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王都へだね②

宜しくお願いします。

朝に発生した寝床問題は、無事解決して、本日使うルートのブリーフィングが始まった。

トゥルスは、ニコニコしながら食事を作って持ってきてくれた。

(手際の良さと限られた食材の中で作っているのに、この美味さ絶対に良い嫁さんになるんだろうな)

「ん?」

トゥルスと目が合った。

「ふふっ」あれ?トゥルスがウインクしてきた。

心を読まれた?まさかね.....


「むーーっジョー君のトゥルスさんの見る目が、気になるよ〜〜、私だってお料理上手になるんだからね」

(ラムさん、ラムさん、心に思っている声がダダ漏れです....可愛い)


「さて、本日のルートだが、目的地である獣人族領迄は、かなり走り易いし高速移動出来るのだが、辺り一面荒野で身を隠す場所が無い更に最短ルートは最近使われていない為に警備も手薄になっていて、かなりの間無法地帯になっている、場合によっては飛竜も出て来る様だ」

「大蚯蚓や大型の魔獣も多く生息しており、地中に気を配りつつ上空からの奇襲にも警戒しなければならないのだ」

「皆充分気を付けて欲しい」

「「「はい」」」

「ジョー君、大丈夫かな?」

「安心していいよ、最近結界を何度も使うようになってから、かなり上手くなったんだ」(はい、少し話を盛りました。だって安心させたいしね)


「そろそろ、出発しよう!」


「「「「「おお!」」」」」


身支度を整えて、みんな馬に跨りカッコいいのだが、俺は昨日と同様にルクリウスの膝の上に乗った........


まだ問題の荒野までは少し距離があるようだが、俺は膝の上に座っているだけなので、はっきり言ってヒマを持て余していた。朝の修練も余りできなかったし、魔力コントロールの鍛錬をしようと考えていた。

初めてこの世界に来た時に発動した、あの魔獣を跳ね返したやつだ、うーむ!また発動したとして効果範囲などが分からない。

先ずは、手の周り半径50センチの範囲をイメージしてっと

「おーい、アレス」

「何だよ、アチシの所に来たくなったのか?」

(ん?ルクリウスが俺の身体に手を回してきた。俺落ちそうになってたのかな?)

「そうじゃ無いんだ」

「何だ、違うのかよ」

「ちょっと試したい事があるから僕に小石を当ててみてくれないか?」

「な、な、な・ん・だ・と・僕に恋をしてくれないか?だとぅ......」ボッ

「おい!物凄い聞き間違いだな、しかも顔が真っ赤だ」

「ばっ馬鹿言うんじゃねえ、ワザとまちがえたんだよ」

「僕に小石を投げつけてくれ」

「分かったよ」

「行くぜ!」

ビュッ

[ ガキンッ ]・・ [ へ? ]

跳ね返った小石は加速してアレスのオデコに、直撃した。

「イダダダダダダ」

「おい!ワザとだろ!」

アレスは、涙目になった。

「悪い、悪い、チカラ加減をミスった」

「頼むぜ、ア〜イタタ」

「もう一度、たのむ」

「おりゃ」

ビュッ

[ コン ]

当たった石は俺とアレスの間に落ちた。

「よし、成功だ!」

「何の魔法だ?」

「僕もよく分からないんだけど多分魔法障壁だと思うよ」

「は?魔法障壁?何で加速して跳ね返って来るのさ!効果が全然違う気がするぞ、オリジナルの防御系の何かか?」

「まあ、そんなところだよ」

「ありがとう、アレス」

「うっうん.....じゃあ後で...あの...その...痛み止めやって」

「ああ、分かった」

「あっ!良いーな〜、アレスさんだけ、私も医術の進歩の為に解析させて下さい」

「ああ、アレスの後でね」

「わ〜〜い、宜しくお願いします」

(ん?ディアってこんなに明るいキャラだったっけ?)

「うぬぬぬ、ジョー君との会話に入り損なっちゃたよ〜〜」シクシク

(ラムさん、考えている事がもう、ダダ漏れですよ...)


心の中で森妖精に話しかけてみた。

[おっなーにー? ] (返事早いな!)

[君達は、何処に居るの? ]

[ ふふふ、近くには居ないよ ]

[ そうなの? ]

[ うん、だって僕達はあの森から余り離れられないんだ ]

[ ああ、そういう事か ]

[ そうなんだ、だから念話で話しているんだよ ]

[ なに、念話だって、ああ、違う違う、今聞きたかったのは僕の結界と感知系の事さ ]

[ 結界? と感知?]

[ そうなんだ、イマイチ結界の大きさや、強さが分からないんだよ、あと感知する能力がどんどん強くなっていくんだけど何故かな? ]

[ なーんだ、そんな事 ]

[ 以前にジョーが張った結界は、鬼神様の結界でとっても強かったんだよ、察知系のスキルは元々持っていた物だから、意識を集中しただけで使えるし、使えば使う程に精度や範囲は広くなるよ、君は鬼神様なんだよ ]

[ ん〜〜そうだったのか、感知のスキルは何となく理解したけど、結界が、強いって言われてもね、破られ無い確証がないでしょ? ]

[ う〜〜ん、実験して、経験を積むしか無いよね ]

[ じゃあ結界には名前を付けて、ジョーが結界が破られない様に想いを強くすれば良いんだけど、強さは実験するしか無いかな?結界の大きさだけど、魔法を付与して視覚化すれば確認できるよね ]

[ あんまり気にしなくても鬼神様の結界を破れる奴なんて少ないよ ]

[ ん?破れる奴も居るには居るんだね]

[ そう何だよね、僕は会った事がないけど... ]

[ さらに、ジョーは元々かなりの魔力持ちだから結界に魔法を付与して更に強化もできちゃうよ ]

[ 最後に、その増えたスキルってギルドカードで確認できるのかな? ]

[ カードは知らないけど見れるんじゃないの?]

[ 頑張れジョー!じゃあまたねー ]

凄く良い奴だ。感謝感謝です。

早速俺は、結界に名前をバウンダリゾーンとした。そして障壁には、リパルシャンとした。


暫く走ると、遂に危険地帯である、荒野に出た。

「皆んな、ルクリウスさんのなるべく近くを走るように頼む」


「「「「りょ〜か〜〜い」」」」


唯一の不安はリパルシャン[障壁]の効果範囲かどれ程まで広げられるのかがはっきりしないのだ、多分地中には無理だろうから、索敵の感度を最大限に引き上げた。

「おわっ!何だよこれ」

「ジョー殿どうしたのだ」

「地中の中を索敵したら......」

「いや、多分索敵の効果範囲を広げ過ぎたよ」

(実は其処彼処に怪異が潜んでいたのだ)

「地中の魔獣共は、捕食の為の活動はするが、余り動き回ったりはしないのだ」

「ジョー殿がそこまで危険視しなくても良いと思う」

「そうだよね、ありがとう」

少し感度を下げた。

「ん?遂に来たかな」

「ジョー君、どうしたの」

「地中から何かが此方に向かって来ているんだよ」

「え?大きいの」

「う〜〜ん、か・な・り・ね」

馬の襲歩の振動で、追いかけて来たのか、デッカい大蚯蚓が姿を見せた。

とにかくデカイのその頭いや口のサイズは1メートルを優に超えていた。

「おーい、ジョウ様、かなり不味いんじゃ?」

「そうだね、じゃあ少しリパルシャン[障壁]のサイズを大きくしてみるよ」

大蚯蚓は、地中から飛び出して、跳ね上がり俺達の頭上から大口を開けて突っ込んで来た。

リパルシャン[障壁]を発動していた為、大蚯蚓は、跳ね返り俺達の後方へ飛ばされた。しかし大蚯蚓は、地中に潜り今度は地中から襲うつもりのようだ。

(意外と賢いな)

地中からの攻撃にはリパルシャン[障壁]が使えるか分からなかったので、ルクリウスにちょっと馬から降りると伝えてから、飛び降りた。

荒野のそこら中にある石を広い集め、俺は石の改変を行った、

石を三角形にして尖らせ溝を付けた。そうドリルだ!これなら地中へも突っ込んで奴らにダメージを与えられるだろう。

俺は数十個のドリルを手に持ち、皆んなの後を追った。

皆んなが走っている後ろに、大蚯蚓が迫っていた。

俺は、飛び上がり手の中にあるドリルに炎を纏わせ高速回転させながら投げつけた。


ドッドッドッドッドッ


地中に潜っている大蚯蚓に命中した。

重い感じの音がしたかと思うと、地上に飛び出してきた蚯蚓は藻掻き、苦しみながら暴れ狂い炎に飲まれて絶命した。

「ふう、終わったな」

(ん?未だいるのかよ)

更に石を拾い集め、先程と同じく改変させてルクリウスと馬の尻の間に飛び乗った。

索敵の感度を少し上げると、魔獣の影が十五体程いる事が分かった。

目に見え無いが、もう既に俺達の横まで迫っていた。

先程と同じ様に、魔獣の位置を確認して少し強力にした紫炎を纏わせて地中へ投げつけた。


ガリガリガリガリ ドンドンドンドンドドド


投げたドリルは岩を物ともせず突き進み、目に見えない魔獣に突き刺さっていく。

段々と地面が盛り上がってきて、魔獣達が藻掻き、苦しみながら飛び出してきた。

紫色の炎を纏わせて......

蚯蚓の魔獣を筆頭に巨大な蛇の魔獣やら大蜥蜴の魔獣やらに似た体長5~10メートル位の魔獣達が絶命していった。

「何だか、様々な大型魔獣達に狙われていたんだなぁ」

「いえ、コレはタダの大量虐殺では.....」

「は?炎を纏わせたのは失敗だった様だ」

「ジョー君、すごーーーい」

「「え?」」

「ラム様、この惨状を見て凄いとか.....」若干引き気味のトゥルスとディアだった。


終わったと思ったら、お腹がクウとなった。

「そろそろ、休憩にしよう」


「「「「サンセーイ」」」」

荒野のど真ん中ではあるが大きな岩の近くに馬の脚を止めた。

「なあなあ、お昼ご飯は何にするんだ?」

「ああ、僕の予定では野菜中心の食事だよ」

「ポトフとパンかな」

「えーえーえー、お肉無いのかよーお肉ー!ブー」

「お肉は、保存が効かないし王都に着くまでは干し肉位しか無いよ」

「ふぅー、おーにーくー....」

「さっきの魔獣は?」

「紫炎で焼かれていたので、完全に炭になってます、食べれません」

「アレス、我慢しよう」

「ううう、だってだってよぉ......」


「おい、又何かが物凄いスピードで近づいて来るぞ!」

「結界を張ってはみるが、皆んな伏せてくれ!ほら、トゥルス早く!」

「「えっえっえっ、本当に?」」

「ああ、結構大きな魔獣みたいだ」その時、風下側から、何かが光った青白い光の塊だった。

(ヤバイ、ヤバすぎる)

警戒レベルを最大にした。

(バウンダリゾーン[結界]!防ぎ切ってくれ!)

無色透明だった結界の膜が赤紫色に変色しだした。


ドッゴッパーーーーーーーーーーーーーーン


バウンダリゾーン[結界]にぶち当たったと同時に地面が大きく揺れた。

「何だってんだ!コレはラム、アレス、ディア、ルクリウス、トゥルスみんな無事か?」

「うふふ、ジョー君真っ先に私の名前呼んでくれたね♡嬉しい」

「は?」

「ア、ア、アチシの名前が二番目か.....」(なぜ顔を赤くする?)

「へ?」

「え、え、私が三番目......嬉しく思います....ウフフ」

「はぁ?」

「まあ、何だ私は四番目だったがさらりと私の名前が出て来たので、とても幸せな気分だ」

「ほぉ?」

「まあ、僕の名前が最後だったんだけどさ、伏せてくれって言った時 真っ先に僕を庇ってくれたからいいや....へへへ♡」


「って!ちがーーーーーーーーう」


「まったく......皆んな無事なんだね」


「「「「「うん」」」」」


「本当に、良かった」


ドッカーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン


「「「「「きゃっ」」」」」

そんな会話の後更にデカイ衝撃音と地面が更に大きく揺れた。


土煙が収まり辺りが見え始めて俺達は驚愕した。


「「「「「「何じゃコレーーー」」」」」」

其処には、体長10メートルはありそうな竜が居た。

しかも首が変な方向を向いていて、絶命していた。


「ジョー君、やっちゃったね」


「ああ」


「あの竜、死んじゃってるよね」


「ああ」


「大きいね」


「ああ、とっても」


「やったぜ!お肉のほうから、やって来たぜー!」


「おいおい、アレスさん?貴女は竜人じや無かったのかな?」


「だって種族も違うし.....そうだな、魚人族がイワシを食べるのと一緒だよ」


「おいおい、この竜がイワシかよ...まあアレスの竜化と比べればそんなものかな?」


「この、飛竜は討伐して良かったのかな?」

「この飛竜は、名をロッペンと言い、私の父の輸送部隊が何度も積荷をやられていて、厄災認定されている、だから討伐してくれて感謝しか無い」

取り敢えず、討伐して問題無いとの事だったので一安心だ。

「だが、このロッペンは群れで行動するのが特徴で未だ未だ油断は禁物です」

「分かった」

(しかし、俺の索敵を少し広範囲にしても引っかから無いな)

「このロッペンという飛竜は、近くに居ない様だよ」

「ジョー君、ありがとう」

「いや、僕の結界が優って良かったよ」

「ところで、この飛竜は食べれるの?」

「トゥルスさん、教えて」

「僕から説明するよ、毒袋さえ気を付ければ、味はとっても美味しいよ」


「それでは、本日のお昼はドラゴンステーキです」


「「「「「最高ーー!」」」」」

皆さん肉食系女子に決定です。


お昼を食べ終わり、また直ぐに出発だ。

だが、ディアとアレスがソワソワしている。

(ああ、そうだった)

「アレス、コッチに来て」

「おっおう、頼むぜ!」

「じゃあ、いくよ」

「うっうん...」 「ん?」

ピリリリリ パリリリリ

「ふっっっ...ひゃん.....」

「最高.....でぇ...す...」


「ディアさん、コッチに来て」

「は〜〜い...やっと私にも...ウヒッ♡」

「ん?どうかしたかい?」

「いえいえ、何でもございません」

「じゃあ、いくよ」

「はい、よろしくお願いします」

ピリリリリ パリリリリ

「あっあっあっ、すっすごっす・ご・す・ぎ・で・すぅ」


「はい、終了だね、さあ出発だ!」

「はい?」


「「「じぃ〜〜〜〜じぃ〜〜〜じぃ〜〜・・・」」」


「どうしたの?ラムに、トゥルスさん、ルクリウスさんまで、顔が怖いです」

(いったいどうしたんだ?)

「ジョー君、アレスちゃんとディアさんにだけ、ずる〜〜い」

「へ?」

「そっそうだぞ、やはり生死をとっ共にする我等パーティに、その様な事を二人だけにするというのは.....やはり、我々は.....一連托生であってだな.....そのだな....」

(こんなに、しどろもどろに話すルクリウスを初めて見たよ)

「僕だって、僕も、そのピリリリリをして欲しいのです」

「は?」

「あっああ、そうだったのか」

「分かった、皆んなずーーっと馬に乗っていて、疲れたんだね」

「よーっし!痛い部分も含めて、俺なんかの痛み止めがどこまで、効果があるか分からないけど、やってみよう」

「え〜〜っジョー君そういう事では......でも.....えへへ」

「じゃあ、お願いしまーす」

「OK」

「じゃあ、並んでくれるかい」


「「「は〜〜い」」」


「じゃあ、いくよ〜〜」


ピリリリリ パリリリリ


「「「あっはぁ〜〜〜〜ん」」」


その後、皆んなとっても上機嫌になってくれた。

(よかった、よかった......)


さあ皆んな出発だ!


「「「「「おー!」」」」」


次の目的地 獣人族領を目指して荒野を疾走した。

2時間程走った辺りで、景色が変わってきた。

「この荒野もそろそろ終わるのかな?」

「ジョー殿、そうだな間も無く獣人族領に入る そこで本日の移動は終了だな」

「ルクリウスさん、疲れたかい?」

「ジョー殿....あっありがとう、私は未だ大丈夫だ」

「ありがとう、ルクリウスさん」

「うっ気にしなくていい」


「皆んな、そろそろ獣人族領に着くらしい」


「「「「りょーかーい」」」」


「僕、お尻が痛くなってきたところだから、良かった」

「うん、私も少し痛くなってきてました」

「おい、何だよ、ディアッチ、トゥルスも情けねーなー」

「ラムは、大丈夫かい?」

「ジョー君、ありがとう、未だ大丈夫だけどもうすぐなのは、嬉しいよ」

「よーし、後もう一息だ、頑張ろう!そしてお風呂に入ろう!」


「「「「「おー!」」」」」


(ちっここまで来て、追いかけて来やがったか!)

「すまないけど、ラム、ルクリウスさん、アレス、ディアさん、トゥルスさん、先に行っていてくれるかな」

「ああ、分かった。もうすぐこの先に厩舎がある、そこで待っているからな」

「ああ、了解した」

俺は馬から飛び降り元来た方角に全速力で駆け抜けて行き上空を見上げた。

そうなのだ、空を一面真っ黒くしていて、まるで積乱雲の様にも見えるロッペンの大群がやって来たのだ。

ロッペンの大群に目掛けて火球を投げ続けまくった。

先制攻撃に激怒したロッペンは俺に向かって降下してきた。

皆んなの向かった先より、更に距離を取る為、俺は走った。飛び上がり火球を投げつけ此方に誘導をさせながら......。

「ふぅ〜〜この位離れればいいかな?」

「さぁ〜〜てと、今まで今一歩本気になれ切れなかったからな、これだけの数だ本気でいくよ」

ざっと見たところ500疋以上だろう。

索敵の精度を更に引き上げ、コイツらがパーティメンバーへ向かう奴がいないかチェックした。

「ん?3疋程向かったのか」

「ちっ」

紫炎で火球を作りゴルフボール並みに圧縮して魔力を練りこんで...

「ウォリャーーーーーー」

紫炎球をぶん投げた。


バシュシュシュシューーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン


[[[[ グェェェェェェェェッ ]]]]


捜索スキルで確認し、4疋いたが無事撃破した、紫炎球は突き抜けてしまいそうだったので霧散させた。

(コイツラ、いったい誰に向かって行ったと思ってんだ!報いを受けてもらう)

心にドス黒い何かが膨らんできた感じがした。


「さあて、闘りますか」


そこら辺に有る石を幾つか拾いあげ、雷を付与して大群に投げつけた。

(おお、2~3疋は落ちたな)

(でもこれでは、拉致があかないな)


ロッペンは脚の爪で、確実に急所となる首筋や頭部を狙って引き裂き突き刺してくる。

リィパルシャン[障壁]を使い躱すが、数の暴力の前では長く続かずに俺はだんだんと攻撃を受け出した。


[ グェェェェェェェェッ ]

「オラッ、オララッ、オラララッ、オラッ」

奇襲をかけてきては、躱して拳を、打ち込む

既に、20疋は倒したと思うが、やはり拉致があかない、しかもロッペンは逃げもせず未だ向かって来る。


奴らの攻撃が当たったところで、俺に致命傷にはなりそうにないし、少し考える時間が出来てきた。

今までの俺の攻撃は、一発一発が大振りで少数の敵には効果が有ったが、こう数が多いと非常に厄介だと改めて悟った。

(爆発系の攻撃は、どこまで衝撃波が広がるか分からないしな、うーむ、どうしたものか。)

(俺の得意な事........攻撃技はこの拳ばっかりだったな。まぁ木刀も作ったが、コイツらの数の前では余り良い策ではないな)

(やっぱり、俺には拳だね!)

自分自身に覇気を纏った。赤黒いオーラが全身より溢れ出し、両拳に炎を纏った。先ずは赤から青になり紫の炎になった、紫炎を拳に纏わせたのだ。

軽くシャドーをして火球を飛ばしてみると、思いのままに火球を飛ばす事が出来た。

(おっし、これならイケるな)

ロッペン目掛けて飛び上がり、群れの中に突っ込んだ。ロッペンの背中を足場にして辺りに群れている奴らを拳で殴りつけ、紫炎を放ちロッペンを燃え殻に変える。


ドカッ...ボッ!...ドカッ...ボッ!...ボボボボボ.....

[ グェェェェェェェェッ ...................................... ]


殲滅する事だけを考え、ただ我武者羅に拳を揮った。

俺も無傷とはいかずに、ロッペンの背中から背中への移動時を狙らわれ、確実に目や頸動脈を狙ってくる。

(やってくれるねぇ〜〜)

(何だか、楽しくなって来たよ!)

既に服はボロボロになっていった。

俺が拳を打ち込むと嘴と爪で反撃され、青白い光の塊も幾つか食らった。そして身体にダメージが蓄積されてきた。流石に俺の身体も無敵じゃないわな。


どれ程戦っただろうか?もう身体が勝手に戦っている感覚にまで昇華していた。更にロッペンの動きの先読みまで出来てきた。

(ほーう、これも俺の能力なのかな?)

余裕が出てきた俺は、自分の身体がデカくなっていたのに気付いた。

(おいおい、鬼神の核が解放されてきたのかな?少しヤバイか……唯傷の回復が早くなったのは助かるが…)

今の俺の練度では、力の解放は少し危険と判断して、とっとと終わらせる事にした。

そうなのだ、妙案を思い付いたのだ。


(大群は、一纏めにして殲滅が手っ取り早いとね)ニヤッ


大群を見上げると、おおよそ半分以上のロッペンがあの青白い光の塊を咥内に蓄え出した。


「ほぉう、本気にさせてくれるじゃあないか!」


「プチンッ」 遂に俺の中で何かが切れた。


俺の身体から吹き出す、禍々しき黒いオーラが噴出し、更に身体がデカくなるのを感じた。

(ああっダメだ!もう、自分の衝動を止められないっ)

近くにいたロッペンを数疋落とした後に俺は両手をロッペンへ向けて、「バウンダリゾーン」[結界]と大きく叫んだ。

アレスとの対戦で使ったものとは比べられない程、超巨大な結界だ。

ロッペンの大群全てを赤黒い膜が包み込んでいく。


[ ガァッハハハハハハハ、ス・ベ・テ・ヲ・ム・ニ・シ・テ・ヤ・ル・ ]


ロッペンはバウンダリゾーン[結界]内であの火球を放った。


[ グェェェェェェェェ......グギャ、グギャ、グギャ、グギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギ ]


それはまるでドス黒い太陽だ。

死のイメージしか湧かず、憎悪と憤怒を纏ったその塊は見上げる者に絶望しか与えない存在だ。


「コノ獰猛ナ性格ハ逃シテモ又襲ッテ来ルダロウ」


(だから?)


「ダカラ、ジャネーダロ」


(どうするつもりだ?)


「決マッテイル ミ・ナ・ゴ・ロ・シ・ダ!」

「 ガァッハハハハハハハ、ス・ベ・テ・ヲ・ハ・イ・ニ・シ・テ・ヤ・ル」


バウンダリゾーン[結界]に向けて黒炎を放った。

瞬間に、俺の頭に黄金の光が刺さった。

バリリリリ

「なっ何だ?」

少し意識を失っていた様だ。


また、俺の頭に黄金の光が刺さった。

バリリリリ

(ん?この感じ、ラムか?)


「ダメだよ!ジョー君!」

雷鳥が俺の肩に留まり

「落ち着いてジョー君」

ラムの声がした。


「ん?ナンジャこりゃ〜〜」

途轍もなくデカイ、漆黒の太陽だ。更にそこに向けて馬鹿デカイ黒炎が飛んで行くのが見えた。

(流石にアレはヤバイ!)

慌てて、黒炎を霧散させた。


バウンダリゾーン[結界]を解除したら、生きて飛べたロッペンは15疋位いになっていた。後は黒い滝の如く上空からバラバラと燃え滓が落ちていった。

流石のロッペンも、何が起こったのか理解が及ばないのだろう、四散し逃げて行った。


少し落ち着いた俺は、自分の服がエライことになっていたのに気がついた。

(ビリビリやんけ〜〜!つーか、パンイチ...恥ずかし過ぎる...)

俺は鬼神モードになる時は、服を脱ごうと心に誓った。

やはり、落ち着くと、身体もドンドン縮んでいって元のサイズになった。

(まあ、このサイズでパンイチなら、世間様は許してくれるだろう.....パンツが弾けなくってよかったよ)


皆んなの待つ厩舎へ向かった。


俺のボロボロのすがたを見た、ラムと意外にもルクリウスが泣いて俺に抱きついてきた。(俺いま半裸何ですが?嬉しいけど、ハヤクフクヲキタイデェス)


ディアは、流石医療経験が豊富で俺の怪我が大したことないと分かり冷静だった。


アレスとトゥルスは、あまりの事に、口を開けて、茫然自失として、暫く何も話せなかった。

ただ、数秒後に怒られまくったが、俺は余りの嬉しさに、笑ってしまい、更に怒られた。


「ジョー君、本当に、本当に反省しているの?」


「ああ、申し訳なかったと思っているけど......ありがとう」(服が先かと...)

その後、直ぐに服を着た、収縮性の有る脱ぎ易い服を選んで...


皆んなも落ち着くと、あの黒い太陽は何だとか、問い詰められた。

(ただの結界に炎を纏わせただけと言っても誰も納得していなかった)


俺たちは、獣人族の国に入っていった。

入国は、ルクリウスが手配していた、通行証ですんなり入れた。

流石はルクリウス、何時も完璧です。


(おおお、あっあれは.............プエルト国には居なかった.............ウサ耳だぁ〜〜)


一人で盛り上がる、俺が居た。

読んで下さり、ありがとうございました。

次回も宜しくお願いします。

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