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69話 スタートライン


「今日もまた素晴らしい料理だね」

「はぁ、これが食べられなくなるとはな……俺もアルブラに行きたくなる」

「ハバスさんはまだ良いですよ、僕なんか物理的な距離で行くこと自体無理なんですから」


 あと数日でこの神殿を去ることから、皆で食べる夕食もあと何回か。シーレフに残るダレスさんとハバスさん、城塞都市ベルツに行くトーレさんとは暫く会えなくなることから余計に残念がってくれている。


「私達は当面の間いっしょだけど、それでもやっばりリアの料理が食べられるのは嬉しいわ」

「まったくだ。三人には悪いが役得ということで」

 マチュアさんとロイズさんはいっしょに行くこともあり、なんだか余裕な感じです。



「いつもこんな感じなんですか?」

「一度旨いもの味わうと戻り辛くなるからねぇ」

「俺だって明日から食べられなくなると思ったら、同様に残念がる自信はあるぞ」


 不思議そうに回りを見るロキシーさんと、ウチでの食事が定例になった二人のやりとりもなんだか面白いな。


 このメンバーで食べる食事はこれが本当に最後じゃない訳だし、色々なことが終わってからまた皆で食べれるようにわたしも出来ることを頑張ろう!



「では、今日の前菜から〜」


【生ハムと三種のテリーヌ】

 以前作っておいた生ハムと、鶏肉・サーモン・野菜のテリーヌ。

 鶏肉はミンチにし、塩コショウに卵黄を入れてから、湯通ししたニンジンを挟んでからオーブンへ。


 サーモンは塩コショウとお酒を少量かけてから、コンソメを溶かしてゼラチンを入れたものの中に並べてキャベツとサンドしながら固めたもの。野菜はブロッコリーとオクラを湯通ししたものをサーモンと同じようにコンソメ入りゼリーで固めたもの。


 三種のテリーヌはやや薄口に仕上げ。味のアクセントが欲しい人は生ハムで調整して下さい。



【魔物魚の塩窯焼き】

 バトルフィッシュという人食い魔物魚を捌いたものの中に香草を詰め、すっぽりと塩で覆うように固めてからオーブンで焼いたものです。

 見た目のギャップと味をギュっと詰め込んだ味のアンバランスを楽しんで下さい。



【ブラッドボアの地獄(唐辛子)焼き】

 ベリルさんから教わったディアボロ風を魔物肉でアレンジ。前の料理をやや淡白な仕上がりにしておき、ここで旨味の詰まった猪系魔物の肉を唐辛子とニンニクを使った特製ダレの辛旨で味の緩急を付けました。



【ブルオーク肉の石焼ステーキ、大佐軍鶏の竜田揚げを添えて】

 メインディッシュです。

 レア系のブルオーク肉を半レアの状態で。高熱で焼いた石でお好みの加減に調節して下さい。ソースはあっさりなものとスパイシーなもの二種類用意したのでお好きな方で。

 大佐軍鶏の竜田揚げは卵を取りに行った際にエンカウントしてしまったので仕留めたところ激レアだと教えてもらったので、少量ですが皆さんと食べれたらいいなぁと思って急遽追加しました。



【中佐軍鶏の卵を使ったプリン】

 最後にデザートは中佐軍鶏の卵を贅沢に使ったプリンです。牛乳とお砂糖、卵黄で作ってあります。ソースはカラメルソースとメイプルシロップを使ったソースがありますので、こちらもお好みでどうぞ。


 ・

 ・

 ・

『ん? なんか静かな…… 』

 あれっ、なんだか前にも似たようなシチュエーションが?


 そんな静寂を破ったのはやっぱりマチュアさん。両手でわたしの手を握ると


「リア、結婚しましょう!」

「いやいや、色々おかしいですから」


「大丈夫、旦那はオプションみたいなものだし、性別の壁なんて越えてみせるわ!」

 あの……旦那(ロイズ)さんがすごく悲しそうな目をしていますよ!?


「とまぁ、冗談はさておき」

「はっはっはっ、リアも騙されるとは私達の演技も捨てたものじゃないな」

 くっ……この夫婦は!


「とにかくいただこうか、せっかくのご馳走が冷めないうちにな」

「そうですね、次いつ食べられるかわからないようなご馳走ですから、しっかり味わっていただきましょう」

「ああ、しっかりと食い溜めをしておかんとな」


 そんな感じでサラッとダレスさんの号令の元、大送別会という名の夕食会か始まるのだった。


 ・

 ・

 ・


「なるほど、それで挨拶に来たのかぇ?」

「はい、近日中にはここを出る予定なので」


 大送別会が終了後、わたしは一人ディメール様の祭壇に挨拶をしに来ていた。


「確かに妾の祭壇はここにあるが、地が続く限りは妾の領域よ。これからも貴様が選んだ辛苦の道、その歩く様を見てやろうて。カカッ」

 なるほど、さすが神様です。というか、わたしがしんどそうなのを喜んで見ているって……


「神というのもなかなかに暇でのぅ、貴様の進む先がどのようになるのかは最高の娯楽よ」

「ま、まぁ加護もいただいてますのでそれぐらいは……」

 楽しんでもらえてるなら……う、うーん。



「さて、貴様が行く街だが何か知ってるかぇ?」

「水上都市とは伺っていますが……」

「ふむふむ、では色々とこの街とは異なる特色に悩むことであろうなぁ、カカッ」

 えぇ、既に悩むこと前提ですか!?


「属している国こそ王国なれど、その文化レベルは帝国に匹敵するレベルぞ」

「なるほど、シーレフとも異なる街なんですね」


「故に、……いや、それ以上は止めておこう。せっかくの楽しみが減るのはつまらぬからのぅ」

「いやいや、そこは今までの繋がりで何卒教えていただけませんか」

 わたしの必死なお願いにディメール様は軽く悩んだ末に、


「ふむ……では一つだけ。妾がちょっとだけ手を貸したPAを乗りこなせるようになることじゃ。さもなくば大事なものを失いかねんぞ」

「PAですか……」


 それはそれで問題だけど、気になるのは『大事なものを失いかねない』ということ。

 何を指すのかがわからないけど、とりあえずそうならない為にもPAの操作を身に付けられるレベルにならないと。


「何を言っておる、貴様はすでにフレリアの課した枷から解かれ、自由に歩く術を持っておるではないか」

「えっ?」


 ディメール様に言われてステータスを確認すると、確かにレベルが11に上がっていて、待望のスキルポイントを獲得していた。



「これで……やっと覚えることができる!」

 待ちに待ったレベル11。とにかく次へ進む一歩がようやく手に入れることが出来た。





いつも読んで頂きありがとうございますm(_ _)m



最近、話の展開の仕方に悩み中。

自分が読み手になったらを想定していつも書いているのですが、最近なかなかそちらから考えることができません。


わかりやすく書こうとすると、説明が多くなりすぎて本文がぼやけるし、簡素化して書くと『書き手だからわかっているのでは』と思ったり。


この辺りのバランスは他の書き手さんを見習いながら、わかりやすい文章にしていきたいものです。



では、いつものですが。

最近ブックマークが減ることをポツポツ見ては軽く凹むこともありますが、その翌日にドドッと増えていることもあり、まだまだ努力が足りないと思います。


新規で読んで頂いた皆様方。

まだまだまだまだ未熟ではありますが、継続して読んで頂ければ幸いです。


継続して読んで頂いた皆様方。

相変わらずの誤字脱字もありますが、なんとか頑張っております。引き続き楽しめるよう、がんばります。



ちょっとした時間がありましたら、ブックマークや評価など、お手隙な際にお願いできればと……

是非、よろしくお願い致します ┏〇))






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