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雋ちゃんと再会だね

宜しくお願いします。

音楽祭への会場を目指して歩いていたジンとキュラに、近づく黒い影が...


[ タタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタ ]


「・・・・・・・・ちゃん」


「・・・・おねぇ〜ちゃん」


キュラが、近づく気配を感じ振り向くと...


小さな影は、キュラに抱きついたのだ。


「もしかして、(せん)ちゃん?」


「うっうっうわぁあああああん」


「何で泣いてるの?」


「だって、だって、うれしいんだもん」


驚いた表情から一変してキュラの表情は天使の如く優しくなり(せん)を抱きしめたのだった。

「ありがとう、センちゃん、私も会えて嬉しい」


( あっ、いかん俺も目頭が熱く..... )


「ひっ久しぶりだね、センちゃん」

「うん」

「お父さんと一緒なのかい?」

「うんお母さんも一緒だよ」

「今から何処か行くのか?」

「3人で音楽祭へ行くんだよ」

「おっ!なら俺達と同じだ」

「本当?」

「本当だよ、ジンと向かってたところだよ」

「そうだったんだ、でもね、会場はあっちだよ」

「へっ?」

どうやら、道を間違えていたジンとキュラでした...


「ところで、ギンさんは?」

「あそこの中にいるよ」

「お母さんは?一緒じゃ無いの?」

「お父さんの付き添いだよ」

( こんな小さな子を、一人で待たせるとは...無用心だな 、まったく......)

センが指を指した先は、診療所だった。

キュラとセンが話に夢中になっていたのであっという間ではあったが、20分程経過すると診療所のドアが開き非常に人相の悪い大男がのそりと出てきたのだった。


「ギンさん、どうしたんだよ」(まっ理由は分かるけどね)

顔には青タン、腕に包帯を巻き、松葉杖をつきながら出てきたのだ。

「おお〜おお〜、ジンじゃねぇか!ヤッパリ此処に来てたんかよ、会いたがったゼェ」

「あらあら、ジンさん、キュラさん、お久しぶりです」

「お久しぶりです、何だかギンさんとっても痛そうだね、どうかしたの?」

「キュラさん聞いてくださる、まったくウチのバカ亭主ったら冒険者ランクがBになったとかではしゃいで、はしゃいで、それできっとジンさん達はサバナ国の慰霊祭に行くハズだ!とか言って家族総出で来てしまったの。それだけならまだしも、此処に着いたら武闘会に参加するとか言い出して、フンッ!このザマよ!」

「じゃあ、あのフルプレートの冒険者って言うのは」

「ガハハハハハハハ、ヤッパリ分かるか?」

「雰囲気が似てるなって、思っただけだよ」

「ん?」

「どうした?」

「何だか、ジン少し太ったか?」

「あっ私も思ったぁ〜」

「こら、セン、そんな事言ってはいけませんよ」

「ははは、日々修練してるからかな」

「ジンは出なかったのか」

「試しに出たんだけど棄権になっちまったよ」

「だっははは、マジか!」

「なら、もしかして....キュラさん、怒った方がよろしくてよ」

( あっ!もしかさてエルフとアマゾネスの闘いに見惚れて集団棄権した奴らの一人に思われたのか....違うのに... )

「ガハハハハハハハ、まぁジンも漢だってこったぁ」

平手でバンバン背中を叩かれました。


「えっ、ナニナニ?何で私がジンに怒らなきといけないの?」

「お姉ちゃん、あのね.............」

「ジン、そうなの!」ぎらりと光るキュラの目がマジで怖いのですが...

( いやいやいや〜、キュラさん私の試合見てましたよね、その時の俺、観客席にいましたよね.... )


不穏な空気になっていたのだが...


「あっ!会場が見えてきたよ」

( センちゃん、ナイスタイミング!)


音楽祭の会場はサバナ国にとっては第2の王城?とも思える程立派な建造物だった。まるでバ○リ歌劇場の様であった。

( 一体誰が作ったんだ? )

「お母さん、すっごいね、お城みたいだよ」

「そうね、もっといい服着てくれば良かったかしら?」

「思い出にもなるし、服を買ってから行こう」

「わぁ〜い、それじゃあお姉ちゃんと一緒に買いに行きたい!」

「ジン、良いの?」

「ああ、皆んなで行こう。ギン良いだろ」

「おお、すまねぇ、そんな....服を買うぐらいでこんなに喜ぶもんなのかよ」

「まっ、キュラ達にとっての服は俺達冒険者が持ち歩いてるナイフと同じぐらい大事なんだよ」

「へぇ〜、そりゃ分かりやすいな」

「ところでよぉ、お前らはどうなってんだよ、俺に講釈垂れるくらいオンナっちゅうもんが分かってるって事なんだよなぁ、なぁ」

「......どうだ?出来たか?」

「何がよ?」

「ちっ、だぁかぁらぁ、子ど・グボァッッ」

横から(りん)による突然の鉄拳制裁が炸裂した。

「あらあら、ごめんなさいねぇ、場所を弁えず、酔っているのかしら?ウチのこの変○野郎は」

( やっぱり、リンさん超コェエエ... 松葉杖をついたヨレヨレの負傷者に、容赦ねぇ〜)

「ねぇねぇ、ジンは何で顔が赤いの?熱でもあるの?」

「ふへぁっ」

「あっお姉ちゃん、それはね...」「ちょっと待ったぁっ!セッセンちゃんそういう話は又こっ今度ね。あっ!早く服を買いに行きょきょう」( 噛んじまった )

「あそこのお店に行きたい!」

「あっそうだね、すぐ行こう、今すぐ行こう......」


「はぁああああああ、あの調子じゃあ進展なんかしてねぇな......」外れた顎をはめ直しながら戻ってきたギンなのでした...しかも何故か松葉杖は捨ててきた様でもあった...

(ギンのあの回復力、人間辞めてねぇか?)


ギンとジンは紳士服のの店に入り店員の言われるがまま服を着て試着室から出てきた。パリッとしたシャツに黒いタキシードがめちゃくちゃ似合わない2人....ギンにいたっては顔だけ浮いていて合成写真の様である。

しかし...

「どうよ!何だか決まってんじゃねぇか?」

「はっはひっ、お客様大変お似合いでしゅ」

店の店員は人相が完全に悪党のギンに怯えていた。

「ぶぁっはははははははは、ギン、キツくねぇのかよ」

「あっあたりメェだ!」

「ジン、お前だって第一ボタンが止まってねぇじゃねぇか」

「グッ、バレちまったか、このサイズしか無かったんだ、しかたが無いだろ」

( 結構パツパツだな、こりゃ... )

「まっ旅の思い出だしな、ちったぁ我慢しようや」

「だな!」

大笑いしながら、服屋を出たジンとギンだった。


女性陣は別の服屋に行っていたので、ギンとジンは広場で最近の出来事を話し合っていた。

すると...

「すみません、貴方方はギン様そしてジン様でいらっしゃいますか?」


服屋のマスターが声をかけてきたのだった。

そのマスターに連れられて服屋に入ると、何故か他の客からジロジロと品定めをされている2人。


「あっ!ジン兄ちゃんだ!」

試着を終え元気に飛び出してきたのは、センちゃんだった。その後ろを少し歩き辛そうについて歩く、大人の色香を纏ったリン....

ところが、タイトな黒いイブニングドレスを着た美女がさらに後から出てくるとその人がリンだったのだ。

「ん?リンさんが2人?」

「バカか、オメェは!リンの後ろを歩いて来てるのがお嬢だろうが」

「え、ええ!」

驚きもしたのだが、余りの美しさに見惚れてしまったのだった。

「どう、かな、」

「あっああ、すっすっすてきだよ」

「えへへへ、そんなに美味しそう?」

「ああ」

「あ、ありがとう、ね」


「お姉ちゃん、きっと言葉の意味を間違えてると思う...」

「がっはははは、嬢ちゃんらしいな」

2人の親子の会話内容は2人の世界に突入中のジン&キュラには届かなかったのだ。


センは真っ赤なイブニングドレス、キュラは紺色のマキシ丈のノースリーブドレスを着て出てきたのである。

3人にコートを羽織らせて店を出たのだ。

「しっかし、驚いたな!」

「ああ、店のマスターの目がマジだった」

店での会計時に3人の絵を描かせて欲しいと懇願されたのだ。

音楽祭は夕方からだから時間もあり、しかも中々手に入らないミッテロージェのチケットをくれると言うので快諾したのだった。


「ねぇ、お父さん、音楽祭の帰りにあの店寄って帰りたい」

「絵の出来が気になるからか?まっ荷物も預かって貰ってんだ、忘れずに寄ってから帰ろうな」

「うん」

そしてドレスアップした5人は音楽祭の会場へ入って行ったのだ。


音楽祭の演目はかなり自由な設定であり、陽気な指揮者の場合は通路からステージ付近に観客は集まりダンスを踊り始めたりとセンも楽しめた様だった。


しかし、どう見てもピアノやチェロ等の弦楽器からティンパニ等の打楽器、オーボエやホルン等の管楽器等ありとあらゆる楽器が美しい音を奏でていた。


「おい、ギン、泣いてんのかよ」

「おっおお、心に染みるなぁ...それによぉ、センが天使様に見えんだよ」

( まっそっとしておこう..... )


あっという間の、4時間だった。外に出ると既に真夜中になっていたが、慰霊祭の時期は何処の店も深夜まで営業しているので店に明かりが灯っていた。


服を購入した店へ向かい、預けていた荷物を受け取る為に店に入ると、スタッフが少し慌てた様子で奥に引っ込んでしまった。その直後、マスターが飛び出して来たのだった。

あまりのテンションに少し驚いたが、音楽祭のチケットのお礼を伝えた。しかし、マスターは特に気にしないでと言ってくれたのだった。本当に良い人だと思ったのだが、何だか様子が少しおかしい、よくよく話を聞くと、先程の絵を複製させて欲しいと言い出したのだ。

理由を聞くと、とても贔屓にしてもらっている貴族に強請られているのだとか...

その貴族の名前までは教えてくれなかったが、話を聞く限り良識ある人柄との事だったので承諾したのだった。

センはギンがおんぶしてそのまま寝てしまっていたので、お互い宿屋へ向かったのだった。

読んで下さり、ありがとうございました。

次回も宜しくお願いします。

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