能書きはいらんさぱっと書けい~読まれやすい小説を書くためには~
まず本題を要項にして出します。長々とした能書きはいらないので。
理由などの説明は後でします。
■本題■
「基本」
・まず評価されるのはタイトル、あらすじ、三話までなのでそこを一番気合い入れて読みやすく書くこと。
・一話の文字数は5000字前後、3000字~7000字くらいまで。
・あらすじは250字くらいで誰がいつの時代のどこで何をする話なのかをきっちり説明すること。「何を成すのか」では説明不足。
・全編で100話以上は多い、ちょっと引く。なので80話くらいまでで一度完結させ、続きが書きたければ続編として新たに書く。
「文体」
・わかりやすく読みやすい文体がいいです。凝ったのは読んでて疲れます。漢字も少なめがいいでしょう。
・台本形式は論外です。あと気になる人は気になるらしいので字下げなどの文法をきっちりやった上であえてweb上で読みやすいようにセリフと地の文の間は1行空けましょう。
「情報開示の方法」
・作中の独自用語、専門用語はじわじわと出していくこと。1話の時点で出して良い独自用語は3つくらいまでが望ましいです。いきなりワッと専門用語出されると頭に入ってこない。
・前置きパート、つまり日常描写やキャラ紹介など本題ではないものはいりません、省略していきなり本編に入りましょう。かったるいので。
・どうしても日常描写などが必要な場合はプロローグとして話の本題であるバトルなり冒険なりクライマックスシーンなりを入れましょう。
・でもどうしてもある程度の説明が必要…!という場合には3~5行以内で回想とかで端的に説明しましょう。わかりやすく。
■ここから先はお好みで■
ここから先の要素は一概に良いとは言えず、ケースバイケースであったり、論議が絶えない所なので合わないな、と思ったら無理に取り入れることはありません。
つまりお好みで。
・地の文とセリフはバランス良く。
だいたい地の文:セリフは3:2くらいがいいみたい具体的には3行地の文があればそこに1行はセリフを入れると良い。
できれば2,3個くらいかけ合いがあると良い。
そのセリフは上の3行を解りやすく端的に説明していると尚良い
セリフも長々とせず、一セリフ3行以内で済ますこと。
・異世界チートハーレムをテンプレでやる
私もあまり書きたいとは思いませんが、流行りは仕方ありません。
そしてチート、ハーレム、テンプレ、は意外と馬鹿にしたものでもないのです。
かみ砕いていえば「強い奴が活躍する英雄譚」「かわいい女の子がいっぱい出てくる」これは読んでて心地よい要素なのです。
別に昨日今日流行ったものじゃないです。神話から時代小説からしてだいたいそんなもんです。
テンプレとはいいますが、要は王道であり型です。型とは必要性と利便性から出てきた機能美の塊です。
どうやってもある程度は型ができます。収斂進化みたいなものです。
なので一概に馬鹿にせず分析して取り入れられる所は取り入れましょう。
いわゆる守・破・離です。型を守るところから始まり、型を破り、そして型から離れて己が新しい型となるのです。
じゃあどんなのが型なのかって?申し訳ない、それを分析できていれば自分でやっています……
能書き書いてしまった……大変申し訳ないです。
■能書きあるいは説明■
ここから先は能書きを解禁していきます。上の本題で納得できなかったり、詳しい説明が必要だな……と思った方はどうぞ。
・まずなぜこのような形式にしたか
エッセイを読んでて感じたのですが、どれも能書きが長すぎて本題の内容が一行でまとめられるようなものばっかりだったからです。
般若心経じゃないんだからさ……(般若心経は内容の9割が「このお経がいかにありがたいか」です。その肝心の内容は1行だけなのです)
私は内容が読みたかったのでこうしました。
・なぜこんなもんを書いたのか
いろいろな方の作品を読むのですが、上の「本題」だけでも守ってれば倍はptつくだろうに……と惜しくなるものがかなりあったからです。
上のものは世界観とか内容とかにあまり関係なく、単に読みやすいレギュレーションってだけです。
なので同じ内容ならこうした方が読みやすいし伸びるよ……と言いたかったのですが、そんなこと言えるわけがない……!
というわけでこういうことになりました。
・「基本」について
まず目に入るのがそこで、続きを読もうか判断されるのもそこだからです。
拙作にも言えることですが、終盤や最新話でいかに盛り上げようとも、「3話まで読んでまだプロローグかよ……」となったら飽きて投げます。
まして100話以上もあったら「面白いって言うけどその面白い所までどんだけかかんのよ?」とギブアップする人がほとんどでしょう。
なのでまずタイトルで「おっ、これは面白そうだな」と手にとってもらい、あらすじで「これは読む価値あるな……」と本文を読ませるだけの魅力を提示し、3話までで「これは面白い!続きを読もう」と思って貰わなければならないのです。
1話の文字数も同じような理由です。1話でまず読者の心をつかまねばなりません。そこで長々としていれば読者側としては疲れてきます。
・「文体」について
もちろん、文体に個性や独自色は必要でしょう。ですが、個性を主張するにはまず読みやすいものでなければ受け入れられにくいでしょう。
ええ、SFや推理系などは結構細密に描写しますね。ですがそれはプロの技量だから美しく読みやすい文になっているんです……!
うかつに真似しても「なんかごちゃごちゃしてるな……」とか「ポエミーすぎて何言ってるのかわかんねえ」ってなります。
なのである程度はわかりやすくしましょう。
ですが、かといって台本形式やまるで文法がぐちゃぐちゃでもいけません。気になる人はめっちゃ気にします。
そしてセリフと地の文を1行あけるのは単にweb上だとその方が見やすいからです。ぎっちり書かれているとそれだけで目が滑ります。
・「情報開示の方法」について
独自用語についても同様です。ぎっちりしてると読みにくいんです。
あと、なんの説明もなく知らない単語が出てきたらわけがわかりませんし、かといっていちいち長々と説明されてもテンポが悪いです。
前置きパートがいらないというのは拙作でもそうですが、3話まででおもしろくなかったら切られるからです。
そしてなにかしがの事件が起こっていない日常を延々と見せられても困るわけです。
読者は本題である事件を見に来てるわけですから。
どら焼きとかタイ焼きで中身を食べたい人がいつまで食っても皮ばっかりだったら「口の中パッサパサだ!もういいよ!」と投げ捨てるでしょう。そういうことです。
■あとがき■
以上でこのエッセイはおしまいです。お疲れ様でした。
言いたいことは本文で全部言ったのでとくに言うことはありません。
ここまでお付合いいただきありがとうございました。
最後に一言、あるゲームのネタを。
折れない心を大切にな、そして、書き手は一人じゃない