タオ&ハクだね
宜しくお願いします。
ギルドをら後にして、俺達はあの門番オススメの食事屋『キョクフ』へと向かった。
ギルドでは少し時間が掛かってしまった為、晩御飯には丁度良い時間になっていたのだ。
あらためてキュラを見るとうっすらピンクがかった髪と白い肌に少し露出の高い濃紺のタイトな作りのロングワンピースが似合い過ぎで目のやり場に困ってしまう...
「ここだな」
「着いたのぉ〜」
「ああ、間違い無い」
店内に入ると、直ぐにスタッフが現れ席へと案内してくれた。
席に座り改めて見渡すと、壁は赤く天井も高く何より壁、テーブル、椅子等々にかなり凝った意匠が施されており美しく綺麗な店内だった。
「綺麗な食事屋さんだなぁ」
「そだねぇ」
オーダーした食事が運ばれて来たのだ。
肉料理は少なめに魚料理を中心に美味しく頂いてます。
「美味しいね♡」
「ああ、最高だ」
珍しい食事としては亀の甲羅や何だか白い幼虫が入ったトロミの有る料理を食べると口のまわりがギトギトになり.....店員さんに説明を求めると....超が付く程の精力増強料理だったらしい.....オーダーをする時に店員さんが、やけに勧めて来たのでオーダーしたのだ......去り際にニヤつきながらサムズアップを軽くしていた理由が分かったのだった.........あの野郎ぅ!
静かな雰囲気でも無く、賑やかで活気のある空間なので会話も弾むのだった。
「おう!朝に会った冒険者じゃねぇか!来たのか!」
「あれぇ?門番のおじさん?」
「おっおい、俺はおじさんじゃねぇ!けっけけけ結婚だってまだなんだ」
「良い店を紹介してくれて、ありがとう」
「いやぁ〜礼には...「此奴はここのオーナーに惚れてっからな!」
「ばっ!滅多な事いってんじゃねぇよ!」
「あらあら、リュウさんじゃないか何時もありがとう」
「うっ!キッカ.......」 大男が頬を赤らめ俯きモジモジして黙り込んでしまった.......シュール過ぎる....
「わははははははははは、コイツはキッカさんにだけは...「うっうるせぇ〜マジ潰すぞ!」
「わはははははははははははははははは」
リュウの仲間も集まって来た。
「おっ俺はリュウだ、朝以来だな、どうだ?この街は?」
「俺はジンそして隣に座っているのがキュラだ。改めてよろしく」
「宿も綺麗だし、この食事も美味いし最高だ」
「そりゃ良かった、宿は何処とったんだ?」
「ああ、近くのタイザンって所だが?」
「マジか!」
「おや、タイザンのお客さんだったら紹介状は渡されなかったのかい?」
「紹介状?」
「ああ、そうかこの店のオーナーとタイザンの女将は姉妹何だよ」
「へぇ〜」
「そうだったんだぁ、私、似てると思ったよぉ」
「そう言えば、雰囲気が似てるな」
「そうそう、でもなリュウがお熱なのは、ここのキッカさんだがな」
「だから、もう止めろって!」
「食事は、終わったのか?つうか、この料理食べたのかよ!」
「ああ、店員さんに勧められてな!」
「ぶわっははははははは、じゃあ今夜は子づく...[ バキン ]」
「こら、リュウ!ウチの店で下品な事言うんじゃ無いわよ」
「ねぇねぇ...こづくりってぇ?」
「キュラリンには、まだ早いの事なのですよ」
「ジン...何だか変な喋り方になってるぅ〜」
「俺達と飲まねぇか?」
「ん?良いのか?」
「当たり前よ!旅の話も聞きてぇし」
「キュラリンは?」
「みんなでお酒飲むぅ〜」
「よっしゃ!キッカ良いよな!」
「まぁしょうがないね、ならあっちの席を使いな」
三方を壁で囲まれた場所を勧められた。
リュウは仲間を二人連れて五人でテーブルについたのだ。
「五人じゃデカすぎないか?」
「ああ、この場所なら目立たねぇから、後でキッカも来るんだろ」
そうして、軽めの料理を追加してここの名産と言われる地酒が並んだ。
「ジン、お前達は何処から来たんだ?」
「カンテラからだが」
「結構な距離があると思うんだが、お前ら歩いてたよな」
「ああ、歩きながらここへ来たぞ」
「マジか!結構凶暴な獣共が途中の森にいる筈なんだが...」
「たまたま、出てこなかったんだろ」
「まっそうゆう事にしておくか」
「俺の連れだが、コイツはタイガまぁ俺と同じで一人もんだ。コイツはメイまぁなんだこう見えて格闘センスは抜群だ!気を付けろよ....」
「はぁ?」 メイがリュウを睨みつけていた。
「俺はジンそして隣に居るのがキュラだよろしく」
「何か困った事があったら言ってね」
「うん、ありがとメイさん」
「あら、やっぱりこの娘可愛いわ♡」
メイさんがキュラの頬に自分の頬を寄せてスリスリしだした....美女二人がイチャイチャした事で、一方しか空いていないのだが、周りの客の視線が更に強く感じる様になったのだった。
「おい、メイいい加減にしとけよ!キュラさんが嫌がってんじゃねぇか」
「え〜なってないよねぇ〜〜」
「う〜うん....でもぉお酒が飲み辛い.....」
「だはははははははは、嬢ちゃん気に入ったぜ!」
(キュラさんから嬢ちゃんへの切り替え早っ!)
話の内容は主にチェンジュの街までの道中に起きた事を話したり、チェンジュの名産だとか観光スポット、そして行けばお互いが結ばれると言われている場所の話だった。
「あらあら、もう出来上がってるじゃない」
「あ〜キッカさんだぁ〜」 メイはかなり酔っていた。
「うふふふ、メイさんお酒は程々にしないとっね♡」
「だってぇ〜この二人アツアツなんだも〜ん。でもでもキッカさん本当にキレイですよねぇ〜〜〜」メイはキッカにもたれかかった。
「おい、メイ!しっかりしろ」
「ふわぁ〜い」
「それで?ジンさん明日はどうされるのですか?」
「少し滞在しますのでギルドの依頼を見て、チェンジュの観光もしたいですね」
「では、またいらして下さいね♡」
「おう!俺は来るぞ!」
「おい、リュウお前に聞いてねぇ〜よ」
「あははははははははははははは」
(明るい人達だなぁ〜)
「キュラリンはこの街どうだ?」
「 ん?ジンが側に居るなら何処でも良いよ」
「いや、そうじゃ無くてだなぁ〜」
「お前らソロソロか?あの料理も食べてたしな!」
(また、この流れかよ.....)
その後俺は弄られるのだった.....
店を出る時にリュウ達が、北西の山にだけは近付くなよ!とだけ忠告されたのだった。
宿屋に帰り、自室にある露天風呂に入り久しぶりの柔らかな布団で寝たのである。
チュン、チュン、チチチチチチ、チュン、チュン
目覚めると、キュラの姿は無く俺はソファにもたれかかった。おっ!俺の服や装備が並べられ綺麗に畳まれていた。
風呂場から水の音がしていたので朝風呂でも入っているのかと思っていたら、俺とキュラが昨日まで着ていた服を洗濯してくれていた様だった。
髪を纏めてくくり上げ、シャツの腕を捲り、短パン姿の彼女は、朝から眩しかった。
「洗濯してくれたのか?」
「うん、だいぶ汚れちゃってたからね♡」
「ありがとう」
「エヘッ ジンのだもん いいよ♡」
キュラはセンちゃんとお揃いの服をとても大事にしているので洗濯して乾燥後とても大事そうに仕舞う姿は何だか心にグッとくるものがあった....
(又その内逢いに行こうな....)
俺も顔を洗って、朝食を取ってから装備を整えてキュラとギルドへ向かった。
[ カララン ]
受付には昨日と別の女性がいた為。要件を説明するとニコリと笑顔を見せて奥に下がっていった。
俺とキュラは丸テーブルの所でお茶を飲んで待つ事にした。
「まだかな?」
時間が掛かっているので、依頼ボードを眺める事にいた。
「あっ!」
「どうした、キュラリン?」
「ジン.....ほら、コレ!」
「ん?」
依頼内容を見ると.....
冒険者マスク&マスク・ド・レディの調査依頼で、特徴は銀髪の男女そうして簡単なマスクのスケッチだけだった........依頼主はベッルーノと書かれていた。
「ベッルーノ?誰だ?」(マスクのスケッチ下手っ!)
奥の部屋から白銀の鎧を着込んだ見るからに上級兵士達がゾロゾロと10人程出て来て脇目も振らずギルドから出ていった。
「何だか、物々しいな」
「ジン様、キュラ様、お待たせ致しました。どうぞこちらへ」
「はぁ〜い」
ギルドマスターの居る部屋に通されたのだ。
中に入ると、既にレッカさん....では無くキッカさんがソワソワと動揺しながら立っていたのだった。
「今日は、ファンさん」
「良く来てくれました、どうぞ掛けて下さい」
「えっとぉ、レッカさんは?」
「実は.....」
ギルマスは神妙な面持ちで話し始めたのだ。
レッカさんは人の本質を見抜く事に長けた人と言うのは有名な話であり、貴族同士の縁組の相談まで受ける事も有るのだそうだ。 そのレッカさんが見立てを行った二人がめでたく結婚をする事になったのだ。
その相手とはチェンジュの領主の娘とネプモ国の貴族との事だった。そして結婚式は3ヶ月後に行う予定であり、領主の娘を来月ネプモ国の使者達が迎えに来る所までは決まっていたのだそうだ。
その迎えに来るメンバーが問題で実はお忍びで結婚相手の貴族も来ると領主の娘から伝えられたのだ。慌てたレッカはチェンジュでの晩餐に出す料理を何にするか悩んでいた所に、たまたまジンが現れたのだ。最高品質のイト魚を捕獲したのは商人の中では有名になりつつある話であり、海で獲れる大型イト魚の捕獲を依頼しようとしていたのだった。
「ここまでは、レッカさんの依頼です」
「では、ここからは私が...」
「ん?ここから?その先があるの?」
「ええ、貴方達の様なFランク冒険者に依頼を出す案件では無いと十分理解はしているのですが、姉が自分に何かあったらジン様キュラ様に伝える事!っと手紙に書かれていたので...お伝えだけします」
「俺達にですか?それにレッカさんに何かあったのですか?」
「ええ、その通りです」
「どの様な内容なのですか?一応聞かせて頂いても?」
「聞いて頂けるのですか?」
「まぁ聞くだけなら....」
「そうでよね....」
キッカは大きなため息を吐いてから...
「では.....正直にお話し致しますと.....姉のレッカは攫われたのです」
「はいっ?」(そんな、アッサリと....)
「本当なのぉ?」
「ええ、間違い御座いません」
「そして、この手紙の内容ですが....」
今回の領主の娘であるミワと貴族の息子との縁談だが、反対する者が少なからず居るとの事であり、その異を唱える者たちの中に強硬派の者達が多く、何をしでかすか分からないとの事だった。
事実レッカは攫われ行方知れずとなっている。
「此処からは、お私の依頼です」
「姉、レッカを助けて欲しいの」
「う〜ん、今の話だけじゃあ情報不足だよな....」
「疑問なんだが、何故レッカさんだったのだろう?」
「今回の縁談を纏めたのがレッカだと言う噂が広がっていたのでそれでは無いかと.....」
「レッカさんは縁談の相談を受けただけなんだろ?」
(何だか腹が立ってきたぞ)
「そして相手は貴族の可能性も有るんだよな」
「はい、そうなります」
「俺達にテロリストになれと?」
「依頼完了後に、もしも貴方達にテロリスト等と疑いが掛かる様ならば私が首謀者として名乗り出ます」
「そんな簡単に、肩代わりなんて出来るのですか?」
「私達の国では、死して償うという伝統が有ります。もしも貴方達に嫌疑をかけられるのであれば遺書を残して....「はい、ストーップ!」
「キッカさんが死んだら意味が無いでしょ!」
「ですが....」
「全く.....キュラとの平穏な生活が.....」
「ねぇジン....愛する二人の幸せを反対する人達がいるの? そしてあの宿屋のお姉さんが攫われたんでしょ? 私その以来受けたい!ねぇ..ダメ?」(上目遣いで見ないでお願い...)
「いやいや、キュラリンそうは言ってもな....俺だけだったらどうとでもなるのだが....キュラリ...「エヘヘッ ジンなら大丈夫だよぉ.....ねっ♡」
「受けたいとは思いますが、俺達にとっても貴女にとってもリスキー過ぎです。お断りします」
「はぁ〜....ダメですか...」
「申し訳無いですが...俺にも守るべき人がいるので」
「もうっ!ジンってば....何で?何で?何でぇ〜」
ポカポカと俺はキュラに叩かれたが、考えを曲げないでいると....
「分かりました。無理なお願いを...忘れて下さい...」
キッカは目に涙を溜めながらではあったが、毅然とした態度で話を締めくくったのだ。
「では、失礼します」
「あっそうだ...イト魚の依頼は何とかしてみます」
「ああ、頼んだよ」 ギルマスは弱々しく微笑んだのだった。
ギルドを後にした俺とキュラ。
キュラはご機嫌斜めなのか、プゥっと頬っぺたを膨らませているのだ....
「どうしたんだ?」
「ジン...レッカさん...助けてあげないの?」
「声が大きいぞ」
「えっ?」
「部屋に帰ってからな♡」
「あっ!」 キュラは途端にパァアっと明るくなったのだ。
ジンは帰る途中鉄鍋を2つ購入して宿屋に戻ったのだ。
「さてと...」
俺は鉄鍋を手に取り仮面に形を変えていくのだった。
その仮面には魔法の防御そして障壁魔法を付与した。さらにレッカ対策として、看破の魔眼は完全に遮断できないと考えた俺は屈折させる事にしたのだ。魔眼でこの仮面を見るとその見ている者を他者とすり替えるのだ。ジンの仮面を看破の魔眼で見るとリュウが見え、キュラの仮面を見るとメイがみえる様に調整したのだ。
(完璧かな?)
「ジン、説明して?」
「ああ、キュラリンあのな、あのまま依頼を受けて、もしも相手が貴族の場合下手すれば、俺達やキッカさんは不敬罪に問われて犯罪者になってしまう」
「そんなのヤダ」
「だろう、だから俺達は身分を隠してこっそり救出するんだよ」
「え〜...影のヒーローみたい!」
「何だか、カッコいいだろ?」
「うん、うん、影のヒーローやりたい!」
「よし、ならば仮面を被っている時は決めた名前でしか呼んだらダメだよ」
「うん、分かった」
後は架空の人物になりきる訳だが、呼び合う名前だよね。
仮面を見ながらキュラと考えた....
暫く考えた末に...
「私はタオ、ジンはハクでどぉ?」
「髪の色か?」
「エヘへ、そだよ」
「いいよ、それ!仮面をつけた時は、キュラはタオ、俺はハクで決まりだ!」
(何だかんだで俺もノリノリだな......)
読んで下さり、ありがとうございました。
次回も宜しくお願いします。




