世代交代だね
宜しくお願いします。
皆んな颯爽と馬に跨りカッコイイです。
俺はというと、馬に跨るアレスの膝の上に乗ってます。
ランプ殿下とバルタさん、意外にもルグさんまでも、俺を乗せてくれると言って大変な騒ぎとなったが、意外にも、あのアレスが落ち着いて「固い絆で結ばれたパーティメンバーを私が乗せるのは当たり前」と言い切ったのだ。皆んなは、何も言えなくなり、カスパ爺さんは一人笑っていた。
そして今、現在進行形でアレスの乗馬している馬に乗っているのだ。アレスは超上機嫌で、ずっと鼻歌を歌っていて、これがもの凄く上手いのだ、歌詞もリズムも聴いた事がないのでオリジナルかな?何より歌を聴いていると身体が勝手にリズムに合わせてしまっている、きっと才能があるのだと思った。
いつの日か以前に作った楽器の種類を増やして、音楽祭何てしてみたいな、などと思った。
王都の大きな入場門が見えてきた。
「やっと着いたね」
「あ〜〜あ、もうお終いか、ジョウ様アチシの乗馬どうだった?」
「最高だったよ、ありがとう」
「それにしても、アレスはメチャクチャ歌が上手だな」
「そっそそ、そうか?.....ありがとう」ポッ
「ところで一つ頼みがあるんだが、良いか?」
「ん?なっ何だよ」
「僕の事を様付けするの辞めないか?違和感が半端じゃない...」
「え?本当かよ.........」
「ああ、頼むよ」
「うん、分かった...」
「さあ、着きましたわね、皆降りる準備は良いですか?」
「「「はい」」」
(おおお、流石に統率が取れているなぁ)
俺達は、入場門に到着したが、ランプ殿下も居るのでどうしたものかと考えていると、俺の横をサッと通過してギルドカードを提示するランプ殿下は、気にするなと、ウインクをした。
門番に俺のギルドカードを見せたら、また何度も何度もカードと俺を見比べていた。(またかよ)
そして、又アレスがキレそうになったので、俺がアレスに痛み止めの電撃を使った。
パリリリリ 「ひゃん......」
直ぐに落ち着きました。(この、電撃は便利だわ〜)
門をくぐり、馬達を厩舎へ戻して、我々は一路ギルドへ向かった。始めは歩いていたのだが、だんだんペースが上がり、小走りになっていた。(集団で競歩していれば、まあ目立つよな)
目立ちながらも人並みを掻い潜り目的地のギルドへ到着した。
[ カララン ]
中に入ると昨日と違い、結構な人が入っていた。やはり新しいギルド長のヤハウェさんの就任式だったからかな?ギルド内は王都なだけあって冒険者の多くは人族だった。その人並みを掻き分けて近づいてくる、美しいエメラルドグリーンの髪の女性は、ラムだった。
「ジョー君、ジョー君、ジョー君、ジョー君、ジョー君」
抱きついて来た。(あああ〜〜最高でぇ〜〜す)
「お・か・え・り♡」
「ただいま、ラム」
「あらあら、ハシタナイですよ、ラム」
「そそそ、そうだ、そうだ、ラム様.......羨ましいぜ」
「あっ.....お母さん...........お母....さん....」
「ラム、どうしたの?」
ラムは、そっと俺から離れてゆっくり、ゆっくりと母親の元へ......
「お母さん、無事で良かったよぉ〜〜」
「うわ〜〜〜〜〜〜ん、えっえっえっ・・・・」
(いや〜親子の対面って、良いもんだね)
「あらあら、そんなに心配だった?」
「当たり前だよ!」
「うふふふ、とても嬉しいわ」
「ところでラム、ちょと良いかしら」
「なぁにお母さん」
「お父さんは?」
「王都の診療所に.....居るよ....」
「では、直ぐ行きましょう」
「うん」
「ラム」
「なあに、ジョー君」
「ディアさん、ルクリウスさん、トゥルスは?」
「診療所に居ると思うよ」
「了解した、アレスもラムも一緒に行こう」
「おう!」「うん」(ん?アレスちゃん何だか綺麗になった?)
ギルドから、診療所までは暫時して着いた。
流石は王都だ診療所のレベルを超えている、総合病院と呼んでも構わない大きさだった。
「ラム王女、レオン陛下の部屋は?」
「3階の特別室だよ」
「我等は先に行かせて貰うぞ」
「どうぞ、私達はメンバーの所に寄ってから行くね」
「後でね、ラム」
先ず三人の無事な顔が見たかったのだ。
「はい、そこ走らない!」(おいおい、王族のパーティが職員の人に注意されたよ...)
「すまない」
「ここだな」
[ コンコン ]
「只今、ランプ殿下、賢者バルタ、賢者カスパ 、剣聖ルグ、レオン陛下直轄パーティ到着しました」
「入れ」
「大変遅くなりました」
「気にするな」
「かしこまらなくて良い、何時もの冒険者レオンへの対応で良いのだ」
「「「はっ」」」
「レオン様、賢者メルキ は行方知れずのようですね」
「メルキ......奴が裏切ったのだ」
「え?まっまさか、今までの恩が有りながらその様な事が出来る筈が....」
「だが、私のこの目で見たのだ、残念だがそれが事実だ」
「ちょっと、あなた腕をどうしたのよ!」
「ああ、メルキにまんまと嵌められてな、バッサリと落とされちまったのよ。全く惨めなもんだ...だが諦めもついた。俺はもう冒険者稼業は終いだ」
「何たる事......」
「そ...ん...な...再生魔法は?」
「ダメだった、腕を落とされてから時間が経ち過ぎていた様だ」
「だからって、各国の視察調査を今後どうされるのですか?旅行は?しかも何でそんなに落ち着いているのよ!」
「ははは、旅は落ち着いたらまた行けば良い。但し危険を伴う調査は終いだ、それにもう後継者を決めたのだ」
「まさか本気なの?」
「そうだ、もう会っただろう」ニヤリ
「本気の様ね、あれ程王になどならぬと駄々を捏ねてたレオンがそうまで思える相手という事ですね」
「ああ、そうだ、そうなのだ」
「それに調査の旅にラムだって付いて行ってしまいますよ」
「ははは、良いじゃないか、可愛い子には旅をさせろだ」
「はぁ〜そこまで、お考えであれば何も言いませんわ」
「まあ心配なのは分かるが、ラムやルクリウスの報告によればだな、此度の王都迄の道中の起こった事への対処や、邪眼との闘い方を聞けば聞く程に、私は彼に惚れたのだ。危険を伴う可能性のある時には先ずメンバーの安全を確保し、又町への被害を最小限に考え不利な状況でも果敢に立ち向かい、自分の武功をアッサリ棄て、遺族を思うそんな彼にな」
「勘違いしないで欲しいので此れは伝えておくが、私が王家の紋章を渡したのは、そのような話を聞いたからでは無いぞ、彼の中に父いや、偉大な鬼神 [ キビ・アル・インダストリ ] を見たのだ」
「きっ鬼神様ですと.........じゃが、未だキビ様は行方知れずのままでは.....」
「あら、私はあの方から何か特別な力を感じていたわ」
「ふむ、立ち振舞いは武人として素人だが、鍛え甲斐がありそうです」
「ですが、まだ子供では?」
「ああ見えて、18歳だそうだ」
「はぁ?」
「彼は己の力を自分の体ごと抑えておるらしい」
「戦闘時にはデカくなるようだしな!がっはははははは、どうだ彼は面白いだろう」
「鬼神様と言うより、特異体質の変異種のようですな」
「未だ反論があるならば、話を聞こう」
皆は、無言で返した。
「私もあの者は、とても素晴らしい方と思っていたところでしたので......唯、気掛かりなのが、ご自身の身を顧みない行動が目立つ様ですね」
「がっはははははは、我々の若い頃に比べれば未だ未だ、甘いわ!ランプ歳を取ったか?」
「あらら?レオンは、このまま昇天したいのですかね!」
バチチチチチ
「へ?いやいやいやいや、ジョッジョッジョーダンです、はい、すいませんでした......ごめんなさい......」
「分かれば良いのです」
[ コンコン ]
「ラムです」
「どうぞ」
「お父さん、ジョー............君...........だよ....」
「失礼し...ま...すぅ?」
(何だ、この状況ほ、ランプさんが、レオン陛下の上に仁王立ち、顔を足蹴にしてグリグリグリグリしてる....病人なのに....大人しい感じのランプさんは、何処へ....)
(ただ言える事は、非常にマズイ時に入ってしまった様だ)
「あやや、失礼しました」
踵を返した。
「いえ、いいのよ」キラーン
「はっはい....宜しいので?」(ぎゃー!怖いよ〜おか〜さ〜ん)
「どうぞ、お入りになって」
「はっはい...」(うお〜〜帰りて〜〜)
「さてと」ランプさんは、気にもせず、ベッドからヒラリと降りた。(あっやっぱりこの人、美しいや)
「ジョー・タカオカさん、貴方に覚悟はあるのかしら?」
「あっ紋章の事ですか?」
「ええ」
「紋章は、お返しします」
「ガッハハハハハ、そうか、そうか、ジョーは未だ未だ此の世界の事を知らなさ過ぎだしな、なぁ〜に唯他国を訪問すれば良い、然すれば自ずと見えてくるというものだ、それが調査に繋がるのだ」
「ラムを頼むぞ、我が娘は鬼人族にとっての女神アテナなのだ」
「あなた、親バカ全開ですわよ」
「いえランプ様、僕は信じます、何度も自分を見失い暴走をした僕を引き戻してくれたのは、間違いなくラムさんなんです」
「あらあら、まあ、ラムはしあわせ者ね」
「あっあ〜〜、ジョーよラムには、その様な力が有ったのだな」ウンウン
「はい」
(え?知らなかったのか???唯の親バカかだったか....)
「後お伝えしなければならない事が有ります。僕は鬼神になりましたが、未だコントロール出来ずに暴走した事も有ります。そんな奴に務まりますでしょうか?」
「うふふ、貴方可愛いわね♡」
「え?」
「その力を自分の物にするまでの間、ラムが一緒で無くてはならなくなりましたね」
「あっ僕はその様な事を望んではいないのですが」
「あら、嫌なの?」
「いいえ、一緒に居たいです」
「ほら」
「あっ..........」
「こら、ランプ!ジョーを余り苛めるで無い」
「だって、もっとグイグイ来ないと」
(お母さんが、言いますか?)
「そうそう、それにねキビ様だって、鬼神様の力をたまーに暴走させてましたよ、そうね〜〜一番新しいので、城の裏にある湖とかね♡」
「あっあの湖ですか」
「そうよ」
(やはりキビ爺だったか)
ラムが静かだなと思い、辺りを見回すとスヤスヤと気持ち良さそうに寝ていた。
「さてと、王家の紋章は私達が預かって置きます」
「はい、お願いします」(え?俺の物確定なの?)
「最後に少し伺いたいのですが、宜しいでしょうか?」
「構わんぞ、申せ」
「はい、アグリコールと言う男をご存知ですか?」
「何、バルバド帝国の藍鬼も動き出したのか?」
「それは分かりませんが、僕をレオン陛下と勘違いして出てきた様です」
「ほう、それでアグリコールは何をしたのだ」
「ドラゴニュートやリザードフォークを使役して襲って来ました」
「何と、あの誇り高き竜人達がか」
「ドラゴニュート達は全員倒したので分かりませんがリザードフォークには、何らかの精神支配を受けていて操られていたと思います」
「ジョーよ君は、本当にアッサリと言っているが、どれ程の事をしたのか理解していない様だ」
「不味かったのですか?」
「相手はどれ程の数がいたのだ、1体ずつではあるまい」
「はい、ドラゴニュートが3疋リザードフォークが5体です」
「ほう、得物は?」
「はい、全員大剣を装備して、銀色の鎧を着込んでいました」
「なっなんと、竜人族のクレオール姫の所の騎士団員かも知れないな......本物の竜人族の騎士団員であれば、一騎当千の強者共だ、良く無事に戻って来れたものだな、信じられんよ」
「但し今後は、友好国の民に対しては、精神支配の呪縛を解く方法が有れば先ずやって欲しい。交戦となった状況では致しかない事だがな」
「はい、今後もし同じ事が有りましたら、解呪を試みます」
「頼むぞ、彼らは誇り高き者達で、帝国側につく事などあり得ない筈なのだ」
「分かりました」
(アグリコール何て事を俺にさせたんだよ!報いは受けて貰うぞ)
そして、話は終わった。
静かだなと思ったら、ラムはスヤスヤ夢の中に入っていた。
「ラム、起きて」
「あっふぁ〜〜ぁ、終わったの?」
「ああ、そろそろ僕は、ルクリウスさんやトゥルスや、ディアさんの所に行こうと思うがラムはどうする?」
「うん、もう少しお母さんとお話ししてから行くね」
「了解、じゃあ受付前で待ってるよ」
「うん」
「それでは、失礼致します」
レオン陛下の病室を後にした。
さてと、先ずは皆んなの所に行かなくちゃな。
1階に降りた所でルクリウスが見えた。
「ルクリウスさん」
「あっジョー殿......」
「あれ?皆んなは?」
「それが...まあ、此方に来てくれ」
「何だ?胸騒ぎがする」
ルクリウスに連れられ、かなり厳重な病室へ入っていった。
「ここは?」
「実はだな、ラム嬢には話せずにいたのだが、ディアが倒れたのだ」
「何だって」(あっ薬の事か!)
「昨日の夜までは元気だったのだが、朝になり起こそうとしたら、そのまま意識が無いのだ、何をしても無反応で呪いの線も疑ったがどうやら違うらしい」
「では、やはり毒っか...」
「ああ、その線が濃厚だろう」
「ところであの、邪眼の男は?」
「ああ、彼奴に聞いても知らぬ存ぜぬを繰り返すばかりだ」
「じゃあ、僕がやる」
「頼めるか?」
「ああ、必ず聞き出してやる」
「ジョー殿、付いて来てくれ」
「分かった」
俺とルクリウスは、この大きな診療所の隣にある犯罪者用の診療室がある場所へ来た。此処は下手な牢獄よりも警備が厳重で、病室に入ると必ず鎮静剤を投与され、力も出なくなるらしい。
病室へ入ると弱々しく座り込んだ邪眼の男が居た。
「おい、僕が分かるか?」
「は?あっあっあっあ〜〜助けて、助けて、助けて」
「何だか変な奴が更に変な奴になっている」
「どうしたんだ」
「あっあれ、俺を殺さないの?」
「未だな」
「何だ、幻覚か......」
「おい、取り敢えず腕を出せ!」
「は?」
「良いから」
邪眼の男の腕をマジマジと見つめて...
[ おーい ]
[ な〜に〜、ジョー? ]
[ 此奴の腕の呪刻印は、解除できる? ]
[ 出来るけど、多分今のジョーじゃできないよ ]
[ コントロールか... ]
[ 当たり、察しが良くなったね、だから魔力のコントロールに長けてる誰かにジョーの神力を流しながら呪刻印の術式を、根源から消滅させるのさ ]
[ 精神支配の解除方法は? ]
[ 呪刻印の解除と同じだよ、精神支配の解除方法には、後二通り有ります ]
[ 先ず一つ目は、相手にとてつもない恐怖を与えるか、鬼神の闘気をぶつけてみて ]
[ 二つ目は、相手に幸福感を与えるんだ、ドワーフのウシュクちゃんにしたのと同じかな ]
[ それでも、ダメなら最終手段もあるけど.....」
[ 分かったよ、最終手段はきっとリスキーなんだよね ]
[ またまた、当たり ]
[ ありがとう、光明が見えたよ ]
[ 頑張れジョー!じゃあまたねー ]
(さてと、今は邪眼の男から情報を聞き出さなくちゃだな、その前にやらなきゃいけない事があるか...)
俺たちのパーティメンバーでディアの次に魔力のコントロールに長けた人はトゥルスなのでルクリウスに頼んでトゥルスを此処へ呼んだ。
「来てくれて、ありがとう」
「僕の事は気にしなくて良いよ」
「遅くなったけど、ランプさんの捜索に出る時バッグを渡してくれてありがとう、とても助かったよ」
「え?ああ良いよ、アレは僕の癖かな」
「じゃあ、その癖にも感謝だね。本当にありがとう」
「うっうん」エヘヘ♡
「僕を呼んだのは、御礼の為だけじゃ無いよね」
「そうなんだ、呪刻印を解除して消滅させる」
「へ?僕にはそこまでの魔力が無いよ」
「トゥルスの魔力の不足分は僕の魔力で補うから問題無いと思う」(俺のは魔力と言うか、神力だけどね)
「分かったやってみるよ」
「僕が奴の腕を掴むから、トゥルスは僕の腕から解除して欲しい」
「何故?」
「こんな奴の手なんか触らなくて良いよ」
(万が一でも、呪いが逆流なんてしたら、洒落にならないからな)
「ジョウ君......ありがとう♡」
「おっおう」
左手で呪刻印のある左腕を掴み、右手でトゥルスの左肩に手を置いた。
トゥルスは俺の左腕に両手を添えて、コクリと頷いてきた。
「よし、いくよ」
胸の辺りが赤く光り出し、右腕を伝わりトゥルスの左肩へと、溶け込む様に入っていく。
「あっ....んっ....」
「量が多いか?」
すると、トゥルスは無言で首を振る。
「続けるよ」
トゥルスは頷いた。
すると、今度はトゥルスの両手がエメラルドグリーンの美しい輝きを放ち出して、俺の左腕から邪眼の男に伝わっていく。
「ひっひいいいいいい.....なっ何を.....」
「静かにしてろ」
「ひい...」
呪刻印がボコボコとうねり、ものの数秒で霧散した。
「成功か?」
トゥルスは、まるでお風呂上がりの様な火照った顔をして、俺の小さな胸に寄りかかってきた。
「お疲れ様、ありがとう」と言って肩を抱いた。
「ふふぅ〜、僕も役に立って良かったよ、少し疲れたけどね」
「ああ、ゆっくりと休んでて」
これで、此奴の事を呪刻印により、強制的に殺せなくなっただろう。
「さぁ〜てと、教えて貰おうか?」
「えっとぉ、俺は死なないの?」
「ああ、邪眼にかけられていた呪いは解除したからな」
「ああ、そうか、そうなのか、出来るのか、この呪いの刻印を消すことが......」
「ん?お前は忠誠を誓って自分で呪刻印を入れたんだろう?」
「全く持って、事実ではありません」
「まあ、その話は後ださっさと、僕の仲間に毒を盛った奴と、解毒を教えろ」
「本当に死なないんだな」
「口説いぞ」
「では、その仲間を診せて下さい」
「僕が連れて行く」
邪眼の男をディアが眠る病室に連れて行った。
「さあ、どうだ?どんな毒を使ったのか分かるか?」
「ああ、ああ、ああ分かるとも、俺の家族を殺した薬物と同じ症状だな」
そういって、邪眼の男は病状を問診していく。
「やはり同じだ、舌が青くなり、つま先から身体が壊死して行くのだ、早くて7日遅くとも15日程で死に至ります既に脹脛まで壊死している、急がないと」
「お前らがしたんだろう、解毒剤は無いのか」
邪眼の男を殺したくてしょうがない衝動を抑えるのに必死だ。
「この毒は、無味無臭で毒の検知も不可能とのことです、その事から暗殺を恐れたギルド長自ら邪眼での扱いを禁止したので、誰も持っていない筈です」
「では、誰が?」
「噂では、藍鬼が作ったと言われています」
「そうか...藍鬼ね...」
(やはり、アグリコールが飲ませ、解毒剤も持っているのだな)
ゴゴゴゴゴゴ ビリビリビリ
「ひいい、殺さないで....」
もう自分を抑えきれなくなっていた。
「ア・レ・ス・外に・来て・くれ・・・」
やばい、幾ら大きな診療所でも壊してしまいそうだったので、外に飛び出した。
「ふぅ〜〜ふぅ〜〜....アレス王都に着いて早々悪いが、僕をバルバド帝国まで運んでくれないか?」
「アチシは、美脚かよ!」
「ああ、アレスの足は綺麗だよ....ってちがーーーーーーーーう!それを言うなら飛脚だろ!」
「あはははははは、何だか少し落ち着いたよ、ありがとう、アレス」
「おっおう!これから長い付き合いになりそうだしな、これくらいアチシも出来ねーとな」
「ああ、そうだな、これからも頼むよ」
慌てて、トゥルスが飛び出して来た。
「どうしたの?」
「ルクリウスさんは?」
「あの、邪眼の男を病室に戻しに行ったよ」
「流石だな...トゥルスすまないが、アレスにバルバド国まで運んで貰う事になった、皆んなに伝えて欲しい」
「じゃあ、また此のバッグをアレスとジョウ君持って行って」
「ありがとう、行ってくる」
俺はアレス(竜)の背中に乗った。
「心配せずに待っていてくれとも伝えといて〜〜・・・」
「おい、しっかりつかまっとけよ」
「ああ、大丈夫だ」
「行くぜ!」
俺とアレスは、ディアの解毒剤を取りに、一路バルバド帝国へ向かったのだ。
ラムに一言伝えたかったが.....ごめんね、ラム......
読んで下さり、ありがとうございました。
次回も宜しくお願いします。




