アレスだね
宜しくお願いします。
朝日が昇り、目が覚めると既にドワーフ達は修練場の補修の為の準備を始めていた。
(やべ、寝過ごしたみたいだ)
慌てて起き上がると、笑顔のモーラさんが立っていた。
「おはようございます、ジョー様 朝食のご用意が整っております」
「あっああ、ありがとう」
「昨夜は、ベッドまでお運び頂きありがとうございました」
「気にしないで下さい」
「うふふ、一緒に寝てくださったら良かったですのに♡」
「いっ一度汗を流してから行きます」
「お供いたしますわ♡」
「え?結構です」
「かしこまりました...ふふふ」
流石に王家に使えるメイドさんは、仕事となると切替が凄いと思ってしまったが、モーラさんはモーラさんでした。
[ コン、コン ]
自分の部屋に着いたが、ノックをして待った。
誰の返事も無かったのでドアを開けて自室に入った。
「おっだれも居ないな」
[ コン、コン ]
俺は朝風呂をいただいてから着替えを済ませ、隣のラムの部屋をノックした。
「はい」
「ジョーです」
「ジョー君?どうぞ中に入って」
「お邪魔します」
ここは、ラムの城に来て初めて目が覚めた部屋だ。
可愛らしい家具や壁は変わっていないが、ラムが居るだけでこの部屋は、ふんわりとした空気がたちこめていて、とても居心地の良い空間になっていた。
「私を部屋まで運んでくれて、ありがとう」
「いや、いいんだ」
「ウシュクさんは?」
「朝早くに調理場に向かって行ったよ」
ウシュクさんは、朝早くからドワーフ達の朝御飯を作らなきゃと、腕捲りをして出て行ったとの事だった。
俺とラムは、少し雑談を楽しんで食堂へ向かった。
昨夜お酒を飲み過ぎて、朝食はあまり食べられないかと思っていたが、流石はモーラさんだ、軽めの食事が並び美味しさと相まって結構な量を食べれました。
朝食を済ませた俺達は昨日と同じく修練の為、湖の畔へ向かった。
セスさんは、既に準備万端で待っていた。
「ラム様、本日も修練は雷の形状変化です」
「如何ですか?どのような変化が起こせる様になりましたか」
「う〜ん、雷で鳥を作って飛ばして見たの、しかも私の視覚と繋ぐことも出来る様になったんだよ」
「なっなんと!それは、素晴らしいですね」
「昨日出来るようになったばかりだけどね」
「だって、畔で一人ぼっちで寂しかったんだもん、この鳥さんのおかげで、ジョー君の凄い渦巻きが見れたしね♡」
「でも、10分位しかまだ出せないの....」
「ラム雷鳥を出してみてくれないか?」
「うん、いいよ」
パリリリリ
「どう?」
「凄く綺麗な鳥だね。凄いよ!」
「えへへ、ジョー君ありがとう」
「ラム様は、ジョー様の事が絡みますと、ご自身の限界を越えてしまいますね」
「うふ、そうみたいです」
「さて、ジョー様には、本日種族の違う方と手合わせして頂きます」
「え?」
(まあ、実戦での方が覚えるのも早いか)
「では、この方です」
その者は、蒼き衣を纏いて天空より、落ちてきた。
ザッブ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ン
「おいーー服が濡れたぞ〜〜〜」
バシャバシャと歩いて出てきた。
「おい、お前がアチシの相手なのか?」
何だか俺より、背は高いが子供っぽい奴だな....やたら偉そうだし。
「アレス様、お願いします」
「まあ、親父の頼みだからな、イッチョやったるか!直ぐに伸びちまったりするなよな!」
「セスさん、僕が本気で戦っても大丈夫なのか?」
「ジョー様は、このペンダントをして頂きます」
「このペンダントは?」
「キビ様特製の超強力でヤバイ程の悪臭が込められています」
「へ?」
「万が一にもジョー様がコントロール不能になってしまった時この臭いで正気に戻って頂きます」
「オイオイ、マジデスカ......」
「はい、マジでございます」
「このペンダントで、正気に戻って頂けなければ、お手上げですね」
(そんな、笑顔で言われても......まっやるしか無いか)
「僕も、早く力のコントロールを出来る様になりたいし、相手になってもらうよ」
「マジたのむぜ、直ぐに終わるなよ!」
俺より赤い髪そして、金色の目が特徴的な一見可愛らしい子は、猛烈な速度でぶち当たって来た。
「オラオラ〜〜」
(チッいきなりかよ!)
ドッカ〜〜〜〜〜〜ン
腕をクロスさせて受け止めた。
「おっやるじゃねぇか」
次は、左右の拳で叩く叩く叩きまくってくる。
「ウオラッオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ「未だ未だ」オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ」
ドカ、バキ、ベキ、ピキ、パシ俺のいたる部位に拳が入る。
そこまで痛くは無いが、段々とそう段々と鬱陶しくなって来た。
始めは、目で終えなかったが段々と目も慣れてきた。
炎を纏わせたかなり大ぶりの正拳突きを見舞った、当たりはしなかったが、相手は怯み俺との距離を少しだけとった。
(チャーーンス)
そのまま飛び込んで右の拳を打ち込んだ。
しかし、アレスはもっと素早く俺と同じ様に炎を纏わせた拳を顔面に打ち込んできた。
ガスッ
(だ・か・ら・痛くねーんだよ)
自分の顔面にめり込んだ拳をそのままに、踏み込み、アレスの土手っ腹に右の拳を打ち込み同時に拳に纏わせた炎を爆発させた!
メキョ!.....ドッパーーーーン
アレスは、後方にぶっ飛んで行った。
バッシューーーーーーーーーン
「ふひゃーーーーーーー・・・・・」
絶叫と共に湖の対岸を越えて消えて行った。
「ふーーーってヤバイ!アイツ大丈夫か?」
「セスさん」
「たっ多分大丈夫だと思います、頑丈な一族ですので.....多分」
暫くして、凄い水しぶきを上げて赤い髪が飛んできた。
バシャシャシャシャシャシャシャシャシャシャシャ
「おい、お前いま何をした!」
「正拳突きだ!」
「ちっ上等だよ!アチシの本当の本気を出してやるからな」
アレスのまわりに炎が吹き出し始めた。
黄金色の目を見開くと、爬虫類の様な目になった。
炎が更に大きくなり、完全にアレスを包み込んだ。
「セスさん、下がって」
「ええ、そうします」
「おい、アレス!意識はあるのか?」
「おい!誰に口を聞いている、アチシは誇り高き竜人族であるぞ」
「お前如きに負けはしないのだ」
オイオイ、20メートル級のドラゴンになってしまった。
「こんな所で不味いだろ」
昨日覚えたばかりの魔法で空に飛び上がった。
「コッチに来い!」
滞空時間は大した事が無い為、まるでノミの様にピョンピョン跳ねながら、対岸の先にある林を抜けた。
その先には荒野が広がっているのでそこで再度仕切り直しだな。
「よし、アレス来い!」
アレス(竜)は、咥内に炎を蓄えだした。
その炎は赤から青になり、更に紫色に変わっていった。
「ゴガガガガガガガガガガガガガガガガガガ」
雄叫びと共に、紫色の炎を溜め込んでいる。
俺にはアレスの炎攻撃迄、待機時間があった。
森妖精に手伝ってもらった結界、以前ラムに施した結界の様な空間を作ろうと考えた。すると、また小さな声が聞こえてきた。
[ よっ!鬼神様 結界ならとっても簡単だよ、どの辺りに張りたいのかイメージして、それが大事なんだ ]
[ 後は、僕達が少し大気中のエネルギーであるマナを集めやすくするだけさ ]
[ 鬼神様なら、直ぐに僕達がいなくても出来ちゃうようになるよ ]
[ 頑張って! ]
[ ありがとう、サンキュー な!]
[ そうそう僕の呼び方は、鬼神様じゃなくて、ジョーって呼んで欲しい ]
[ あっははははは、ジョーでいいの?やっぱり面白い鬼神だね、この世界の............]
[ ゆっくり話していると、あの炎を浴びちゃうよ ]
[ ジョー、じゃーねーー ]
(おっし、どれ程の破壊力かは知らないが、俺の結界で包んでやる)
「そう、イメージは、ガチャカプセルだ!」
イメージをして、強化もしたかったので、全力で念じた。
俺の体が赤紫色に光り出した。(おっいけるかな?)
「ググッオオオオオオオオオオオオ」
アレス(竜)に目掛けて両手をかざした。
無色透明な膜が竜を包みこんだ。
大気が震えて、アレスが更に吠える!
「ゴガガガガガガガガガガガガガガガガガガ」
禍々しい紫色の炎は、今放たれた。
ゴオオオオオオオオオオオオ・・・・・・
その様を見落とさない様にしっかりと目に焼き付けた。
それは、まるで紫の太陽だった。
「南無......」チ〜〜〜ン!
「グギィギャーーーーーーー・・・・・・」
「アヂィッアヂィアヂィヂィィィィィィ・・」
「ん?」
空から黒コゲの何かが落ちてきた。
ヒュルルルルルルルルルルルル・・・
俺に目掛けて落ちてきたので、当然.....
避けました。
ドッカ〜〜〜〜〜〜ン
「アダダダダダ」
「おい.......テメエ.....何で.....避けんだよ!...イデデデ」
「焦げ臭そうだし、服が汚れる」
「ふざ....けた奴だ....色んな...意味で...ふ・ざ・け・す・ぎ・だ!」
「まあ....今回は...アチシの.....負け....で良い...よ...早く回復...たのむ....」
「おい、アレス!」
「....何だよ....」
「お前、さっきの炎は、かなり不味い奴だよな」
「....ああ....山1つは...吹っ飛ぶぜ!へへっ....」
「ぼ・く・が・止めなきゃ、ラムの城が吹き飛んでたって事だよな」
「え?おう...いえ....ああ....いえ....はっはい」
「それなのに、負けで良いで終わる訳が無いだろ」
「え?うそっちょっまった!まった!まって!まって!まってください」
「ああっ!ゆ・る・さ・ね・え・よ・」
俺の身体全体から黒い炎が立ち昇り出した。
「それ、それ、それは、黒炎って、や、や、やば、ヤバすぎです」
「ごっごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい」
俺は更にアレスに近づくと右肩に黄金色の小鳥が留まった。
「ジョー君 それ以上はダメ〜〜〜」
パリリリリ
「おっと、ラムの雷鳥だったか」
ラムは凄いな、声まで出せるようになったのか。
「ん?」
目の前で、アレスが縮こまって震えていた。
「おい」
「ひっ」
「もう、終わりだ」
「はっはひ」
「この度は、ありがとうございました」
「此方こそ、そのスピードに慣れるまで苦労したよ」
「あっはははは、全く差凄い回復力だな、空から落ちて来た時より、かなり元気になってるよな」
「はっはは・・・」
「じゃあ皆んなの所に戻ろう」
「はっはい、でも......」
「ん?どうした」
「腰が抜けて動けません、気が緩んでしまったから全身の痛みでアチシ、今にも死にそうです...」
「分かった、分かった、痛みは以前覚えた技があるから、後はおぶって行けば良いよな」
「あっありがどおごじゃいまじゅううう」
「おいおい、涙と鼻水で汚ねーなー」
「ほら、背中に乗って」
「はい」
「んじゃあ、痛みを和らげるぞ」
「へ?」
ピリリリリ・・・パリリリリ・・・
「ヒャン、はうっううん.......あん」
「どうだ?」
「痛みが取れてきました..........きっ気持ちいいです」
「そいつは良かった、皆んなの所に少し急ぐぞ」
「はい」
(ん?やけに素直になったな)
怪我人をおぶっているので跳ねずに走ってラムの元へ急いだ。
「ただいま、ラム」
「お帰りなさい」
「あの雷鳥ありがとう」
「ふふ、いいの」
「ラムは、凄いな声まで出せるようになるなんて」
「わたしも驚いちゃった」
「セスさん、この物騒なペンダント返します」
「はい確かに受け取りました」
「あっそうですね、このペンダントはラム様にお渡ししておきます。宜しいですか?」
「う〜〜ん、使わないと思うけど一応持っておきますね......ふふっ」
(何でしょう、俺の背中にやや冷たい何かが...)
[ アチシと対戦した時の悪魔の様な恐ろしい鬼人と違いすぎる!ギャップ萌え..... ]
何か、アレスの睨みが半端ない、いじめすぎたか?
ここで、アレスと別れた、城で少し治療して、後はギルドへ行くそうだ。
朝の修練も終わり、少し早めの昼食を食べてから俺達も、ギルドへ向かった。
「はぁ、やはり緊張するな.....」
そうです、ラムのご両親に映像と音声だけで、実際に会うわけではないが、緊張しまくっていた。
「どーしたのジョー君?」
「いっいや、ナンデモナイゾウ」
「ウソ」
「ホントウデストモ」
「だって言葉が、カタコトだよ?」
「少し緊張しているだけだから....」
「あはっ嬉しい」ラムは俺に抱きついてきた。
(ひゃーっもっと緊張しますです)
こっこれはイチャイチャだな間違いなく......
俺達はギルドの噴水のある広場に出た。
「あっヤッパリこの、ブロンズ像はキビ爺のパーティだったんだね」
「そうだよ、よく分かったね」
「ああ、マースさん、ヴェヌスさんがインパクトあったから.....あとサタさん、ユピテルさん、今から会うヘルメスさんっと」
(ブロンズ像が精巧に出来すぎていて今にも動き出しそうだ)
「よし、別館へ行こうか」
「うん」
「あっその前に、時間もかなりあるし本館に行って良いか?」
「うん、良いけど何故?」
「良いから良いから」
「急ごう」
「うん」
(相変わらず、デカイ受付だな)
「こんにちは」
「いらっしゃいませ、本日はどの様な御用件でございますか?」
「はい、懸賞金の受取です」
「かしこまりました」
「何かお持ちですか?」
「はい、これを」
俺は、セスさんから渡された証文を渡した。
「ゴクリ......失礼致しました」(綺麗な受付の女性が一瞬目を見開いた......凄く怖かった.....)
「しっ少々お待下さい」
「はい」
暫くすると、ユピテルさんが出て来た。
「驚きましたよジョーさん、邪眼の一人を捕獲だなんて、この10年いや、20年間で最大のトピックスですよ」
(あらら、ユピテルさんいつもの口調じないし、テンション高!)
「ありがとうございます」
「いやーゆっくりと話したいのですが、本日は生憎と予定が......」
「いえ、僕達もこれから別館に行かないといけないので、お気になさらず」
「では、近いうちに必ずお話をお聞かせください」
「はい」
「それでは、こちらが懸賞金の受取書です中身を確認しますか?」
「いえ、結構です」
「一度外に出て右の建物に銀行が有りますのでこの受取書を提出して下さい」
「了解しました」
「では...また...近いうち...に」
(あっ最後は普段のユピテルさんに戻った)
早速俺達は、銀行へ入った。
「此処はまた、凄いな」
「でしょう」
天井の高さは、ギルド本館等と同じ位だが、とにかくゴッツイ、アダマンタイトの様な輝きの鉄格子に床から天井まで覆われていた。
「そうだ、僕は銀行や通貨の事が全く分からない、どうしたら.....受付の人に聞いてみようかな....」
「あっ私が説明するね」
「まず、お金を預けられるのは、ギルドカードか銀行口座の二通りになります。ギルドカードに入れた、お金はギルドが有れば何処の国でもその国の通貨で受け取れます。銀行口座を作って入れておけば、可愛いドモヴォイが口座を持って居る家全てに付き、家を厄災から少しだけ守ってくれるの、更にお金を入れて置くだけで少しずつ増えるんだよ。どお?参考になった?」エッヘン
「ありがとう、ラムよく分かったよ」
更にラムに聞いたこの国の通貨は銅貨が最小の貨幣であり、それ以下は現物取引になる。
銅貨が 100枚で、銀貨1枚
銀貨が 100枚で、金貨1枚
金貨が 10枚で、白金貨1枚
白金貨が10枚で、王金貨1枚[ 王金貨は殆ど流通していない ]
俺もこれから、金銭感覚を学ばなくては.......
「では、ラム先生一緒に受取りに行こうか」
「うん、うん、良い心がけである」テヘ♡
俺とラムは、銀行の受付に居るインプの所に行き受取書を出した。
「本日は、ご来店ありがとうございます」
「こんにちは」
「当行は、初めてですか?」
「はい」
「ギルドカードをお持ちですか?」
「はい、ギルドカードを持ってます」
「かしこまりました。貨幣の受取は、そのまま現金でお持ち帰りになるか、手数料として銀貨1枚掛かりますがギルドカードへ入金されるか、ギルドカードをお持ちの方ならば、直ぐに当行の口座を作って入れる事ができます。どちらに、なさいますか?」
「ところで、僕は幾ら受け取れるのかな?」
「はい、白金貨700枚です」
「は?」
「はい、白金貨700枚です」
「おいおい〜〜マジで!」
「左様です」
俺の心臓は、早鐘どころか心臓の鼓動でシャツが動きそうだ。
「ジョー君は、それだけの事をしたんだよ」
「本当にそうなのかなぁ?.........」
(ファンタジー最高!)
気をとり直して、行員に指示を出した。
「では、白金貨500枚を新しく作る銀行口座へ、現金は金貨を20枚、銀貨を30枚、銅貨を20枚を、そして残りは全てギルドカードへ入れて下さい」
「かしこまりました」
「よし、僕の用事は終わったよ」
「ギルド別館へ行こう」
「うん」
なんだか、お金が手に入った安心感なのか、少しばかり緊張がほぐれた。(今まで、無一文だったからな....)
ギルド別館までの道の脇にアクセサリーが沢山並んでいる露店があった。俺は吸い込まれる様にその店先に立ちアクセサリーを眺め出した。店主は、一見ドワーフの様に見えた。
「ジョー君、行かないの?」
「うん、まだ時間もあるし、初めて入ったお金でラムに何か買ってあげたいんだ」
「だから、何か選んで欲しいんだけど....」
「本当?すごく嬉しい♡でもジョー君に選んで...欲しいな...」(あら、ラムさん何だかまた涙目になってますが)
「うっうん」
(色々あってチョー迷う、どうしよう.........)
あーでも無い、こーでも無いと悩みまくり、大きなアクセサリーの下から、ラムと俺のツノの色ソックリな真珠色で雫の形をした石のペンダントを見つけた、俺はペンダントを触った瞬間、無意識に店主に渡して購入していた。
「あっ買ってしまったけど、このペンダントで良かったか?」
「モチロンだよ、ジョー君が選んでくれたんだもん」
「ジョー君、お願いがあるの」
「ん?何だい」
「つ・け・て・♡」
ラムはしゃがんで後ろ髪を掻き上げた、うなじを見ると俺の心臓は今までにない程早く鼓動を繰り返した。
そして、少し震える指先でペンダントを付けた。
「はい、付けたよ」
「大切にするね♡」
嬉しそうに、くるりと一回りした姿は、周りを明るく心癒してくれる女神様そのものだった。
「あっああ、そっそうだ、早くヘルメスさんの所に行こう」(見惚れてしまった....)
「うん♡」
俺達は、ギルド別館の2階に来た。
[ コンコン ]
「あっどうぞ〜」
「失礼します」
「やあ、これはラムさん、ジョー殿いらっしゃい」
「そろそろ、約束の14時なのでお願いします」
「分かりました、準備しますので、少々お待ち下さい」
「はい」
室内を少し暗くして2分程待つと、白い光がだんだん大きくなってきて、何やら人影が見えてきた。
「ジョー君、お母さんだよ」
「そうだね」
(やはり、とても美しい人だ)
「あら?其方はどう?私の声が聞こえてますか?」
「お母さん、聞こえてるよ〜」
(少し声が届くまで時間が掛かるのか、少し会話がズレるな)
「あら、ラム、少し雰囲気が変わりましたね」
「えへへ、綺麗になった?」
「ええ、ええ、とっても綺麗よ」
「城の皆は、元気かしら?」
「うん、とっても元気だよ」
「お友達は、一緒に来てるのでしょう?」
「うん.....ジョー君こっちだよ」
「初めてまして、ジョー・タカオカです」
「お嬢様には、行く宛の無かった僕に居場所を与えて頂き、本当に感謝しております」
「あら、とっても礼儀の正しい方なのね」
「失礼ですけど、お歳は?」
「この世界にきて、年齢が変わってしまったのですが、18歳です」
「あら、そうなの、お爺様の意志を継ぎし者なんて聞いてましたから、もっと性格がキツくて、ゴッツイ感じかと.....」
「ジョー君は、ゴッツく無いです、可愛くって優しいんです」プンプン
「コホン....ジョーさん、これからもラムを宜しくお願いしますね」
「はい」
(ふーーーっ緊張したよ)
「お母さん、所でお父さんは?」
「えっああ、お父さんね今は手が離せないって........ング」
「え?何でそんな嘘つくの?」
「あら、やだ嘘なんてついてないわ.........ング」
「だって、嘘ついた時の癖でてるよ?」
「あらあら、では御機嫌ようまた、連絡するわね.......ング」
プツン・・・・・
「おい、おい、コレって不味いんじゃないのか?」
「ジョー君、変だよね、コレって変だよね」
(ラムが、今にも泣き出しそうだ)
「ここからだと、王都ザグロスまでどの位掛かるんだ?」
早馬を使って、更に王家の継場を更に使えば、4日程かな?
「何故だろう?とても嫌な感じがするんだ」
「私も.....」
「今から、城に戻って旅支度だ!」
「はい!」
俺とラムが慌てて出て行こうとした時、ヘルメスさんが止めてきた。
「少々待って下さい」
「何故?」
「ジョー殿は、一国の王女を他国へ連れ出そうとしておられる」
「誠、それは重罪ですぞ」
「なっ何だって」
冷静に考えて、当たり前か.......
「では、どの様にすれば、僕だけではラムの母親しか分からない.....」
「だめ!私の家族の事よ!私もジョー君と絶対離れないんだから」
(ん?ラムさんそこは、一緒に行くんだからでしょ?)
「・・・・・・・」
沈黙が少しあり
「仕方がないですな、我らはキビ殿と共にこのプエルト国を守りし神族の五人衆である」
「レオン陛下は、我らにとっても息子同然、共に心配する気持ちは同じなのだよ」
「更に、レオン陛下不在時に限るが、国が有事の際には爵位を持つ我ら五人衆の審議による議決は陛下に承認を得たものと同等である」
「よって、早急に本館2階のウェヌス嬢の元へ急いで下さい、我ら五人衆招集致します」
「了解しました」「はい」
俺達二人は、ウェヌスさんの所へ急いだ。
別館の一階に降り、出口に向かう時白いフードのヒーラー職の人に呼び止められた。
「あっあの〜〜」
「はい」
「先日は、お助け頂きありがとうございました」
「ん?ああ、ガバ男の事?」
「そうです、あっ私はディアって申します」
「僕は、」「ジョーさんですよね」
「はっはい」
「お連れの方が言ってらしたので.....今度あの痛み止めに使ってらした魔法を見せて頂ければと思いまして....」
「ああ、分かった。良いよ」
「嬉しい♡」
「すまないが、僕達少し急いでて又今度時間のある時に話をしよう」
「ええ、お待ちしています。あっ私のも呼び出されてたんだわ......事務所に行かなくちゃ.....では又失礼します」
「ああ、又今度」(少し天然系かな?)
「ぶ〜〜〜〜〜〜!」
「どうした?」
「ジョー君、綺麗な子に優し過ぎ!」プンプン
「え?」
「もう、知らない」
「ちょっちょっと、ラム......」
よく分からないが、ラムの後を追った。
[ コンコン ]
「どうぞ」
「失礼します」俺達はウェヌスさんの事務所に入った。
「遅かったな」
部屋の中を見渡すと既に五人衆は揃っていた。
読んで下さり、ありがとうございました。
次回も宜しくお願いします。




