決断だね
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チュン、チュン、チチチチチチ、チュン、チュン
朝日と小鳥のさえずりで俺は目を覚ました。
ラム、トゥルス、ディア、ルクリウス、アレスは昨日のイベント参加で相当疲れたのだろう、未だ未だ夢の中のようだ。
起き上がり、そ〜〜っとみんなの間を抜けて部屋を出ようとした時、寝起きの良い、トゥルス、ルクリウス達も目を覚ました。
朝靄の中の宿屋から少し歩くと、田園風景が広がり其処には、百日草がさきみだれていた。
慌ただしく過ごしてきたので、あまり目に止まらなかったのだ。
「気持ちの良い朝だね」
「そうだな、ジョウは疲れていないのか?」
「大丈夫だよ、それにしてもあの陛下との勝負の時見せた剣術そして、とっさの判断は本当、見惚れたよ」
「そっそうか......」 ポッ
「ああ、本当だよ」
「トゥルスも疲れたんじゃ無いのか?」
「え?」
「闘いの最中、僕達パーティメンバーが動き易い様にピンポイントで足場を作る魔法をずっとかけ続けていただろ?」
「良く気が付いたね、僕の魔法は地味だから気付かれない場合が多いのに.....」
「夜の皆んなと一緒にやっているあの修練を繰り返すうちに、魔力の波なのか、波動なのかは不明だけど、誰の魔法か?とか、魔法の発動を感じ取れる様になったよ」
「ところで皆んなは、どうなの?」
「私は、ほんの少しだけだが、分かるようになった」
「僕も、分かるんだけど、特にジョウ君の魔力の波動を....」 ポッ
「そうなんだ、後で皆んなにも聞いて見よう」
新鮮な空気を一杯に吸い込んで、宿屋に戻った。
朝食を[ 緋い絆 ]がとっていると、昨日の試合を観に来てくれていたらしく、デザート等のサービスが沢山でた。
美味しいデザートを食べていると....
[ カララン ]
王城より使者が来た。
内容は、[ 本日、昼時にサバナ国王城まで来られたし、獣王様が昼食の同席を希望されています」
との事だった。
「まだ、時間もあるし、皆んな行くかい?」
「「「「「行きたい!」」」」」
「よし、昼までは自由行動で、その後は獣王様の所へ行こう!」
「「「「「おー!」」」」」
「肉が食べれんのか?」
「はい、ご用意がございます」
「よっしゃ〜〜!アチシは直ぐに行く!」
「おい、おい、今朝食を食べた所だろう....はぁ〜」
「さてと、別行動する?」
「「「「「むぅ〜〜っ」」」」」
「へ?」
結局.....全員でショッピングとなった。
ファンシーなアクセサリーショップでゲッちゃん、カイちゃん、サラちゃんのリボンやカッコいいネックレスを買い、洋裁店で似合いそうな生地を購入した。選んでいる姿は、皆んな少女のようで愛らしかった。
さて、お次は、彼女達待望のブティックへ行って洋服を選び出した。
(確か、王都でも買っていたよね.....)
朝も早かったからなのか、店の中はガランとしていたが、5人もの美女達がアレやコレやのファッションショーが始まると、店の外に野次馬が出来始めた。
皆んなが選ぶ服はどれもが、とても似合っていて、眼福です。しかし、流石は獣人の国で、王都と違いアニマル柄が多く、肌の露出も多めだ。
服を着て出てくると、俺の見た目が幼いせいで、年の差が更に開いて見えてしまう程だった。
ルクリウスは、意外にも女性らしい、背中のあいた孔雀の羽のような美しい光沢のあるワンピースを気に入った様だった。
「ジョウ...どうかな?」
「すごく素敵だよ、とっても似合うよ」
「へ?っそっそうか....ならばこの服にしよう」
他にも2〜3着選び、購入していた。
アレスは、服なんかには無頓着かと思いきや、アレコレ持ってきて早着替えで俺に見せて、似合っているかとか、どれが好みか聞いてきて、やはり3着程買っていた。
ラムほ、悩みすぎてパニックになっていたが、持ってきた服10着の中から俺に選んでと言われた、迷った挙句、向日葵の柄の入ったワンピースが、一押しで、他3着程選んだので、4着程購入した。
トゥルスは、やけに黒い服ばかり選ぶので、もう少し明るい色を勧めてみると、喜んでいくつか持ってきた。
白とグリーンのグラデーションが素敵なワンピースにした。
ディアは、元々治療士なので白のイメージしか無い。
色々と試したが、栗色の髪の少女はショッキングピンクがとても似合っていた。
そして、全員の買い物が終わり
今買った服を直ぐに着ていくのだそうだ。試着を終えた皆んなは、直視出来ないほど美しく可憐な女性へと変貌していた。
店を出ると、人垣が出来ていて、彼女達の姿を見て、女性も男性も見惚れていた。
「あっヤッパリ、かおかだ!」少年が叫んだ!
「ん?」
「「「おお、流石はカオカ様だ!」」」
「「「天使様をお連れになられている」」」
(いやいや、俺鬼だから....まっいっかぁ....)
美しい女性が5人と少年が1人にしか見えない一行は王城へ向かった。
城門前では、我々が付く少し前より門が開き、何のチェックも無しに通された。
とてもしっかりした執事風の初老の紳士が挨拶をしてきた。
「この度は、突然の申し入れに深くお詫びを申し上げます」
「ようこそ、いらっしゃいました、[ 緋き絆 ]の皆々様」
そのまま、謁見の間に通された。
すると、エレファン獣王自ら王座から立ち上がり走って、我々の前まで階段を降りてきた。
「あああ、獣王様その様な態度は....」
側近達が困惑していた。
「よくぞ来てくれた、我がお師匠様」
「はぁ?.......師匠?」
「何だ、未だ話しておらぬのか!」
「申し訳ございません」
「まぁ良い....ゴホン!そこでだジョーよ儂の師匠になってはくれぬか?」
「お断りします」
「即答か!」
「はい!」
「ぬぬぬ....ぬぅ〜・・・」
(まさか、断られると思ってなかったのか...)
「恐れながら獣王様、我らのリーダーであるジョー・タカオカは、武術の指南役に留まる器では無いかと...」
「ふむ、そうであるな」
「ならば、隣国のよしみだ、サバナを訪れた時でも構わん、儂に稽古をつけて欲しい」
「それならば、構いませんよ」
「ひぃやっほ〜〜〜ぃ・・・」
「ゴホン、ゴホン、ゴホン、獣王様落ち着いて下さい」
「はっ!しまった、つい...ついな...」
「本日更にお前達に会いたいと申す者も来ておるのだ」
「あら、ラム可愛い服ね♡」
「お母さん?」
「ジョーよ、昨日は良い勉強になった」
「レオン陛下」
「どうじゃ、トゥルスにディアよ儂のところで修行せぬか?」
「え?賢者カスパ様」
「ルクリウス、君も中々筋が良い、私と共に剣の道を極めないか?」
「ああ、剣神ルグ殿...」
「儂としては、アレスが我が騎士団の団長として来てくれることを望んでおるのだが、どうだろうか?」
「おいおい、アチシもかよ。アチシはジョウの側を離れる気は無いぜ」
「誠にそれで良いのか?」
「アチシは決めたんだ!だから変えない」
「僕だって、ジョウ君と共に」
「私だってそうよ、ジョウ君と共に、でも力不足も感じてる」
「そうなのだ、私は何時迄もジョウの側に共に立ちたい、だが今の私の力では足手纏いである事も事実!側に居たいからこそ今!私は!剣神の元で自分を磨き鍛えて頂けるなら受けたいと思う」
「ルクリウス......本気...なの?」
「ラム......すまないが、暫しの別れだ」
「そうか、ルクリウスは[ 緋き絆 ]の大事なメンバーは変わらない、強くなってもどって来い!」
「ありがとう、ジョウ......大好きだ」
「ああ、僕ぅ......へ?」
「あっああ、何でもない!何でも....皆も頑張れ」
「「「「行ってらっしゃい!」」」」
一時的ではあるが、[ 緋き絆 ]は5人になってしまった。大事な大事な、仲間が減るのは辛かったが、本人が一番辛いだろう。
皆んなポロポロポロポロと涙を流し、肩を抱き合い泣いた。大いに泣いた。
一杯泣いたら、何か吹っ切れた感じで、ラムが...
「さあ、ルクリウスちゃんを笑顔で見送ろうね」
「「「「おー!」」」」
「ジョー、ラムやキビの大事な仲間の子息達の事をくれぐれも頼んだぞ」
「はい」
「金砕棒を持っていけ!ジョー程の男なら不要かもしれないが、この金砕棒は持ち主の魔力に応じて強くも弱くもなるのだ、そしてこの金砕棒に認められなければ、持つ事もままならないのだ」
「持ってみよ」
俺は金砕棒を手に持った。
「何ともないか?」
「はい!」
「うむ、では魔力を流してみよ」
「はい!」
意識を集中して、金砕棒に魔力をゆっくりと流していった.......
[ パリン ]
「おや?」
軽い砕ける音と共にパラパラと金砕棒は、崩れ砂になった...
「えええぇ〜〜〜」
「我が鬼人族の至宝が.....」 レオン陛下は動揺を隠せなかった。
「ぶぁっはははははははは」 (ん?誰?)
「儂のこの声を聞いたのならば、さぞ驚いたであろう」
「息子よ、お前は真面目過ぎるのう」
「この金砕棒を破壊した者よ、この金砕棒の核を見つけて見よ」
「あっ!キビ爺さんの声だ!」
「うんそうだね、ジョー君...お爺ちゃんの声に間違い無いよ」
「どうじゃ?分かるか?」
(うむぅ〜〜・・・砂になってしまったしな・・・)
砂を掬い上げ何かがないか探した。
・
・
・
・
「分からぬのか?未だこの声が聞こえとるのは未だ分かっておらぬ証拠ぞ」
(分からない....)
更に砂をマジマジと眺めるも、分からない。
・
・
・
「ヒントをやろう、目だけに頼るで無い、心で感じるのじゃ」
(心で感じる?)
意識の中にある金砕棒をイメージした。
こんな形で、伸びたり縮んだりするあのヒヒイロカネの棒だったな。
・
・
・
[ ズシリ ]
「こっこれは...」
目を開けるとそこには、イメージしていた金砕棒があった。
・
・
「わっははははははは、おめでとう金砕棒はもう君の物だ!使うと良い」
「ラム.....金砕棒もギビ爺の作品なのか?」
「お父さん、知ってるの?」
「金砕棒は、父も譲り受けたと言っていた。しかし何かを改変したとも言っていたので、今の現象が起こったのだと思う」
(ギビ爺、気質がエンジニアなのだなぁ〜・・・)
俺は早速金砕棒を軽く振り回してみた、しっかりと手に馴染み思いのままに...いや、身体の一部になった。
消えろと思えば消え、出ろと思えば出現する、こりゃ便利だぞっと。
改めて、レオン陛下とランプ殿下にお礼を伝えた。
「おい、ジョーよもう、既に我らは身内なのだ、レオンで良い」
「私もよ、ジョーさん」
「はい、レオンさん、ランプさん此れからもよろしくお願いします」
「うむ、ラムや大事な子息達の事も頼むぞ」
「はい、僕の全てを懸けて守っていきます」
「ガッハハハハハ、よく言った!しかもラムの父親の前で、他の女性も含めて告白しよった」
「え?ええ〜〜・・・そういった意味では....」
(う〜〜ん、言葉の駆け引きなのか?異性との交際が極端に少ない俺にはどう答えて良いのか分からん...)
「良いのよ、相思相愛ならば、ね!でも私達の娘を悲しませたら、ただでは置きませんよ♡」
[ ゾワリ ]
(やはり、母は怖し......)
「さて、ソロソロ昼食にしようではないか」
「肉を.....肉を食べたい!」
「アッアレス、落ち着こうな」 ヨシヨシと頭を撫でた。
「エヘヘへ」
「「「じと〜〜〜〜じと〜〜〜じと〜〜・・・」」」
「アレスちゃんだけずる〜〜い」
「え?」
(陛下達の前ですよ...)
「ジョウ、プエルト迄は供に行けるのだろう?」
「ルクリウス、そうだね。ルグさんも良いですか?」
「ああ、構わないとも」
「良かった、ジョウ僅かだが、あと少し一緒に旅ができるな」
「ああ、そうだね」
[ 緋き絆 ]はたらふく食べて、大満足した。城下町の食事処も美味しかったが、流石は王城のコックの作る料理は格別だった。
雑談を楽しみ、いよいよ出発の準備を進めた。
宿屋、ギルド、騎士団等々にお礼をして以前入国した時ルクリウスが、用意をしていた通行証を渡した詰所前に集まった。
[ キャッツライト ]の面々は、もう少しゆっくりと観光を楽しんでから帰るとの事で、ルグさんだけ我々と一緒にプエルト国へ向かう事になった。
「では、先にプエルト国へ向かいます」
「モーラやセスが寂しがっていたので、急いでやってくれ」
「分かりました」
「[ 緋き絆 ]出発〜〜!」
「「「「「「おー!」」」」」」
読んで下さり、ありがとうございました。
次回も宜しくお願いします。




