞬間を本日味わう事が出来た。ありがとうジョウ♡そして、ジョウと供に人生を歩むという事は、いつでも一緒にいる!という事が出来ないという事も理解している。だからこそ私は貴方を送り出す。絶対に無事で帰って来て...」
「ああ、約束するよ」
「はぁ〜〜ぁ....言いたい事をルクリに言われちゃったな....私も応援するよ」
「僕は、僕だって.......コレを持って行ってね」
以前持って行ったバッグを渡された。
「サンキュー、トゥルス」
「エヘッエヘヘへ」
夕食を食べ、ルクリウスも一緒に今夜は泊まっていく事になった。
暫く会えなくなると思ったからか、今夜の皆んなは随分積極的で、スキンシップがとても多い夜だった。
皆んなが寝た後、ゲッちゃんとカイちゃん、サラちゃんを呼んで、何度も確認をした。
空間転移を使う魔術師がいる事、召喚された魔獣は脳を弄られていて、痛覚が無く死ぬまで攻撃をやめないので躊躇せずに完全に息の根を止める事等だ。
明日に備えて俺も寝る事にした。
読んで下さり、ありがとうございました。
次回も宜しくお願いします。




