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出会いだね

宜しくお願いします。


「さあ、始めよう!」


ヘッドギアを装着し、起動を確認する。

すいと意識を持っていかれた。


ゆっくりとゲーム内の感覚を確かめながら、瞼を開き、俺は辺りを見渡した。

何処ぞかの旅行代理店のパンフレットに載っていそうな街並みに俺は立っていた。まるでフランスのニースの様な美しい街並みで文明も中世レベルなのか、街灯や舗装された道路も無い。なにより、空気が美味い!気がした…

そして俺の視界をどんどん広く遠くまで視線を向けると、そのスケール感に驚愕し、風景の美しさに感動した。


「マジにこれがゲームなのか........」

そして、自分の身体を手で叩きながら確認した。


「えっ?」「えっ?」「えっ?」


取説では、アバターやら装備やらの設定に行くと思っていたのに、そこには、何故かリアルでのまんまの普段着姿の俺が居た。


「マジか〜〜〜〜〜〜・・・・・・・」


「もうちっと、若作りしたかったが、まぁしゃーないか!」

「さてと、ステータスはっと」

「あれ?あれれ? 何処にもメニューが...無い…?」

基本面倒くさがりの俺は、殆ど取説を読まずに、行き当たりばったりなのだ。


「まぁ何とかなるか」

街をブラブラ歩いて散策していると、街外れまで来ていた。早速イベント?なのか、辺りが騒がしくなった。


「クッソ!早く逃げるぞ!」

「走れ!走れぇ!」

三人程の黒い影が街から飛び出てきた。

その内の一人は、馬立てから馬に跨りあわてふためいていた。

フードを被った怪しげな奴は、馬と共に街の中へと消えて行った。

残った二人は、何やら叫んで更に駆け出した。


やっぱ俺が行かないといけないのかな?などと思って向かうと、走って来る二人を見やった。

一人目は、少女で黒く丈の短いワンピースにカーキ色のベルトそして金髪が良く似合っていた。二人目は、皮鎧を着込んだ獣ミミ付きの剣士風の出で立ちの男?雄?だった。

周りに居る街の人は、助けるどころか、皆家に入り、窓まで閉める有様。結構冷たい人達なのか?まぁモブだからか。などと考えていると。


街から少し離れた広い草原に出た所で、少女は コケた、それはそれは、盛大に前転を繰り返して見事なコケっぷりだった!


「いった〜〜〜いっっもう!」

「大丈夫か!はやく起きろ!」

「追いつかれるぞ!」

強い口調で捲し立てた。

少女は蹲り、足をさすって少し怒った表情が何とも可愛く見えた。

また走り出したところで、俺はとりあえず少女に近づいた。


「おい!何が有ったんだ?」


声をかけたと同時に、俺の頭の上を、金色に輝く一筋の光が獣ミミ剣士の腹部に刺さった。


「ウガァァァァァァァァ」


獣ミミ剣士が悶絶する。

俺もあまりの光景に目を反らせた。

恐る恐る瞼を開けると、


[ボフン]

音と共に獣ミミ剣士は、白い煙の中にきえた。


次いで、空から何かがおりたった。

それに目を見やると、俺は固まった。


そこには、17〜18歳に見える160cm位いの美しい女の人まさに、パッケージの子が立っていたのだ、頭には可愛らしいツノの様な物が二つ、エメラルドグリーンの髪に髪と同じ色のタンキニと、透き通ってしまいそうな白い肌が、この世の物とは思えない美しさを纏っていて、俺の心を一瞬で、掴んで離さない。そうなのだ俺の好きだったキャラクターは、鬼っ子だったのだ。(まぁどーでも良いか、そんな事)


「やっと追いついた」

鬼っ子がすこし怒った感じで話す。(声まで美しい!)

可愛い声だ。っと俺が考えていると、鬼っ子と目が少しだけ合った。様な気がした。


「何のことよ、貴女だれ?」

「私の従魔が.........」などとブツブツ呟いていた。


「とぼけないで、私の大事な物を盗んだでしょ」

「とても、とても大事な物なのよ!」

「返して!」


「………」


「無言って事は、みとめるの?」


「………」


尚も黙る、鬼っ子は更に詰め寄ると、美少女はおもむろに両手を空に上げて、何かを呟きだした。


「我汝に命ず 美しい存在に囚われし者その有象………滅………ここへ顕現せよ!」


美少女が空高く上げた両手を地面に押し当てると、辺りが青く光り、魔方陣が浮かび上がった。美しい光景に、俺は言葉を失った。


「ガウルルルルルルルルルウォウォーーーーーーン」


腹の底に響く呻き声と共に、三つ首のデカイ犬っぽいのが出てきた。

やばいやばいやばい、俺の中の危機感知能力?が警笛を鳴らす。俺は恐る恐るデカイ獣から離れた。獣のサイズはヌー位のデカさで、筋肉のつき方は、贅肉など微塵も無いヒョウの様だ、そして、いやらしいまでに主張されている牙は俺の腕並みに長く鋭い。とんでもない、威圧を放つその獣は俺を瞬殺するだけの力を持っているだろう。自分のレベルや、戦闘スキルも不明だし、どうすべきか。

などと、考えていると、鬼っ子も、何やら体が黄金色に輝き出した、やっぱり何をしていても美しく神々しい。もう俺の目は釘付けである。

パシッ パシッ

っと乾いた音と共に、鬼っ子の背中に雷鼓の連鼓が浮かび上がった。


「さあ 早く返しなさいよ!」

「もう怒っているんだからね!」

更に強めの声で、鬼っ子は声をかける。


「貴女、バカなの?私の出せる最強召喚獣を見ても、まだやるの?電撃程度でどうにかなるとでもおもうの?」

「あーもう、ケルちゃんあの鬼族を、蹴散らして!」


「ガウォーーーーン 」


咆哮と共に、鬼っ子に襲いかかる。

鬼っ子は、負けじと雷の様な光を発して応戦した。


「んっ?なんだか俺に向かってきている気が………マジですか!やめてーーーーー!」


ガスッ!

バリバリバリバリバリバリ!!!


俺にぶち当たったデカイ犬が後ろに吹き飛び、更に雷は俺に直撃した!


「ん?」


「んん?」


あれ?痛みが思った程では無い???見た目は派手な雷を浴びたのに、車から降りる時たまにある静電気のビリッ程度だった。


吹き飛んだデカイ犬は、美少女にぶち当たった。

その拍子に胸のあたりから、黄金色のアクセサリーがポロリと落ちた。


デカイ犬の下敷きになってしまった美少女は、気を失って動かなくなった。(死んではいないだろう。)


鬼っ子は、倒したのに何故か不思議そうな顔をしながら、小走りに俺の元に来た。

っと思ったが横を通過してペンダントを拾い上げホッとした表情を見せた。

しかし、直ぐに表情は驚愕へと変わった。


「きぃぃぃっやあああああ〜〜〜〜〜〜」


そう、ペンダントはロケットの様な作りで、開閉部分が壊れて、真っ二つになっていたのだ。


暫く取り乱した後に鬼っ子は、ふと思い出した、ケルベロスと対峙した時に、放った雷があそこまで、ケルベロスを吹き飛ばす程の威力が何故出たのかと…


「何で、こんなにも大型の魔獣に効果があったのかしら?」

「うむぅぅぅ........」

「それに、私の雷も、何かに遮断された様にも見えたわ」

「うむぅぅぅ........」

悩んでも答えは出なかったようだ。


雷とケルベロスがぶつかった場所へ歩み寄り、辺りを見回した。少し黒く焦げた跡と、雑草が押し潰れている位だった。

何故か鬼っ子は、頭を捻り垂直に飛び跳ねた。というか飛んだ。

上空から地上を見た鬼っ子は、地上に居る俺の耳まで聞こえる声で、「なにコレ〜〜〜〜〜」(見た目と違い意外と五月蝿い子なのかな?)

鬼っ子の眼下には、ミステリーサークルが出来上がっていたのだ。


「本当に、なんなのかしら.......」

地上に降り立った鬼っ子は、手を顎に添えて、思考を巡らせていた。


しか〜し、実は其処に俺が居るんです。

鬼っ子の目の前で、手を振っても大声で話しかけても、全くの無反応.........


「俺、このゲームと、リンクしとらへんやん!」と、悲痛な心の叫びを上げた。


突然!鬼っ子のペンダントが眩いばかりに カァッ と光り輝いた!

同時に俺の体が、ペンダントの中に吸い込まれるぅ…….........マジかぁ


「ウォリャーーーーーー」っと抵抗も虚しく


スポーーーーーーーーンって感じに吸い込まれました。ああ、見事にスッポリと入りましたよ。


鬼っ子は、ペンダントを怪訝な目で見つめていると、突然真っ赤な炎が吹き上がった。


ペンダントを条件反射的に落としてしまい、少し後退る。

メラメラと、炎は大きくなり鬼っ子の背丈より大きくなった。

炎の中に人型の黒い影が浮かび上がり、ユラユラと蠢いていた。


恐る恐る、鬼っ子は炎に手を差し伸べた。


すると、炎は静まっていき、未だにメラメラと頭部に炎を纏わせ立っている何かがそこに立っていた。

そうなのだ、俺と完全に神経がつながった何かが炎と共に鬼っ子の前に立っていた。まだ目がチカチカして視界が悪くピントが合わない、徐々に見えてくると、何がどうなったか分からんがこちらを向いて、素晴らしく可愛い笑顔で、白く細い華奢な両手を頬に添えて、メッチャ泣いていた。


鬼っ子が、俺に近づいて来た。

ん?何かが変だ、俺の目線がやけに低い...しゃがんでいるみたいだぞ?


自分の腕を見ると、「えっ?」


そして、自分の身体を手で叩きながら確認した。


「えっ?」「えっ?」「えっ?」


子供になっちまってるぅ〜〜


肌もピッチピチやでぇ〜〜


身体の見た目は12才くらいかな?


(顔は見え無いから、おっさんのままで無いことを祈る)

(これも設定上、マストなのでしょうか?むぅぅぅぅ)

まっ良っかぁと、すぐに俺は楽観して、スルーする。


鬼っ子は、俺に抱きついて来た、豊満な胸の感触が心地よく、チョーーー気持ちいい。

お母さん、俺を産んでくれてありがとうございます。


そして、ゆっくりと、噛み締めるように、鬼っ子は話しかけてきた。


「初めまして、私の名前は、ラム・アル・インダストリです」


(えっマジですか?)

(ラムちゃんって!出来過ぎでしょ!)


「俺...いや、僕の名前は、(高岡 醸)…ジョー タカオカだしゅ!」 (はい、お約束!噛みました!)


言った側から、何故か頭を撫で回された。


「うっわ〜メッチャ可愛いいヨーー♡」


(何故?)俺は戸惑ったが


小動物をあやすが如く猛烈に撫で回され続けた。

未だに倒れて、気を失っている美?少女の事など完全に忘れて、二人は幸せオーラ全開でイチャコラしていた。


「うっう〜〜〜ん」


起き出す美?少女、鼻血を出して、髪はぐちゃぐちゃ、フラフラと立ち上がり、ラムを睨み付けて

「私に何をした!アプルトン家のリブレが負ける筈ないのに!」

等と呟きながらこちらに近づいて来た。

どうやらまだ闘う気マンマンの様子で、ケルベロスを消し今度は、片手剣を握り襲い掛かって来た。

俺はこの状況が気持ちよくて、とてもとても邪魔をされたくは無かった。


襲い掛かって来たリブレと言うらしい少女に目を向け、あっちに行けと心の中で呟くと、リブレは突然赤く光ったかと思うと火達磨になって村とは逆方向に500m位すっとんで行った。


ズッドーーーーーーーーーーン


たまたま落下地点には池が有りそこへ落ちたようだ。

(池がなかったら死んでるやん!)

俺は内心ホットした。でも、盗みは良くないよね。


(これは、俺の力なのかな?)


「きっ君がジョー君がしたの?」

俺は、半信半疑ではあったが、俺しかいないよね。

コクリと頷いた。


「あっありがとう」


お礼を言ったラムは、屈んで光を失ったペンダントを拾い上げ大事そうに胸にしまった。


さて、俺はどうしたものかと考えていると、ラムは、私の所に来ないか?と言ってくれた。当然、泊まる場所もお金も持ち合わせていない俺は、無論ついて行く事にした。


ラムの家で色々と話しを聞きたかったし、話しもしたかったが、突然の睡魔がやってきて、寝てしまいました。

どうやら、ずーっとラムにオンブをされながら、彼女の家に運ばれて、柔らかいベッドに寝かして頂いた様だ。


zzzzz

読んで下さり、ありがとうございました。

次回も宜しくお願いします。

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