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58話 それぞれの舞台

長くなってしまった……


 チャポン……



 夜。

 夕食会も無事終わり、ルナさんとニーナも帰った後、お風呂に入りながらステータス画面を見つつ、色々と考え事をしていた。


「三つ目の【称号】と【職業(ジョブ)】って、なんだか不思議と言うか、おかしいと言うか……」


 前にルナさんが


『称号は人それぞれとはいえ、レベル30までに一個取れれば御の字』


 なんて話していたけど、レベル10にすらまだ未到達なんだよね。あと職業(ジョブ)についても二人から『通常はレベル20になってから~』と聞いていたし。


 とは言っても、強くなるとかいう系列の内容ではないから、あまり深く考えなくても良いような気がしないでもない。



《【職業ジョブ:料理人】を獲得しました》


《称号【幸せの料理人】を入手しました》


《【職業ジョブ:料理人】と【称号:幸せの料理人】のクロス効果で【活性】のスキルを入手しました》


【活性】

 作成した料理に必ずバフが付与される。内容によってはバッドステータス化させることも可能。



「……バッドステータスって、おなか壊すような料理は作りたくないんですが」


 でもこのスキルは使えるよね、これから依頼(クエスト)で魔物と戦いに行くって時に事前にHPを増やす効果のある食事とか作れたら皆戦いやすくなるだろうし。


『ま、もう暫くの間は魔物退治とかで経験値貯めてレベル11をにするのが先決かな?』



 とりあえずベリルさんとの夕食会は無事に終わったから、現時点で最優先ですることは無いし、残っている課題的なものは


「PAだよね……」

 これもレベル11からでいいよね、どうせ操作系のスキルとか取得できないし。


 そう言えばハルがこっちに来た理由の一つにPAの対戦もあったけど、この辺りに対戦相手いるのかな?

 身近だとロイズさんかな。ニーナもかなり操作が上手だとルナさんから聞いたけど、明日には王都に向かうから対戦できないだろうし。


 わたしが練習相手になれる頃には、この辺りにはいないだろうから、ほぼ対戦は無理だろうし。そうやって考えると、なんだかそれはそれで寂しくなるのかな……


「って、なんでわたしがしんみりな感じさせてるのかな、もうっ!」

 ま、今日色々あったから疲れてそんな気持ちにもなったりしているとは思うけど、自分でもちょっと意外かも。


「今日は素直にログアウトして、また明日考えましょう、そうしましょう」



―――◇―――◇―――



「さて、呼び出された理由でも聞かせてもらおうか、お二人さん」

 リアの夕食会、刺さるような視線が気になった俺が向いた先、そこからアイコンタクトでデートのお誘いが。


「ごめんなさいね、ちょっとお話ししたかったの、ハルさん。ニーナ、あなたからから見て彼はどう?」

「確かに強いけど、獣人にしては珍しく殺気抑えているから調子狂うかも」


「おいおい、獣人が日頃から殺気出しまくりの奴ばかりだとは……うーん、確かに多いかもしれんが」

 否定しようと思ったけど、思い出してみたら殺気出しまくりな奴らの方が多かったわ。


「まぁそれは良いとして、どうやら俺の事を知っていてちょっかいをかけてきたみたいだが?」


「だって、ダズルの銀弾(シルバーブレッド)がこんな所にいるなんて知ったら声だってかけたくなるんじゃない?」


「へぇ、本当に俺の事を知ってるなんて、さすが黒百合か。で、一緒にいるって事はそっちがワルツの風刃シュツルムデーゲンか。初期村なんかで王国の有名人に会えるとはツイてるのは間違いないが、何のようかな?」


「友達の回りに危なそうな奴がいたら気になるものでしょ」

「はっ、違いない」

 普段から二対一なんて腐るほどやってるから気後れなんかはしないが、初見であり片方がレベル49の化け物魔法使いだと……


「ほら、やっぱりヤル気になってる。だからここにリアを置いていくのは反対なんだよ」

「ん? 何を気にしているんだ?」

「脳筋の戦闘狂バトルジャンキーがリアの近くにいるのが心配なわけ、わかる?」

「なるほど、言ってくれるじゃねぇか。でも俺にはアンタも似たタイプのように思えたが……」


『まったく、旨かった夕食のあとに対戦(デザート)が出てくるなんて最高じゃねぇか』

 見えない圧迫感(プレッシャー)が否応なしに俺の中を熱くし始める。だが、



カツン!



 ルナが手にした杖、その先を路面に強く打ちつけると甲高い音が響き、それと同時に高まっていた緊張感が霧散する。


「あー、とりあえずお互いに挑発しあわないでくれる? できれば私がキレる前に止めてくれると嬉しいな」


『笑顔でレイドボス並みの威圧かよ』

 始まりそうな喧嘩の空気を、高レベル者がもつ強い威圧で打ち消しやがるとか……いやぁ、世の中には化物が多くて堪らねぇな。


「話続けていいかな?」

「どうぞどうぞ」


「私とこの子は明日の朝には王都に向かうわ。あなたはまだ暫くの間はここにいる、でいいのかしら?」

「そうだな、いつまでとは言わないがそのつもりだ」


「だったら悪いけどお願いがあるの、リアの事を可能なレベルで良いから見守って欲しいの。場合によっては物理的に守る事になるかもだけど」

「理由は……まぁ聞いても教えてくれないだろうな」

 言える理由があるなら先に言っているだろうし。


「そうね、時が来ればリアから話してくれるわ。もっとも本人に危険意識がないから、普通の会話の中で言われかねないけど」

「おいおい、それって大丈夫かよ!?」


「とりあえず、表現はおかしいけど保護者的な目線でリアを見てればいいってこと」

「保護者的って……基本放置で何かしらありそうな時に気をつけるって考えでいいのか」

「そう、そんな感じでいいと思うわ」


「あと俺だっていつもいる訳じゃないから、その時に居なくても文句言うなよ?」

「それは勿論。こちらとしても保険をかけておきたい、そんなレベルよ」


「そこまでの事なら、一緒に王都に連れていくべきじゃないのか?」

「今のリアが受け入れると思う?」


 神官見習いとして、またマチュアさんとの楽しくも厳しい関係がある毎日。今の状況は彼女にとって楽しい時間か……


「あなたもそれでいいわね?」

「……はい」

 何か言いたげな表情をしているが、レベルだけじゃなく現実でも力関係ありか。


「なあ、ニーナって言ったか」

「なに」

「この場で納得しきるのは無理だが気休め程度に俺と一当てしないか?」

 俺の問いかけに沈黙しているが、この感じは……


「はぁ、これだから戦闘狂バトルジャンキー同士は力試し(なぐりあい)しないと納得しきれないから困るのよね」

 ルナは諦めの表情を。そしてニーナは既に得物を抜いている。



《次元遮断》



「あんた達レベルの対戦なんて維持できないから、十分以内で終わらせる事。これは命令よ」


 ルナが使ったのは対戦用にも使われる、特定の範囲を世界と隔離する魔法。この舞台(フィールド)は規定の時間が過ぎると、始まる前まで戻る仕様から好まれるものの、術者の力によって舞台(フィールド)の耐久値が激変するので使い手を選ぶが……


「十分あれば」

「問題無いし!」



 ガッ!



 隔離された世界で、二人の戦いが始まった。




いつも読んで頂いたありがとうございますm(_ _)m


なんとなーく、寒さが落ち着いたかな? と思うことも増えてきましたが、今度は花粉症? なかなか落ち着かない季節が続きます。


さて、こちらの話もゲーム内日常パートもイベントを超え、ここからどのように話を流して行くかが悩みどころです。

書きたい話と読みたい話がいっしょにはならない所が、拙い書き手としてどうする? 何する? とウニウニしてしまいます。


まぁ結局のところ楽しいと思えるような話になればと考える次第なんですけどね。




はい。

アクセスと評価にポイントもコツコツとですが溜まり、ありがたや〜な毎日です(*´ー`*)


継続で読んで頂いている皆様、本当にありがとうございます。


目に止まって新規で読み始められた皆様、よろしければ継続も兼ねてブックマークはいかがですか? 今なら……書き手の感謝の念しか遅れませんが_| ̄|○



ツッコミや誤字脱字のコメントありがとうごさいます。自分の校正力の無さに倒れそうな所、支えて頂いております、本当にありがとうございます┏〇))





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