70話 レベルアップはうれしいけど
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名前:コーデリア・フォレストニア
職業:神官 緋蒼流格闘術の門下生 料理人
戦闘職業:格闘神官
レベル:11
種族:ヒューマン
筋力:38
器用:42
敏捷:58
知力:32
魔力:28
生命力:68
精神力:88
運 :10
HP:2650/2650
MP:3480/3480
所有スキルポイント:1
戦闘スキル:白魔法(LV30) 魔力増加(LV18)
格闘(LV40)
PAスキル:リペア(LV1) 精密操作(LV8)
生活スキル:料理(LV36) 見極め(LV10)
クロススキル:独走する世界(3.2)
魔法:ヒール ミドルヒール エリアヒール リジェネーション
キュアポイズン キュアパラライズ リカバリーフィアー リカバリーボディ
ライトプロテクション ブレスオーラ
特殊:大地共鳴(a) 獅子心(p) 時縛り(p)
生活魔法:炎操 水操 乾燥 時操
闘技:痛覚耐性 闘気練精 金剛体 息吹 闘衣
鎧通し 千枚通し 衝波
所有PA:型:ハマル
称号:戦神の祝福 豊穣神の祝福 時神の祝福
幸せの料理人
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「うーん……」
レベル11になったことは素直に喜ばしい。
『でもここまでステータスが増えてると逆に不安というか、何かを疑うというか……』
だけどその喜びを凍りつかせるというか冷静にさせるほど、能力値やスキルの熟練レベルが劇的に上昇していて、かえって罠か何かを警戒してしまう。
正直なところ、これ実際にレベルいくつぐらいのステータス値なんだろ……
「まぁ、あ奴が説明をしていないから仕方がなかろうて。とりあえず貴様の能力が大幅に向上した要因の半分は貴様自身があ奴に課された【枷】を解放したことによる対価よ。
もう半分はあの腐れ……いや、モルフィスが何か言っていなかったか?」
……あ。そう言えば『代償として得たもの』とか言っていたっけ。
「そうじゃ、貴様がこの世界での命を一つとして刻んだ代償よ。
【一つの枷】と【一つの代償】
それらこそが、貴様自身が己を別人と感じさせるほどの成長をもたらしたものの正体よ。あとは枷が外れた事により、フレリアのフェイクも消えたであろうて。それをどう活かしていけるかは、貴様次第じゃろうて」
言われて見てみると、今まで【速度の加護】と書かれていたクロススキルが【独走する世界】という別の名前に変わっている。これがフェイクになっていという事かな?
『うーん、色々調べないといけないことが増えたみたいで頭が痛い……』
「本当に貴様は己の事に無頓着よの」
「あはは……よく言われます」
要さんからも『阿里沙はもっと自分を磨きなさい! せっかく良い原石なのに!』と言われてるし。どうも自分の事に対する認識が甘いと言うか……
「この世界に来てから今まで行ってきたものが全て形となった訳よ。貴様らが言うところのレベルを概念にした場合、同レベルの者達とは比べ物にならない冒険者になっているだろうて。
ま、命に制約をかけたのであれば当たり前の結果と思うがの、カカッ」
命に制約……死んだらおしまいとなるこの世界での命。ステータスの大幅上昇がそれの対価であるならば、素直に納得しておこうかな。
「それでは、暫くの間こちらに伺うことができませんが、色々とお世話になりました」
「構わぬさ、妾としても楽しむべき対象としてこれからも見ておるぞ」
楽しむ対象として……娯楽になってますね、これ。
『ならば餞別として、一つだけ妾の独り言じゃ。貴様が進む次の地には妾と同位の奴がおる。しかも妾やフレリアと違い道理が通じぬ大馬鹿ゆえ、決して油断せぬことじゃ。
そして己の道を見誤るではないぞ、クカカカ……』
そう言葉を残し、ディメール様は消えていく。
『ディメール様と同位……神様ってことだよね!?』
また大変なことに巻き込まれなければ良いけど。
あと気になったのは『道を見誤るな』かなぁ……どういう意味なんだろ。
とにかくまた難題がありそうな気がするけど、とにかく進んでいくしかない。もちろんディメール様の忠告には最大限気を配るけど。
さて、そろそろ時間だからログアウトしてから現状で調べることをまとめておかないと。
闘技にスキルに……うぅ、地味にやることが多いかも。
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「なるべく必要な情報だけでも見ておきたいな」
ゲームの中でも一行ぐらいのテキストでスキルや闘技について説明はあったけど、もう少し詳細な説明が欲しかったから、PAWの中に設置された掲示板や有志がまとめているサイトなどヒットするものを書き出していく。
だけど
『やっぱり【特殊】とされたものについては無いか……』
一番知りたい、祝福を得たことに関連して覚えたであろう特殊スキルについては新しい発見はなかった。
『結局、特殊スキルについてはステータスに書かれていたテキストだけね』
書き出したテキストを見ながら軽くため息をつく。
【獅子心】
戦う意思を持ち続ける限り、使用者の攻撃力を向上させ続ける。パッシブスキル。
【時縛り】
ゲーム内に制約【有限な命】をしたことによる能力値の向上。完全な死亡状態になった場合には蘇生不可。パッシブスキル。
この二つについてはディメール様に聞いていた内容でわかっていたから良いけど、問題は
【独走する世界】
全てを超えろ。アクティブスキル。
※スキル使用に条件あり
「いやこれ説明になってないよね!?」
というか条件明記してよ! これじゃあ試しに使うことすら出来ないじゃん。
……まぁ仕方ないか。
一方、格闘の熟練度が上がったことにより獲得した闘技や生活スキルについては、既に使っている人がいるからか詳細まで書いてあって非常に有り難い。
【乾燥】【時操】については【炎操】【水操】の違うバージョンであり、基本的には対象を乾燥や発酵させる際の時間を短縮させることが目的だけど、魔力を高く使うことで攻撃時にも効果の一つとしてできるみたい。
闘技の【闘衣】は全身を闘気と魔力で作り出した鎧を纏うもので、単純に防御だけでなく手足に纏った状態で攻撃すれば威力の上乗せ出来ることから、戦闘時に常時纏った状態を目指すといいとの事。
【千枚通し】は【鎧通し】の強力版。元はマチュアさんに教えてもらったものだったけど、そこから派生した上位攻撃にあたるもので、対象内部に浸透した力を暴走・暴発させる非常に危ない攻撃に。
【衝波】は触れなくてもダメージを与えられる攻撃で、ニメートルぐらい先まで届く剄を放つ技。相手は攻撃を受けることで衝撃波を受けたような状態になり、抵抗値が低いと強制ダウン状態にできる優れ技。
「この辺りはマチュアさんに実戦での使い方をレクチャー受けておいた方がいいかな」
下手に使って自分がダメージを受ける情けない未来が見えるからね……
『あとは……』
明日ログインしてから皆に色々話さないと。
今までは要さんが話していたことを忠実に守って、他の人とは色々違ったことを誰にも話してこなかったけど、現状では要さんや那緒に頼ることもできないし、頼ってばかりもいられない。
「この世界で生きている間は後悔しないようにしたいから、レベルも11になって新しい一歩を進むなら自分で考えていかないとね」
手にした携帯端末を見ながら、わたしはそう誓うのだった。
いつも読んで頂きありがとうございます!
すっかりアクセスも元に戻りました。
ブックマークの減少も落ち着き、とりあえず再びたくさん読んで頂けるように頑張っていきたいと考えます。
そしてココ崇実いま書いているところに納得がいかなかったところがあり、もんもんとしていましたが、ザクッと削除しました(°∀°)アヒャ
さぁ、また書き直すさね!
ブックマーク本当にありがとうございます!
前日より減るとショボンとしていましたが、負けないように頑張って書きます。
引き続きよろしくお願い致します m(_ _)m




