帰城だね
宜しくお願いします。
我ら、[ 緋き絆 ]は、一路プエルトへ向かった。
早馬に跨り、相変わらず俺はルクリウスの膝の上に、乗った。
行きに比べ、魔力コントロールが上手くなった事も有るが、金砕棒を手に入れた事が、旅を快適にした。
荒野に棲む魔獣達は、索敵で見つけ金砕棒で地中に突き刺し、追い払うか討伐していった。
アレスやトゥルスなんかはウトウトして、落馬しそうになったりもした。
(うむぅ〜〜たるんでいるな...)
何匹か、わざと魔獣を誘い込んでみた。
[ ザザザザザザ ]
「ん?」
「おっ!アチシがやるぞ」
出て来た、蚯蚓の魔獣は、サイズこそ大きくは無かったが、アレスの炎のブレスで瞬殺した。
(俺達のパーティって強いよな......)
段々と辺りが暗くなってきて、そろそろ馬も走れないと判断した、ルクリウスはキャンプの提案をしてきた。
(やっぱり、ルクリウスのリーダー資質は凄いな...)
手慣れた手付きでテントを張り、一つだけ小さいテントを張った。
「ん?誰の?」
「ルグさんのです」
「ああっそっかぁ...」
「僕以外の男子は禁制ですか」
「は??」
「ん?」
「ルグさんは、女子ですよ」
「えっ?ええええぇぇぇ〜〜〜〜」(最近で一番驚いた)
「ごめんなさい、てっきり男子かと....」
「良いんですよ、剣神何て呼ばれるようになってからは、先ず男にしか見られた事が無いですから」
「お風呂とか、着替えとか大変でしたね」
「ははは、やはりジョーは面白いな!剣神と聞くと、風呂は貸切だし、着替えは見ると呪われる等と言われ個室で着替えていたからな問題ない[ キャッツライト ]は当然皆知っているしな」
「成る程...」
「君達は、ジョーと一緒に寝るのか?」
「「「「「はいっ」」」」」
「そっそうか...仲が本当に良いのだな...」
「「「「「当たり前です」」」」」
「はっはは」 (もう、笑うしかなかった...)
「さて、寝ようか」
「少し先に、泉を見つけたので[ 緋き絆 ]は、少し汗を流して来ます」
「そっそうか....気を付けてな」
「「「「「はい」」」」」
何故が、俺は既に拘束されていや、腕を組まれて泉へ向かった。
「あら?ルグさん、どうしました?」
「私も付いていって良いか?」
「当然です」
泉に着き皆んな一斉に着替え出した。
慌てて、索敵や、探知をして、危険が無いかチェックして、泉を入れてバウンダリゾーン [ 結界 ] を張り、と音声遮断を施した。
「さぁ〜〜て、泳ごう!」
「アレス、真っ裸じゃない」
「へへへっだって、見られて嫌な奴は居ないしな」
「そっかぁ...じゃあ私も」
「おいおいおい、いい加減にしなさい!」
「僕の目のやり場に困ってしまうよ」
「え〜〜、でも仕方が無いか....」
みんな、水着を着て貰った。
(ルグさん...本当に女性でした。よく見れば顔も整っていて綺麗な人でした....)
眼福、眼福........
「ジョー君」
腕に抱きついてきた。
「ラム、どうした」
「昨日も大変だったね」
「アクセサリーのプレゼントは大変だった....其れこそ魔法でビーズに糸を通すとか出来たら楽だったのにね」
「うふふ、ジョー君はソコが大変だったの?」
「え?」
「お父さんも、お母さんも、エレファン陛下、みんな親善試合で負けてスッキリしていたよ」
遊び終わりテントへ戻り、ルグさんは専用のテントへ行き、我々は大きなテントで落ち着いた。
「おやすみ」
・
・
・
チュン、チュン、チチチチチチ、チュン、チュン
朝の目覚めは非常に良かったのだが、何なんだろうこの光景は......俺の小さなお腹の上で猫のように丸くなっているアレスは何時もの事として、左腕にルクリウスがくっついていた。ソコまではまぁ普通だいや、普通では無いが、我々[ 緋き絆 ]にとっては、日常になっていた。
が、しかし本日は俺以外全員がめちゃくちゃ薄着なのだ、もう目のやり場に困るくらいだ。何が起こったか整理をしようと辺りを見渡すと、ソコには一匹の蜥蜴が......サラちゃんである、どうやら俺は暑さ寒さの耐性が高いのだろう.....皆んなは寝ているうちに自分で脱ぎ捨てたのであろう.....
(どうしよう.....)
「おい、アレス?」
「うっううん..ジョウ?」
「ああ、皆んなが大変な事になってるぞ」
「ふぁ〜〜あ?」
「おっなんだ?何で皆んな裸なんだ?」
「分からない」
「ジョ〜ウ〜ま〜さ〜か〜ぁ〜」 ニヤニヤ
「おっおい、ちっちがうぞ、僕は何も.....」
「皆んな起きたのか?」
[ バサっ ] テントの入口が開いた。
「あっ!」
「なっなっなんじゃこりゃ〜〜〜〜〜〜」
(ああ、ルグさん落ち着いて....)
「ジッジョーは、毎晩この様な乱痴気を......」
「まっ待った、ちゃんと話しを....」
「おはよう、ジョー君......キャッ」
(あら、ラムさん可愛い♡)
「ルグ殿おはよ.......ああ、私としたことがなんたる事を」
「一応皆さん着衣を整えてで出来て下さい!」
(サラちゃんは不味いので、隠さないとね)
「おはよっ!」
「全く、貴女達は、入籍前にあのような事を」
「エヘヘ、ごめんなさい。でもとっても暑くて寝ている間に脱いでいたみたい」
「何だったのだろう???」
「ジョーが何かしたという可能性は?」
「「「「「有りませんというか、有り得ません」」」」」
「そうか、ならば信じよう」
(しかし、普通は結婚前って言うよね)
「でも、何で昨夜はあんなに暑かったのかしら??」
「後で、説明するから....」コッソリと伝えた。
「しかし、ジョーも中々豪気だな、ラム王女も良いのか?気にならないのか?」
「う〜〜ん、皆んなと寝るのは楽しいし、安心するし、私も望んだ事だよ」
(そうなのか、ラム王女は未だ未だ、13歳だからか...)
ルグは一人で納得した。
気を取り直して、顔を洗い朝食を食べて出発の準備を始めた。
「いざ!プエルトへ出発〜〜ッ!」
「「「「「おー!」」」」」
早馬は走り、荒野を抜け、林を走り、森を抜けると、懐かしくもあり、我らの帰るべき場所プエルト国が夕日に包まれつつ見えてきた。
オレンジ色に身体に電気が走ったかの様な感覚にとらわれたが、不快では無かった。
入場門に差し掛かると、門番が慌てて出て来た。
「この様な夕暮れ時に、何様だ!」
「私だ!分からぬか?」
「はぁ?」
「ルッルグ様でございましたか。しっ失礼しました」
流石は、剣神様、有名人ですね。
「では、ご入国の皆様ほ、ギルドカードを御提示下さい」
「「「「「は〜い」」」」」
皆んなは、ギルドカードを提示した。
やっと我が町に戻って来たっていう安心感があり、早速ギルド本部へ向かった。
先ずは、ウェヌスさんの部屋を訪ねた。
[ コンコン ]
「どうぞ」
「お久しぶりです、ウェヌスさん」
「ジョーさんなの?あらあら、あらあら、随分と遅かったじゃない」 席を立ち上がり此方へ近付いてきてハグをされた。
「ウェヌスさんも、遅くまでいらっしゃられるんですね」
「陛下に起こった事、この町に起ころうとしている事の調査で、毎日大変なのよ、陛下は貴方達に逢いに行くと言ってサバナ国に行ったはずなのだけど...」
「会いましたよ、レオン陛下やランプ様、カスパ様、バルタ様でも、陛下達は少しサバナ国で休んでから帰国すると言っていました。」
「あら、其方にいるのは、ルグさん?」
「はい、バルタ様お久しゅう御座います」
「うふふ、元気そうね」
「何故貴方だけ先に?」
「ルクリウスの剣術に才を見、未だ未だ伸びると感じたので、指導をさせて頂きたいと願い出たのです」
「ふ〜〜ん。そうなのでも何処で修行を?」
「ギルドにて、依頼を受けつつ指導を考えています」
「そう、メンバーが減ってしまうのは辛いところだけれど、レオン陛下が納得されたのならば、何も言う必要は無いわね」
(そうだよバルタさんは、プエルト国を守りし神族五人衆と呼ばれていて、ラムを国外に連れて行く時、ルクリウスの同行も条件だったんだっけ....忘れてた...)
「今後、ラム王女を国外に連れ出す場合は、何か条件があるのでしょうか?」
「ジョーさん、貴方は今回の旅でそれはそれはもう、沢山の武勇を成し遂げ、更に王家の紋章の資格者であり、金砕棒の真の所有者になったのです。よって貴方は既にプエルト国の王族そのものとなったのですよ?ラム王女に対しては貴方が決めて下さい」
「ただし、行動に伴う責任も貴方に付いてきますよ」
「はい、それは理解しました。しかし僕が王族何て.....」
話し終えると、マース、ユピテル、サタ、ヘルメスが入って来て、今回の旅の経緯や、相手をした魔獣、[藍鬼]の事や、バルバド国が魔人アルゴを復活させようとしていた事などを説明した。
マースは、驚き今にもバルバド国へ向かいそうな勢いだったが、パウラ皇后の脳の改変をした事で、復活どころでは無く、バルバド内で内戦状態になっていると予想していると伝えた。
「ガッハハハハハ、敵にする相手を間違えやがったな、アグリコールめ、あとは、メルキだな!」
「メルキを探さねば、彼奴はこの国の結界の解除方法等を熟知しているからな」
「ところで、僕達が不在の間プエルト国への襲撃は無かったのですか?」
「いや、それが....あったのだ。恥ずかしい話ジョーが戦ったあの場所でだ、警戒をしていたのだが何か、マーキングされていたのかも知れないな、トロール・ウォリアーが3体も出現して来たのだ」
「なっ何だって!じゃあ [ スコッチィズ ] は?」
「ああ、あのハンター達か、彼等は最後まで諦めずに戦ってくれた。しかし3体ものトロール・ウォリアーに襲撃されては、ひとたまりも無かったのだろう。儂ら、マース騎士団が到着する頃には全滅していたのだ」
「一歩も引かずに戦ったのだろう。彼等は英雄として埋葬させて貰った」
「なっなんて事だ。僕のせいだ、僕があんな無茶をお願いしなければ.....」(俺は取り返しの付かない事をしてしまった...)
「ジッジョー君.....」
「ジョーよ、この先お前の判断や采配で人の生き死にが更に増えて行くのだ、それが王族いや、金砕棒の継承者であり、王家の紋章を持つ者の宿命なのだ」
「ユピテルさん.....僕にその資格が....」
「今言える事は、その資格を持てる者が私の知る限りジョーしかいないという事だ」
(俺に務まるのだろうか?)
「おい!ジョウ、アチシが惚れた男は初めてで、今まで出会った誰よりも頼りになると思ってる。自信を持てよ」
「 [ スコッチィズ ] の墓は?」
「ああ、この国には英雄の丘という場所がありそこに埋葬してある」
「ジョー君、私が案内するよ」
「ありがとうラム、それでは明日案内して貰っていいかい?」
「うん」
話も終わり、[緋き絆 ]はルグさんと一緒に城へ向かった。
城へ向かう林道は、以前通った時よりも明らかに歩き難い、道がボコボコになっていて、細道しかなかった場所に大きな広場が出来ていた。きっと此処でトロールと戦ったのだろう.....
城に入ると、ものすごい勢いで、小さな子が走って来た。
俺は身構えたが、敵意も無かったので、そのまま抱きつかれた。
「この子は?」
「「おかえりなさいませ」」
「 モーラさん・セスさん無事で何よりです」
「ええ、本当に...」
「ああ、その子じつは [ スコッチィズ ] の生き残りの獣人なんです」
「え?だって全滅って...」
「スコッチさんに命を受け身を潜め、そしてジョー様が帰宅するまでは誰にも話すなと言われていたようです」
「その為、私が匿っていました」
「そうだったんですか...君の名前は?」
「チョコって言います」(ほぅ、猫の獣人か)
「そうか、チョコ話してくれるかい?」
「うん」
トロールが出てきた事、黒いフードを被った男達が7人いた事。トロールを召喚したら、早々に転移して消えたよだ。
最後に、この国の英雄の様な存在である、[ キャッツライト ]のメンバーが混ざっていた。この事は、誰にも知られずに俺に伝える様にスコッチからの命を掛けた伝令だ。とのことだった。
何だか、話を聞いているうちに、涙が流れていた様だった。
チョコは、この先行く宛がない様で、しかもハンター業は元々合わない様とも言っていたので、城内での俺の専属世話係として雇うことになった。
「チョコ、これから宜しく」
「はい、ジョウ様」
久しぶりの城はやはり快適で心が落ち着く。
アレス、トゥルス、ルクリウス、ディア、ルグさん達はゲストルームに泊まってもらう事になった。
(明日は、 [ スコッチィズ ] の眠る英雄の丘に行かなくちゃな...)
読んで下さり、ありがとうございました。
次回も宜しくお願いします。




