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眠り姫だね

宜しくお願いします。

ディアは、解毒剤を投与した初日には、進行していた身体の壊死は収まり段々と血色の良い肌に変わっていった。


2日目意識はまだ無いが、見たままの姿は元気に話していた頃のディアそのまま迄回復はしていた。

我々パーティは、寝る時と食事の時以外は部屋から離れずにディアに話しかけ続けた。


3日目呼吸はしっかりとしているし、今にも大きな欠伸と共に起き上がりそうなのに意識は未だ戻らない。


ルクリウスとアレスはディアの汗を拭くタオルと着替えを買いに外出した。

トゥルスはディアの栄養が偏らない様に流動食を作っりにいって部屋を出て行った。

本日レオン陛下が診療所を退所してプエルト国へ向かう事になったのでラムはお父さんの部屋へ行っている。

今は俺とディアの二人きりなのである。

ベッドの横に座り、ディアの顔を眺めながら、声を掛けた。


「ディア、まだ起きないのかい?」

(ん?今瞼が動いた気がしたぞ)


じーーーーーーーっと俺はディアの顔を除き込んだ。

モコモコっと やっぱり、瞼が動いた。


「おっ!これは」


ディアの頬をツンツンした。


[ カラカラカラ ]


病室の扉が開き、ルクリウスとアレスがはいって来た。

「どうかな?ディアの様子は?」

「さっき瞼が動いたんだ」

「マジ!」

アレスは、近寄って来て、

「ディアッチ、おいディアッチ」

「やっぱり、未だダメか」

ディアを着替えさせるとの事で俺はディアの病室を後にした。


[ コンコン ]


ノックをすると、扉が開いた。

「ジョーか、まあ入れ!」

「 はい」

「ディア嬢の事は聞いている。そう気を落とすな」.「はい」

「あっ退所おめでとうございます」

「はっはっはっは、ありがとう」

「我らは、先にプエルトへ戻つて城で待っておるぞ」

「はい、仲間の回復でき次第お伺いします」

(帝国での話も、あまり話せていないしね)

少しして、ラムがレオン陛下の部屋に入って来た。

「あっジョー君、ディアさんは?」

「ああ、今ルクリウスさんとアレスが二人して着替えさせているよ」

「ふ〜ん、ジョー君も手伝いたかった?」

「へ?いいや、別に」

「本当?」

「.........少しは手伝いたかった...かな?」

「ほぉぅ....」 バチチチ、バチッバチッ

「じっ冗談です...ハイ」

「あははは、ウッソだよ〜〜ん」

「はぁ、もう驚かせないでくれよ、本当にバーサクヒーラー直伝だね」

「ホォ〜〜ウ!ワタクシノ事カナ、ソノ忌々シイ呼ビ名ハ」

バッチバッチバッチバッチチチ

背後の気配で寒気が走った。

くるりと振り返ると、石の様に固まった笑顔をしている、ランプ殿下がおられました。

「すみませんでした」

「あははは、ウッソだよ〜〜ん」

(はぁ〜、やはり親子だ...)

「何か?」 キラーン!

「いえ、何も」

(感も鋭い)


そろそろ出発するらしいので1階に向かうと、既にパーティメンバー達が集まっていた。

「バルタさん、カスパさん、ルグさんお気を付けて」

「ふふふ、一緒に来て頂けないのかしらん♡」

「すいません、まだ仲間の病状が良くありませんので」

「では、プエルト国でお待ちしてますわん」

「ふむ、ジョーよプエルト国で剣の稽古をつけてやるからな」

「よろしくお願いします」

「ちょっと、ジョーさん、こちらへ」

「ランプ殿下、何でしょうか?」

「本当はね、陛下が一番楽しみにしていたのですが、貴方に譲るそうですよ、明々後日は・・・・・・・ですのよ」

「ありがとうございます」

「さてと、行くかの」

レオン陛下、ランプ殿下、バルタさん、カスパさん、ルグさん達は、王家仕様ではなく、少し大きめの馬車に乗り込み王都ザグロスを後にした。


俺達は、ディアが未だ眠る病室へ向かった。

皆んな口には出さないが、段々と不安が募っていき表情が暗くなってきていた。

見送た後、余計に暗くなってしまった。

そんな時、トゥルスがお盆に何かを乗せて病室に入って来た。


「僕、王都で見つけた面白いお菓子があって、作って見たけど食べる?」


「「「「そうだね」」」」


ディアの眠るベッドの隣でトゥルスの手作りお菓子を目で楽しみ、口へ運んだ、


「「「なに、コレーーー!」」」


「「「おっ美味し〜〜〜い」」」


見た目も味もまんま、ショートケーキでした。

不味い筈がありません。何だかみ〜〜んな笑顔です。

先程までの重〜い空気はすっかり晴れ渡り一緒に運んできてくれた、紅茶も後押しして、女子トークが花を咲かせます。

(う〜〜ん、流石はトゥルスだ、助けて貰ってばっかりだな、何かお礼を本気で考えなければ...)

一人二個ずつあった筈が、全て綺麗に無くなりました。

(そんなに食べたら太るなこりゃ...)

「え?」

ラム、アレス、トゥルス、ルクリウスさんまで、物凄い勢いで睨まれました。

(え?、全員心が読める方達なのでしょうか) ブルリ..


女子トークは夜まで続き、3日目が終わった。


4日目俺は眩い朝日に照らされて、俺は朝を迎えた。

バルバド帝国から、解毒剤を持ち帰ってから既に4日も経ってしまった。解毒剤さえあれば直ぐにでも回復して、意識も戻り、会話が出来て、旅が出来ると思っていた。ゲームの様に.........


ベッドから起き上がり、目をこすり辺りを見渡すとラム達は部屋には居なかった。


[バーーン]


宿屋の扉が勢いよく開いた。


「ジョー君、ディアさんが....」


「ん?ディアさんがどうしたって?」


「意識が戻ったよ、」


俺とラムは、急いで診療所へ向かった。


[コンコン]


「どうぞ」


部屋に入ると、ルクリウス、トゥルス、アレスが既に部屋に居て、ベッドに身体を起こしてキョトン顔のディアがいた。


「ディアさん、記憶は?話せるのかい?」


「ジョー殿 うむ、問題なさそうだ」

「ただ少し記憶の混乱が見られるのだ」


「あっジッちゃん」

「ん?ジッちゃん?僕の事?」

「私達の結婚式の準備早く始めないとね」

「ん?結婚式?」


「ジョー殿、何か約束をされたのでは?」

「うむぅ〜〜むぅ〜〜〜〜っと、そうだ!」

「邪眼の牢からの救出時に約束したよ」


「なっ何と!約束されたのか!」ギリリ


「ほっほぉぅ......ジョー君......何て?」バチチ


「僕は第二でも......第三でも......」モジモジ


「おい、コラ、アチシを一生面倒見てくれんじゃねーのかよ」プリプリ


話がかなり逸れたな。


「ディアと約束したのは、買い物の約束だけだが?」


「「「「へ?」」」」


「じゃあ、この頭の中がお花畑になってしまったディアさんには、キツイ一発を」バチチチチチ


「ラム様」


「ラム殿、落ち着くのだ」


「おっやれやれ〜!」


「ラム様、僕良いと思うよ」


[コツン]

ラムの頭を軽く小突いた。


「ジョー君.........だってだって、結婚とかって...」


「ディアさんは、病み上がりだよ」


「うん、分かった」


それから俺達は、未だ意識が戻ったばかりなので、少し時間が経ってからきて欲しいと治療師に半ギレされながら、病室を追い出された。少し落ち着こうと、診療所を出て昼ご飯でも食べる事にした。

昼食後、病室に戻ったらディアの記憶の混乱が完全に治ってきたようで、普通に話が出来る様になった。


「ジョーさん」


「ん?ジョーさん?タカちゃんじゃないのか?」


「.............わっわたし、なっ何お.....話しましたか?」

カァアアアア


「ディア顔が真っ赤だ、熱でもあるんじゃないか?」


ニヤニヤ「「おい、ディアッチ、お前ジョウにけっ「ゴチン」イタタタ、痛いじゃねーかってルクッチかよ」

「今は、そっとしておこう」


「わっわたし、ジョーさんに何を言ったの」


「あっそうそう、買い物の約束があったよな」


「うっうん」


「早く、退所して行こうな」


「うん」


「それに、大事な話もあるんだ」


「「「「大事な話?」」」」


「今は、ゆっくり休んで欲しい」


「うん、ありがとう.......皆んなも、本当にありがとうね」


その後、この病室は泣き声の大合唱が鳴り響いた。

少し結界を張って音響遮断っとね。


思う存分泣いて、怒って、また泣いて、忙しい人達だ。 でも、ここに居る全員がとても愛おしく見えた。


ディアは直ぐにでも退所したいと言っていたが、治療師に止められた。当然我らパーティメンバー全員でも止めた。


明日の午後に退所が決まった。


退所も決まり、安心したメンバーは、その後自由時間となった、女子達はトゥルスが見つけたお菓子屋さんにコソコソしながら向かった。

明日の為に一人になりたかったので好都合であった。王都を一人でゆっくり、じっくりと散策し買い物をした。


一度、ディアの顔を見てから、宿屋に帰り皆んな共余り話さずに日が暮れて行った。

ラム、アレス、ルクリウス、トゥルス何か4人でコソコソ話しは気になったが、女子トークだろうと思ってほっておいた。


5日目の朝、遂にディアの退所の日がやって来たのだ。何故か朝から皆んなソワソワしていたが、朝食を済ませて、診療所へ向かった。


やっと、何時ものメンバーが全員揃った、ただそれだけで心から安堵感が湧き上がった。


「皆んな昼食を食べに行こう」

「うん、でも場所は予約してあるんだ」

「お、トゥルス気が効くね、では案内お願いします」

「えへ♡うん、分かった」

予約した、とても立派なレストランだった。


[ カラララン ]


「いらっしゃいませ」


「ラム様ですね、どうぞ此方へ個室を取っております」


個室の中は、広々としていて、10人掛けの大きな丸テーブルが真ん中にあるシンプルな作りの部屋だった。


それぞれが腰を掛け、座った。


「さて、料理だがお任せコースにしたが良かっただろうか?」


「「「「「異議な〜〜し」」」」」


ワクワクしながら、食事を待った。

食前酒が配られ、乾杯から始まり楽しく食事が進んだ。

イタリア料理のコースの様だった。

エビや二枚貝が美味しくあっという間に、完食してしまった。


ルクリウスが席を立ち、

「さて、皆んなも食事が食べ終わったかと思うが、ここで伝えたい事があるのだ」


そこで、店から、飲み物が出て来た。


「私達は、この数日間とても言葉では言い表せ無い経験と、友の存在を感じたのだ」

「そうなのだ、この想いは家族のそれと変わりがない程に」

「そして、私達はこのままプエルト国までの急造パーティで終わりたく無い。と言うのが、此処に集うラム王女、アレス嬢、トゥルス嬢、そして私ルクリウスの想いなのだ」


「ちょっと、良いですか?」


「ジョー殿、どうぞ」


「僕には、何にも無いんだ。ラムや、ルクリウスさんや、ディアさんや、トゥルスや、アレスの様な、領地も無ければ、家もまだ無い、ラムの居る城の居候なんだよ。俺なんかが、このパーティメンバーになれるのかい?」


「ジョー殿は、自分の事が本当に分かっておられ無い様だ」

「私達は、皆[ ジョー・タカオカ ]と言う人物に惹かれ、共に纏まり、この先の未来を共有し、ついて行きたいと思ったのだ」


「僕に、ついて行くって言ったけど、未だ未だ未熟者で、ルクリウスに引っ張って貰っている身だって事は充分理解している。でも、僕だってこのメンバーで沢山冒険をしたいし、続けたいんだ。こんな僕だけれど此れからも、よろしくお願いします」


「それと、誰も欠けて欲しくないんだ、ディアさんもメンバーになってくれるかな?」


泣きながら、コクコクと頷いた。


「あっ当たり前ですよ」[うわぁ〜〜ん]


ディアは泣きじゃくった。


後から聞いたのだが、自分が毒に侵されて皆んなの足を引っ張ってしまったのを気にしていたらしい。


「今日がジョウパーティの誕生日だな!」


「私から提案が有るのだが良いだろうか?」


「「「何、何?ルクリウスさん」」」


「コホン、折角丸テーブルで話し合って結成したパーティだし、皆んな平等に呼び合わないか?」


「あははは、ルクリウスさんがそれを言う?僕は前々から他人行儀で何だか違和感があったんだ」


「「「「私達も〜〜」」」」


「では、こっ今後は友として接しようではないか」


「ルクリウス、未だ未だ硬いな...」


「ジョウど...ジョウすまない...」


「その内、慣れるさ、僕達はこれからずっと一緒だ」


「そっそうだな♡」ポッ


「あっルクリが赤くなった」


「ディディア、そそそんな事は無いぞ」

何だか、ルクリウスの違った一面が見れて良かったよ。


「よし、そうと決まれば、パーティの名前はどうするんだ?」

「アチシは、燃えろ闘魂!ジョウズ!何てどうかな?」

「ジョウズって、何か海で厄災が起こりそうな名前だな」

「僕は、ボンボン ガストロノミは、どうかな」

「ん?意味は?」

「お菓子の美食家かな?」

「偏った、冒険魂だね」


「私は、ジョー君に決めて欲しいな♡」

「私も、ジョー殿に決めて欲しいと思っていた」

「私は、ジョウ君に付いて行くだけなので....お願いします♡」

「あっずっり〜〜な〜〜!アチシだって、ジョウに決めて欲しいに、決まってんじゃんか!」プリプリ

「僕も、同じくです」


「ちょっと待って貰えないか?直ぐには....そうだ!」


「先ずは皆んなに、このパーティのイメージを聞かせてよ」

「アチシは、赤く燃えてる感じだな」

「僕は、何だか生まれた時から知っている様な感じ」

「私は、今まで友達がいなかったから、よく分からないけど、家族としか思えないの」

「コホン、私もだな、今まで友と呼べる者などいなかったし、必要など無いと思っていたが、ジョウと出会い、皆と話し触れ合い、私は皆を家族と思っている」

「私は、私の為に命の危険も顧みずバルバド帝国へ乗り込んで行ってくれた、アレスとジョウ君。私の意識が無くなってしまった時にずっと側に居てくれた、ラムさんとルクリとトゥルス感謝してます。だから、私にとってアレスとジョウ君は赤き炎を纏った勇者様で、ラムさんとルクリとトゥルスは家族と思っています」

「むっ!アチシもアチシも、家族以上と思っているぜ」

「あはははは、分かった、分かったよアレス落ち着け」

「皆んなの意見を纏めると、至ってシンプルだね」


「キーワードを繋げると」


「炎、赤、友、家族、絆がでたね」


「[ 緋き絆 ]は、どうかな?」


「「「「「うん、凄く良いよ!」」」」」


「じゃっ決まりだね」


「「「「「うん」」」」」


「結成を記念して、僕から渡したい物があるんだ」


「「「「「何、何〜」」」」」


「ん?食い物か?」


「はい、アレス違います」


俺は前日に王都で購入した、パーティメンバー全員分のブレスレットを渡した。

ブレスレットには、以前試験的に作った、自動で発動するリィパルシャン [ 障壁魔法 ]とバウンダリゾーン [ 結界 ]の魔法を付与したものだ。

「アレスには、サードニクスだね、無茶して怪我をしないで欲しい」

「おっおう」ポッ

「ルクリウスには、トルマリンだね、これからも参謀として引っ張って欲しい」

「頑張らせてもらう...ありがとう」ポッ

「トゥルスには、アメジストだね、美味しい食事何時も感謝しています」

「僕、これからも頑張るね」エヘヘ♡

「ディアには、ラピスラズリだね、治療師としても頼りにしています」

「うふふ、任せて下さい」ポッ

「ラムには、ルビーだね、ラムがいてくれたから、僕は皆んなと出逢え最高のパーティが組めた事に感謝と、何時も僕の暴走を止めてくれてありがとう」

「エヘヘ、側に立つ者として当たり前です」ポッ

「最後に僕は、黒真珠にしました。もう、分かったと思うけど、皆んなの誕生石なんだよ」


「どうかな?」


「「「「「ジョー、ありがとう♡大切にします」」」」」


「いざとなったら、ブレスレットを外してバウンダリゾーン [ 結界 ]を使うこと、OK?」


「「「「「OK!」」」」」


「帰ったら、ギルドで登録しよう」


「「「「「サンセ〜イ!」」」」」


無事にパーティ名も決まり、レストランを後にした。


昼に入った筈なのに、出る頃には陽も落ち、空は星空になっていた。


宿屋に帰り、風呂に入った後部屋に戻ると、女性陣は居なかった。又長風呂になりそうだ等と考えていたら、眠くなって寝てしまった。

チュン、チュン、チチチチチチ、チュン、チュン


朝日と小鳥のさえずりで俺は目を覚ました。


身体が、重い........な・に・ご・と・だ!って.......もう日課になってしまったのかな?


上体を起こしあげると、ルクリウスとトゥルスが俺を抱き枕と勘違いしているのでは無いでしょうか?抱きつかれています。


皆んな可愛いし、良いんだけど何故か上手いことローテーションしている気がする......


読んで下さり、ありがとうございました。

次回も宜しくお願いします。

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